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わがや
ふりがな文庫
“
我家
(
わがや
)” の例文
しるべの
燈火
(
ともしび
)
かげゆれて、
廊下
(
らうか
)
の
闇
(
やみ
)
に
恐
(
おそ
)
ろしきを
馴
(
な
)
れし
我家
(
わがや
)
の
何
(
なに
)
とも
思
(
おも
)
はず、
侍女
(
こしもと
)
下婢
(
はした
)
が
夢
(
ゆめ
)
の
最中
(
たゞなか
)
に
奧
(
おく
)
さま
書生
(
しよせい
)
の
部屋
(
へや
)
へとおはしぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我家
(
わがや
)
にかへり、かなたこなたに
呟
(
つぶや
)
くさまさながら幸なき人のせんすべしらぬごとくなれども、のち再びいづるにおよびて 一〇—
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
いつになく元
氕
(
き
)
のいい、明るい
顏付
(
かほつき
)
で
勤
(
つと
)
め先から
帰
(
かへ
)
つて※たM
会社員
(
くわいしやゐん
)
の青木さんは、山の
手
(
て
)
のある
靜
(
しづ
)
かな
裏通
(
うらとほ
)
りにある
我家
(
わがや
)
の門口をはひると
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
持
(
もち
)
おもりのする
番傘
(
ばんがさ
)
に、
片手腕
(
かたてうで
)
まくりがしたいほど、
身
(
み
)
のほてりに
夜風
(
よかぜ
)
の
冷
(
つめた
)
い
快
(
こゝろよ
)
さは、
横町
(
よこちやう
)
の
錢湯
(
せんたう
)
から
我家
(
わがや
)
へ
歸
(
かへ
)
る
趣
(
おもむき
)
がある。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その家が以前の
我家
(
わがや
)
——倒産した油堀の伊勢八のあとであろうとは——彼女は目くらめく心地で台所の敷居を踏んだ。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
是非なく
夜
(
よ
)
に紛れて
我家
(
わがや
)
に帰れば、こはまた不思議や、死人の両手は自然に解けて
体
(
たい
)
は地に
堕
(
お
)
ち、見る見る
灼々
(
しゃくしゃく
)
たる光輝を発して
無垢
(
むく
)
の黄金像となりけり。
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
さて
某
(
なにがし
)
は
僕
(
ぼく
)
を
從
(
したが
)
へ
我家
(
わがや
)
をさして
歸
(
かへ
)
る
途
(
みち
)
すがら
曩
(
さき
)
に
雲飛
(
うんぴ
)
が石を
拾
(
ひろ
)
つた川と
同
(
おなじ
)
流
(
ながれ
)
に
懸
(
かゝ
)
つて居る
橋
(
はし
)
まで來ると、
僕
(
ぼく
)
は
少
(
すこ
)
し
肩
(
かた
)
を
休
(
やす
)
める
積
(
つも
)
りで石を
欄干
(
らんかん
)
にもたせて
吻
(
ほつ
)
と
一息
(
ひといき
)
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
年季が明けて一旦
我家
(
わがや
)
に帰っては来ましたが、元来、十二歳から十一年間、師匠の家におり、ほとんど内の者同様にされ、我が家のように思っておったこととて
幕末維新懐古談:21 年季あけ前後のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
と圓次郎の
家
(
いえ
)
を出まして、
我家
(
わがや
)
の門まで来ると、生垣の榎木の所に青がにょきりと立って居りました故
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
全市
(
ぜんし
)
の
富
(
とみ
)
に
易
(
か
)
へても、
我家
(
わがや
)
で
危害
(
きがい
)
を
加
(
くは
)
へたうない。ぢゃによって、
堪忍
(
かんにん
)
して
見
(
み
)
ぬ
介
(
ふり
)
をしてゐやれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
彼は案内も
乞
(
こ
)
わず、わしの家へ入って来る程親しかった。わしの家を
我家
(
わがや
)
の様にふるまった。瑠璃子とも大の仲よしで、三人
鼎座
(
ていざ
)
して、罪もなく笑い興じる日が多かった。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
も云ず面を
見詰
(
みつめ
)
て居たりしが今日は仕方なし
明日
(
あす
)
からは
精
(
せい
)
を出して
買
(
かふ
)
樣
(
やう
)
に致されよ
左右
(
とかく
)
其樣な事にては
江戸
(
えど
)
の
住居
(
すまひ
)
は出來難し先々御
休
(
やす
)
みなされと
云捨
(
いひすて
)
て
我家
(
わがや
)
へこそは
歸
(
かへ
)
りけれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いざ
我家
(
わがや
)
へとて、いなむをうながし、つれ還へり、酒をまうけ、にはとりを殺し、ねんごろに、ふるまひなすうちに、村のものども、まれびとありと聞きつ、みなこの家へ尋ね來りぬ
桃花源記序
(旧字旧仮名)
/
狩野直喜
(著)
処が此間大坂の
我家
(
わがや
)
から、もー学校の始まるのも
近々
(
ちか/″\
)
になつたのだから早く帰れと云ふて手紙が来たので仕方がなく帰る事にした で、
今朝
(
けさ
)
立つと云ふ処であつたのが、
馴染
(
なぢみ
)
になつた
姪
(
めい
)
や
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
八重何が故に
我家
(
わがや
)
を去れるや。われまた何が故にその後を追はざりしや。『矢筈草』の一篇もとこの事を書綴りて愛読者諸君のお慰みにせんと欲せしなり。新聞紙三面の記事は
世人
(
せじん
)
の喜ぶ所なり。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
老栓は歩いて
我家
(
わがや
)
に来た。店の支度はもうちゃんと出来ていた。茶卓は一つ一つ拭き込んで、てらてらに光っていたが、客はまだ一人も見えなかった。小栓は店の隅の
卓子
(
テーブル
)
に向って飯を食っていた。
薬
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
ちかよりみればくらひゐたるは人の
足
(
あし
)
なり。農夫大におどろき、さては村ちかくきつるならんと
我家
(
わがや
)
をきづかひ
狼
(
おほかみ
)
はそのまゝにしてはせかへりしに、家のまへの雪の白きに
血
(
ち
)
のくれなゐをそめけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
晝の野に子らと出て來てかへり見る
我家
(
わがや
)
にしあれや
白木槿
(
しろむくげ
)
の花
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
神
(
かみ
)
もおはしまさば
我家
(
わがや
)
の
檐
(
のき
)
に
止
(
とゞ
)
まりて
御覽
(
ごらん
)
ぜよ、
佛
(
ほとけ
)
もあらば
我
(
わ
)
が
此手元
(
このてもと
)
に
近
(
ちか
)
よりても
御覽
(
ごらん
)
ぜよ、
我
(
わ
)
が
心
(
こゝろ
)
は
清
(
す
)
めるか
濁
(
にご
)
れるか。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
わが
背
(
そびら
)
を之にむけしはたゞ
昨日
(
きのふ
)
の朝の事なり、この者かしこに戻らんとする我にあらはれ、かくてこの路により我を導いて
我家
(
わがや
)
に歸らしむ 五二—五四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
嘗
(
かつ
)
て
雨
(
あめ
)
のふる
夜
(
よ
)
、
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
の
家
(
いへ
)
より
辭
(
じ
)
して
我家
(
わがや
)
に
歸
(
かへ
)
ることありしに、
固
(
もと
)
より
親
(
おや
)
いまさず、いろと
提灯
(
ちやうちん
)
は
持
(
も
)
たぬ
身
(
み
)
の、
藪
(
やぶ
)
の
前
(
まへ
)
、
祠
(
ほこら
)
のうしろ、
左右
(
さいう
)
畑
(
はたけ
)
の
中
(
なか
)
を
拾
(
ひろ
)
ひて
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
譬
(
たと
)
へば、
緩漫
(
なまのろ
)
い
冬
(
ふゆ
)
の
後
(
しり
)
へに
華
(
はなや
)
かな
春
(
はる
)
めが
來
(
く
)
るのを
見
(
み
)
て、
血氣壯
(
けっきさかん
)
な
若
(
わか
)
い
手合
(
てあひ
)
が
感
(
かん
)
ずるやうな
樂
(
たの
)
しさ、
愉快
(
こゝろよ
)
さを、
蕾
(
つぼみ
)
の
花
(
はな
)
の
少女
(
をとめ
)
らと
立交
(
たちまじ
)
らうて、
今宵
(
こよひ
)
我家
(
わがや
)
で
領
(
りゃう
)
せられませうず。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
母の手前そういう訳にもまいりませぬから、
渋々
(
しぶ/\
)
我家
(
わがや
)
へ帰り、様子を尋ねますると、友之助という者が
大伴蟠龍軒
(
おおともばんりゅうけん
)
と
賭碁
(
かけご
)
を打って負けましたので、女房お村を
奪
(
と
)
られた上に
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
錦
(
にしき
)
につゝみ女中一人
外
(
ほか
)
に
附
(
つき
)
の女中三人
添
(
そひ
)
の
捨子
(
すてご
)
とし給ふ加納將監は
乘物
(
のりもの
)
を
舁
(
かゝ
)
せ行き
直樣
(
すぐさま
)
拾
(
ひろ
)
ひ上
乘物
(
のりもの
)
にて
我家
(
わがや
)
へ歸り女房に
渡
(
わた
)
して
養
(
やしな
)
ひ奉つりぬ加納將監は
本高
(
ほんだか
)
六百石なるが
此度
(
このたび
)
二百五十石を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それはおなじ九州のある豪家へ武子さんが
招
(
よ
)
ばれた時には、何千円かを差上げて来ていただいたというのに、
我家
(
わがや
)
へは無償でこられるということより何より、それほどの人にわが
成金
(
なりきん
)
ぶりと
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
世界の
如何
(
いか
)
なる片隅をも
我家
(
わがや
)
のように楽しく談笑している外国人の中に交って、自分ばかりは唯独り心淋しく傾けるキァンチの
一壜
(
ひとびん
)
に年を追うて漸く消えかかる遠い国の思出を呼び戻す事もあった。
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ちかよりみればくらひゐたるは人の
足
(
あし
)
なり。農夫大におどろき、さては村ちかくきつるならんと
我家
(
わがや
)
をきづかひ
狼
(
おほかみ
)
はそのまゝにしてはせかへりしに、家のまへの雪の白きに
血
(
ち
)
のくれなゐをそめけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
昼の野に子らと出て来てかへり見る
我家
(
わがや
)
にしあれや
白木槿
(
しろむくげ
)
の花
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
切
(
き
)
る
夜風
(
よかぜ
)
に
破
(
やぶ
)
れ
屏風
(
びやうぶ
)
の
内
(
うち
)
心配
(
しんぱい
)
になりて
絞
(
しぼ
)
つて
歸
(
かへ
)
るから
車財布
(
ぐるまざいふ
)
のものゝ
少
(
すくな
)
き
程
(
ほど
)
苦勞
(
くらう
)
のたかの
多
(
おほ
)
くなりてまたぐ
我家
(
わがや
)
の
閾
(
しきゐ
)
の
高
(
たか
)
さ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
疊
(
たゝみ
)
のへりも
蛇
(
へび
)
か、とばかり、
我家
(
わがや
)
の
内
(
うち
)
もおど/\しながら
二日
(
ふつか
)
は
無事
(
ぶじ
)
に
過
(
す
)
ぎた、と
云
(
い
)
ふ。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
若江は頭巾を被って居りますから田舎者の方では分りませんが、若江の方で見ると、旧来
我家
(
わがや
)
に勤めている
清藏
(
せいぞう
)
という者ゆえ、嬉しさの余り草臥れも忘れて前へすさり出まして
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
詫
(
かこ
)
ち
爰
(
こゝ
)
の身代にて八十兩位は我が百文の錢程にも思ふまじ何事も御主人の爲と思ひ
那
(
あの
)
金八十兩を
盜取
(
ぬすみとら
)
んと喜八が
不※
(
ふと
)
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
みしは
是
(
これ
)
災難
(
さいなん
)
の
基
(
もとゐ
)
なり夫より喜八は質物を
我家
(
わがや
)
へ
持歸
(
もちかへ
)
りて吉之助を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我家
(
わがや
)
も
投
(
ほう
)
り出しておいて、故中沢彦吉さんに
見出
(
みいだ
)
されたからと、意気に感じて、
夜
(
よ
)
の目も
眠
(
ね
)
ないで尽した誠実はみとめられずに、
喧嘩
(
けんか
)
のように出されて、子たちがいる家にも足むけが出来ないと
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
苔清水ひびきつたふる
幽
(
かす
)
かなる金閣寺の庭を
我家
(
わがや
)
にぞ聴く
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
住みあきし
我家
(
わがや
)
ながらも
青簾
(
あをすだれ
)
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何處
(
どこ
)
の
姉樣
(
あねさま
)
からお
手紙
(
てがみ
)
が
來
(
こ
)
やうぞ、
眞赤
(
まつか
)
な
嘘
(
うそ
)
をと
我家
(
わがや
)
の
見返
(
みかへ
)
られて、
何事
(
なにごと
)
も
御存
(
ごぞん
)
じなしによいお
顏
(
かほ
)
をして
暇
(
ひま
)
を
下
(
くだ
)
さる
勿躰
(
もつたい
)
なさ、あのやうな
毒
(
どく
)
の
無
(
な
)
い
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
二三枚
(
にさんまい
)
着
(
き
)
ものを
始末
(
しまつ
)
して、
風呂敷包
(
ふろしきづつ
)
みを
拵
(
こしら
)
へると、
直
(
す
)
ぐに
我家
(
わがや
)
を
駈出
(
かけだ
)
さうとして、
行
(
ゆき
)
がけの
駄賃
(
だちん
)
に、
何
(
なん
)
と、
姿
(
すがた
)
も
心
(
こゝろ
)
も
消々
(
きえ/″\
)
と
成
(
な
)
つて
泣
(
な
)
いて
居
(
ゐ
)
るお
艷
(
つや
)
の
帶
(
おび
)
を
最
(
も
)
う
一度
(
いちど
)
ぐい、と
引
(
ひ
)
いた。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今長兵衞は着物まで取られてしまい、仕方なく十一になる女の子の
半纒
(
はんてん
)
を借りて着たが、余程短く、下帯の結び目が出ていますが、平気な顔をして日暮にぼんやり
我家
(
わがや
)
へ帰って参り
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鍋二つ
汲水場
(
くみづ
)
に伏せて明らけき夏真昼なり
我家
(
わがや
)
なりにし
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
卑賤
(
ひせん
)
にそだちたる
我身
(
わがみ
)
なれば
初
(
はじ
)
めより
此上
(
このうへ
)
を
見
(
み
)
も
知
(
し
)
らで、
世間
(
せけん
)
は
裏屋
(
うらや
)
に
限
(
かぎ
)
れるものと
定
(
さだ
)
め、
我家
(
わがや
)
のほかに
天地
(
てんち
)
のなしと
思
(
おも
)
はゞ、はかなき
思
(
おも
)
ひに
胸
(
むね
)
も
燃
(
も
)
えじを
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
翌朝
(
よくちょう
)
になり伴藏は志丈を連れて
我家
(
わがや
)
へ帰り、
種々
(
いろ/\
)
昨夜
(
ゆうべ
)
の
惚気
(
のろけ
)
など云っている
店前
(
みせさき
)
へ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
駆けて出て
我家
(
わがや
)
の
門
(
かど
)
へ
飛着
(
とびつ
)
いて、と思ふに、
夜
(
よ
)
も
恁
(
こ
)
う
更
(
ふ
)
けて、
他人
(
ひと
)
の家からは勝手が分らず、考ふれば、毎夜
寐
(
ね
)
つきに聞く職人が湯から帰る
跫音
(
あしおと
)
も、向うと
此方
(
こちら
)
、音にも
裏表
(
うらおもて
)
があるか
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
卑賤
(
ひせん
)
にそだちたる
我身
(
わがみ
)
なれば、
始
(
はじめ
)
よりこの
以上
(
うへ
)
を見も知らで、世間は裏屋に限れる物と
定
(
さだ
)
め、
我家
(
わがや
)
のほかに天地のなしと思はゞ、はかなき思ひに胸も燃えじを
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
是は女房を頼んで取るより
外
(
ほか
)
に仕方が無いと、
往
(
ゆ
)
き
難
(
にく
)
いけれども勘忍して、丁度午後三時少し廻った時分でございましょう、恐々ながら江川村へ這入りました、此処から
我家
(
わがや
)
に近いから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
他
(
た
)
には
数
(
かぞ
)
うるほどの
乗客
(
じようかく
)
もなさゝうな、
余
(
あま
)
り
寂
(
さび
)
しさに、——
夏
(
なつ
)
の
夜
(
よ
)
の
我家
(
わがや
)
を
戸外
(
おもて
)
から
覗
(
のぞ
)
くやうに——
恁
(
か
)
う
上下
(
あとさき
)
を
見渡
(
みわた
)
すと、
可
(
か
)
なりの
寄席
(
よせ
)
ほどにむら/\と
込
(
こ
)
む
室
(
へや
)
も、さあ、
二
(
ふた
)
つぐらゐはあつたらう。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
後刻
(
のち
)
に
學校
(
がくかう
)
で
逢
(
あ
)
はうぜの
約束
(
やくそく
)
、
信如
(
しんによ
)
は
田町
(
たまち
)
の
姉
(
あね
)
のもとへ、
長吉
(
ちようきち
)
は
我家
(
わがや
)
の
方
(
かた
)
へと
行別
(
ゆきわか
)
れるに
思
(
おも
)
ひの
止
(
とゞ
)
まる
紅入
(
べにいり
)
の
友仙
(
ゆうぜん
)
は
可憐
(
いぢら
)
しき
姿
(
すがた
)
を
空
(
むな
)
しく
格子門
(
かうしもん
)
の
外
(
そと
)
にと
止
(
とゞ
)
めぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と是から仙太郎が駕籠屋の安と重三郎の二人を連れて
我家
(
わがや
)
へ
立帰
(
たちかえ
)
りました。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
氣
(
き
)
をつけて
居
(
ゐ
)
るのだから、
臺所
(
だいどころ
)
、もの
置
(
おき
)
は
荒
(
あら
)
しても、めつたに
疊
(
たゝみ
)
は
踏
(
ふ
)
ませないのに、
大地震
(
おほぢしん
)
の
一搖
(
ひとゆ
)
れで、
家中
(
うちぢう
)
、
穴
(
あな
)
だらけ、
隙間
(
すきま
)
だらけで、
我家
(
わがや
)
の
二階
(
にかい
)
でさへ、
壁土
(
かべつち
)
と
塵埃
(
ほこり
)
と
煤
(
すゝ
)
と、
襖
(
ふすま
)
障子
(
しやうじ
)
の
骨
(
ほね
)
だらけな
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
柔
(
やはら
)
かき
人
(
ひと
)
ほど
氣
(
き
)
はつよく
學士
(
がくし
)
人々
(
ひと/″\
)
の
涙
(
なみだ
)
の
雨
(
あめ
)
に
路
(
みち
)
どめもされず、
今宵
(
こよひ
)
は
切
(
せ
)
めてと
取
(
と
)
らへる
袂
(
たもと
)
を
優
(
やさ
)
しく
振切
(
ふりき
)
つて
我家
(
わがや
)
へ
歸
(
かへ
)
れば、お
民
(
たみ
)
手
(
て
)
の
物
(
もの
)
を
取
(
と
)
られしほど
力
(
ちから
)
を
落
(
おと
)
して
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
跡をも見ず飛ぶが如くに
我家
(
わがや
)
に立帰り、
慌
(
あわたゞ
)
しく
拳
(
こぶし
)
をあげて
門
(
かど
)
の戸を
打叩
(
うちたゝ
)
き
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“我家”の解説
「我家」(わがや)は、松山千春が2008年5月21日にリリースした62枚目のシングルである。
(出典:Wikipedia)
我
常用漢字
小6
部首:⼽
7画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“我家”で始まる語句
我家々々