ゑん)” の例文
新字:
たとへばすみ別室べつしつ藥局やくきよくてやうとふには、わたくしかんがへでは、少額せうがく見積みつもつても五百ゑんりませう、しかあま不生産的ふせいさんてき費用ひようです。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それに値段ねだん不廉たかいものだからといふのであつた。勘次かんじはそれでもいくぐらゐするものかとおもつていたら一罎ひとびんが三ゑんだといつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
叔母をば自分じぶんとほりが、宗助そうすけ本當ほんたうけられないのをにするやうに、安之助やすのすけからした資本しほんたかまではなした。それは五千ゑんほどであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
むねつかへのやまひしやくにあらねどそも/\とこつききたるとき田町たまち高利こうりかしより三月みつきしばりとて十ゑんかりし、一ゑん五拾せん天利てんりとてりしは八ゑんはん
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もつとも、わたしちゝはじちひさな士族しぞくとして、家屋かをくと、宅地たくちと、周圍しうゐすこしのやまと、金祿公債證書きんろくこうさいしようしよなんゑんかを所有しよいうしてゐたが、わたし家督かとく相續さうぞくしたころには
金澤かなざはにてぜに百とふは五りんなり、二百が一せん、十せんが二くわんなり。たゞし、一ゑんを二ゑんとははず。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
御馳走ごちそうなんぞるとチン/\するわ——わたし、よくはらないけど——それは百姓ひやくしやういぬで、大變たいへんやくつんですッて、一ぴきゑんよ!それがみんねずみころすんですッて——ナニ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
爲替相場かはせさうばが一わりさがつてるとふことは對外的たいぐわいてき日本にほん貨幣價値くわへいかちがそれさがつてるとふことであつて、百ゑん通貨つうくわが八十九ゑんにしか通用つうようしないとふことである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
なんにんときとしては何萬人なんまんにんかずへられ、お賽錢さいせんだけでもなんゑんといふあがだかで、それにれていままではさびしかつた田舍道ゐなかみちに、のきならべる茶店ちやみせやら賣店ばいてんやら、これも新築しんちく三百餘軒よけんたつしたとは
伸一先生しんいちせんせい給料きふれうつき十八ゑんしか受取うけとりません、それで老母らうぼ妻子さいし、一にん家族かぞくやしなふてるのです。家産かさんといふは家屋敷いへやしきばかり、これを池上權藏いけがみごんざう資産しさんくらべてると百分一ひやくぶんのいちにもあたらないのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
貧乏びんばふ畫家ぐわかつまとして三年間ねんかんで三百ゑんめたあたしの經驗けいけんか?」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
たのしみにくらし給へと種々いろ/\なだめつすかしついさめると雖もお光は更に思ひ止るべき所存しよぞんなければ猶押かへして頼みけるに清右衞門一ゑん取用ひ呉ざれば詮術せんすべなさに凄々すご/\と我が屋へこそ立戻たちもどれど熟々つく/″\思へばおもふ程無念悔しさ止難やみがたければ店請人たなうけにん清右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ゑんぜにえず財布さいふるならば彼等かれらなげところいのである。かれたゞ主人しゆじんつてさへすればいとおもつてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それが出來できないんだつて。見積みつもつても兩方りやうはうせると、十ゑんにはなる。十ゑんまとまつた御金おかねを、いまところ月々つき/″\すのはほねれるつてふのよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
公債こうさいくなつたばかりでなく多少たせう借金しやくきんがあり、家屋かをく地所ぢしよとは全部ぜんぶきん七十ゑん賣却ばいきやくしたのであつた。
此人このひとはじめは大藏省おほくらしやう月俸げつぽうゑん頂戴ちようだいして、はげちよろけの洋服ようふく毛繻子けじゆす洋傘かうもりさしかざし、大雨たいうをりにもくるまぜいはやられぬ身成みなりしを、一ねん發起ほつきして帽子ぼうしくつつて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
アンドレイ、エヒミチはぜに勘定かんぢやうして、五百ゑん無言むごんともわたしたのである。ミハイル、アウエリヤヌヰチは眞赤まつかになつて、面目無めんぼくないやうな、おこつたやうなふうで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
金鍔きんつば二錢にひやく四個よんこあつた。四海しかいなみしづかにしてくるまうへ花見はなみのつもり。いやうもはなしにならぬ。が意氣いきもつてして少々せう/\工面くめんのいゝ連中れんぢうたれ自動車じどうしや……ゑんタクでもい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しか爲替相場かはせさうば騰貴とうきした割合わりあひには低落ていらくせざるのみならず七ぐわつ以來いらいつね非常ひじやう好賣行かううれゆきであつて爲替相場かはせさうば漸次ぜんじ騰貴とうきするにかゝはらず九ぐわつりては千三百五十ゑんとなつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
みなみでは養蠶やうさん結果けつくわかつたのとすこしばかりあまつたくは意外いぐわい相場さうばんだのとで、一ゑんばかりのさけ奮發ふんぱつしたのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
御拂おはらひになるなら」とすこかんがへて、「六ゑんいたゞいてきませう」と否々いや/\さうにけた。御米およねには道具屋だうぐやけた相場さうば至當したうやうおもはれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
はか這入はいるまで八ゑん月給げつきうではるまいとおもひますに、其邊そのへん格別かくべつ御心配ごしんぱいなくと見事みごとへば、母親はゝおやはまだらにのこくろして、るほど/\立派りつぱきこえました
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「——そこを眞直まつすぐ福島橋ふくしまばしで、そのさきが、お不動樣ふどうさまですよ、とゑんタクのがいひましたね。」
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『だから總計そうけい八十六ゑんまをしてゐるのです。其切それぎわたしは一もん所有つちやらんので。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
羅紗ラシヤ一ヤールが五ゑん五十五せんであつたものが五ゑんせんへるやうになつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ところやつ突然とつぜんぼくうちにやつてやがつて、『どうも五個月間かげつかん葉書攻はがきぜめには閉口へいこうしました。あなたの根氣こんきには實際じつさいおどろきました』なんてやがつて、三十ゑんかねいてつたが、ぼくじつうれししかつたよ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
ゑゝ大金たいきんでもあることか、かねなら二ゑん、しかもくちづから承知しようちしてきながら十日とたゝぬにもうろくはなさるまじ、あれすゞり引出ひきだしにも、これはつかずのぶんと一トたば
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……其處そこで、道順みちじゆんだから、やすいゑんタクでおさそまをさうかと、もし、もし、電話でんわちう。おとなりのをりる)をけると六丁目ろくちやうめ里見氏宅さとみしたくで、はあ、とうけて、婀娜あだ返事へんじが——幹事かんじ支度したくがありますから
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みねなかかせし今朝けさとはかはりてちゝかほいろいかにとばかり、折々をり/\やる尻目しりめおそろし、ちゝしづかに金庫きんこちしがやがて五十ゑんたば一つて、これは貴樣きさまるではなし
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しいをんな服粧みなりるいなど哄然どつわるはれる、おもへば綿銘仙めんめいせんいとりしにいろめたるむらさきめりんすのはゞせまおび、八ゑんどりの等外とうぐわいつまとしてはれより以上いじやうよそほはるべきならねども
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三十ゑんどりの會社員くわいしやゐんつま此形粧このげうそうにて繰廻くりまわしゆくいゑうちおもへば此女このをんな小利口こりこう才覺さいかくひとつにて、良人おつとはくひかつてゆるやららねども、失敬しつけいなは野澤桂次のざわけいじといふ見事みごと立派りつぱ名前なまへあるをとこ
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)