毎夜まいよ)” の例文
つぎゆふべ道子みちこはいつよりもすこ早目はやめかせ吾妻橋あづまばしくと、毎夜まいよ顔馴染かほなじみに、こゝろやすくなつてゐる仲間なかま女達をんなたち一人ひとり
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
大空おおぞらをあおげば、ほし毎夜まいよのごとくわらったり、はなしをしたりしますけれど、やまはもっと身近みぢかに、ともだちをちたかったのでした。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
せしが縁と成て其後毎夜まいよ呼込ではもませけるにいと上手なれば政太夫も至極しごくに歡び療治をさせける處城富は稽古けいこを聞感にたへて居る樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夫婦ふうふ毎夜まいよおな火鉢ひばち兩側りやうがはつて、食後しよくご時間じかんぐらゐはなしをした。はなし題目だいもく彼等かれら生活せいくわつ状態じやうたい相應さうおうした程度ていどのものであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
夫婦ふうふ毎夜まいよゆめなかつづけざまにるあの神々こうごうしいむすめ姿すがた……わたくしどものくもったこころかがみにも、だんだんとまことのかみみち朧気おぼろげながらうつってまいり
……大抵たいてい眞夜中まよなか二時にじぎから、一時ひとときほどのあひだとほく、ちかく、一羽いちはだか、二羽にはだか、毎夜まいよのやうにくのをく。ねがてのよるなぐさみにならないでもない。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれもとのすべてが不自由ふじいうだらけな生活せいくわつかへつてたとはいふものゝおとろへた身體からだ自分じぶんから毎夜まいよいぢめるやうてゝ奉公ほうこうつとめをして當時たうじくらべて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
地上ちじやうなが影法師かげばふし心細こゝろぼそげにんでく、いつしか傘屋かさや路次ろじつておきやうれい窓下まどしたてば、此處こゝをば毎夜まいよおとづれてれたのなれど、明日あすばんはもうおまへこゑかれない
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この奇妙さがふたたびリゼットへ稼業かぎょうに対しての、冒険の勇気を与えて彼女は毎夜まいよのような流眄ながしめを八方に配り出した。しかも今夜の「新らしい工夫」に気付くと卒然そつぜんと彼女の勇気が倍加ばいかした。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
毎夜まいよの習はし……
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
そののちというものは、毎夜まいよ、さよまちほうからこえてくるよい音色ねいろくたびに、不思議ふしぎおもいをせずにはいられなくなりました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎夜まいよ吾妻橋あづまばしはしだもとに佇立たゝずみ、徃来ゆきゝひとそでいてあそびをすゝめるやみをんなは、梅雨つゆもあけて、あたりがいよ/\なつらしくなるにつれて、次第しだいおほくなり
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
また禽類きんるゐ習性しふせいとして、毎夜まいよ、おなじ場處ばしよ、おなじに、えだに、かつび、かつとまるものださうである。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
にくからず思ひ毎夜まいよ此處へかよひお竹が手引にてあはせしが此隣このとなりに兩替屋の伊勢屋三郎兵衞と云者有り或夜子刻頃こゝのつどきごろに表の戸を叩きて旅僧たびそうなるが一夜の宿を貸給かしたまへと云ふを番頭ばんとうさまし旅人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それがしたら毎夜まいよのやうなのでおつぎは、玉砂糖たまざたう蒲團ふとんしたれていてときにはめさせた。それでもつのつたときくちれた砂糖さたうしてはいよ/\はげしくくのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
帳塲格子ちやうばかうしのうちに此娘このこへて愛敬あいけうらすれば、はかりのかく勘定かんぢやうしらずのわかものなど、なにがなしにつて大方おほかた毎夜まいよ十二くまでみせきやくのかげえたることなし、いそがしきは大和尚だいおしやう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのときから、そのひとは、みせにすわって、毎夜まいよのごとく、自分じぶんたちのほうている、うつくしいむすめさんだったということをったのであります。
街の幸福 (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎夜まいよ吾妻橋あずまばしの橋だもとに佇立たたずみ、往来ゆききの人の袖を引いて遊びを勧める闇の女は、梅雨つゆもあけて、あたりがいよいよ夏らしくなるにつれて、次第に多くなり
吾妻橋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
毎夜まいよごとく、内井戸うちゐど釣瓶つるべの、人手ひとでらずつたのもく……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かゞめ助十樣と申は此方こなたに候やとたづねければ女房にようばう立出たちいでなんの御用に候や駕籠かご御入用おんいりようにもあらば助十と申は此方の相棒あひぼうゆゑ仰聞おほせきけられよと申にぞ然樣さやうならば昨夜さくや駕籠かご御出おいでなされしは助十樣しよに候かと聞に如何にも毎夜まいよしよ駕籠かご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
毎夜まいよ、この下界げかいちかくにまでりてくる。もし、やまや、もりきあたったらどうするつもりだろう。」と、かれらはたがいにはないました。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
女達をんなたち毎夜まいよのことなので、たがひにそのもその年齢としもそのところつてゐる。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「ねずみさん、そればかりではありません。毎夜まいよ、いま時分じぶん……ねこがやってきますからをおつけなさい。」と、バケツはおしえてくれました。
ねずみとバケツの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひとしきり毎日毎夜まいよのやうにりつゞいた雨のあと、今度は雲一ツ見えないやうな晴天が幾日いくにちかぎりもなくつゞいた。しかしどうかして空がくもるとたちまちに風が出てかわききつた道の砂を吹散ふきちらす。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あなたが毎夜まいよおもっていてくださることは、よくおとっさんにわかっていますので、どうか心配しんぱいせずにいてくれるようにとのおことづてでございました。
ろうそくと貝がら (新字新仮名) / 小川未明(著)
あちらのくにから、オルガンがきましたときに、おじょうさんは、どんなによろこんだでありましょう。それから、毎日まいにち毎夜まいよ、オルガンをらしていました。
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしのわずかばかりのこっているえだは、毎夜まいよしもいためられて、こんなにちからがなくなっています。それだからわたしは、おさまにおねがいするのではありません……。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの時分じぶんくにかえりたい、かえりたいと、おとうさんが、毎夜まいよおもっていなされたから、とりになってきなさったのかもしれないが、もう、そんなことはないだろう。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、仕事しごとえると、毎夜まいよ新聞しんぶんをポストへれにいきました。てつくようにえる星空ほしぞらをながめて
母の心 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほしはまた、毎夜まいよかぎりない、しんとしたゆき広野こうやらしていました。ただるものはしろゆきばかりでした。
ものぐさなきつね (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、おじさんは、たばこをして、マッチをすりました。そのあおけむりが、毎夜まいよしもにやけて、あかくなった、さっきのをかすめて、ゆるくながれました。
春さきの朝のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
さびしいあざらしは、毎日まいにち毎夜まいよ氷山ひょうざんのいただきに、うずくまって子供こどものことをおもい、かぜのたよりをち、また、つきのことなどをおもっていたのでありました。
月とあざらし (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎夜まいよもりや、はやしや、うえちかくさまよって、このおほしさまは、なにかたずねています。それは、んだあねが、なお、おとうとのかわいがっていたとりさがしているのであります。
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あきからふゆにかけては、毎夜まいよのごとく、つきのいいばんには、しろいもやがいろいろのかたちのぼるものだ。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎夜まいよのようにまちではめてから火鉢ひばちやこたつにたりながら、家内かない人々ひとびとがいろいろのはなしをしていますと、おきほう遠鳴とおなりのするうみこえがものさびしく、ものおそろしく
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やまにも、さわにも、もはやべるものがなかったので、おおかみはこうしてひもじいはらをして、あたりをあてなくうろついているのです。すずめはそれを毎夜まいよのようにるのでした。
春になる前夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎夜まいよショーウインドーに燈火あかりをつけますが、燈火あかりしたへコップにみずれておくと、風船虫ふうせんむしんできてはいりましてね、紙片かみきれげたり、げたりして、ひとりでに窓飾まどかざりになりますよ。
風船虫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎夜まいよ一人ひとりおんなころした、暴虐ぼうぎゃくなペルシアのおうさまに、おもしろいはなしをしてきかせて、千あいだ地獄じごくから人命じんめいすくったという、うつくしいむすめ芸術げいじゅつで、将来しょうらいぼくがありたいものだな。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほしは、毎夜まいよさびしい大空おおぞらかがやいていました。そして下界げかいらしていましたけれど、だれもほしてなぐさめてくれるものとてなかったのです。ほしは、それをたよりないことにおもっていました。
ものぐさなきつね (新字新仮名) / 小川未明(著)
まちからはなれた野原のはらくさは、毎夜まいよしものために、黄色きいろれていました。新吉しんきちは、一人ひとりみちうえで、夕焼ゆうやけのうすれた西にしそらをのぞんで、ゆきのきた、とおくのやまのけしきをながめていました。
はととりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
くろ百合ゆりはないた時分じぶんに、またやってこよう。こちらのそらには、どうして、ほしひかりが、こうすくないのか? 故郷こきょうにいる時分じぶんは、毎夜まいよるように、きらきらとかがやほしられたのに……。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
めくらぼし毎夜まいよちかりてとりさがしているのを不憫ふびんおもわれて、これはいくらさがしてもわかろうはずはないから、げたとりは、ほかのとりのように昼間ひるまはないたり、さえずったりさせずに
めくら星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まちよりも、宝石ほうせきよりも、どんなとみよりも、人間にんげんあいというものはとうといものだ。わたしは、それらの不幸ふこうひとたちを毎夜まいよのようにらしている。おまえは、いつまでもうつくしい、とうと真心まごころててはならない。
塩を載せた船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎夜まいよのように、地球ちきゅうは、うつくしく、紫色むらさきいろ空間くうかんかがやいていました。
海からきた使い (新字新仮名) / 小川未明(著)
おれは、あんなにうつくしいほし毎夜まいよひかっていることをらなかった。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、毎夜まいよ、これよりもうつくしいほしひかりをながめています。」
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)