見合みあ)” の例文
こういって、かお見合みあわせて、にっこりしました。このとき、あちらからきみさんが、さっきのねこをいてやってきました。
僕たちは愛するけれど (新字新仮名) / 小川未明(著)
隣家となりける遲咲おそざききのはなみやこめづらしき垣根かきねゆきの、すゞしげなりしをおもいづるとともに、つき見合みあはせしはなまゆはぢてそむけしえりあしうつくしさ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かたをはると、水兵等すいへいら驚嘆きやうたんかほ見合みあはせ、勇烈ゆうれつなる虎髯大尉こぜんたいゐは、よろこおどろきの叫聲さけびをもつて倚子ゐすよりちて、松島海軍大佐まつしまかいぐんたいさおもてると
あはれ、これこそ今度こんど震災しんさいのために、ひといたはじめであつた。——たゞこれにさへ、一同いちどうかほ見合みあはせた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おじいさんとおばあさんは、こうってかお見合みあわせながら、「あッは、あッは。」とおもしろそうにわらいました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
数珠梯子から飛びあがった伊部熊蔵いのべくまぞう伊東十兵衛いとうじゅうべえは、予期よきしていたことであったが、愕然がくぜんとして顔を見合みあわせた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄竹げんちくなみだれたかほをあげて、但馬守たじまのかみた。奉行ぶぎやう醫者いしやとは、しばらくとを見合みあはせてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ヂュリ さア、ふにせい、それはうてこそ價値ねうちもあれ、かほ見合みあせてはうより。
ドクトルもそれからはくのを見合みあわせてはいるものの、やはりきたくおもうていた。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
見合みあいでございますか……それは矢張やは見合みあいもいたしました。良人おっとほうから実家さとたずねてまいったように記憶きおくしてります。いまむかおなじこと、わたくし両親りょうしんからばれて挨拶あいさつたのでございます。
彼等かれら人並ひとなみ以上いじやうむつましい月日つきひかはらずに今日けふから明日あすへとつないできながら、つね其所そこかずにかほ見合みあはせてゐるやうなものゝ、時々とき/″\自分達じぶんたちむつまじがるこゝろを、自分じぶんしかみとめることがあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ともに皆、顏見合みあはさず……
カンタタ (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
みせさきが、ふたたびしずかになったとき、みんなはかお見合みあわせて、いまさら運命うんめいというものの不可思議ふかしぎかんがえさせられたのであります。
春さきの古物店 (新字新仮名) / 小川未明(著)
見舞みまひはお見合みあはせくだされたく、差繰さしくつてまをすやうながら、唯今たゞいまにもおくださること当人たうにんよくぞんじ、とく貴兄きけいたいしては……とおもむきであつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
金太郎きんたろうはまたまさかりをかたにかついで、さきってわたっていきました。みんなはかお見合みあわせて、てんでんに
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
わたくし武村兵曹たけむらへいそうとは見合みあはせて、はじめてホツと一息ひといきついた。あの大陸たいりくは、うたがひ印度インド大陸たいりくであらう。
けてられじとするあつかひも他人たにんなんかんじもなくちがつて見合みあはすまなこ電光いなづま
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
院長ゐんちやう其側そのそばこしけて、かしられて、じつとして心細こゝろぼそいやうな、かなしいやうな樣子やうすかほあかくしてゐる。ハヾトフはかたちゞめて冷笑れいせうし、ニキタと見合みあふ。ニキタもおなじくかたちゞめる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私達わたくしたちせずしてたがい見合みあわせました。
そして、たがいに、かお見合みあわしているばかりで、がって、不思議ふしぎなことや、めずらしいことをかたろうとするものがありませんでした。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
負惜まけをしみをつたものゝ、家来けらいどもとかほ見合みあはせて、したいたも道理だうりあぶみ真中まんなかのシツペイのためにくぼんでた——とふのが講釈かうしやくぶんである。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この一言いちごん! こゝろなきひといたらなんでもなからうが、わたくし武村兵曹たけむらへいそうとはおもはずかほ見合みあはして莞爾につことしたよ。
ドクトルもれからはくのを見合みあはせてはゐるものゝ、猶且やはりおもふてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
竜王りゅうおうはもう心配しんぱい心配しんぱいで、たまりませんでした。そこでみんなをあつめて「いったいどうしたらいいだろう。」と相談そうだんをかけました。みんなも「さあ。」とってかお見合みあわせていました。
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
きみ、おはじきっていないのかい。」と、しょうちゃんは、少年しょうねんにいって、としちゃんと相談そうだんするようにかお見合みあわせました。
友だちどうし (新字新仮名) / 小川未明(著)
曳出ひきだされた飛脚ひきやくは、人間にんげんうして、こんな場合ばあひもたげるとすこしもかはらぬつらもたげて、ト牛頭ごづかほ見合みあはせた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
院長いんちょうはそのそばこしけて、かしられて、じっとして心細こころぼそいような、かなしいような様子ようすかおあかくしている。ハバトフはかたちぢめて冷笑れいしょうし、ニキタと見合みあう。ニキタもおなじくかたちぢめる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
そこで京都きょうとのからすは、関東かんとうのからすとかお見合みあわせて、あざけるように、かあかあとわらいました。そしてまた関東かんとうのからすはひがしへ、京都きょうとのからすは西にしへ、わかれてんでいってしまいました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
のこった、二つの人形にんぎょうは、たがいにかお見合みあわせました。そして、そばに、だれもいなくなると、おはなしをはじめたのです。
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ばあさんにけば、夫婦ふうふづれのしゆは、うち采粒さいつぶはつしやると、両方りやうはうかほ見合みあひながら後退あとしざりをして、むかがけくらはうはいつたまで。それからはおぼえてらぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「たとえ、とおはなれることがあっても、わたしたちは、毎晩まいばんかお見合みあうことができれば、それで満足まんぞくするであろう。」
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
其時そのときすはつて蒲団ふとんが、蒼味あをみ甲斐絹かひきで、成程なるほどむらさきしまがあつたので、あだかすで盤石ばんじやく双六すごろく対向さしむかひにつたがして、夫婦ふうふかほ見合みあはせて、おもはず微笑ほゝえんだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おうさまは、ここにはじめて、みずからのちからをたよることのいちばん安心あんしんなのをさとられ、あくるとしから、あかふねすことを見合みあわせられたのであります。
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
わツといつてけて、あとをもずに五六町ごろくちやう彌次やじさん、北八きたはち、とかほ見合みあはせ、たがひ無事ぶじしゆくひ、まあ、ともかくもはしさう、はら丁度ちやうど北山きたやまだ、筑波つくばおろしもさむうなつたと
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「こんなものを、なんでわたしたちがろうか。」といって、おじいさんと、おばあさんは、かお見合みあわせてわらいました。
片田舎にあった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふか眞緑まみどりつばさ晃々きら/\ひかつて、緋色ひいろせんでちら/\とつて、すそ金色こんじきかゞやきつゝ、見合みあふばかりにちうつた。おもはず、「あら、あら、あら。」と十八九のこゑてたさうである。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、そとあそんでいた子供こどもうちらせにきました。両親ふたおやかお見合みあわせてびっくりしました。そしてそとてみますと、まさしく龍雄たつおでありました。
海へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
なにしろ、ちつ手懸てがゝりの出来できるまでそれ見合みあはせやう。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また、あさのうちから天気てんきわりそうなのを気遣きづかって、ひと見合みあわせていたので、れた原中はらなかでは、一人ひとりかげえなかったのであります。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
といつてかほ見合みあはせて二人ふたり呵々から/\わらつたい。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みんなは、たがいにかお見合みあいました。けれど、一人ひとりとして、自分じぶんがいくという勇気ゆうきのあるものはありませんでした。
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)
このふねっている三にんのものは、たがいにかお見合みあって、ためいきをつきました。せいも、も、運命うんめいにまかせるよりほかに、みちがなかったからです。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これをくと、二人ふたりは、さすがにひどくたれたようにかお見合みあったが、さきは、そのまましたいて、ものぼううごかしていました。ひとり、令二れいじ
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人間にんげんだということだけはおなじであるが、いろも、姿すがたもなにひとつおなじものはなく、そして、言葉ことばすらまったくつうじなかったので、たがいにかお見合みあわしながら
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もうすこし、ここにいて、あの銅貨どうかばんをしていようや。」と、西田にしだみなみは、かお見合みあってわらいました。
写生に出かけた少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこにえているむらさきはなしろはなとは、おもわず、恐怖きょうふにふるえながら、かお見合みあってささやいたのでした。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もはや、このなかでは、それらの天使てんしは、たがいにかお見合みあわすようなことはおそらくありますまい。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
げい熱心ねっしん二人ふたりは、はからずもおな気持きもちでありましたのです。二人ふたりは、おぼえずかお見合みあわしました。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こんなに、いいくにのあることを、なんで、いままでらなかったのだろう。」と、ふたりははなきにおっているにとまったときに、かお見合みあってかたったのです。
ふるさと (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこへ、一人ひとり紳士しんしが、令嬢れいじょうをつれてとおりかかりました。この紳士しんしごろから、この動物園どうぶつえんおとこっているとみえまして、にっこりとわらって、かお見合みあわせると
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)