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石段
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いしだん
ふりがな文庫
“
石段
(
いしだん
)” の例文
男
(
おとこ
)
が、
石段
(
いしだん
)
が
減
(
へ
)
る
心配
(
しんぱい
)
以外
(
いがい
)
には、なにも
自分
(
じぶん
)
たちをしかる
理由
(
りゆう
)
がなく、また、
自分
(
じぶん
)
たちはしかられるはずがないと
思
(
おも
)
ったからです。
石段に鉄管
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
父
(
とう
)
さんの
祖母
(
おばあ
)
さんの
隱居所
(
いんきよじよ
)
になつて
居
(
ゐ
)
た二
階
(
かい
)
と
土藏
(
どざう
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
りぬけて、
裏
(
うら
)
の
木小屋
(
きごや
)
の
方
(
はう
)
へ
降
(
おり
)
て
行
(
ゆ
)
く
石段
(
いしだん
)
の
横
(
よこ
)
に、その
井戸
(
ゐど
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
稲妻形
(
いなずまがた
)
についている
石段
(
いしだん
)
の道を見まわしても、きれいな
朝露
(
あさつゆ
)
がたたえられて、人の
土足
(
どそく
)
にふみにじられているようすはない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
一人
(
ひとり
)
ずつ
石段
(
いしだん
)
をあがってつくのだが、
一人
(
ひとり
)
のつく
数
(
かず
)
は三つにきめられた。お
菓子
(
かし
)
の
配給
(
はいきゅう
)
のときのことをおもい
出
(
だ
)
して、
僕
(
ぼく
)
はおかしかった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
と、いいつけ、
玄関
(
げんかん
)
の
石段
(
いしだん
)
をあがりかけた。とたんに、
犬
(
いぬ
)
はひときわ高くうなり声をあげ、ぱっと男の手にかみついた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
▼ もっと見る
其
(
その
)
小高
(
こだか
)
い
所々
(
ところ/″\
)
に、
下
(
した
)
から
石段
(
いしだん
)
を
疊
(
たゝ
)
んで、
寺
(
てら
)
らしい
門
(
もん
)
を
高
(
たか
)
く
構
(
かま
)
へたのが二三
軒目
(
げんめ
)
に
着
(
つ
)
いた。
平地
(
ひらち
)
に
垣
(
かき
)
を
繞
(
めぐ
)
らして、
點在
(
てんざい
)
してゐるのは、
幾多
(
いくら
)
もあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのはずみに、銅貨がすべり落ちて、入口の
石段
(
いしだん
)
でちゃりんと
鳴
(
な
)
った。まっかになった指はまげることができず、銅貨をにぎっていられなかったからだ。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
身體
(
からだ
)
を
搖
(
ゆす
)
り、
下駄
(
げた
)
にて
板敷
(
いたじき
)
を
踏鳴
(
ふみな
)
らす
音
(
おと
)
おどろ/\し。
其
(
その
)
まゝ
渡場
(
わたしば
)
を
志
(
こゝろざ
)
す、
石段
(
いしだん
)
の
中途
(
ちうと
)
にて
行逢
(
ゆきあ
)
ひしは、
日傘
(
ひがさ
)
さしたる、十二ばかりの
友禪縮緬
(
いうぜんちりめん
)
、
踊子
(
をどりこ
)
か。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
往来
(
おうらい
)
のすみずみ、家いえの
石段
(
いしだん
)
、そのほかちょっとした店を開くことのできる場所にはきっと花を売っていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
廣小路
(
ひろこうぢ
)
より
眺
(
なが
)
むるに、
石段
(
いしだん
)
を
下
(
お
)
り
昇
(
のぼ
)
る
人
(
ひと
)
のさま、さながら
蟻
(
あり
)
の
塔
(
とう
)
を
築
(
つ
)
き
立
(
た
)
つるが
如
(
ごと
)
く、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
の
花
(
はな
)
に
衣類
(
きもの
)
の
綺羅
(
きら
)
をきそひて、
心
(
こゝろ
)
なく
見
(
み
)
る
目
(
め
)
には
保養
(
ほやう
)
この
上
(
うへ
)
も
無
(
な
)
き
景色
(
けしき
)
なりき
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
巾
(
はば
)
の
広
(
ひろ
)
い
石段
(
いしだん
)
、
丹塗
(
にぬり
)
の
楼門
(
ろうもん
)
、
群
(
むら
)
がる
鳩
(
はと
)
の
群
(
むれ
)
、それからあの
大
(
おお
)
きな
瘤
(
こぶ
)
だらけの
銀杏
(
いちょう
)
の
老木
(
ろうぼく
)
……チラとこちらから
覗
(
のぞ
)
いた
光景
(
ありさま
)
は、
昔
(
むかし
)
とさしたる
相違
(
そうい
)
もないように
見受
(
みう
)
けられました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
尤も今日は、
刻限
(
こくげん
)
が
遲
(
おそ
)
いせいか、一羽も見えない。唯、
所々
(
ところどころ
)
、崩れかゝつた、さうしてその
崩
(
くづ
)
れ目に長い草のはへた
石段
(
いしだん
)
の上に、
鴉
(
からす
)
の
糞
(
くそ
)
が、點々と白くこびりついてゐるのが見える。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
家
(
いえ
)
を
出
(
で
)
かけました。そして、
電車
(
でんしゃ
)
を
降
(
お
)
りて、
石段
(
いしだん
)
を
上
(
あ
)
がり、
桜
(
さくら
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
を
歩
(
ある
)
いて、
動物園
(
どうぶつえん
)
の
方
(
ほう
)
へきかかりました。
町の真理
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
逆戻
(
ぎやくもど
)
りをして
塔頭
(
たつちゆう
)
を
一々
(
いち/\
)
調
(
しら
)
べに
懸
(
かゝ
)
ると、
一窓庵
(
いつさうあん
)
は
山門
(
さんもん
)
を
這入
(
はい
)
るや
否
(
いな
)
やすぐ
右手
(
みぎて
)
の
方
(
はう
)
の
高
(
たか
)
い
石段
(
いしだん
)
の
上
(
うへ
)
にあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私が例のように
常夜燈
(
じょうやとう
)
の下をすみからすみまでさがしまわっていると、いつのまにきたのか林太郎が
常夜燈
(
じょうやとう
)
の
石段
(
いしだん
)
にもたれてとうもろこしをたべていた。
花をうめる
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
そして、あたかも、
深岳
(
しんがく
)
の
狼
(
おおかみ
)
が、
群
(
む
)
れをなして
里
(
さと
)
へでるごとく、
列
(
れつ
)
をつくって、
天
(
てん
)
ヶ
丘
(
おか
)
の
石段
(
いしだん
)
を
下
(
くだ
)
りはじめる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのお
雛
(
ひな
)
は
井戸
(
ゐど
)
から
石段
(
いしだん
)
を
上
(
あが
)
り、
土藏
(
どざう
)
の
横
(
よこ
)
を
通
(
とほ
)
り、
桑畠
(
くはばたけ
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
つて、お
家
(
うち
)
の
臺所
(
だいどころ
)
までづゝ
水
(
みづ
)
を
運
(
はこ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
其處
(
そこ
)
に
居
(
ゐ
)
る、……
其
(
そ
)
の
百日紅
(
さるすべり
)
の
左
(
ひだり
)
の
枝
(
えだ
)
だ。」
上野
(
うへの
)
の
東照宮
(
とうせうぐう
)
の
石段
(
いしだん
)
から、
不忍
(
しのばず
)
の
池
(
いけ
)
を
遙
(
はるか
)
に、
大學
(
だいがく
)
の
大時計
(
おほどけい
)
の
針
(
はり
)
が
分明
(
ぶんめい
)
に
見
(
み
)
えた
瞳
(
ひとみ
)
である。かゝる
時
(
とき
)
にも
鋭
(
するど
)
かつた。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
石段
(
いしだん
)
の
上
(
うえ
)
からは
海
(
うみ
)
を
越
(
こ
)
えて
上総
(
かずさ
)
房州
(
ぼうしゅう
)
が
一
(
ひ
)
と
目
(
め
)
に
見渡
(
みわた
)
されたように
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
家
(
うち
)
の
前
(
まえ
)
には、
大
(
おお
)
きな
銀杏樹
(
いちょうのき
)
がありました。その
葉
(
は
)
がしだいに
色
(
いろ
)
づいてきました。さよ
子
(
こ
)
は
壊
(
こわ
)
れかかった
石段
(
いしだん
)
に
腰
(
こし
)
をかけて、
雑誌
(
ざっし
)
を
読
(
よ
)
んでいました。
善いことをした喜び
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
は
蓮池
(
はすいけ
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
り
越
(
こ
)
して、五六
級
(
きふ
)
の
石段
(
いしだん
)
を
上
(
のぼ
)
つて、
其
(
その
)
正面
(
しやうめん
)
にある
大
(
おほ
)
きな
伽藍
(
がらん
)
の
屋根
(
やね
)
を
仰
(
あふ
)
いだまゝ
直
(
すぐ
)
左
(
ひだ
)
りへ
切
(
き
)
れた。
玄關
(
げんくわん
)
へ
差
(
さ
)
しかゝつた
時
(
とき
)
、
宜道
(
ぎだう
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
八
神殿
(
しんでん
)
の
石段
(
いしだん
)
にそって、
裏宮
(
うらみや
)
の方へしのびやかに歩いてくる。おお、その
影
(
かげ
)
のいたましくもおそろしい。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山續
(
やまつゞ
)
きに
石段
(
いしだん
)
高
(
たか
)
く、
木下闇
(
こしたやみ
)
苔蒸
(
こけむ
)
したる
岡
(
をか
)
の
上
(
うへ
)
に
御堂
(
みだう
)
あり、
觀世音
(
くわんぜおん
)
おはします、
寺
(
てら
)
の
名
(
な
)
を
觀藏院
(
くわんざうゐん
)
といふ。
逗子だより
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
祖母
(
おばあ
)
さんはあの
鍵
(
かぎ
)
の
用
(
よう
)
が
濟
(
す
)
むと、
藏
(
くら
)
の
前
(
まへ
)
の
石段
(
いしだん
)
を
降
(
お
)
りて、
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
りましたが、そこに
父
(
とう
)
さんがよく
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
たのです。
味噌藏
(
みそぐら
)
の
階上
(
うへ
)
には
住居
(
すまゐ
)
に
出來
(
でき
)
た二
階
(
かい
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「おばあさん。」と、
雑誌
(
ざっし
)
に
読
(
よ
)
み
飽
(
あ
)
きたさよ
子
(
こ
)
は、あちらの
石段
(
いしだん
)
から、こちらを
向
(
む
)
いて、さびしいので
呼
(
よ
)
びかけました。
善いことをした喜び
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
道端
(
みちばた
)
に
石段
(
いしだん
)
があつた。代助は
半
(
なか
)
ば夢中で
其所
(
そこ
)
へ腰を掛けたなり、
額
(
ひたひ
)
を手で
抑
(
おさ
)
えて、
固
(
かた
)
くなつた。しばらくして、
閉
(
ふ
)
さいだ
眼
(
め
)
を
開
(
あ
)
けて見ると、大きな黒い
門
(
もん
)
があつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
氷川神社
(
ひかはじんじや
)
を
石段
(
いしだん
)
の
下
(
した
)
にて
拜
(
をが
)
み、
此宮
(
このみや
)
と
植物園
(
しよくぶつゑん
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
との
間
(
あひだ
)
の
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
りて
原町
(
はらまち
)
へ
懸
(
かゝ
)
れり。
路
(
みち
)
の
彼方
(
あなた
)
に
名代
(
なだい
)
の
護謨
(
ごむ
)
製造所
(
せいざうしよ
)
のあるあり。
職人
(
しよくにん
)
眞黒
(
まつくろ
)
になつて
働
(
はたら
)
く。
護謨
(
ごむ
)
の
匂
(
にほひ
)
面
(
おもて
)
を
打
(
う
)
つ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
男
(
おとこ
)
の
権幕
(
けんまく
)
が
怖
(
おそ
)
ろしかったので、三
人
(
にん
)
は
石段
(
いしだん
)
を
離
(
はな
)
れて
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
しました。
兄
(
あに
)
は、じっと
男
(
おとこ
)
の
顔
(
かお
)
を
振
(
ふ
)
り
向
(
む
)
いて
見
(
み
)
ていました。
石段に鉄管
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まだ
可怪
(
おかし
)
かつたのは、
一行
(
いつかう
)
が、
其
(
それ
)
から
過般
(
いつか
)
の、あの、
城山
(
しろやま
)
へ
上
(
のぼ
)
る
取着
(
とつつき
)
の
石段
(
いしだん
)
に
懸
(
かゝ
)
つた
時
(
とき
)
で。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さよ
子
(
こ
)
は、
石段
(
いしだん
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
って、いつまでも
哀
(
あわ
)
れな
乞食
(
こじき
)
の
行方
(
ゆくえ
)
を
見守
(
みまも
)
っていましたが、いつしか
知
(
し
)
らず、その
太鼓
(
たいこ
)
の
音
(
おと
)
は
遠
(
とお
)
くかすかになっていったのであります。
善いことをした喜び
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宮
(
みや
)
は、
報徳神社
(
はうとくじんじや
)
といふ、
彼
(
か
)
の
二宮尊徳
(
にのみやそんとく
)
翁
(
をう
)
を
祭
(
まつ
)
れるもの、
石段
(
いしだん
)
の
南北
(
なんぼく
)
に
畏
(
かしこ
)
くも、
宮樣
(
みやさま
)
御手植
(
おんてうゑ
)
の
對
(
つゐ
)
の
榊
(
さかき
)
、
四邊
(
あたり
)
に
塵
(
ちり
)
も
留
(
とゞ
)
めず、
高
(
たか
)
きあたり
靜
(
しづか
)
に
鳥
(
とり
)
の
聲
(
こゑ
)
鳴
(
な
)
きかはす。
此
(
こ
)
の
社
(
やしろ
)
に
詣
(
まう
)
でて
云々
(
しか/″\
)
。
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
宮
(
みや
)
へおまいりをして、おばあさんは
山
(
やま
)
を
降
(
お
)
りてきますと、
石段
(
いしだん
)
の
下
(
した
)
に、
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
が
泣
(
な
)
いていました。
赤いろうそくと人魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其
(
そ
)
の
憎
(
にく
)
さげな、
高慢
(
かうまん
)
な、
人
(
ひと
)
を
馬鹿
(
ばか
)
にした
形
(
かたち
)
は
何
(
ど
)
うだい、
總別
(
そうべつ
)
、
氣
(
き
)
に
食
(
く
)
はない
畜生
(
ちくしやう
)
だ、と
云
(
い
)
ふ
心
(
こゝろ
)
から、
石段
(
いしだん
)
の
割
(
わ
)
れた
欠
(
かけら
)
を
拾
(
ひろ
)
つて、
俗
(
ぞく
)
にねこと
言
(
い
)
ふ、
川楊
(
かはやぎ
)
の
葉
(
は
)
がくれに、
熟
(
ぢつ
)
と
狙
(
ねら
)
つて、ひしりと
擲
(
な
)
げる
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
街道
(
かいどう
)
をいくと、
傍
(
かたわら
)
に
大
(
おお
)
きな
屋敷
(
やしき
)
がありました。
道
(
みち
)
からすこしく
高
(
たか
)
いところに、その
家
(
いえ
)
は
建
(
た
)
てられていたのでした。そして、
石段
(
いしだん
)
が
通
(
とお
)
り
道
(
みち
)
から、そこまでついていました。
石段に鉄管
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
丁
(
ちやう
)
ど
瞳
(
ひとみ
)
を
離
(
はな
)
して、あとへ
一歩
(
ひとあし
)
振向
(
ふりむ
)
いた
處
(
ところ
)
が、
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の
曲角
(
まがりかど
)
で、やゝ
高
(
たか
)
い
向岸
(
むかうぎし
)
の、
崖
(
がけ
)
の
家
(
うち
)
の
裏口
(
うらぐち
)
から、
巖
(
いは
)
を
削
(
けづ
)
れる
状
(
さま
)
の
石段
(
いしだん
)
五六段
(
ごろくだん
)
を
下
(
お
)
りた
汀
(
みぎは
)
に、
洗濯
(
せんたく
)
ものをして
居
(
ゐ
)
た
娘
(
むすめ
)
が、
恰
(
あたか
)
もほつれ
毛
(
げ
)
を
掻
(
か
)
くとて
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
高
(
たか
)
くつづいた
石段
(
いしだん
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
上野
(
うえの
)
の
山
(
やま
)
に
登
(
のぼ
)
ると、
東京
(
とうきょう
)
の
街
(
まち
)
が、はてしなく、
目
(
め
)
の
下
(
した
)
に、
見
(
み
)
おろされました。しばらく、そこでおじいさんは、あたりをながめていました。
銅像と老人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いつしか、
石段
(
いしだん
)
を
降
(
お
)
りて、
電車
(
でんしゃ
)
の
通
(
とお
)
っている
方
(
ほう
)
へまごついてゆきました。おじいさんの
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
は
銅像と老人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
らは、
石段
(
いしだん
)
のところで、ひとまず、
手
(
て
)
に
持
(
も
)
ったものをおいて、
休
(
やす
)
みました。
ひとをたのまず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
少年
(
しょうねん
)
は、しばらくじっとしていたが、そのうちはうようにして、やっと
背中
(
せなか
)
の
重
(
おも
)
い
荷物
(
にもつ
)
を
銀行
(
ぎんこう
)
の
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
の
石段
(
いしだん
)
の
上
(
うえ
)
に
乗
(
の
)
せて、はげしく
締
(
し
)
めつける
胸
(
むね
)
の
重
(
おも
)
みをゆるめたが、まだ
気分
(
きぶん
)
が
悪
(
わる
)
いとみえて
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とつぜん、
丙
(
へい
)
が、
石段
(
いしだん
)
を
下
(
お
)
りて、
鳥居
(
とりい
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
ていきました。
ひとをたのまず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“石段”の意味
《名詞》
石で作った階段。
(出典:Wiktionary)
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
段
常用漢字
小6
部首:⽎
9画
“石”で始まる語句
石
石鹸
石垣
石塊
石見
石燈籠
石榴
石膏
石楠花
石碑