胎兒たいじ)” の例文
新字:胎児
宗助そうすけたのんだ産婆さんば可成かなりとしつてゐるだけに、このくらゐのことは心得こゝろえてゐた。しか胎兒たいじくびからんでゐた臍帶さいたいは、ときたまあるごと一重ひとへではなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それととも安住あんぢう場所ばしようしなうた胎兒たいじ自然しぜん母體ぼたいはなれてねばならなかつた。胎兒たいじ勿論もちろんんでさうしてした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ひよめき、うごめく胎兒たいじ蠢動しゆんどうによりて
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
其所そこ段々だん/\調しらべてて、宗助そうすけ自分じぶんいまかついたことのない事實じじつ發見はつけんしたときに、おもはずおそおどろいた。胎兒たいじ間際まぎはまで健康けんかうであつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
女房にようばう横臥わうぐわすることも苦痛くつうへないで、んだ蒲團ふとんかゝつてわづかせつない呼吸いきをついてた。胎兒たいじかしめたみづ餘計よけいたまつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
産婆さんば出産しゆつさんのあつたつい一週間しうかんまへて、丁寧ていねい胎兒たいじ心臟しんざうまで聽診ちやうしんして、至極しごく御健全ごけんぜんだと保證ほしようしてつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ころはらが一ばん危險きけんだといはれてごとくおしなはそれが原因もとたふれたのである。胎兒たいじは四つきぱいこもつたので兩性りやうせいあきらかに區別くべつされてた。ちひさいまたあひだには飯粒程めしつぶほど突起とつきがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)