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顯
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あらは
ふりがな文庫
“
顯
(
あらは
)” の例文
新字:
顕
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
、
豫
(
かね
)
て
校庭
(
かうてい
)
に
養
(
やしな
)
はれて、
嚮導
(
きやうだう
)
に
立
(
た
)
つた
犬
(
いぬ
)
の、
恥
(
は
)
ぢて
自
(
みづか
)
ら
殺
(
ころ
)
したとも
言
(
い
)
ひ、
然
(
しか
)
らずと
言
(
い
)
ふのが——こゝに
顯
(
あらは
)
れたのでありました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
説
(
と
)
く
所
(
ところ
)
、
實
(
じつ
)
は
厚利
(
こうり
)
を
爲
(
な
)
さんとして
顯
(
あらは
)
に
名高
(
めいかう
)
を
爲
(
な
)
す
者
(
もの
)
なるに、
之
(
これ
)
に
説
(
と
)
くに
名高
(
めいかう
)
を
以
(
もつ
)
てせば、
則
(
すなは
)
ち
陽
(
あらは
)
に
其身
(
そのみ
)
を
收
(
をさ
)
めて
實
(
じつ
)
は
之
(
これ
)
を
疏
(
うと
)
んぜん。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
かしこに
顯
(
あらは
)
れし諸〻の光より一のうるはしき
音
(
おと
)
十字架の上にあつまり、歌を
解
(
げ
)
しえざりし我もこれに心を奪はれき 一二一—一二三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
取出し見れば
最早
(
もはや
)
顏
(
かほ
)
に
劔難
(
けんなん
)
の
相
(
さう
)
顯
(
あらは
)
れたれば然ば明日は病氣と
僞
(
いつは
)
り供を除き
捕手
(
とりて
)
の向はぬ内に
切腹
(
せつぷく
)
すべしと
覺悟
(
かくご
)
を極め大膳の
許
(
もと
)
へ
使
(
つかひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私はねえ、私を神樣に
還
(
かへ
)
し、神樣を私に
顯
(
あらは
)
してくれる、大事な時が來るまで、時間を數へてゐればいゝの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
姫。おん身の宣給ふところには、わが
諾
(
うべな
)
ひ難き節あれど、われは我心を
明
(
あか
)
すべき詞を求め得ず。人の心にも世のたゝずまひにも、げに神の御心は
顯
(
あらは
)
れたるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼
(
かれ
)
の
容貌
(
ようばう
)
はぎす/\して、
何處
(
どこ
)
か
百姓染
(
ひやくしやうじ
)
みて、
※鬚
(
あごひげ
)
から、ベツそりした
髮
(
かみ
)
、ぎごちない
不態
(
ぶざま
)
な
恰好
(
かつかう
)
は、
宛然
(
まるで
)
大食
(
たいしよく
)
の、
呑※
(
のみぬけ
)
の、
頑固
(
ぐわんこ
)
な
街道端
(
かいだうばた
)
の
料理屋
(
れうりや
)
なんどの
主人
(
しゆじん
)
のやうで、
素氣無
(
そつけな
)
い
顏
(
かほ
)
には
青筋
(
あをすぢ
)
が
顯
(
あらは
)
れ
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
夕涼
(
ゆふすゞ
)
みには
脚
(
あし
)
の
赤
(
あか
)
き
蟹
(
かに
)
も
出
(
い
)
で、
目
(
め
)
の
光
(
ひか
)
る
鮹
(
たこ
)
も
顯
(
あらは
)
る。
撫子
(
なでしこ
)
はまだ
早
(
はや
)
し。
山百合
(
やまゆり
)
は
香
(
か
)
を
留
(
と
)
めつ。
月見草
(
つきみさう
)
は
露
(
つゆ
)
ながら
多
(
おほ
)
くは
別莊
(
べつさう
)
に
圍
(
かこ
)
はれたり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
繼
(
つぎ
)
て
御小姓組
(
おこしやうぐみ
)
と
成
(
なる
)
勤仕
(
きんし
)
の
功
(
こう
)
を
顯
(
あらは
)
し
有章公
(
いうしやうこう
)
の御代に
御徒頭
(
おかちがしら
)
となり其後伊勢山田
奉行
(
ぶぎやう
)
仰付られ初て
芙蓉
(
ふよう
)
の
間
(
ま
)
御役人の
列
(
れつ
)
に入りけるなり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
是故に父よ汝に請ふ、われ大いなる
恩惠
(
めぐみ
)
を受けて汝の
貌
(
かたち
)
を
顯
(
あらは
)
に見るをうべきや
否
(
いな
)
や、
定
(
さだ
)
かに我に知らしめよ。 五八—六〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
若
(
も
)
し
之
(
これ
)
に
説
(
と
)
くに
厚利
(
こうり
)
を
以
(
もつ
)
てせば、
則
(
すなは
)
ち
陰
(
ひそか
)
に
其言
(
そのげん
)
を
用
(
もち
)
ひて
顯
(
あらは
)
に
其身
(
そのみ
)
を
棄
(
す
)
てん。
此
(
これ
)
を
之
(
こ
)
れ
知
(
し
)
らざる
可
(
べ
)
からざるなり。
夫
(
そ
)
れ
事
(
こと
)
は
密
(
みつ
)
を
以
(
もつ
)
て
成
(
な
)
り、
語
(
ご
)
は
泄
(
も
)
るるを
以
(
もつ
)
て
敗
(
やぶ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
案内者に
續松
(
ついまつ
)
とらせて行きつゝ、柱しげき間に、忽ち
顯
(
あらは
)
れ忽ち隱るゝ光景今も見ゆらん心地す。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
紋着
(
もんつき
)
、
白
(
しろ
)
えりで
盛裝
(
せいさう
)
した、
艷
(
えん
)
なのが、
茶
(
ちや
)
わんとはしを
兩手
(
りやうて
)
に
持
(
も
)
つて、
目
(
め
)
の
覺
(
さ
)
めるやうに
顯
(
あらは
)
れて、すぐに
一切
(
ひとき
)
れはさんだのが、その
人
(
ひと
)
さ。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
怨
(
うら
)
めし氣に
見遣
(
みや
)
り之は先にも申し上し通り私
爭
(
いかで
)
か人を
殺
(
ころ
)
しうべき又た先妻梅儀を
離縁
(
りえん
)
致せしは昌次郎と
不義
(
ふぎ
)
顯
(
あらは
)
れし故
離縁状
(
りえんじやう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかして
顯
(
あらは
)
にもひそかにも彼と異なる道を行く者、その時神の
廳
(
つかさ
)
の
長
(
をさ
)
たらむ 一四二—一四四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
これを
憶
(
おも
)
へば烟立つヱズヰオの
巓
(
いたゞき
)
、露けく緑深き葡萄の蔓の木々の梢より梢へと纏ひ懸れる美しき
谿間
(
たにま
)
、或は苔を被れる岩壁の上に
顯
(
あらは
)
れ或は濃き
橄欖
(
オリワ
)
の林に遮られたる
白堊
(
はくあ
)
の
城砦
(
じやうさい
)
など
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
夫
(
そ
)
れ
(六九)
貴人
(
きじん
)
、
計
(
けい
)
を
得
(
え
)
て、
自
(
みづか
)
ら
以
(
もつ
)
て
功
(
こう
)
と
爲
(
な
)
さんと
欲
(
ほつ
)
するを、
説者
(
ぜいしや
)
與
(
あづ
)
かり
知
(
し
)
れば
則
(
すなは
)
ち
身
(
み
)
危
(
あやふ
)
し。
(七〇)
彼
(
かれ
)
顯
(
あらは
)
に
出
(
い
)
だす
所
(
ところ
)
の
事
(
こと
)
有
(
あ
)
り、
廼
(
すなは
)
ち
自
(
みづか
)
ら
以
(
もつ
)
て
也故
(
たこ
)
と
爲
(
な
)
すに、
説者
(
ぜいしや
)
與
(
あづ
)
かり
知
(
し
)
れば
則
(
すなは
)
ち
身
(
み
)
危
(
あやふ
)
し。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
眞正面
(
まつしやうめん
)
に、
凹字形
(
あふじけい
)
の
大
(
おほき
)
な
建
(
たて
)
ものが、
眞白
(
まつしろ
)
な
大軍艦
(
だいぐんかん
)
のやうに
朦朧
(
もうろう
)
として
顯
(
あらは
)
れました。と
見
(
み
)
ると、
怪
(
あや
)
し
火
(
び
)
は、
何
(
なん
)
と、ツツツと
尾
(
を
)
を
曳
(
ひ
)
きつゝ。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
思
(
おも
)
ふと、
忽然
(
こつねん
)
として、
顯
(
あらは
)
れて、むくと
躍
(
をど
)
つて、
卓子
(
テエブル
)
の
眞中
(
まんなか
)
へ
高
(
たか
)
く
乘
(
の
)
つた。
雪
(
ゆき
)
を
拂
(
はら
)
へば
咽喉
(
のど
)
白
(
しろ
)
くして、
茶
(
ちや
)
の
斑
(
まだら
)
なる、
畑將軍
(
はたしやうぐん
)
の
宛然
(
さながら
)
犬獅子
(
けんじし
)
……
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
玉子
(
たまご
)
の
半熟
(
はんじゆく
)
、と
誂
(
あつら
)
へると、やがて
皿
(
さら
)
にのつて、
白服
(
しろふく
)
の
手
(
て
)
からトンと
湧
(
わ
)
いて、
卓子
(
テエブル
)
の
上
(
うへ
)
へ
顯
(
あらは
)
れたのは、
生々
(
なま/\
)
しい
肉
(
にく
)
の
切味
(
きりみ
)
に、
半熟
(
はんじゆく
)
の
乘
(
の
)
つたのである。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
時
(
とき
)
、
神通
(
じんづう
)
を
顯
(
あらは
)
して、
討死
(
うちじに
)
を
窮地
(
きうち
)
に
救
(
すく
)
つたのが、
先生
(
せんせい
)
の
紹介状
(
せうかいじやう
)
の
威徳
(
ゐとく
)
で、
從
(
したが
)
つて
金色夜叉夫人
(
こんじきやしやふじん
)
の
情
(
なさけ
)
であつた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
(
み
)
る
毎
(
たび
)
に、あツと
聲
(
こゑ
)
を
上
(
あ
)
げて、
追
(
お
)
へば、
其
(
そ
)
の
疾
(
はや
)
い
事
(
こと
)
、ちよろ/\と
走
(
はし
)
つて
消
(
き
)
えて、すぐに、のろりと
顯
(
あらは
)
れる。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
旦那
(
だんな
)
、お
待遠樣
(
まちどほさま
)
づらえ。」
何處
(
どこ
)
だと
思
(
おも
)
ふ、
伊達
(
だて
)
の
建場
(
たてば
)
だ。
組合
(
くみあひ
)
の
面
(
つら
)
にかゝはる、と
言
(
い
)
つた
意氣
(
いき
)
が
顯
(
あらは
)
れる。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此方
(
こつち
)
で
其
(
そ
)
の
意氣
(
いき
)
の
顯
(
あらは
)
れる
時分
(
じぶん
)
には、
親仁
(
おやぢ
)
は
車
(
くるま
)
の
輪
(
わ
)
を
覗
(
のぞ
)
くやうに
踞込
(
しやがみこ
)
んで、
髯
(
ひげ
)
だらけの
唇
(
くちびる
)
を
尖
(
とんが
)
らして、
管
(
くだ
)
と
一所
(
いつしよ
)
に、
口
(
くち
)
でも、しゆツ/\
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
くのだから
面白
(
おもしろ
)
い。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
黒人
(
くろんぼ
)
の
給仕
(
きふじ
)
に
導
(
みちび
)
かれて、
燈籠
(
とうろう
)
の
影
(
かげ
)
へ
顯
(
あらは
)
れたつけね——
主人
(
しゆじん
)
の
用
(
よう
)
に
商賣
(
あきなひ
)
ものを
運
(
はこ
)
ぶ
節
(
せつ
)
は、
盜賊
(
どろばう
)
の
用心
(
ようじん
)
に
屹
(
きつ
)
と
持
(
も
)
つ……
穗長
(
ほなが
)
の
槍
(
やり
)
をねえ、こんな
場所
(
ばしよ
)
へは
出
(
で
)
つけないから
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、もの
珍
(
めづ
)
らしげに
瞻
(
みまも
)
つたのは、
故
(
わざ
)
と
拾
(
ひろ
)
ふために、
世
(
よ
)
に、
此處
(
こゝ
)
に
顯
(
あらは
)
れた
美
(
うつく
)
しい
人
(
ひと
)
とも
思
(
おも
)
つたらう。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
背
(
せい
)
の
高
(
たか
)
いのは、
極
(
きは
)
めて、
品
(
ひん
)
の
可
(
よ
)
い
艷
(
つや
)
やかな
圓髷
(
まるまげ
)
で
顯
(
あらは
)
れる。
少
(
わか
)
いのは
時々
(
より/\
)
に
髮
(
かみ
)
が
違
(
ちが
)
ふ、
銀杏返
(
いてふがへ
)
しの
時
(
とき
)
もあつた、
高島田
(
たかしまだ
)
の
時
(
とき
)
もあつた、
三輪
(
みつわ
)
と
云
(
い
)
ふのに
結
(
ゆ
)
つても
居
(
ゐ
)
た。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大方
(
おほかた
)
は
恁
(
か
)
くあらむと、
期
(
ご
)
したることとて、
民子
(
たみこ
)
も
豫
(
あらかじ
)
め
覺悟
(
かくご
)
したから、
茶店
(
ちやみせ
)
で
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
は
)
いて
來
(
き
)
たので、
此處
(
こゝ
)
で
母衣
(
ほろ
)
から
姿
(
すがた
)
を
顯
(
あらは
)
し、
山路
(
やまぢ
)
の
雪
(
ゆき
)
に
下立
(
おりた
)
つと、
早
(
は
)
や
其
(
そ
)
の
爪先
(
つまさき
)
は
白
(
しろ
)
うなる。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
かと
思
(
おも
)
へば、
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
近
(
ちか
)
いのは、あらう
事
(
こと
)
か、
鬼
(
おに
)
の
首
(
くび
)
を
古綿
(
ふるわた
)
で
面形
(
めんがた
)
に
取
(
と
)
つた
形
(
かたち
)
に、
靄
(
もや
)
がむら/\と
瓦斯燈
(
がすとう
)
の
其
(
そ
)
の
消
(
き
)
えたあとに
蟠
(
わだかま
)
つて、
怪
(
あや
)
しく
土蜘蛛
(
つちぐも
)
の
形
(
かたち
)
を
顯
(
あらは
)
し、
同
(
おな
)
じ
透間
(
すきま
)
から
吹
(
ふ
)
く
息
(
いき
)
も
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
犬
(
いぬ
)
どもの、
耳
(
みゝ
)
には
火
(
ひ
)
を
立
(
た
)
て、
牙
(
きば
)
には
火
(
ひ
)
を
齒
(
は
)
み、
焔
(
ほのほ
)
を
吹
(
ふ
)
き、
黒煙
(
くろけむり
)
を
尾
(
を
)
に
倦
(
ま
)
いて、
車
(
くるま
)
とも
言
(
い
)
はず、
人
(
ひと
)
とも
言
(
い
)
はず、
炎
(
ほのほ
)
に
搦
(
から
)
んで、
躍上
(
をどりあが
)
り、
飛蒐
(
とびかゝ
)
り、
狂立
(
くるひた
)
つて
地獄
(
ぢごく
)
の
形相
(
ぎやうさう
)
を
顯
(
あらは
)
したであらう
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
眞俯向
(
まうつむ
)
けに
行
(
ゆ
)
く
重
(
おも
)
い
風
(
かぜ
)
の
中
(
なか
)
を、
背後
(
うしろ
)
からスツと
輕
(
かる
)
く
襲
(
おそ
)
つて、
裾
(
すそ
)
、
頭
(
かしら
)
をどツと
可恐
(
おそろし
)
いものが
引包
(
ひきつゝ
)
むと
思
(
おも
)
ふと、ハツとひき
息
(
いき
)
に
成
(
な
)
る
時
(
とき
)
、さつと
拔
(
ぬ
)
けて、
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
へ
眞白
(
まつしろ
)
な
大
(
おほき
)
な
輪
(
わ
)
の
影
(
かげ
)
が
顯
(
あらは
)
れます。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
或
(
あるひ
)
は
此
(
こ
)
の
室
(
しつ
)
にのみ、
場所
(
ばしよ
)
と
機會
(
きくわい
)
に
因
(
よ
)
つて
形
(
かたち
)
を
顯
(
あらは
)
す、
世
(
よ
)
に
亡
(
な
)
き
人
(
ひと
)
の
怨靈
(
をんりやう
)
ならずや。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ずらりと
女學生
(
ぢよがくせい
)
たちを
從
(
したが
)
へて、
頬
(
ほゝ
)
と
頤
(
あご
)
をだぶ/″\、
白髮
(
しらが
)
の
渦
(
うづまき
)
を
卷
(
ま
)
かせて、
恁
(
か
)
う
反身
(
そりみ
)
に
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た
所
(
ところ
)
が、
何
(
なん
)
ですかね
私
(
わたし
)
には、
彼處
(
あすこ
)
に
居
(
ゐ
)
る、
其
(
そ
)
の
狂人
(
きちがひ
)
を、
救助船
(
たすけぶね
)
で
濟度
(
さいど
)
に
顯
(
あらは
)
れたやうに
見
(
み
)
えたんです。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
に
可恐
(
おそろし
)
かつたのは、
坂
(
さか
)
の
上
(
うへ
)
へ、あれなる
狂人
(
きちがひ
)
の
顯
(
あらは
)
れた
事
(
こと
)
である。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯今
(
たゞいま
)
、
寢
(
ね
)
おびれた
幼
(
をさない
)
のの、
熟
(
じつ
)
と
視
(
み
)
たものに
目
(
め
)
を
遣
(
や
)
ると、
狼
(
おほかみ
)
とも、
虎
(
とら
)
とも、
鬼
(
おに
)
とも、
魔
(
ま
)
とも
分
(
わか
)
らない、
凄
(
すさま
)
じい
面
(
つら
)
が、ずらりと
並
(
なら
)
んだ。……いづれも
差置
(
さしお
)
いた
荷
(
に
)
の
恰好
(
かつかう
)
が
異類
(
いるゐ
)
異形
(
いぎやう
)
の
相
(
さう
)
を
顯
(
あらは
)
したのである。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人間
(
にんげん
)
然
(
さ
)
うした
場合
(
ばあひ
)
には、
實際
(
じつさい
)
、
謙遜
(
けんそん
)
の
美徳
(
びとく
)
を
顯
(
あらは
)
す。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
顯
部首:⾴
23画
“顯”を含む語句
露顯
顯微鏡
顯職
相顯
見顯
顯著
發顯
立顯
表顯
隱顯
顯實
顯文紗
顯然
顯紋紗