なら)” の例文
といわれるので、長吉ちょうきち落第らくだいしてはならないとおもって、うちかえってからも、その学校がっこうならってきた算術さんじゅつはかならず復習ふくしゅういたしました。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
牝牛めうし小鳥ことりは、どうしてこんなにうつかりしてゐたのでせう。早速さつそく子守歌こもりうたならはなければなりません。ところでだれならつたものでせう。
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
書をならうんでも然り、各〻、仰ぐ月は一つだが、高嶺たかねにのぼる道をいろいろに踏み迷ったり、ほかの道から行ってみたり、いずれも皆
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
祖父殿おんぢいどんはの、山伏やまぶし姿すがたしたたび修業者しゆげふじやが、道陸神だうろくじんそば病倒やみたふれたのを世話せわして、死水しにみづらしつけ……修業者しゆげふじやならつたひます。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
舟で浦づたいにそういう地形を求めてあるくならわしが、久しく続いていたのではないかどうか。少なくとも一度は考えてみる価値がある。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
わたしはそれをならふために授業じゆげふけてはゐませんでした』とつて海龜うみがめ長太息ためいきし、『わたしたゞ規則きそくどほりの課程くわていんだゝけです』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
かうあばれてるうちにも自分じぶんは、彼奴きやつ何時いつにチヨークぐわならつたらう、何人だれ彼奴きやつをしへたらうとればかりおもつゞけた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
今日きょうも、ローズ・ブノワさんは読方よみかたならったところをちっとも間違まちがえずに諳誦あんしょうしました。それで、いいおてんをいただきました。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
番頭傳兵衞でんべゑいへる者あづか支配しはいなし居たるが此處に吉之助をつかはして諸藝しよげいの師をえらみ金銀にかゝはらずならはするに日々生花いけばなちや其外そのほか遊藝いうげい彼是なにくれと是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
元來ぐわんらいりよ科擧くわきよおうずるために、經書けいしよんで、五ごんつくることをならつたばかりで、佛典ぶつてんんだこともなく、老子らうし研究けんきうしたこともない。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
そこに球突塲たまつきばがあつたので聊のまゝ運動うんどうがてら二十てんといふところあたりからならひ出したのが、病みつきのはじめだつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
ロミオ マーキューシオーどの、ゆるしてくだされ、じつ是非ぜひない所用しょようがあったからぢゃ。あんなをりには、つい、その、れいぐることがあるならひぢゃ。
それゆゑに重荷おもになど持たるは、たとへ武家たりとも一足ひとあし踏退ふみのきて(ふみのくべきあとはあり)道をゆづるが雪国のならひ也。
これは近頃ちかごろ西洋せいよう文明ぶんめいがはひつててもおなじことで、いかに西洋風せいようふうならつても、あるてんには日本人につぽんじんには日本人につぽんじんらしい趣味しゆみ特質とくしつが、えないのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
処女時代むすめじだいけたわたくし教育しつけというのは大体だいたいそんなもので、馬術ばじゅつのち三浦家みうらけ嫁入よめいりしてからならいました。
「そうだ」どこでぼくは、そんなことをならったろうと思いながら、ジョバンニもぼんやり答えていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
今では小学校の読本とくほんは、日本中どこへいっても同じのを使つかっておりますが、その当時とうじは、北海道用という特別とくべつのがあって、わたしたちは、それをならったものです。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
この時からもう自分のゆくすえというものをいつどんな場合にもあらかじめあきらめておくならわしがついた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
かれくするのは、別段べつだん同情どうじやうからでもなく、とつて、情誼じやうぎからするのでもなく、たゞみぎとなりにゐるグロモフとひとならつて、自然しぜん其眞似そのまねをするのでつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
御同僚ごどうりよう奧樣おくさまがたのやうにおはなのおちやの、うたのとならてたこともなければ其御話そのおはなしの相手あいて出來できませぬけれど、出來できずは人知ひとしれずならはせてくださつてもむべきはづ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大阪でチボ(スリ)とえば、理非をわかたず打殺して川にほうり込むならわしだから、私は本当に怖かった。何でもげるにかずと覚悟をして、はだしになって堂島の方に逃げた。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
実を云ふと三四郎には確然たる入鹿いるかの観念がない。日本歴史をならつたのが、あまりに遠い過去であるから、古い入鹿いるかの事もつい忘れて仕舞つた。推古天皇の時の様でもある。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「ここはよい土地とちなんだろうか? それとも、よくない土地なんだろうか?」と、ニールスは思いました。そして、学校でならったことを、一生けんめい思いだそうとしました。
それとともに、時代じだいうつると、言葉ことば意味いみや、むかしにいひならはしたわけが、わからなくなるために、後世こうせいでは、なんのくつもわからない『いひならはし』となつてしまつたのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
となりのおゆうさんが手習てならひ祖父おぢいさんのいたお手本てほんならふのもその部屋へやでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一体いったいあちらの人は、夜寝床にく前になると、一般に蝋燭ろうそくともならわしであるのだが、当時そのとき恰度ちょうどその部屋の中に、或る血だらけの顔の人が、煙の如く影の如くうしても見えるというのだ。
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
此のでけ身代しんでいさわる事もありますまい、人の難儀を救わねえのが開化のならいでございますか、私は旧弊の田舎者で存じませぬ、もう再び此のうちへはまいりません只今貴方のおっしゃった事は
飮みならツて了ツたもんですから、些とめるてえ譯にはまいらないんですよ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あれは寅藏に手習を教へる時『おれはげなんのとらぞうおいとはしゆじんだ』と言つたやうな文句をふざけ乍らならはせ、その二枚を半分づつ繼いで『おれはげしゆじんだ』と讀ませたのだらう。
お前たちは、この子を警戒して、決してこれにならつてはいけない。また、もし必要な場合には、この子とは仲間にならずともよろしい。遊びのものにしても、口をいてやらなくても構はない。
はちかつぎが子供こどもとき、おかあさんからならったことは、むかし御本ごほんんだり、和歌わかんだり、こと琵琶びわをひいたりすることばかりでした。でもそんなことは女中じょちゅうのしごとにはなんやくにもちません。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
起床喇叭吹きならしゆく木の芽どき月夜にはよき夏向ふなり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
七つ、なんでもならひたい
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
国は偉人のあるなら
県歌 信濃の国 (新字新仮名) / 浅井洌(著)
『それだかられが學科がくくわはれるのです』とグリフォンが注意ちういしました、『うして毎日々々まいにち/\ならひくづしになつてくのです』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「わたしは、おまえさんから、そのおどりをならいたいのですから、そんな、気兼きがねはすこしもいりません。」と、おさまさまはこたえられました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あなたがたあかちやんがもうぢきうまれるといふのに、子守歌こもりうたならひもしないで、そんな暢氣のんきなことをつていらつしやる。」
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
通りたる時不※ふと竹本政太夫方へ呼込よびこまれ療治をなし居けるうち五六人義太夫をならひに來りしに元より城富も好のみちゆゑ我を忘れて聞ながら長く療治れうぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此兒このこわたし弟子でしにするといふのですか貴樣あなたは? 途方とはうもないこと、此兒このこわたし師匠しゝやうだ、わたし此兒このこならいたいくらゐだ!』
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
地上ちじゃうそんするものたるかぎり、如何いかしいしな何等なにらかのえききょうせざるはく、また如何いかいものも用法ようはふたゞしからざればそのせいもとり、はからざるへいしゃうずるならひ。
こういうのは明らかに「おもろ」のつねならいを忘れ且つまた以前の信仰を持ち伝えていなかった証拠である。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ならひたての九字くじるやうな、ゆびさきてのひらいて、次手ついで道中安全だうちうあんぜん女難即滅ぢよなんそくめつじゆとなへる。……
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれがかくするのは、別段べつだん同情どうじょうからでもなく、とって、情誼じょうぎからするのでもなく、ただみぎとなりにいるグロモフとひとならって、自然しぜんその真似まねをするのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それからたれをそはるともなく次第しだいならおぼえて、去年きよねんあたりちよつとその熱病期ねつびやうきだつたともへる。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
おとつさんは刎橋はねばし番屋ばんやるよとならはずして其道そのみちのかしこさ、梯子はしごのりのまねびにアレしのびがへしをおりりましたとうつたへのつべこべ、三びやくといふ代言だいげんもあるべし
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『軍学をならいに通っているまに、五郎左衛門の娘、八雲どのに、こッそり恋をしたものらしい』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それだから仕事しごと予定よてい肥料ひりょうの入れようも見当がつかないのだ。ぼくはもう少しならったらうちの田をみんな一まいずつはかって帳面ちょうめんじておく。そして肥料だのすっかり考えてやる。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかし、それはうまれつき下手へたであつたといふわけではない證據しようこには、のち支那しな朝鮮ちようせんから繪畫かいがつたはつてると、すぐにそれをならつて、非常ひじよう立派りつぱなものをつくすことになつたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
末子すゑこ學校がくかう先生せんせいから手工しゆこうならひませう、自分じぶんかみはこなどをつくるのは、上手じやうず出來できても出來できなくても、たのしみなものでせう。とうさんが自分じぶんたこつくつたのは、丁度ちやうど前達まへたち手工しゆこうたのしみでしたよ。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
これでもなく懐胎みごもって、おとこでもうまれれば、なんのことはないのでございますが、そこがままならぬ浮世うきよならいで、一ねんっても、二ねんぎても、三ねんれても、ドウしても小供こどもうまれないので