トップ
>
違
>
ちが
ふりがな文庫
“
違
(
ちが
)” の例文
しかるに、
不思議
(
ふしぎ
)
なことには、
村
(
むら
)
に二つ
時計
(
とけい
)
がありましたが、どうしたことか、二つの
時計
(
とけい
)
は
約
(
やく
)
三十
分
(
ぷん
)
ばかり
時間
(
じかん
)
が
違
(
ちが
)
っていました。
時計のない村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それでも夏はそれほどひどくは気にならないけれど冬羽織着物、下着、半衿とあんまり
違
(
ちが
)
う色を
用
(
つか
)
うのは千世子は
好
(
す
)
いて居なかった。
千世子(二)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
片口は無いと見えて山形に五の字の
描
(
か
)
かれた
一升徳利
(
いっしょうどくり
)
は火鉢の横に
侍坐
(
じざ
)
せしめられ、
駕籠屋
(
かごや
)
の腕と云っては時代
違
(
ちが
)
いの見立となれど
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
達二
(
たつじ
)
は早く、おじいさんの所へ
戻
(
もど
)
ろうとして
急
(
いそ
)
いで引っ
返
(
かえ
)
しました。けれどもどうも、それは前に来た所とは
違
(
ちが
)
っていたようでした。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「ばかな
六部
(
ろくぶ
)
め。よけいなところへ
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
して、
神
(
かみ
)
さまのお
罰
(
ばつ
)
をうけたに
違
(
ちが
)
いない。そのたたりが
村
(
むら
)
にかかってこなければいいが。」
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
さて、三
年
(
ねん
)
前
(
まへ
)
、……
日
(
ひ
)
は
違
(
ちが
)
ひます。なれども、
同
(
おな
)
じ
此
(
こ
)
の
霜月
(
しもつき
)
の
夜
(
よ
)
さり、
丁
(
ちやう
)
ど
同
(
おな
)
じ
今
(
いま
)
の
時刻
(
じこく
)
、
私
(
われら
)
にもお
前樣
(
まへさま
)
と
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
がありました。……
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると
良人
(
おっと
)
は
私
(
わたくし
)
と
意見
(
いけん
)
が
違
(
ちが
)
いまして、それは
余
(
あま
)
り
面白
(
おもしろ
)
くない、
是非
(
ぜひ
)
『
若月
(
わかつき
)
』にせよと
言
(
い
)
い
張
(
は
)
って、
何
(
なん
)
と
申
(
もう
)
しても
肯
(
き
)
き
入
(
い
)
れないのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「もう
何時
(
なんじ
)
」と
云
(
い
)
ひながら、
枕元
(
まくらもと
)
の
宗助
(
そうすけ
)
を
見上
(
みあ
)
げた。
宵
(
よひ
)
とは
違
(
ちが
)
つて
頬
(
ほゝ
)
から
血
(
ち
)
が
退
(
ひ
)
いて、
洋燈
(
らんぷ
)
に
照
(
て
)
らされた
所
(
ところ
)
が、ことに
蒼白
(
あをじろ
)
く
映
(
うつ
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
大學者
(
だいがくしや
)
さまが
頭
(
つむり
)
の
上
(
うへ
)
から
大聲
(
おほごゑ
)
で
異見
(
いけん
)
をして
下
(
くだ
)
さるとは
違
(
ちが
)
ふて、
心
(
しん
)
から
底
(
そこ
)
から
沸
(
わ
)
き
出
(
だ
)
すほどの
涙
(
なみだ
)
がこぼれて、いかに
強情
(
がうじやう
)
我
(
が
)
まんの
私
(
わたし
)
でも
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
僕
(
ぼく
)
はその
顔
(
かお
)
を
眺
(
なが
)
めた時、
思
(
おも
)
わず「ずいぶんやせましたね」といった。この
言葉
(
ことば
)
はもちろん滝田
君
(
くん
)
に
不快
(
ふかい
)
を
与
(
あた
)
えたのに
違
(
ちが
)
いなかった。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この人もきっと会社の人で、上役が旅行をするのを見送りに来たのに
違
(
ちが
)
いない。これはこの二人の
風采
(
ふうさい
)
や態度を見くらべてもよく
解
(
わか
)
る。
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「お父さん
違
(
ちが
)
うよ。お父さんはまだ六兵衛さんのえらいことを知らないんだ。六兵衛さんはうらないにかけては日本一なんだよ。」
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
これならば
姫
(
ひめ
)
の
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
るに
違
(
ちが
)
ひない、きっと
自分
(
じぶん
)
は
姫
(
ひめ
)
のお
婿
(
むこ
)
さんになれるだらうなどゝ
考
(
かんが
)
へて、
大
(
おほ
)
めかしにめかし
込
(
こ
)
んで
出
(
で
)
かけました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
『ナニ、
挫
(
くじ
)
くと
云
(
い
)
ふのか』
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は
愛
(
あい
)
ちんやが、
地軸
(
ちゞく
)
と
云
(
い
)
つたのを
挫
(
くじ
)
くと
聞
(
き
)
き
違
(
ちが
)
へて、『
娘
(
むすめ
)
の
頭
(
あたま
)
を
捩斷
(
ちぎ
)
つて
了
(
しま
)
へ』と
云
(
い
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
成程小野は頑固な人に
違
(
ちが
)
いない、けれども私の不従順と云うことも十分であるから、
始終
(
しじゅう
)
嫌われたのは
尤
(
もっと
)
も
至極
(
しごく
)
、少しも
怨
(
うら
)
む所はない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
呼
(
よび
)
右の話をなしたるに上方の衆は關東者と
違
(
ちが
)
ひ
念
(
ねん
)
を
入
(
いれ
)
候へば物を
堅
(
かた
)
くする心ならんとて松葉屋桐屋共に
立出
(
たちいで
)
對面
(
たいめん
)
に及びしかば大金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし
將來
(
このさき
)
これを
幸
(
さいはひ
)
であつたと
知
(
し
)
る
時
(
とき
)
と
雖
(
いへど
)
も、たしかに
不幸
(
ふかう
)
であると
感
(
かん
)
ずるに
違
(
ちが
)
いない。
僕
(
ぼく
)
は
知
(
し
)
らないで
宜
(
よ
)
い、
唯
(
た
)
だ
感
(
かん
)
じたくないものだ。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
とにかくその
初
(
はじ
)
めは切
實
(
じつ
)
な人間生
活
(
くわつ
)
の
慰樂
(
いらく
)
として
遊
(
あそ
)
びとして
創
(
つく
)
り成された
將棋
(
せうき
)
に
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
ふが、それを
慰樂
(
いらく
)
や
遊
(
あそ
)
びの
域
(
いき
)
を遙に
越
(
こ
)
えて
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
斯くて鳥の地に落ちたる時は、捕鳥者は直ちに其塲に
駈
(
か
)
け
付
(
つ
)
け獲物を
抑
(
おさ
)
へ
紐
(
ひも
)
を
解
(
と
)
くなり。石鏃と
違
(
ちが
)
ひて此道具は幾度にても用ゐる事を得。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
行きは、よいよい帰りは
恐
(
こわ
)
い、と子供の
頃
(
ころ
)
うたう
童謡
(
どうよう
)
があります。あの歌のように人生、行きと帰りとではずいぶん気持が
違
(
ちが
)
うものです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
然
(
しか
)
しいつの
間
(
ま
)
にか
人
(
ひと
)
が
遠
(
とほ
)
くより
見
(
み
)
るやうに
成
(
な
)
つた。
行
(
ゆ
)
き
違
(
ちが
)
ふ
女房等
(
にようばうら
)
は
額
(
ひたひ
)
に
照
(
て
)
ら
(
ママ
)
れて
眠
(
ねむ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
子
(
こ
)
を
見
(
み
)
て
痛々敷
(
いた/\しい
)
と
思
(
おも
)
ふのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
自分がロダン先生の
曾
(
かつ
)
て製作された夫人の肖像に寸分
違
(
ちが
)
ひのない
方
(
かた
)
だと思つたのは、一つは髪の
結様
(
ゆひやう
)
が
其儘
(
そのまま
)
の形だつたからかも知れない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
すがたも
似
(
に
)
ている、年かっこうもたいして
違
(
ちが
)
うまい、ただ蛾次郎よりは少し
背
(
せ
)
がひくく
眼
(
まな
)
ざしや
口
(
くち
)
もとに
凜
(
りん
)
としたところがある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親
(
おや
)
に
似
(
に
)
ない
兒
(
こ
)
だが、
成長
(
せいてう
)
したらアノ
通
(
とほ
)
りの
獰惡振
(
だうあくぶ
)
りを
相續
(
さうぞく
)
するに
違
(
ちが
)
ひない、
環境
(
かんけう
)
の
罪
(
つみ
)
だいつそ
家
(
うち
)
に
飼
(
か
)
つてやらうかと
思
(
おも
)
つて、また
躊躇
(
ちうちよ
)
した。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
然
(
しか
)
らば
如何
(
いか
)
なる
種類
(
しゆるゐ
)
の
食物
(
しよくもつ
)
が
適當
(
てきたう
)
であるかと
云
(
い
)
ふ
具體的
(
ぐたいてき
)
の
實際問題
(
じつさいもんだい
)
になると、その
解決
(
かいけつ
)
は
甚
(
はなは
)
だ
面倒
(
めんだう
)
になる。
熱國
(
ねつこく
)
と
寒國
(
かんこく
)
では
食
(
しよく
)
の
適否
(
てきひ
)
が
違
(
ちが
)
ふ。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
如何
(
どう
)
考
(
かんが
)
へても
聖書
(
バイブル
)
よりは
小説
(
せうせつ
)
の
方
(
はう
)
が
面白
(
おもしろ
)
いには
違
(
ちが
)
ひなく、
教師
(
けうし
)
の
眼
(
め
)
を
窃
(
ぬす
)
んでは「よくッてよ」
派
(
は
)
小説
(
せうせつ
)
に
現
(
うつゝ
)
を
抜
(
ぬ
)
かすは
此頃
(
このごろ
)
の
女生徒
(
ぢよせいと
)
気質
(
かたぎ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
千穂子の赤ん坊は月足らずで生れたせいか、小さい上にまるで、
猿
(
さる
)
のような顔をしていて、赤黒い
肌
(
はだ
)
の色が、
普通
(
ふつう
)
の赤ん坊とは
違
(
ちが
)
っていた。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「もう
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
です」と
猿
(
さる
)
はいいました。「人形は
盗賊
(
とうぞく
)
どもの
所
(
ところ
)
にあるに
違
(
ちが
)
いありません。私が行って取りもどしてきましょう」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
さればその書翰は、入院中の彼女に送るべきものなりしに、重井の軽率にも、妾への書面と取り
違
(
ちが
)
えたるなりとは、天罰とこそいうべけれ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
それから
其
(
そ
)
れが
祟
(
たゝ
)
りはしないか/\といふ
気病
(
きや
)
みで、
今
(
いま
)
いふ
神経病
(
しんけいびやう
)
とか
何
(
なん
)
とか
云
(
い
)
ふのだらうが、二代目はそれを
気病
(
きや
)
みにして
遂
(
つひ
)
に
気
(
き
)
が
違
(
ちが
)
つた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
片身
(
かたみ
)
違
(
ちが
)
いに足を動かしているうちに、いつのまにか平七はふらふらと、ゆうべのあの石原町の小料理屋の方へ歩いていった。
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
桃林和尚
(
たうりんをしやう
)
はその
話
(
はなし
)
も
聞
(
き
)
いて
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
りましたから、いづれ
狐
(
きつね
)
がまた
何
(
なに
)
か
惡戯
(
いたづら
)
をするためにお
寺
(
てら
)
へ
訪
(
たづ
)
ねて
來
(
き
)
たに
違
(
ちが
)
ひないと、
直
(
すぐ
)
に
感
(
かん
)
づきました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
景樹
(
かげき
)
の
歌
(
うた
)
の
方
(
ほう
)
が、
皆
(
みんな
)
にわかりやすからうと
思
(
おも
)
ひますが、そこが
散文
(
さんぶん
)
と
詩
(
し
)
との
違
(
ちが
)
ふところで、
意味
(
いみ
)
の
上
(
うへ
)
からおもしろいことが
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
この
土器
(
どき
)
も
石器
(
せつき
)
も、
日本
(
につぽん
)
のものは
餘程
(
よほど
)
違
(
ちが
)
つたところがありまして、
石器時代
(
せつきじだい
)
の
末
(
すゑ
)
、
金屬
(
きんぞく
)
が
使用
(
しよう
)
されるようになつた
時代
(
じだい
)
のものかも
知
(
し
)
れません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
豫想してゐた。こゝのは、今迄聞いてゐた家庭教師のもてなし方とは
違
(
ちが
)
ふ。だが、私はあんまり早く喜び過ぎてはいけない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
外
(
ほか
)
のこととは
訳
(
わけ
)
が
違
(
ちが
)
い、あたしゃ
数
(
かず
)
あるお
客
(
きゃく
)
のうちでも、いの一
番
(
ばん
)
に
嫌
(
きら
)
いなお
人
(
ひと
)
、たとえ
嘘
(
うそ
)
でも
冗談
(
じょうだん
)
でも、
気
(
き
)
の
済
(
す
)
まないことはいやでござんす
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
伝
(
つた
)
へ
聞
(
き
)
く
聖約翰
(
せいヨハネ
)
は
荒野
(
あれの
)
の
蝗虫
(
いなご
)
を
食
(
しよく
)
にされたとか、それなら
余程
(
よほど
)
食
(
た
)
べずばなるまい。
尤
(
もつと
)
も
約翰様
(
ヨハネさま
)
と
吾々風情
(
われわれふぜい
)
とは
人柄
(
ひとがら
)
が
違
(
ちが
)
ふ。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
野
(
の
)
に
山
(
やま
)
に
陽炎
(
かげらふ
)
が
燃
(
も
)
えてきます。ところによつて
芽
(
め
)
を
吹
(
ふ
)
く
時季
(
じき
)
はむろん
違
(
ちが
)
ひますが、
東京附近
(
とうきようふきん
)
では
三月
(
さんがつ
)
の
中旬頃
(
ちゆうじゆんごろ
)
から
五月頃
(
ごがつごろ
)
までに、
芽
(
め
)
を
出
(
だ
)
します。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
框
(
カマチ
)
を
毀
(
こわ
)
された問題の扉は、厚さ二寸もある
樫
(
カシ
)
の木で、縦に長く、巾三寸位の山形の彫んだ刻みが、一行ずつ、
違
(
ちが
)
い
互
(
たがい
)
の切り込み模様がついていた。
雪
(新字新仮名)
/
楠田匡介
(著)
気持
(
きもち
)
がいいだって! まあお
前
(
まえ
)
さん
気
(
き
)
でも
違
(
ちが
)
ったのかい、
誰
(
たれ
)
よりも
賢
(
かしこ
)
いここの
猫
(
ねこ
)
さんにでも、
女御主人
(
おんなごしゅじん
)
にでも
訊
(
き
)
いてごらんよ、
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
を
泳
(
およ
)
いだり
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その人のお供の者たちも、やはりみんな、赤ひものついた、青ずりの着物を着ていまして、だれが見ても天皇のお行列と
寸分
(
すんぶん
)
も
違
(
ちが
)
いませんでした。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
ついに非望の
遂
(
と
)
げられないことを
悟
(
さと
)
った紀昌の心に、成功したならば決して生じなかったに
違
(
ちが
)
いない道義的
慚愧
(
ざんき
)
の念が、この時
忽焉
(
こつえん
)
として
湧起
(
わきおこ
)
った。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「それにこれから
帝大
(
ていだい
)
を出るのとアメリカへいって勉強するのでは将来がだいぶ
違
(
ちが
)
ってきますから、本人の自由意志できめさせたいと思ったのです」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
自分にあてがわれたきらびやかな
縮緬
(
ちりめん
)
の座ぶとんを移して、それに倉地をすわらせておいて、
違
(
ちが
)
い
棚
(
だな
)
から郵便の束をいくつとなく取りおろして来た。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「おーい、ガンの
諸君
(
しょくん
)
、気をつけたまえよ!」と、また
違
(
ちが
)
ったほうからだれかがさけびます。「そんなほうへいくと、リューゲンへいっちまうぜ!」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
其頃の土肥君は、色は黒いが
少女
(
おとめ
)
の様なつゝましい子であった。余は西郷戦争の翌年京都に往った。其れからかけ
違
(
ちが
)
って君に逢わざること三十三年。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
種吉では話にならぬから素通りして路地の
奥
(
おく
)
へ行き種吉の
女房
(
にょうぼう
)
に
掛
(
か
)
け合うと、女房のお
辰
(
たつ
)
は種吉とは大分
違
(
ちが
)
って、借金取の動作に注意の目をくばった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「もちろん、ありがたいことには
違
(
ちが
)
いないが……だが、それでどうしてあれらのことを、とやかく言えるのかね?」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
私が
大和
(
やまと
)
の吉野の
奥
(
おく
)
に遊んだのは、
既
(
すで
)
に二十年ほどまえ、明治の末か大正の初め
頃
(
ころ
)
のことであるが、今とは
違
(
ちが
)
って交通の不便なあの時代に、あんな山奥
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かれは自分が想像していた塾とはかなり性質の
違
(
ちが
)
ったものだということがわかり、ちょっと失望したようだった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
違
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
“違”を含む語句
間違
相違
筋違
心得違
斜違
見違
差違
気違
人違
大違
行違
擦違
入違
仲違
思違
筋違橋
聞違
違背
門違
疳違
...