かり)” の例文
新字:
サン やい、グレゴリー、誓言せいごんぢゃ、こちとらは石炭コールなんぞはかつぐまいぞよ、かりにも。(不面目な賤しい仕事しごとなんぞはすまいぞよ)
「いや、かりにあなたが人殺しをしてそれが露見ろけんしたとあなたに知らしても、それ以上びつくりした顏付にはならないでせうよ。」
「あれは良い方でございます。かりにも親御樣と名のつくものを、何うしようと言つた、大それた事をする人では御座いません」
昭和せうわ年度ねんど豫算よさんおいても府縣ふけんではすでに七千萬圓まんゑん節減せつげんおこなつたのであるが、市町村しちやうそんぶんかり昭和せうわ年度ねんど豫算よさんほゞ同額どうがく整理節約せいりせつやくれば
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
この地震ぢしんときは、丁度ちようど夏季休暇中かききゆうかちゆうであつたため、一人ひとり生徒せいともゐなかつたのであるが、かり授業中じゆぎようちゆうであつたとして、もしそれに善處ぜんしよせんとするならば
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
らうかりふでずさびに、此樣このやうよびよいものいてれたるまちといふをば引出ひきいだしぬ、をんな容貌きりようきにこそ諸人しよにんあいけて果報くわほうこのうへものなれ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かくてあたかも假面めんかうむれる人々が、己を隱しゝかりの姿を棄つるとき、前と異なりて見ゆる如く 九一—九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
となり主人しゆじん家族かぞく長屋門ながやもんの一たゝみいてかり住居すまゐかたちづくつてた。主人夫婦しゆじんふうふ勘次かんじからは有繋さすが災厄さいやくあとみだれた容子ようすすこしも發見はつけんされなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
親の如くに尊敬うやまひかりにも其意にそむく事なく五節句其外何事によらず自分が門弟中より申受たる金子有時は兄半作へつかはして田地でんぢ田畑でんばた買求かひもとめさせ兄半作の身代を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あとにたのむは老人夫婦らうじんふうふこれまた補陀落山ふだらくさんからかりにこゝへ、いほりむすんで、南無なむ大悲だいひ民子たみこのために觀世音くわんぜおん
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かりに家庭の事情を打破ツて、結婚したとしてからが、お房が美術家の妻として、また子爵ししやく家の夫人ふじんとして品位ひんゐを保ツて行かれるかどうかといふことが疑問ぎもんである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
そこへ今朝けさ片山かたやまかり出獄しゆつごくたのため辯護士べんごしところかけてつたKもどつてた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
「今日は此處ここに留まりて、まづ大臣の位を賜ひて、明日上りまさむ」とのりたまひて、その山口に留まりて、すなはちかり宮を造りて、俄に豐のあかりして、その隼人に大臣の位を賜ひて
かりに今のレフレツクスのやうなのが、そのころのわたしさづけられてゐたとしたら?
さうして各人かくじん正當せいたうをはりであるとするなれば、なんため人々ひと/″\邪魔じやまをするのか。かりにある商人しやうにんとか、ある官吏くわんりとかゞ、五ねんねん餘計よけい生延いきのびたとしてところで、れがなんになるか。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
何故なぜといつて、いままあかりにあるわざはひが來て、あなたのその要らない子供をうばつてくとしませう、そのときあなたはきつと、もあげてそのお子さんをすくはうとなさるにちがひありませんもの。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
おびやかかりよそほひに松明たいまつほのほつづきぬ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
一緒にして見た人は誰だつてかりにもさうは想像いたしません。ロチスターさまはまるで二十五位の方みたいにお若く見え、またお若いのです。
著者ちよしや想像そう/″\では、かり地震豫報ぢしんよほう出來できても、それは地震ぢしんおこりそうなある特別とくべつ地方ちほう指摘してきるのみで
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
近頃は若旦那の金之助さんのことでめ、踊りのかり舞臺をこのうちと、お組さんの家の間の空地あきちへ建て、一言も挨拶をしなかつたと、ひどく怒つてをりました
つとむる者の心得は萬事かくの如し此事我々のうへにある時は自然しぜん面倒めんだうなりとて他人ひとの物にても錠前ぢやうまへたゝあけよなど云事なしとも云難いひがたかりにも錠前ぢやうまへを破るは關所せきしよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ねこ死骸しがいなわにくゝりてお役目やくめなれば引導いんだうをたのみますとげつけしことりしが、それはむかしいま校内かうない一のひととてかりにもあなどりての處業しよげうはなかりき、としは十五
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
どくがまだのこってたら、それこそはかりいのちからまこといのちかへらする大妙藥だいめうやく!……まだぬくい、おまへくちびる
勘次かんじ燒木杙やけぼつくひてゝかれだい一の要件えうけんたるかり住居すまゐつくつた。近所きんじよからあつめた粟幹あはがら僅少きんせう材料ざいれう葺草ふきぐさであつた。それはやつあめるからないだけのうす葺方ふきかたであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かりこゝ外國ぐわいこくから輸入ゆにふする羅紗ラシヤ一ヤールの値段ねだんが五ゑんとすると、爲替相場かはせさうばが一わりさがつてればそれを五ゑん五十五せんでなければへぬのである。棉花めんくわ同樣どうやうである。輸入ゆにふてつ同樣どうやうである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
那樣事そんなことい、たとへば御覽ごらんなさい、貴方あなた中風ちゆうぶにでもかゝつたとか、あるひかり愚者ぐしや自分じぶん位置ゐち利用りようして貴方あなた公然こうぜんはづかしめていて、れがのちなんむくいしにんでしまつたのをつたならば
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さればこゝむべくおそるべきを(おう)にたとへて、かりに(おう)といへる一種いつしゆ異樣いやう乞食こつじきありて、がう屋敷田畝やしきたんぼ徘徊はいくわいす。驚破すはおうきたれりとさけときは、幼童えうどう婦女子ふぢよし遁隱にげかくれ、孩兒がいじおそれて夜泣よなきとゞむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
地震ぢしん豫知問題よちもんだいかり都合つごうよく解決かいけつされたとしても、震災防止しんさいぼうしについてはなほ重大じゆうだい問題もんだい多分たぶんのこるであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
つる千年せんねんかめ萬年まんねん人間にんげん常住じやうぢういつも月夜つきよこめめしならんをねがかりにも無常むじやうくわんずるなかれとは大福だいふく長者ちやうじやるべきひと肝心かんじん肝要かんえうかなめいしかたつてうごかぬところなりとか
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けれども未だ居間に着いたときには、彼女が見たものをかりにも誤解しはしないかと思つて心苦こゝろぐるしく感じた。しかし直ぐに喜びはあらゆる他の感情を消してしまつた。
其方儀天一坊身分しかと存ぜずとは申ながら常樂院にたのまれかり住居の世話申候段不埓ふらちに付重追放申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ロミオ 信仰しんかうかたこのまなこに、かりにも其樣そのやう不信心ふしんじんおこるならば、なみだほのほともかはりをれ! 何度なんどおぼれてもにをらぬこの明透すきとほ異端げだうめ、うそうたとが火刑ひあぶりにせられをれ! なんぢゃ
かりにも親分とか何んとか言はれる俺を路地に待たせて置いてよ、不精者の八五郎が、まげを直したり、びんでつけたり、襟を直したり、帶を締め代へたり、大變なおめかしだつたぢやないか。
かり本年ほんねん輸入超過ゆにふてうくわがあつて、さうして差引さしひき億圓おくゑん金貨きんくわ外國ぐわいこくはらはなければならぬとすると、日本銀行にほんぎんかうの十一億圓おくゑん金貨きんくわが十億圓おくゑんり、兌換劵だくわんけん平均流通高へいきんりうつうだかは十二おく五千萬圓まんゑんわけである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
れはわたし權内けんないことなのです。まあ、かんがへて御覽ごらんなさい、わたしかり貴方あなたこゝからだしたとして、甚麼利益どんなりえきりますか。御覽ごらんなさい、まちものか、警察けいさつかがまた貴方あなたとらへてれてまゐりませう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
目白鳥めじろなどのかりねぐらおどろいてつのであつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
四季しき押通おしとほあぶらびかりするくらじま筒袖つゝそでつてたまのやうなだと町内ちやうないこわがられる亂暴らんばうなぐさむるひとなき胸苦むなぐるしさのあまり、かりにもやさしうふてれるひとのあれば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いつ賃仕事ちんしごとしてもおそばくらしたはうつぽどこゝろよう御座ございますとすに、馬鹿ばか馬鹿ばか其樣そのやうことかりにもふてはならぬ、よめつた實家さとおやみつぎをするなどゝおもひもらぬこと
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)