トップ
>
河
>
かは
ふりがな文庫
“
河
(
かは
)” の例文
女は
黙
(
だま
)
つてゐる。やがて
河
(
かは
)
の流れから、眼を
上
(
あ
)
げて、三四郎を見た。
二重瞼
(
ふたへまぶた
)
にはつきりと
張
(
は
)
りがあつた。三四郎は其眼付で半ば安心した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
は
河
(
かは
)
の
上
(
うへ
)
の
此
(
こ
)
の
賑
(
にぎは
)
ひを
見
(
み
)
る
人達
(
ひとたち
)
で
仲見世
(
なかみせ
)
や
映画街
(
えいぐわがい
)
にも
劣
(
おと
)
らぬ
混雑
(
こんざつ
)
。
欄干
(
らんかん
)
にもたれてゐる
人達
(
ひとたち
)
は
互
(
たがひ
)
に
肩
(
かた
)
を
摺
(
す
)
れ
合
(
あは
)
すばかり。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
冬時
(
とうじ
)
此
(
この
)
河
(
かは
)
に
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふには、
豫
(
あらかじ
)
め
身體
(
しんたい
)
を
入
(
い
)
るゝに
足
(
た
)
る
孔穴
(
こうけつ
)
を
氷
(
こほり
)
を
破
(
やぶ
)
りて
設
(
まう
)
け
置
(
お
)
き、
朝夕
(
あさゆふ
)
此
(
この
)
孔穴
(
こうけつ
)
に
身
(
み
)
を
沒
(
ぼつ
)
して
灌水
(
くわんすゐ
)
を
行
(
おこな
)
ふ。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
王栄老は郊外電車の不通に出会つた銀行員のやうに、荷物を横抱きにぶつぶつ
呟
(
ぼや
)
きながら、
河
(
かは
)
つ
縁
(
ぺり
)
の宿屋に入つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
串戲
(
じようだん
)
言
(
い
)
つちや
可
(
い
)
けません。あれを
持
(
も
)
つて
來
(
こ
)
ようものなら、
河
(
かは
)
へ
落
(
お
)
つこつて
了
(
しま
)
つたんです。」と、
無論
(
むろん
)
高
(
たか
)
い
俥代
(
くるまだい
)
を
拂
(
はら
)
つて、
俥
(
くるま
)
で
家
(
うち
)
まで
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
たものです。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
初秋
(
しよしう
)
の
洪水
(
こうずゐ
)
以來
(
いらい
)
河
(
かは
)
の
中央
(
ちうあう
)
には
大
(
おほ
)
きな
洲
(
す
)
が
堆積
(
たいせき
)
されたので、
船
(
ふね
)
は
其
(
そ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
偃
(
は
)
うて
遠
(
とほ
)
く
彎曲
(
わんきよく
)
を
描
(
ゑが
)
かねば
成
(
な
)
らぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
大吉備津日子
(
おほきびつひこ
)
の命と
若建吉備津日子
(
わかたけきびつひこ
)
の命とは、二柱相
副
(
たぐ
)
はして、
針間
(
はりま
)
の
氷
(
ひ
)
の
河
(
かは
)
の
前
(
さき
)
三
に
忌瓮
(
いはひべ
)
を
居
(
す
)
ゑて
四
、針間を道の口として
五
、吉備の國
六
を
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
したまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
是より一行又
河
(
かは
)
を
溯
(
さかのぼ
)
り、
日
(
ひ
)
暮
(
く
)
れて
河岸
(
かはぎし
)
に
露泊
(
ろはく
)
す、此日や白樺の樹皮を
剥
(
は
)
ぎ来りて之を数本の竹上に
挿
(
はさ
)
み、火を
点
(
てん
)
ずれば其明
宛
(
さ
)
ながら
電気灯
(
でんきとう
)
の如し、鹽原君
其下
(
そのした
)
に在りて
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
『サア、
之
(
これ
)
から
獅子狩
(
しゝがり
)
だ/\。』と
勇
(
いさみ
)
勸
(
すゝ
)
めるのを、
私
(
わたくし
)
は
漸
(
やうやく
)
の
事
(
こと
)
で
押止
(
おしと
)
めたが、
然
(
しか
)
らば
此
(
この
)
島
(
しま
)
の
御案内
(
ごあんない
)
をといふので、それから、
山
(
やま
)
だの、
河
(
かは
)
だの、
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
だの、
深林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
だの
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ともかく
大昔
(
おほむかし
)
の
人間
(
にんげん
)
は、
森林
(
しんりん
)
に
住
(
す
)
んで、
草
(
くさ
)
や、
木
(
き
)
の
實
(
み
)
や、
野獸
(
やじゆう
)
や、
河
(
かは
)
の
魚
(
さかな
)
などをとつて、
生
(
なま
)
のまゝで
食
(
た
)
べてゐたもので、ちょうど
今日
(
こんにち
)
の
山猿
(
やまざる
)
のような
生活
(
せいかつ
)
をしてゐたのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
洋々
(
やう/\
)
たるナイル
河
(
かは
)
、
荒漠
(
くわうばく
)
たるサハラの
沙漠
(
さばく
)
、
是等
(
これら
)
は
大
(
おほい
)
に
化物思想
(
ばけものしさう
)
の
發達
(
はつたつ
)
を
促
(
うなが
)
した。
埃及
(
えじぷと
)
の
神樣
(
かみさま
)
には
化物
(
ばけもの
)
が
澤山
(
たくさん
)
ある。
併
(
しか
)
し
之
(
これ
)
が
希臘
(
ぎりしや
)
へ
行
(
い
)
くと
餘程
(
よほど
)
異
(
ことな
)
り、
却
(
かへ
)
つて
日本
(
にほん
)
と
似
(
に
)
て
來
(
く
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
さて
奇
(
き
)
なる事は、
河
(
かは
)
の
広
(
ひろ
)
き
場
(
ば
)
にてかれ
鮞
(
こ
)
を
産
(
うみ
)
おきたる所
洪水
(
こうずゐ
)
などにて
瀬
(
せ
)
かはりて
河原
(
かはら
)
となりしが幾とせたちても
産
(
うみ
)
たる子
腐
(
くさら
)
ず、ふたゝび瀬となればその子
生化
(
せいくわ
)
して
鮏
(
さけ
)
となる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
山
(
やま
)
の
際
(
ま
)
に
渡
(
わた
)
る
秋沙
(
あきさ
)
の
行
(
ゆ
)
きて
居
(
ゐ
)
むその
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
に
浪
(
なみ
)
立
(
た
)
つなゆめ 〔巻七・一一二二〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
雲飛
(
うんぴ
)
は石を
奪
(
うば
)
はれて
落膽
(
らくたん
)
し、其後は
家
(
うち
)
に
閉籠
(
とぢこも
)
つて外出しなかつたが、
石
(
いし
)
が
河
(
かは
)
に
落
(
おち
)
て
行衞
(
ゆくへ
)
不明
(
ふめい
)
になつたことを
傳
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
き、
或朝
(
あるあさ
)
早
(
はや
)
く家を出で石の
落
(
お
)
ちた
跡
(
あと
)
を
弔
(
とむら
)
ふべく
橋上
(
けうじやう
)
に
立
(
たつ
)
て下を見ると、
河水
(
かすゐ
)
清徹
(
せいてつ
)
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
惠那山
(
ゑなやま
)
もよく
見
(
み
)
えます。もつと
向
(
むか
)
ふの
山
(
やま
)
も
見
(
み
)
えます。
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
がいくつも/\
見
(
み
)
えます。その
山
(
やま
)
の
向
(
むか
)
ふには、
見渡
(
みわた
)
すかぎり
廣々
(
ひろ/″\
)
とした
野原
(
のはら
)
がありますよ。
何
(
なに
)
か
光
(
ひか
)
つて
見
(
み
)
える
河
(
かは
)
のやうなものもありますよ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
左様
(
さやう
)
望遠鏡
(
ばうゑんきやう
)
でみますと
河
(
かは
)
はみんなまつすぐに見えますね
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
霧の
中
(
うち
)
、
入日
(
いりひ
)
のあとの
河
(
かは
)
の
面
(
も
)
をただうち
眺
(
なが
)
む。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
桃太郎
(
もゝたらう
)
は、
河
(
かは
)
に
流
(
なが
)
れし
桃
(
もゝ
)
より
生
(
うま
)
れて
武
(
ぶ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
はしりて
河
(
かは
)
にあつまりぬ。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
河
(
かは
)
越
(
こ
)
えて
煙
(
けぶり
)
の
小野
(
をの
)
に
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
傾
(
かたむ
)
きかゝる
天
(
あま
)
の
河
(
かは
)
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
河
(
かは
)
の
面
(
おもて
)
は悲しく灰色に光つてゐて、冬の日の
終
(
をは
)
りを急がす
水蒸気
(
すゐじようき
)
は対岸の
堤
(
つゝみ
)
をおぼろに
霞
(
かす
)
めてゐる。
荷船
(
にぶね
)
の
帆
(
ほ
)
の
間
(
あひだ
)
をば
鴎
(
かもめ
)
が
幾羽
(
いくは
)
となく飛び
交
(
ちが
)
ふ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
谷中
(
やなか
)
と千駄木が
谷
(
たに
)
で出逢ふと、一番低い所に小川が流れてゐる。此小川を沿ふて、
町
(
まち
)
を左りへ切れるとすぐ野に
出
(
で
)
る。
河
(
かは
)
は真直に北へ通つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この人がまだ
普魯西
(
プロシヤ
)
王フレデリキ・ウイルレム四世の皇弟であつた一八四九年のある秋の日、
御微行
(
おしのび
)
でライン河の
河
(
かは
)
つ
縁
(
ぷち
)
をぶらぶらしてゐた事があつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
また
宇陀
(
うだ
)
の
墨坂
(
すみさか
)
八
の神に、赤色の
楯矛
(
たてほこ
)
を祭り
九
、また
大坂
(
おほさか
)
の神
一〇
に、墨色の楯矛を祭り、また
坂
(
さか
)
の
御尾
(
みを
)
の神、
河
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の神までに、悉に
遺忘
(
おつ
)
ることなく
幣帛
(
ぬさ
)
まつりたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
吉野
(
よしぬ
)
なる
夏実
(
なつみ
)
の
河
(
かは
)
の
川淀
(
かはよど
)
に
鴨
(
かも
)
ぞ
鳴
(
な
)
くなる
山
(
やま
)
かげにして 〔巻三・三七五〕 湯原王
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
筋
(
すぢ
)
は
日本
(
につぽん
)
の
美
(
うる
)
はしき
乙女
(
おとめ
)
の
舞衣
(
まひぎぬ
)
の
姿
(
すがた
)
が、
月夜
(
げつや
)
にセイヌ
河
(
かは
)
の
水上
(
みなか
)
に
彷徨
(
さまよ
)
ふて
居
(
を
)
るといふ、
極
(
きは
)
めて
優美
(
ゆうび
)
な、また
極
(
きは
)
めて
巧妙
(
こうめう
)
な
名曲
(
めいきよく
)
の
一節
(
ひとふし
)
、一
句
(
く
)
は一
句
(
く
)
より
華
(
はなや
)
かに、一
段
(
だん
)
は一
段
(
だん
)
よりおもしろく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
かうした
恐
(
おそ
)
ろしい
洪水
(
こうずい
)
はどうして
起
(
おこ
)
るのかといへば、それはむろん
一時
(
いちじ
)
に
多量
(
たりよう
)
の
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
つたからですが、その
雨
(
あめ
)
が
洪水
(
こうずい
)
になるといふそのもとは、つまり
河
(
かは
)
の
水源地方
(
すいげんちほう
)
の
森林
(
しんりん
)
が
荒
(
あら
)
されたために
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
信水
(
しんすゐ
)
は
犀川
(
さいかは
)
の
濁水
(
だくすゐ
)
あるゆゑ也。
鮏
(
さけ
)
初秋より海を
出
(
いで
)
て此
流
(
ながれ
)
に
泝
(
さかのぼ
)
る。蒲原郡の流は
底深
(
そこふか
)
く
河
(
かは
)
広
(
ひろき
)
ゆゑ大
網
(
あみ
)
を用ひて
鮏
(
さけ
)
を
捕
(
と
)
る。かの川口
駅
(
えき
)
より
上
(
かみ
)
、
上田妻有
(
うへだつまり
)
のあたりにては
打切
(
うちきり
)
といふ事をなして鮏を
捕
(
と
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
媼
(
ばゞ
)
は
洗濯
(
せんたく
)
の
河
(
かは
)
にて、
拾
(
ひろ
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
落
(
おと
)
すは
淺黄
(
あさぎ
)
瑠璃
(
るり
)
の
河
(
かは
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
もういくら待つても
人通
(
ひとゞほ
)
りはない。
長吉
(
ちやうきち
)
は
詮方
(
せんかた
)
なく疲れた眼を
河
(
かは
)
の
方
(
はう
)
に移した。
河面
(
かはづら
)
は
先刻
(
さつき
)
よりも一体に
明
(
あかる
)
くなり
気味悪
(
きみわる
)
い雲の
峯
(
みね
)
は影もなく消えてゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
其所
(
そこ
)
は
河
(
かは
)
が流れて、
柳
(
やなぎ
)
があつて、古風な
家
(
いへ
)
であつた。
黒
(
くろ
)
くなつた
床柱
(
とこばしら
)
の
傍
(
わき
)
の
違
(
ちが
)
ひ
棚
(
だな
)
に、
絹帽
(
シルクハツト
)
を
引繰返
(
ひつくりかへ
)
しに、二つ
並
(
なら
)
べて置いて見て、代助は妙だなと
云
(
い
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
寔
(
まこと
)
に知る、鏡を懸け珠を吐きたまひて、百の王相續き、劒を
喫
(
か
)
み
蛇
(
をろち
)
を切りたまひて、萬の神
蕃息
(
はんそく
)
せしことを
七
。
安
(
やす
)
の
河
(
かは
)
に
議
(
はか
)
りて天の下を
平
(
ことむ
)
け、
小濱
(
をばま
)
に
論
(
あげつら
)
ひて國土を清めたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
東
(
ひがし
)
と
西
(
にし
)
と
南
(
みなみ
)
の
三方
(
さんぽう
)
は
此
(
この
)
島
(
しま
)
の
全面
(
ぜんめん
)
で、
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
青々
(
あを/\
)
とした
森
(
もり
)
つゞき、
處々
(
ところ/″\
)
に
山
(
やま
)
もある、
谷
(
たに
)
も
見
(
み
)
える、また
逈
(
はる
)
か/\の
先方
(
むかう
)
に
銀色
(
ぎんしよく
)
の
一帶
(
いつたい
)
の
隱見
(
いんけん
)
して
居
(
を
)
るのは、
其邊
(
そのへん
)
に
一流
(
いちりう
)
の
河
(
かは
)
のある
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
森林
(
しんりん
)
は
洪水
(
こうずい
)
の
害
(
がい
)
を
防
(
ふせ
)
ぎ、
河
(
かは
)
の
水
(
みづ
)
を
不斷
(
ふだん
)
に
絶
(
た
)
えず
流
(
なが
)
し、
水田
(
すいでん
)
をもからさないといふ
點
(
てん
)
で、
土地
(
とち
)
を
安全
(
あんぜん
)
に
保
(
たも
)
つてくれる
效用
(
こうよう
)
があることがわかつて
來
(
き
)
たので、
以來
(
いらい
)
はじめて
森林
(
しんりん
)
を
保護
(
ほご
)
して
育
(
そだ
)
てるようになり
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
泳ぎの達者な男が
河
(
かは
)
ツ
縁
(
ぷち
)
をぶら/\してゐると、水に溺れかゝつた者の泣き声が聞えるのだ。その男はいきなり河に飛び込んで
其奴
(
そいつ
)
を助けてやつた。助けたのはかくいふロイド・ジヨウジぢやないか。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
傳
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
くらく
此
(
この
)
河
(
かは
)
の
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
河
(
かは
)
の
方
(
はう
)
から
烈
(
はげ
)
しく吹きつける風が
屋根
(
やね
)
の上の電線をヒユー/\
鳴
(
なら
)
すのと、星の光の
冴
(
さ
)
えて見えるのとで、風のある夜は
突然
(
とつぜん
)
冬が来たやうな寒い
心持
(
こゝろもち
)
をさせた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
代助は
晩食
(
ばんめし
)
も
食
(
く
)
はずに、すぐ又
表
(
おもて
)
へ出た。五軒町から江戸川の
縁
(
へり
)
を
伝
(
つた
)
つて、
河
(
かは
)
を
向
(
むかふ
)
へ越した時は、
先刻
(
さつき
)
散歩からの帰りの様に精神の困憊を感じてゐなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
桂
(
かつら
)
をとめは
河
(
かは
)
しもに
梁誇
(
やなぼこ
)
りする
鮎
(
あゆ
)
汲
(
く
)
みて
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
三四郎もとう/\
汚
(
きた
)
ない草の上に
坐
(
すは
)
つた。美禰子と三四郎の
間
(
あひだ
)
は四尺
許
(
ばかり
)
離れてゐる。
二人
(
ふたり
)
の
足
(
あし
)
の
下
(
した
)
には
小
(
ちい
)
さな
河
(
かは
)
が流れてゐる。秋になつて水が落ちたから浅い。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
はすぐ
河
(
かは
)
の
流
(
ながれ
)
で
駒形橋
(
こまがたばし
)
の
橋影
(
はしかげ
)
と
対岸
(
たいがん
)
の
町
(
まち
)
の
灯
(
ひ
)
が
見
(
み
)
える。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
身
(
み
)
は
河
(
かは
)
ぞひの
白楊
(
はこやなぎ
)
、またひこばえて
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
代助は
門
(
もん
)
を
出
(
で
)
た。江戸川迄
来
(
く
)
ると、
河
(
かは
)
の
水
(
みづ
)
がもう
暗
(
くら
)
くなつてゐた。彼は固より平岡を
訪
(
たづ
)
ねる気であつた。から
何時
(
いつ
)
もの様に
川辺
(
かはべり
)
を
伝
(
つた
)
はないで、すぐ
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
つて、
金剛寺坂
(
こんごうじざか
)
を
上
(
あが
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“河”の意味
《名詞》
(かわ) 降水や湧水が、地表の細長い窪みに沿って流れるもの。河川。
(出典:Wiktionary)
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
“河”を含む語句
河内
河童
河原
河上
河岸
大河
山河
河面
白河
河畔
沙河
河辺
河岸縁
小河
運河
恒河
河豚
銀河
河水
河口
...