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桃林和尚
桃林和尚はその
話も
聞いて
知つて
居りましたから、いづれ
狐がまた
何か
惡戯をするためにお
寺へ
訪ねて
來たに
違ひないと、
直に
感づきました。
斯う
狐は
言ひました。
狐は
調戯ふつもりでわざと
桃林和尚の
機嫌を
取るやうにしましたが、
賢い
和尚さんはなか/\その
手に
乘りませんでした。
斯う
桃林和尚が
答へましたので、
狐は
頭を
掻き/\
裏の
林の
方へこそ/\
隱れて
行きました。