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退治
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たいじ
ふりがな文庫
“
退治
(
たいじ
)” の例文
町奉行所は格別、番屋で調べる時には岡っ引や手先ばかりでなく、八丁堀の旦那衆もみんなこの息で頭からポンポン
退治
(
たいじ
)
付けるんです。
半七雑感
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
山伏
(
やまぶし
)
の
姿
(
すがた
)
にやつしてはおいでになりますが、あなた
方
(
がた
)
はきっと
酒呑童子
(
しゅてんどうじ
)
を
退治
(
たいじ
)
するために、
京都
(
きょうと
)
からお
下
(
くだ
)
りになった
方々
(
かたがた
)
でしょう。
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ところへ
寒月
(
かんげつ
)
君が先日は失礼しましたと
這入
(
はい
)
って来る。「いや失敬。今大変な名文を拝聴してトチメンボーの亡魂を
退治
(
たいじ
)
られたところで」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
○「小声でやってくだせえ、
皆
(
みんな
)
は
虚
(
そら
)
っぺえ
話
(
ばなし
)
で面白くねえ、旦那が武者修行をした時の、
蟒蛇
(
うわばみ
)
を
退治
(
たいじ
)
たとか何とかいう
剛
(
きつ
)
いのを聞きたいね」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
村の人たちは
寄
(
よ
)
り合いをやって
相談
(
そうだん
)
をした。そして
結局
(
けっきょく
)
、村の人の中で、寺の鬼どもを
退治
(
たいじ
)
したものを寺の住職にしようということになった。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
▼ もっと見る
「さきほど、
軍師
(
ぐんし
)
の
八風斎
(
はっぷうさい
)
どのが、列席のおりには、
秀吉
(
ひでよし
)
退治
(
たいじ
)
のご出陣は、来春の
雪解
(
ゆきど
)
けと、同時に遊ばすことに決したではござりませぬか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弱った事になって来たと思っていると果して、私はゆり起された。楢重、ちょっと来いお前やろ、さあこの虫を皆
退治
(
たいじ
)
てしまえといい渡された。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
「では早くしたまえ。大男
退治
(
たいじ
)
のジャックは肉のにおいをかいだ——ぼくは
危険
(
きけん
)
のにおいをかぎつけている」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そこで
猿
(
さる
)
はたいそう
喜
(
よろこ
)
びまして、
頼
(
たの
)
みの用をうち明けました。用というのは、
大蛇
(
おろち
)
を
退治
(
たいじ
)
することでした。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
いや、いけずなお
転婆
(
てんば
)
で。……ところがはずみに
掛
(
かか
)
って振った
拍子
(
ひょうし
)
に、その芋虫をポタリと籠の目へ、落したから
可笑
(
おかし
)
い。目白鳥は澄まして、ペロリと
退治
(
たいじ
)
た。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
出雲
(
いずも
)
の国へおまわりになって、そのあたりで
幅
(
はば
)
をきかせている、
出雲建
(
いずもたける
)
という悪者をお
退治
(
たいじ
)
になりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
土地の
羊飼達
(
ひつじかいたち
)
はもちろん、よそからもおおかみ狩りを
自慢
(
じまん
)
の連中が続々とやってきて、この
悪獣
(
あくじゅう
)
を
退治
(
たいじ
)
しようとしたのであったが、いずれも失敗して引きあげる。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
「あとはたのむぜ、おれは
強盗
(
ごうとう
)
の親玉を
退治
(
たいじ
)
たんだから、これから警察へごほうびをもらいにゆくんだ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
では今夜もあの晩のように、ここからいそいそ出て行って、勇ましく——批評家に
退治
(
たいじ
)
されて来給え。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ぼくはいちばんはじめにあんずの
王様
(
おうさま
)
のお
城
(
しろ
)
をたずねるよ。そしておひめ
様
(
さま
)
をさらっていったばけものを
退治
(
たいじ
)
するんだ。そんなばけものがきっとどこかにあるね。」
いちょうの実
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
がき
大将
(
だいしょう
)
の
真坊
(
しんぼう
)
は、
先
(
さき
)
にたって、
寺
(
てら
)
のひさしに
巣
(
す
)
をかけたすずめばちを
退治
(
たいじ
)
にゆきました。
真坊と和尚さま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今にも一人の美しい少女を呑もうとしているおそろしい海の怪物を
退治
(
たいじ
)
たとか、又ちょっとゴーゴンの首を見せただけで、とても大きな巨人を石の山にしてしまったとかいったような
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
万事偶然の成行だったが、
然
(
しか
)
し、極めて理想的に病気を
退治
(
たいじ
)
たということが出来る。なぜなら、後日、三好達治の背中に
拳
(
こぶし
)
に余る傷跡を見たからで、彼も同じく腫物を病み、手術をした。
青い絨毯
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
甲州生れの大工上りとかいう全身に
黥
(
いれずみ
)
をした大入道で、
三多羅和尚
(
さんたらおしょう
)
という豪傑坊主が、人々の噂を聞いて、一番俺がその
妖怪
(
ばけもの
)
を
退治
(
たいじ
)
てくれようというのでその寺に
住
(
すま
)
い込み、自分でそこ
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
鵺
(
ぬえ
)
を
退治
(
たいじ
)
た伝説で有名な
源三位頼政
(
げんざんみよりまさ
)
、西行法師、
大原
(
おおはら
)
の三寂といわれた
寂超
(
じゃくちょう
)
・
寂然
(
じゃくぜん
)
・
寂念
(
じゃくねん
)
の三兄弟、『金葉集』を撰んだ源俊頼の子の歌林苑の
俊恵
(
しゅんえ
)
、少し若手では『方丈記』の
鴨長明
(
かものちょうめい
)
など
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
「その海賊竜神松五郎を
退治
(
たいじ
)
た浦賀奉行は、六浦の御先代、
和泉守友純
(
いずみのかみともずみ
)
様だ」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
島原
(
しまばら
)
の
切支丹
(
きりしたん
)
退治
(
たいじ
)
があって、
血腥
(
ちなまぐさ
)
い
噂
(
うわさ
)
が伝わったのは昨年のことである。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
弟は、わるだくみがあろうとは、
夢
(
ゆめ
)
にも知りません。それで、うちのなかにはいっていって、しんせつな
小人
(
こびと
)
が
槍
(
やり
)
をくれて、その槍でイノシシを
退治
(
たいじ
)
したことを、すっかりにいさんに話しました。
歌をうたう骨
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「それは知らん。何でも可いから一つ二つ奪つて置けば、奴を
退治
(
たいじ
)
る材料になると考へたから、早業をして置いたのだが、思ひきやこれが
覘
(
ねら
)
ふ
敵
(
かたき
)
の証書ならんとは、全く天の善に
与
(
くみ
)
するところだ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
人間が草を
退治
(
たいじ
)
せねばならぬ程、草が人間を攻めるのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
汝らをエイヤアと
退治
(
たいじ
)
ることはできぬ
死の淵より
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
ねずみはわしが
退治
(
たいじ
)
てあげる。
魔法の笛
(新字新仮名)
/
ロバート・ブラウニング
(著)
わるいのは校長でもなけりゃ、おれでもない、生徒だけに
極
(
きま
)
ってる。もし山嵐が
煽動
(
せんどう
)
したとすれば、生徒と山嵐を
退治
(
たいじ
)
ればそれでたくさんだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
中納言
(
ちゅうなごん
)
はさっそく
天子
(
てんし
)
さまの
御所
(
ごしょ
)
へ
上
(
あ
)
がって、
大事
(
だいじ
)
な
娘
(
むすめ
)
が
大江山
(
おおえやま
)
の
鬼
(
おに
)
に
取
(
と
)
られたことをくわしく
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げて、どうぞ一
日
(
にち
)
もはやく
鬼
(
おに
)
を
退治
(
たいじ
)
して
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「そうだ、これなら
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
。ねえ
猿
(
さる
)
さん、お前は
猿智慧
(
さるぢえ
)
といって、たいそう
利巧
(
りこう
)
だそうだが、
案外
(
あんがい
)
馬鹿
(
ばか
)
だなあ。今私が
大蛇
(
おろち
)
を
退治
(
たいじ
)
てあげるから、見ていなさいよ」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「さあいいが、その
山猫
(
やまねこ
)
はこの
栗
(
くり
)
の木がらひらっとこっちさ
遁
(
に
)
げだ。
鉄砲打
(
てっぽうう
)
ぢはこうぼかげだ。山猫はとうとうつかまって
退治
(
たいじ
)
された。耳の中にこう云う玉入っていた。」
みじかい木ぺん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
此奴
(
こいつ
)
は
褌
(
ふんどし
)
にするため、野良猫の三毛を
退治
(
たいじ
)
て、
二月越
(
ふたつきごし
)
内証
(
ないしょ
)
で、もの
置
(
おき
)
で皮を
乾
(
ほ
)
したそうである。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
中
(
なか
)
には、
槍
(
やり
)
や、
鉄砲
(
てっぽう
)
を
用意
(
ようい
)
しておいて、きたら
退治
(
たいじ
)
してやろうと
待
(
ま
)
ちかまえているものもありましたが、
神通力
(
じんずうりき
)
を
得
(
え
)
ました
赤
(
あか
)
トラは、なかなか
人間
(
にんげん
)
の
目
(
め
)
には
入
(
はい
)
りませんでした。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ところが、この男も
退治
(
たいじ
)
に出かけた次の朝、
片足
(
かたあし
)
半分食い取られ、おまけに鼻や耳や
頬
(
ほ
)
っぺたまでかみ切られて、おいおい
泣
(
な
)
きながら地べたを
這
(
は
)
うようにして
逃
(
に
)
げ帰って来た。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
これが
泉鏡花
(
いずみきょうか
)
の小説だと、
任侠
(
にんきょう
)
欣
(
よろこ
)
ぶべき芸者か何かに、
退治
(
たいじ
)
られる奴だがと思っていた。しかしまた現代の日本橋は、とうてい鏡花の小説のように、動きっこはないとも思っていた。
魚河岸
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その力の強さにはいまさらながらおどろかされた。ロボはブランカの死体を見つけるまでは、その辺を去らない気持ちらしい。
私
(
わたし
)
はこの機会にかれを
退治
(
たいじ
)
してやろうと心をくだいた。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
「やい
小僧
(
こぞう
)
、こらッ、三年のライオンを
退治
(
たいじ
)
した生蕃を知らないか、よしッ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
退治
(
たいじ
)
るのは私の責任でまた退治るには、女中や妻君に任せておけないのだ。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
ねずみ
退治
(
たいじ
)
が 成功したら
魔法の笛
(新字新仮名)
/
ロバート・ブラウニング
(著)
建てかけるが早いか、風と云い雨と云う
曲者
(
くせもの
)
が来て
壊
(
こわ
)
してしまう。地ならしをするか、
雨風
(
あめかぜ
)
を
退治
(
たいじ
)
るかせぬうちは、落ちついてこの世に住めぬ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうして
頼政
(
よりまさ
)
がそういう
名誉
(
めいよ
)
を
担
(
にな
)
うようになったかと
申
(
もう
)
しますと、いったいこの
頼政
(
よりまさ
)
は、あの
大江山
(
おおえやま
)
の
鬼
(
おに
)
を
退治
(
たいじ
)
した
頼光
(
らいこう
)
には五
代
(
だい
)
めの
孫
(
まご
)
に
当
(
あ
)
たりました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
あの人形は
空
(
から
)
っぽで、
背中
(
せなか
)
に私の出入口がついてるのです。
大蛇
(
おろち
)
を
退治
(
たいじ
)
てくださったお礼に、これから私が人形を
踊
(
おど
)
らせますから、それであなたは一
儲
(
もう
)
けなさい。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
殿様が
鷹
(
たか
)
を
据
(
す
)
えた
格
(
かく
)
で、
掌
(
てのひら
)
に置いて、それと見せると、パッと飛んで虫を
退治
(
たいじ
)
た。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(腕組をしたまま、一同を見まわす)わたしは片っ
端
(
ぱし
)
から
退治
(
たいじ
)
して見せる。
三つの宝
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
世間
(
せけん
)
を
騒
(
さわ
)
がせる
悪
(
わる
)
いねこだ。いかほどの
神通力
(
じんずうりき
)
があるにせよ、
科学
(
かがく
)
の
力
(
ちから
)
にはかなうまい。
私
(
わたし
)
が
退治
(
たいじ
)
してやろう。」と、
電気
(
でんき
)
を
応用
(
おうよう
)
して、いよいよ、
赤
(
あか
)
トラと
勝負
(
しょうぶ
)
を
決
(
けっ
)
することになったのです。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「お前に
退治
(
たいじ
)
が出来たら、三年があいだ飲まず食わずで生きて見せる。」
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
「とてもこれは毒で
退治
(
たいじ
)
られる
代物
(
しろもの
)
ではない。」
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
そのたびに例の通りぽんぽんという音がした。敬太郎はしまいにどうしてもこの音を
退治
(
たいじ
)
てやりたいような気がし出した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは一
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
くこの
怪
(
あや
)
しいものを
退治
(
たいじ
)
して、
天子
(
てんし
)
さまのお
悩
(
なや
)
みを
鎮
(
しず
)
めてあげなければならないというので、お
公卿
(
くげ
)
さまたちがみんな
寄
(
よ
)
って
相談
(
そうだん
)
をしました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
わしはこの国の王として、その魔法使いを
退治
(
たいじ
)
しないわけにはゆかない。王子をたぶらかされて、そのまま許しておくわけにはゆかない。夜が明けたら早速、退治に出かけてやる
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
“退治”の意味
《名詞》
魔を滅ぼすこと。
害となるものを征伐すること。
(出典:Wiktionary)
退
常用漢字
小6
部首:⾡
9画
治
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
“退治”で始まる語句
退治譚