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安心
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あんしん
ふりがな文庫
“
安心
(
あんしん
)” の例文
そして、ここがいちばん
安心
(
あんしん
)
だというふうに、
頭
(
あたま
)
をかしげて、いままでさわいで
疲
(
つか
)
れたからだを、じっとして
休
(
やす
)
めるのでありました。
山へ帰ったやまがら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「うん、うん、それはお
前
(
まえ
)
の
言
(
い
)
うとおりだとも。だからねずみの
言
(
い
)
うことは
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げずに
帰
(
かえ
)
してやったのだから、
安心
(
あんしん
)
おしなさい。」
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
安心
(
あんしん
)
なさい。
妃
(
きさき
)
はまだ生きています。じつは、わたしはメジカをこっそり
殺
(
ころ
)
させて、ここにある
証拠
(
しょうこ
)
の
品
(
しな
)
をとっておいたのですよ。
手なしむすめ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
目
(
め
)
にたゝへてお
高
(
たか
)
斯
(
か
)
くとは
言
(
いひ
)
出
(
だ
)
しぬ
歳月
(
としつき
)
心
(
こゝろ
)
を
配
(
くば
)
りし
甲斐
(
かひ
)
に
漸
(
やうや
)
く
此詞
(
このことば
)
にまづ
安心
(
あんしん
)
とは
思
(
おも
)
ふものゝ
運平
(
うんぺい
)
なほも
油斷
(
ゆだん
)
をなさず
起居
(
たちゐ
)
につけて
目
(
め
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今
(
いま
)
さらお
前
(
まえ
)
さんとこの
太夫
(
たゆう
)
が、
金鋲
(
きんびょう
)
を
打
(
う
)
った
駕籠
(
かご
)
で
迎
(
むか
)
えに
来
(
き
)
ようが、
毛筋
(
けすじ
)
一
本
(
ぽん
)
動
(
うご
)
かすような
女
(
おんな
)
じゃねえから
安心
(
あんしん
)
しておいでなせえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたし
)
も
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
りあのSさんのやうに
皆
(
みな
)
さんにもうお
訣
(
わか
)
れです、でもね
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
、
大
(
おほ
)
きな
大
(
おほ
)
きな
丘陵
(
きうりよう
)
のやうに、
安心
(
あんしん
)
して
横
(
よこ
)
たはつてゐますのよ。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
たずねて
村役人
(
むらやくにん
)
の
家
(
いえ
)
へいくと、あらわれたのは、
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
に
落
(
お
)
ちかかるように
眼鏡
(
めがね
)
をかけた
老人
(
ろうじん
)
でしたので、
盗人
(
ぬすびと
)
たちはまず
安心
(
あんしん
)
しました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
あっさりとさばけた
態度
(
たいど
)
で、そう
言
(
い
)
われましたので、
私
(
わたくし
)
の
方
(
ほう
)
でもすっかり
安心
(
あんしん
)
して、
思
(
おも
)
い
浮
(
うか
)
ぶまま
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
にいろいろな
事
(
こと
)
をおききしました
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
掛ず
惡
(
わる
)
い
夢
(
ゆめ
)
だと
斷念
(
あきらめ
)
て御
辛抱
(
しんばう
)
を成されなば大旦那にも
安心
(
あんしん
)
致され
家督
(
かとく
)
を御
讓
(
ゆず
)
り有れんと思ひ
運
(
めぐ
)
らすことも有ば何は
扨置
(
さておき
)
御家督を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
また
彼方此方
(
あつちこち
)
五六
軒
(
けん
)
立場茶屋
(
たてばぢやや
)
もござりますが、
美
(
うつく
)
しい
貴女
(
あなた
)
さま、
唯
(
たつた
)
お
一人
(
ひとり
)
、
預
(
あづ
)
けまして、
安心
(
あんしん
)
なは、
此
(
こ
)
の
外
(
ほか
)
にござりませぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
(ここは何かの
寄宿舎
(
きしゅくしゃ
)
か。そうでなければ
避病院
(
ひびょういん
)
か。とにかく二階にどうもまだ
誰
(
だれ
)
か
残
(
のこ
)
っているようだ。一ぺん見て来ないと
安心
(
あんしん
)
ができない。)
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのうちに
復
(
ま
)
た
父
(
とう
)
さんは
出掛
(
でか
)
けて
行
(
ゆ
)
きました。『
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
、
榎木
(
えのき
)
の
實
(
み
)
はもう
紅
(
あか
)
くなつて
居
(
ゐ
)
る。』と
安心
(
あんしん
)
して、ゆつくり
構
(
かま
)
へて
出掛
(
でか
)
けて
行
(
ゆ
)
きました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
醫者
(
いしや
)
と一
緒
(
しよ
)
に
歸
(
かへ
)
るからさういつてお
品
(
しな
)
に
安心
(
あんしん
)
させて
呉
(
く
)
れといつて
醫者
(
いしや
)
の
門
(
もん
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。
醫者
(
いしや
)
は
丁度
(
ちやうど
)
そつちへ
行
(
ゆ
)
く
序
(
ついで
)
も
有
(
あ
)
つたからと
悠長
(
いうちやう
)
である。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
然
(
しか
)
し
此方
(
こつち
)
から
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つて
行
(
ゆ
)
けば、
叔母
(
をば
)
さんだつて、
安
(
やす
)
さんだつて、
夫
(
それ
)
でも
否
(
いや
)
だとは
云
(
い
)
はれないわ。
屹度
(
きつと
)
出來
(
でき
)
るから
安心
(
あんしん
)
して
居
(
ゐ
)
らつしやい。
私
(
わたし
)
受合
(
うけあ
)
ふわ
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
貴方
(
あなた
)
は
思想家
(
しそうか
)
で
考深
(
かんがえぶか
)
い
方
(
かた
)
です。
貴方
(
あなた
)
のような
人
(
ひと
)
はどんな
場所
(
ばしょ
)
にいても、
自身
(
じしん
)
において
安心
(
あんしん
)
を
求
(
もと
)
めることが
出来
(
でき
)
ます。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其後ふっつりM君の消息を聞かなかったが、
翌年
(
よくとし
)
ある日の新聞に、M君が
安心
(
あんしん
)
を求む可く妻子を捨てゝ京都
山科
(
やましな
)
の
天華香洞
(
てんかこうどう
)
に
奔
(
はし
)
った事を報じてあった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
敵
(
てき
)
におそわれたり、たべものに
不自由
(
ふじゆう
)
する
心配
(
しんぱい
)
もなく、
安心
(
あんしん
)
して、卵をかえしたり、ひなをそだてたりすることのできるところがたくさんあるのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それだけのさいなんで、
命
(
いのち
)
びろいをしたと思えば、あきらめがつく。もう、これでおまえのからだから、
悪霊
(
あくりょう
)
がきえさったのじゃから、
安心
(
あんしん
)
するがよい。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで
張
(
は
)
りつめてゐた
氣
(
き
)
が
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
ゆるんで、
彼女
(
かのぢよ
)
は一
時
(
じ
)
の
安心
(
あんしん
)
のためにがつかりしてしまつたのである。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
翁
(
おきな
)
も
少
(
すこ
)
し
安心
(
あんしん
)
して、
例
(
れい
)
の
五人
(
ごにん
)
の
人
(
ひと
)
たちの
集
(
あつま
)
つてゐるところに
行
(
い
)
つて、そのことを
告
(
つ
)
げますと、みな
異存
(
いぞん
)
のあらうはずがありませんから、すぐに
承知
(
しようち
)
しました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
明るいところに
魔
(
ま
)
の
住
(
す
)
まないごとく、花前のような生活には
虚偽
(
きょぎ
)
罪悪
(
ざいあく
)
などいうものの
宿
(
やど
)
りようがない。
大悟徹底
(
だいごてってい
)
というのがそれか。
絶対的
(
ぜったいてき
)
安心
(
あんしん
)
というのがそれか。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「——お前が日本人であることがはっきりわかるか、それとも空魔艦がなぜお前を下ろしたかその
理由
(
わけ
)
が分るか、そのどっちかが分らない間は
安心
(
あんしん
)
していられないのだ」
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
が
讃
(
ほ
)
めたのだからといふので、
安心
(
あんしん
)
してよいものだと
思
(
おも
)
つてゐることがたび/\あります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
だが、あいてのダッタン人はおそろしく力の強い男で、めったにへたばるようなやつじゃない。だからなぐるほうも、
安心
(
あんしん
)
して気がすむまでなぐりつづけたというわけなのです。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
カーテンをひいて、へやがうす暗くなると、それで
安心
(
あんしん
)
したのか、
食卓
(
しょくたく
)
につくと、まるで三日も四日もたべずにいたかのように、
皿
(
さら
)
のなかの物をかたっぱしからたいらげていった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
それさへ
言
(
い
)
うてたもったら、
詳細事
(
くはしいこと
)
は
後
(
あと
)
でもよい。
速
(
はや
)
う
安心
(
あんしん
)
さしてたも、
吉
(
きつ
)
か、
凶
(
きょう
)
か?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
全線中で一ばん
危険
(
きけん
)
な
場所
(
ばしょ
)
になっている
急勾配
(
きゅうこうばい
)
のカーブにさしかかるにはまだだいぶ
間
(
ま
)
があるので、わたしは
安心
(
あんしん
)
してまた腰をおろすと、いろいろと内地の家のことなどを思いだして
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
で、その
存在
(
そんざい
)
をたしかめると、
安心
(
あんしん
)
したやうにまたすぐ
穴
(
あな
)
の
所
(
ところ
)
へ
飛
(
と
)
び
降
(
お
)
りて
來
(
き
)
た。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
成
(
な
)
るたけ
手持
(
てもち
)
の
商品
(
しやうひん
)
を
減
(
げん
)
じて
居
(
を
)
つたが、
既
(
すで
)
に
爲替相場
(
かはせさうば
)
が
上
(
あが
)
つてしまつて、
其方面
(
そのはうめん
)
から
來
(
く
)
る
物價低落
(
ぶつかていらく
)
がなくなつたからして、
最早
(
もはや
)
安心
(
あんしん
)
して
手持
(
てもち
)
を
殖
(
ふや
)
すことが
出來
(
でき
)
る、
即
(
すなは
)
ち
商取引
(
しやうとりひき
)
が
殖
(
ふ
)
える
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
無論
(
むろん
)
、
絶海
(
ぜつかい
)
の
孤島
(
ことう
)
であれば、
三年
(
さんねん
)
や
五年
(
ごねん
)
の
間
(
あひだ
)
に
他國
(
たこく
)
の
侵犯
(
しんはん
)
を、
蒙
(
かうむ
)
るやうな
事
(
こと
)
はあるまいが、
安心
(
あんしん
)
のならぬは
現
(
げん
)
に
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
沈沒
(
ちんぼつ
)
の
結果
(
けつくわ
)
、
偶然
(
ぐうぜん
)
にも
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
漂着
(
へうちやく
)
した
吾等
(
われら
)
兩人
(
ふたり
)
の
實例
(
じつれい
)
に
照
(
てら
)
しても
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
来往
(
らいおう
)
常
(
つね
)
ならずして身を終るまで
円満
(
えんまん
)
の
安心
(
あんしん
)
快楽
(
かいらく
)
はあるべからざることならん。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
『さァ、もう
可
(
い
)
い!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
思
(
おも
)
ひました。『これで
安心
(
あんしん
)
』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
安心
(
あんしん
)
立命
(
りつめい
)
の一境地に立って心中に叫んだ。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
やれやれ やつと
安心
(
あんしん
)
した
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
そのとき、
俺
(
わし
)
は、もし、
声
(
こえ
)
がよかったら、ほかの
鳥
(
とり
)
にそねまれたり、
人間
(
にんげん
)
にねらわれたりして、
安心
(
あんしん
)
した
生活
(
せいかつ
)
が
送
(
おく
)
られないといった。
すみれとうぐいすの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
頼光
(
らいこう
)
はそれを
聞
(
き
)
いてやっと
安心
(
あんしん
)
しました。そしてしばらく
小屋
(
こや
)
の中に
入
(
はい
)
って足の
疲
(
つか
)
れをやすめました。その
時
(
とき
)
三
人
(
にん
)
のおじいさんは
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
金
(
きん
)
のお
城
(
しろ
)
の王女は、これをきいて、ようやく
安心
(
あんしん
)
しました。そして、王さまがすきになり、お
妃
(
きさき
)
さまになることをよろこんで
承知
(
しょうち
)
しました。
忠義者のヨハネス
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「
安心
(
あんしん
)
はしているけれど、ちっとも
速
(
はや
)
く
見
(
み
)
たいのが
人情
(
にんじょう
)
じゃないか。
野暮
(
やぼ
)
をいわずに、ちょいとでいいから、ここでお
見
(
み
)
せよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
隱
(
かく
)
して
置
(
お
)
くにも、
何
(
なん
)
の
中
(
なか
)
も、どんな
箱
(
はこ
)
も
安心
(
あんしん
)
ならず……
鎖
(
じやう
)
をさせば、
此處
(
こゝ
)
に
大事
(
だいじ
)
が
藏
(
しま
)
つてあると
吹聽
(
ふいちやう
)
するも
同一
(
おなじ
)
に
成
(
な
)
ります。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そう
言
(
い
)
われるお
爺
(
じい
)
さんのお
顔
(
かお
)
には、
多年
(
たねん
)
手
(
て
)
がけた
教
(
おし
)
え
児
(
ご
)
の
身
(
み
)
の
振
(
ふ
)
り
方
(
かた
)
のついたのを
心
(
こころ
)
から
歓
(
よろこ
)
ぶと
言
(
い
)
った、
慈愛
(
じあい
)
と
安心
(
あんしん
)
の
色
(
いろ
)
が
湛
(
ただよ
)
って
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
引拔て三吉が眞向より
殼竹割
(
からたけわり
)
に切割りければ三吉は
吁
(
うん
)
とも
云
(
いは
)
ず二ツに成て死したりけり仁左衞門は小猿に向ひ
先々
(
まづ/\
)
是にて
安心
(
あんしん
)
せりとて彼死骸を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「いや
若様
(
わかさま
)
、雷が
参
(
まい
)
りました
節
(
せつ
)
は
手前
(
てまえ
)
一身
(
いっしん
)
におんわざわいをちょうだいいたします。どうかご
安心
(
あんしん
)
をねがいとう
存
(
ぞん
)
じます」
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
其樣
(
そのやう
)
なつまらぬ
事
(
こと
)
の
有
(
あ
)
る
筈
(
はづ
)
は
無
(
な
)
い、お
前
(
まへ
)
の
思
(
おも
)
ふて
呉
(
く
)
れるほど
世間
(
せけん
)
は
我
(
わ
)
しを
思
(
おも
)
ふて
呉
(
く
)
れぬから、まあ
安心
(
あんしん
)
して
居
(
い
)
るが
宜
(
よ
)
いと
子細
(
わけ
)
も
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
に
言
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
つれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼等
(
かれら
)
は
他人
(
ひと
)
が
自分
(
じぶん
)
と
同等
(
どうとう
)
以下
(
いか
)
に
苦
(
くるし
)
んで
居
(
ゐ
)
ると
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
る
間
(
あひだ
)
は
相互
(
さうご
)
に
苦
(
くるし
)
んで
居
(
ゐ
)
ることに一
種
(
しゆ
)
の
安心
(
あんしん
)
を
感
(
かん
)
ずるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
よ」と
云
(
い
)
つた。
此
(
この
)
答
(
こたへ
)
を
得
(
え
)
た
時
(
とき
)
、
宗助
(
そうすけ
)
は
猶
(
なほ
)
の
事
(
こと
)
安心
(
あんしん
)
が
出來
(
でき
)
なくなつた。
所
(
ところ
)
が
不思議
(
ふしぎ
)
にも、
御米
(
およね
)
の
氣分
(
きぶん
)
は、
小六
(
ころく
)
が
引越
(
ひつこ
)
して
來
(
き
)
てから、ずつと
引立
(
ひきた
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
貴方
(
あなた
)
は
思想家
(
しさうか
)
で
考深
(
かんがへぶか
)
い
方
(
かた
)
です。
貴方
(
あなた
)
のやうな
人
(
ひと
)
は
甚麼場所
(
どんなばしよ
)
にゐても、
自身
(
じしん
)
に
於
(
おい
)
て
安心
(
あんしん
)
を
求
(
もと
)
める
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ます。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
じゅうぶん
心得
(
こころえ
)
ている花前は、なんの
苦
(
く
)
もなくはね牛の乳をしぼってしまった。主人は
安心
(
あんしん
)
すると
同時
(
どうじ
)
に、つくづく花前の
容貌風采
(
ようぼうふうさい
)
を
注視
(
ちゅうし
)
して、一種の感じを
禁
(
きん
)
じえなかった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
何
(
なに
)
かしら
胸
(
むね
)
は
誇
(
ほこ
)
らしさにいつぱいで、
丁度
(
ちやうど
)
人
(
ひと
)
から
稱讃
(
しようさん
)
の
言葉
(
ことば
)
を
待
(
ま
)
ちうけてゐでもするやうにわく/\する。
彼女
(
かのぢよ
)
は
猶
(
なほ
)
もその
喜
(
よろこ
)
びと
安心
(
あんしん
)
を
新
(
あら
)
たにしようとするやうに
再
(
ふたゝ
)
び
手紙
(
てがみ
)
をとりあげる。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
ロミオ
卿
(
そもじ
)
の
目
(
め
)
には
安眠
(
あんみん
)
が、
卿
(
そもじ
)
の
胸
(
むね
)
には
安心
(
あんしん
)
の
宿
(
やど
)
るやう! あゝ、
其
(
その
)
安眠
(
あんみん
)
とも
安心
(
あんしん
)
ともなって、
君
(
きみ
)
の
美
(
うつく
)
しい
胸
(
むね
)
や
目
(
め
)
に
宿
(
やど
)
りたいなア!……これから
上人
(
しゃうにん
)
の
庵
(
いほり
)
へ
往
(
い
)
て、
今宵
(
こよひ
)
の
仕合
(
しあは
)
せを
話
(
はな
)
した
上
(
うへ
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それを
見
(
み
)
ると、
父
(
とう
)
さんはその
蝶々
(
てふ/\
)
を
殺
(
ころ
)
してしまはないうちは
安心
(
あんしん
)
の
出來
(
でき
)
ないやうな
氣
(
き
)
がして、
手
(
て
)
にした
竹竿
(
たけざを
)
で、
滅茶々々
(
めちや/\
)
に
枳殼
(
からたち
)
の
枝
(
えだ
)
の
方
(
はう
)
を
打
(
う
)
つて
置
(
お
)
いて、それから
木戸
(
きど
)
の
内
(
うち
)
へ
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
みました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“安心”の解説
安心(あんじん、あんしん)とは気掛かりな事が無く、心が落ち着き安んじることである。本来は「あんじん」と読むが、江戸期より「あんしん」と読むようになった。
(出典:Wikipedia)
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“安心”で始まる語句
安心立命
安心決定
安心起行
安心々々