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只
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たゞ
ふりがな文庫
“
只
(
たゞ
)” の例文
帽子屋
(
ばうしや
)
はこれを
聞
(
き
)
いて
著
(
いちじる
)
しく
其
(
そ
)
の
眼
(
め
)
を
瞪
(
みは
)
りました、が、
云
(
い
)
つたことは、『
何故
(
なぜ
)
嘴太鴉
(
はしぶとがらす
)
が
手習机
(
てならひづくゑ
)
に
似
(
に
)
てるか?』と、
只
(
たゞ
)
これだけでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
然るにアリストテレスは何が故に
只
(
たゞ
)
罪過をのみ説いて
歓喜戯曲
(
コムメヂー
)
の「歓喜に終る源因」に
就
(
つい
)
て説くことなかりしや。是れ大なる由縁あり。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
丸
(
まる
)
二
年間
(
ねんかん
)
、
小言
(
こごと
)
も
云
(
い
)
はず、
怨
(
うら
)
みも
云
(
い
)
はず、
只
(
たゞ
)
『
御返事
(
ごへんじ
)
を
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
ります』で
責
(
せ
)
められたのだから
堪
(
たま
)
らない。
男
(
をとこ
)
はとう/\
落城
(
らくじやう
)
した。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
自分は月の光の地上に織り出した樹の影を踏みながら、阪の中段に構へられてある一軒の農家の方へと
只
(
たゞ
)
無意味に近づいて行つた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
卯平
(
うへい
)
は
其
(
そ
)
の
薄暗
(
うすぐら
)
い
家
(
うち
)
の
中
(
なか
)
に
只
(
たゞ
)
煙草
(
たばこ
)
を
吹
(
ふ
)
かしては
大
(
おほ
)
きな
眞鍮
(
しんちう
)
の
煙管
(
きせる
)
で
火鉢
(
ひばち
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
卯平
(
うへい
)
と
勘次
(
かんじ
)
とは
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
碌
(
ろく
)
に
口
(
くち
)
も
利
(
きか
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
……まア、あたじけない!
皆
(
みん
)
な
飮
(
の
)
んでしまうて、
隨
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
かう
予
(
わたし
)
の
爲
(
ため
)
に
只
(
たゞ
)
一
滴
(
てき
)
をも
殘
(
のこ
)
しておいてはくれぬ。……お
前
(
まへ
)
の
脣
(
くちびる
)
を
吸
(
す
)
はうぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
隱
(
かく
)
さんと云るを
聞
(
きゝ
)
共に涙に
暮
(
くれ
)
居
(
ゐ
)
たりしが
軈
(
やが
)
てお文は
父母
(
ふたおや
)
の前に
來
(
き
)
たり兩手を
突
(
つき
)
只
(
たゞ
)
今お
兩方樣
(
ふたかたさま
)
のお
咄
(
はな
)
しを承まはり候に父樣は
何方
(
いづかた
)
へかお身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
若
(
も
)
し
化物學
(
ばけものがく
)
といふ
學問
(
がくもん
)
がありとすれば、
今
(
いま
)
まで
述
(
の
)
べた
事
(
こと
)
は、
其
(
その
)
序論
(
じよろん
)
と
見
(
み
)
るべきものであつて、
茲
(
こゝ
)
には
只
(
たゞ
)
序論
(
じよろん
)
だけを
述
(
の
)
べた
事
(
こと
)
になるのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
主謀たる自分は天をも
怨
(
うら
)
まず、人をも
尤
(
とが
)
めない。
只
(
たゞ
)
気の毒に堪へぬのは、親戚故旧友人徒弟たるお
前方
(
まへがた
)
である。自分はお前方に罪を謝する。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
只
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
定
(
さだ
)
めて
淋
(
さび
)
しく、
待兼
(
まちかね
)
て
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
だらうと、
思
(
おも
)
つたので、
私
(
わたくし
)
は
大佐
(
たいさ
)
に
別
(
わかれ
)
を
告
(
つ
)
げて、
此處
(
こゝ
)
を
立去
(
たちさ
)
る
事
(
こと
)
に
决
(
けつ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
最近では新青年に訳載された「鼻欠け三重殺人」で、作そのものより作者のいっている言葉「解決は
只
(
たゞ
)
一つあり、
而
(
しか
)
してそれのみが可能なり」
ドイルを宗とす
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
伯母は膝に手を組んで
頭
(
かしら
)
を垂れぬ「——何か
只
(
たゞ
)
ならぬ心配があると見える——此の私を急に恋しくなつたと云ふのは——
彼
(
あ
)
の剛情な男が——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
只
(
たゞ
)
、現在だけが彼女であつた。それに、六十万円の金といふのが、かなりゆき子を大胆にしてゐた。
如何
(
どう
)
にか切り抜けられる金でもあるからだ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
翌朝
(
よくてう
)
彼
(
かれ
)
は
激
(
はげ
)
しき
頭痛
(
づつう
)
を
覺
(
おぼ
)
えて、
兩耳
(
りやうみゝ
)
は
鳴
(
な
)
り、
全身
(
ぜんしん
)
には
只
(
たゞ
)
ならぬ
惱
(
なやみ
)
を
感
(
かん
)
じた。
而
(
さう
)
して
昨日
(
きのふ
)
の
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けた
出來事
(
できごと
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しても、
恥
(
はづか
)
しくも
何
(
なん
)
とも
感
(
かん
)
ぜぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
萬世橋
(
よろづよばし
)
へ
參
(
まゐ
)
りましたがお
宅
(
たく
)
は
何方
(
どちら
)
と
軾
(
かぢ
)
を
控
(
ひか
)
へて
佇
(
たゝず
)
む
車夫
(
しやふ
)
、
車上
(
しやじやう
)
の
人
(
ひと
)
は
聲
(
こゑ
)
ひくゝ
鍋町
(
なべちやう
)
までと
只
(
たゞ
)
一言
(
ひとこと
)
、
車夫
(
しやふ
)
は
聞
(
き
)
きも
敢
(
あ
)
へず
力
(
ちから
)
を
籠
(
こ
)
めて
今
(
いま
)
一勢
(
いつせい
)
と
挽
(
ひ
)
き
出
(
いだ
)
しぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
旅館の主人、馬を勧め、
剛力
(
がうりき
)
を勧め、
蓆
(
ござ
)
を勧め、
編笠
(
あみがさ
)
を勤む、皆之を
卻
(
しりぞ
)
く、この極楽の山、
只
(
たゞ
)
一本の
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
にて足れりと
広舌
(
くわうぜつ
)
して、朝まだき裾野を
往
(
ゆ
)
く。
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
それでも、
私
(
わたし
)
、どんなに
悲
(
かな
)
しいことだらうと
思
(
おも
)
ひますわ。
只
(
たゞ
)
ね、そう
考
(
かんが
)
へるだけでも、
涙
(
なみだ
)
が
出
(
で
)
そうなんですもの。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
すると彼は、信一が友達の群から一人離れて、
只
(
たゞ
)
ぽかんと立つてゐるのを見つけた。……首を妙に凝固させて、無感覚な表情で眼をひと処に据ゑてゐた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
来合せたのが丁度幸だから、
明日
(
あす
)
の課業に差支がなければ
泊
(
とま
)
つて呉れまいか、尤も
只
(
たゞ
)
の電報ならば
直
(
すぐ
)
帰つてくる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼はこの松林を
只
(
たゞ
)
庭として
賞
(
め
)
でようなどと云ふ考からは遠く離れてゐた、彼は誰にもそんな事は口外したことはないが、心の中ではかう思うてゐるのである
夢
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
「
只
(
たゞ
)
鳩だけは寝ません。鳩は利口ですからな。先生方は御存じでせうが鳩の賢いことは聖書にもあります。」
手品師
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
根津の清水の花壇の中へ
埋
(
うず
)
めたなどゝ
喋
(
しゃべ
)
り立てるに、奉公人たちは
何
(
なん
)
だか様子の分らぬ事ゆえ、
只
(
たゞ
)
馬鹿な
譫語
(
うわこと
)
をいうと思っておりましたが、伴藏の腹の中では
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
只
(
たゞ
)
さへ病弱な身、まして疲れた後——思ふに、何の
抵抗
(
てむかひ
)
も出来なかつたらしい。血は雪の上を流れて居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
夕
(
ゆふべ
)
まで
只
(
たゞ
)
斯
(
か
)
く思ひ、
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
りて赤塚氏の来給ひし時、船の余りに苦しければポオト・サイドの港に
入
(
い
)
る日我や下船すべきなど浅はかなる訴へを致し
居
(
を
)
り
候
(
さふら
)
ひき。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
けれども勞働者の唄は
再
(
ふたゝ
)
び
聽
(
きこ
)
えなかツた。
只
(
たゞ
)
軋
(
きしめ
)
く
車輪
(
しやりん
)
と
鐵槌
(
てつつゐ
)
の響とがごツちやになツて
聞
(
きこ
)
えるばかりだ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
四十年来の
閲歴
(
えつれき
)
に
聞人達
(
もんじんたち
)
の
気風
(
きふう
)
を
呑込
(
のみこみ
)
たれば、
只
(
たゞ
)
で
諸名家
(
しよめいか
)
の
御休息所
(
ごきうそくじよ
)
を作り、
其
(
そ
)
の
御褒美
(
ごほうび
)
には
梅
(
うめ
)
一
本
(
ぽん
)
づゝ
植
(
うゑ
)
て
下
(
くだ
)
されと、
金
(
かね
)
と
卑劣
(
ひれつ
)
に
出
(
いで
)
ざる
名案
(
めいあん
)
、
梅
(
うめ
)
一
本
(
ぽん
)
の
寄附主
(
きふぬし
)
が
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
が、逐一犯罪は検挙され、わツといふ
只
(
たゞ
)
ならぬ泣声と共に、私たちは食事の箸を投げて入口に押しかけると、東寮の或三年生が刑事の前に罪状を告白して泣き伏してゐた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
時鳥
(
ほとゝぎす
)
の
矢信
(
やぶみ
)
、さゝ
蟹
(
がに
)
の
緋縅
(
ひをどし
)
こそ、
血
(
ち
)
と
紅
(
くれなゐ
)
の
色
(
いろ
)
には
出
(
い
)
づれ、
世
(
よ
)
は
只
(
たゞ
)
暗夜
(
やみ
)
と
侘
(
わび
)
しきに、
烈日
(
れつじつ
)
忽
(
たちま
)
ち
火
(
ひ
)
の
如
(
ごと
)
く、
窓
(
まど
)
を
放
(
はな
)
ち
襖
(
ふすま
)
を
排
(
ひら
)
ける
夕
(
ゆふべ
)
、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
花
(
はな
)
の
花片
(
はなびら
)
一枚
(
ひとつ
)
づゝ、
雲
(
くも
)
に
星
(
ほし
)
に
映
(
うつ
)
る
折
(
をり
)
よ。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今こそ
法體
(
ほつたい
)
なれ、ありし昔の瀧口が
此君
(
このきみ
)
の
御爲
(
おんため
)
ならばと誓ひしは
天
(
あめ
)
が下に小松殿
只
(
たゞ
)
一人。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
それと同じやうに
御厩河岸
(
おうまやかし
)
の
渡
(
わた
)
し
鎧
(
よろひ
)
の
渡
(
わたし
)
を始めとして市中諸所の
渡場
(
わたしば
)
は、明治の初年
架橋工事
(
かけうこうじ
)
の
竣成
(
しゆんせい
)
と
共
(
とも
)
にいづれも跡を絶ち今は
只
(
たゞ
)
浮世絵によつて当時の光景を
窺
(
うかゞ
)
ふばかりである。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
日本
(
にほん
)
に
取
(
と
)
つては
大正
(
たいしやう
)
六
年
(
ねん
)
以來
(
いらい
)
の
問題
(
もんだい
)
、
又
(
また
)
之
(
これ
)
を
世界
(
せかい
)
から
見
(
み
)
ると、
世界
(
せかい
)
何
(
いづ
)
れの
國
(
くに
)
と
雖
(
いへど
)
も
金解禁
(
きんかいきん
)
は
已
(
すで
)
に
決行
(
けつかう
)
されて
居
(
を
)
つて
只
(
たゞ
)
日本
(
にほん
)
だけが
取殘
(
とりのこ
)
されて
居
(
ゐ
)
るからして、
何時
(
いつ
)
日本
(
にほん
)
は
金
(
きん
)
の
解禁
(
かいきん
)
をするか
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
平次はガラツ八と六兵衞を
促
(
うなが
)
して、佛間へ取つて返しました。平次の樣子の
只
(
たゞ
)
ならぬに不安を感じたか、六兵衞はしきりにソハソハして居りますが、側にガラツ八が引添つて動かしません。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ゆくりなくも世を
遯
(
のが
)
れて。自得の門に三宝の
引接
(
いんぜう
)
を
希
(
こひねが
)
ひしかば。遂に念願成就して。けふ往生の素懐を
遂
(
とげ
)
なん。…………
又
(
また
)
只
(
たゞ
)
汝は畜生なれども。国に大功あるをもて。
軈
(
やが
)
て国主の
息女
(
むすめ
)
を獲たり。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
輴
(
そり
)
は作り
易
(
やすき
)
物ゆゑ、おほかたは
農商
(
のうしやう
)
家毎
(
いへごと
)
に是を
貯
(
たくは
)
ふ。されば
載
(
のす
)
るものによりて大小品々あれども作りやうは皆同じやうなり、名も又おなし。
只
(
たゞ
)
大なるを里俗に
修羅
(
しゆら
)
といふ、大石大木をのするなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
間然
(
かんぜん
)
する所なしとのみ
只
(
たゞ
)
今となりては
他
(
た
)
に申すやうも
無之候
(
これなくそろ
)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
見れば
只
(
たゞ
)
何の苦もなき
水鳥
(
みづとり
)
の足にひまなき
我
(
わが
)
思
(
おも
)
ひかな
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
窓
(
まど
)
の
下
(
もと
)
、
生
(
せい
)
の
痛苦
(
つうく
)
に
只
(
たゞ
)
赤
(
あか
)
く
戦
(
そよ
)
ぎえたてぬ
草
(
くさ
)
の花
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
彼此
(
かれこれ
)
と
種々
(
いろ/\
)
優
(
すぐ
)
れた
簡便
(
かんべん
)
な
方法
(
はうはふ
)
を
稽
(
かんが
)
へては
見
(
み
)
たものゝ、
只
(
たゞ
)
厄介
(
やくかい
)
な
事
(
こと
)
には
何
(
ど
)
うして
其
(
そ
)
れを
實行
(
じつこう
)
すべきかと
云
(
い
)
ふ
名案
(
めいあん
)
を
持
(
も
)
たなかつたことです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
たッた一
句
(
く
)
をでも
宣言
(
おほ
)
せられたならば、
小生
(
それがし
)
は
滿足
(
まんぞく
)
いたす。
只
(
たゞ
)
「
嗚呼
(
あゝ
)
」とだけ
叫
(
さけ
)
ばっしゃい、たッた
一言
(
ひとこと
)
、
戀
(
ラヴ
)
とか、
鳩
(
ダヴ
)
とか
宣言
(
おほ
)
せられい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
捨るぞや
強面
(
つれなき
)
親
(
おや
)
と
怨
(
うらみ
)
なせぞ
只
(
たゞ
)
此上は
善人
(
よきひと
)
に拾ひ上られ成長せば其人樣を父母と思ひて
孝行
(
かうかう
)
盡
(
つく
)
すべしと
暫時
(
しばし
)
涙に
昏
(
くれ
)
たりしが
斯
(
かゝ
)
る姿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
北は京橋通の
河岸
(
かし
)
で、書院の庭から見れば、対岸天満組の人家が一目に見える。
只
(
たゞ
)
庭の
外囲
(
ぐわいゐ
)
に梅の
立木
(
たちき
)
があつて、少し展望を
遮
(
さへぎ
)
るだけである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この多い若者の
中
(
うち
)
に自分の友が交つて居はせぬかとも思はぬではなかつたが、さりとて別段それを気にも留めずに、
只
(
たゞ
)
余念なく
見惚
(
みと
)
れて居た。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
媒妁人
(
ばいしやくにん
)
が
只
(
たゞ
)
酒
(
さけ
)
を
飮
(
の
)
んで
騷
(
さわ
)
いだ
丈
(
だけ
)
であつた。お
品
(
しな
)
は
間
(
ま
)
もなく
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
を
産
(
う
)
んだ。それがおつぎであつた。
季節
(
きせつ
)
は
暮
(
くれ
)
の
押
(
お
)
し
詰
(
つま
)
つた
忙
(
いそが
)
しい
時
(
とき
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此時
(
このとき
)
如何
(
いか
)
に
憘
(
うれ
)
しく、また、
如何
(
いか
)
なる
談話
(
だんわ
)
のあつたかは
只
(
たゞ
)
諸君
(
しよくん
)
の
想像
(
さうぞう
)
に
任
(
まか
)
せるが、
茲
(
こゝ
)
に
一言
(
ひとこと
)
記
(
しる
)
して
置
(
お
)
かねばならぬのは、
此
(
この
)
大輕氣球
(
だいけいききゆう
)
の
事
(
こと
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「他殺でもなく、又変死でもなく、
只
(
たゞ
)
の病死だとすると、問題はない訳ですが、念の為に署の方へ報告して置きましょう」
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「いや気にさはつたら御免。
只
(
たゞ
)
、さう思つたンだ。何も
彼
(
か
)
もうまくゆかないとなると、人の暮しは羨しいと思ふンだね」
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
俺
(
おれ
)
だつて、
誰
(
た
)
れにも
逢
(
あ
)
はふとは
思
(
おも
)
はない、
只
(
たゞ
)
あの
石狩原野
(
いしかりげんや
)
だの、
高原
(
たかはら
)
の
落日
(
おちひ
)
、
白樺
(
しろかば
)
の
林
(
はやし
)
なにを
考
(
かんが
)
へてもいゝなあ——それに五
月
(
ぐわつ
)
頃
(
ころ
)
になるとあの
白樺
(
しろかば
)
の
根
(
ね
)
に
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
暫
(
しば
)
らく気を失つた様になつて、
只
(
たゞ
)
茫然
(
ばうぜん
)
としてゐたが、我にかへつて四囲を見渡せば、我が松林は今や夕日を受けて、その緑は常にもまして美しく眺められた。
夢
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
只
(
たゞ
)
この
子
(
こ
)
の
成長
(
おほきう
)
ならん
事
(
こと
)
をのみ
語
(
かた
)
りて、
例
(
れい
)
の
洋服
(
ようふく
)
すがた
美事
(
みごと
)
ならぬ
勤
(
つと
)
めに、
手辨當
(
てべんたう
)
さげて
昨日
(
きのふ
)
も
今日
(
けふ
)
も
出
(
いで
)
ぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
黒髪バラリと振り掛かれる、
蒼
(
あを
)
き
面
(
おもて
)
に血走る双眼、日の如く輝き、
怒
(
いかり
)
に
震
(
ふる
)
ふ
朱唇
(
くちびる
)
白くなるまで
噛
(
か
)
み
〆
(
し
)
めたる梅子の、心
決
(
きは
)
めて見上たる美しさ、
只
(
たゞ
)
凄
(
すご
)
きばかり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
“只”の意味
《名詞》
(ただ)無料。ロハ。
《形容動詞》
(ただ)その他のことに関わらず。
(出典:Wiktionary)
只
漢検準1級
部首:⼝
5画
“只”を含む語句
只今
只々
只管
真只中
只事
只中
只者
只一人
瓊姿只合在瑤台
只走
只一
只人
只見
只看唯我独尊山
弓削破只
愛玉只
只麼
只聞山鳥与渓声
只知君報国満腔気
只瞻
...