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したが
ふりがな文庫
“
従
(
したが
)” の例文
旧字:
從
呂州判官
(
ろしゅうはんがん
)
とは、日本軍にまできこえた明の
豪将
(
ごうしょう
)
、一万の兵を
従
(
したが
)
える呂州判官
兵使柯大郎
(
へいしかたいろう
)
といって、
紺地錦
(
こんじにしき
)
の
鎧
(
よろい
)
を着ていたのであった。
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
ガチョウはこんどもこの忠告に
従
(
したが
)
おうとしました。けれども高くのぼろうとしますと、息ぎれがして、まるで
胸
(
むね
)
がはりさけそうです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
が、
彼
(
かれ
)
は
年月
(
としつき
)
の
経
(
た
)
つと
共
(
とも
)
に、この
事業
(
じぎょう
)
の
単調
(
たんちょう
)
なのと、
明瞭
(
あきらか
)
に
益
(
えき
)
の
無
(
な
)
いのとを
認
(
みと
)
めるに
従
(
したが
)
って、
段々
(
だんだん
)
と
厭
(
あ
)
きて
来
(
き
)
た。
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
うたのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それですから、北上川の
岸
(
きし
)
からこの高原の方へ行く
旅人
(
たびびと
)
は、高原に近づくに
従
(
したが
)
って、だんだんあちこちに
雷神
(
らいじん
)
の
碑
(
ひ
)
を見るようになります。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのうち
間
(
ま
)
もなく日が
暮
(
く
)
れて、
夜
(
よる
)
になりました。
夜
(
よ
)
が
更
(
ふ
)
けるに
従
(
したが
)
って、
森
(
もり
)
の中はいよいよものすごい、
寂
(
さび
)
しい
景色
(
けしき
)
になりました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたし
)
は、
虫
(
むし
)
となって、
神
(
かみ
)
さまのおぼしめしに
従
(
したが
)
って、
自由
(
じゆう
)
に
生活
(
せいかつ
)
をしたいと
思
(
おも
)
います。
神
(
かみ
)
さま、どうぞ、
私
(
わたし
)
を
虫
(
むし
)
にしてください!
おけらになった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
嫁も起き
出
(
い
)
でて泣きながら
諫
(
いさ
)
めたれど、
露
(
つゆ
)
従
(
したが
)
う色もなく、やがて母が
遁
(
のが
)
れ出でんとする
様子
(
ようす
)
あるを見て、前後の戸口をことごとく
鎖
(
とざ
)
したり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
死後
(
しご
)
私
(
わたくし
)
はしばらくは
何事
(
なにごと
)
も
知
(
し
)
らずに
無自覚
(
むじかく
)
で
暮
(
くら
)
しました。
従
(
したが
)
ってその
期間
(
あいだ
)
がどれ
位
(
くらい
)
つづいたか、むろん
判
(
わか
)
る
筈
(
はず
)
もございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「恐龍は
爬虫類
(
はちゅうるい
)
だろう。爬虫類といえばヘビやトカゲがそうだ。ヘビは人間をのむからね。
従
(
したが
)
って恐龍は人間を食うと思う」
恐竜艇の冒険
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしは目つきで母さんに
救
(
すく
)
いを
求
(
もと
)
めてみた。かの女もご
亭主
(
ていしゅ
)
に気がつかないようにして、いっしょに行けと目くばせした。わたしは
従
(
したが
)
った。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
深山
(
しんざん
)
の
孤家
(
ひとつや
)
に
白痴
(
ばか
)
の
伽
(
とぎ
)
をして
言葉
(
ことば
)
も
通
(
つう
)
ぜず、
日
(
ひ
)
を
経
(
ふ
)
るに
従
(
したが
)
ふてものをいふことさへ
忘
(
わす
)
れるやうな
気
(
き
)
がするといふは
何
(
なん
)
たる
事
(
こと
)
!
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
三四郎は、
囚
(
とら
)
はれた儘、
逆
(
さか
)
らはずに、寐たり
覚
(
さめ
)
たりする
間
(
あひだ
)
に、自然に
従
(
したが
)
ふ一種の快感を得た。病症が
軽
(
かる
)
いからだと思つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
付近に
肥溜
(
こえだ
)
めなぞがあって、むろん若様がたの立ち入るところでない。しかし運動にあきた
照彦
(
てるひこ
)
様はまもなく正三君を
従
(
したが
)
えて、この方面へ
志
(
こころざ
)
した。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
また先生の
教
(
おしえ
)
に
従
(
したが
)
いて赤十字社病院に
入
(
いり
)
たる後も、先生
来問
(
らいもん
)
ありて
識
(
し
)
るところの
医官
(
いかん
)
に談じ特に予が事を
託
(
たく
)
せられたるを以て、
一方
(
ひとかた
)
ならず
便宜
(
べんぎ
)
を得たり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
「やわ、かかる身なりで都へ行けよう。しいて連れ行きたくば、武家どもみな礼を以て、
輦
(
くるま
)
の
供奉
(
ぐぶ
)
に
従
(
したが
)
え」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
従
(
したが
)
ってこの役所に集まって来る人々は、国民性の長所を備えているものであるというも過言であるまい。
真の愛国心
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
向
(
むか
)
うの
岸
(
きし
)
に
往
(
ゆ
)
かんとし
給
(
たま
)
ひしに、ある
学者
(
がくしや
)
来
(
きた
)
りて
云
(
い
)
ひけるは
師
(
し
)
よ。
何処
(
いづこ
)
へ
行
(
ゆ
)
き
給
(
たま
)
ふとも
我
(
わ
)
れ
従
(
したが
)
はん。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
従
(
したが
)
って
家内
(
いえ
)
中で
腫
(
はれ
)
ものにでも触るような態度を取り、そばを歩くに、足音さえも
窃
(
ぬす
)
むようになる。
良人教育十四種
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
初
(
はじめ
)
から
気質
(
きしつ
)
の
合
(
あ
)
はない
家族
(
かぞく
)
との
折合
(
をりあひ
)
は
日
(
ひ
)
を
追
(
お
)
ふに
従
(
したが
)
つて
円滑
(
ゑんくわつ
)
には
行
(
ゆ
)
かなくなり、
何
(
なに
)
かにつけてお
互
(
たがひ
)
に
顔
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
らめ
言葉
(
ことば
)
を
荒
(
あら
)
くするやうな
事
(
こと
)
が
毎日
(
まいにち
)
のやうになつて
来
(
き
)
たので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
従
(
したが
)
つて越後と上野の国界とすべき所も
定
(
さだ
)
まり、
利根
(
とね
)
山奥の
広袤
(
こうばう
)
も
略
(
ほ
)
ぼ
概算
(
がいさん
)
するを得たり、此上は上越二国の間に
横
(
よこた
)
はれる
利根
(
とね
)
の山脈に
攀登
(
はんとう
)
し、国界を
定
(
さだ
)
めて之を
通過
(
つうくわ
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
甚兵衛は
危
(
あぶ
)
ながりましたが、
猿
(
さる
)
が
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
だというものですから、そのいうとおりに
従
(
したが
)
いました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
……
是
(
これ
)
から
案内
(
あんない
)
に
従
(
したが
)
つて十二
畳
(
でふ
)
許
(
ばかり
)
の
書院
(
しよゐん
)
らしい
処
(
ところ
)
へ
通
(
とほ
)
る、次は八
畳
(
でふ
)
のやうで
正面
(
しやうめん
)
の
床
(
とこ
)
には
探幽
(
たんにゆう
)
の
横物
(
よこもの
)
が
掛
(
かゝ
)
り、
古銅
(
こどう
)
の
花瓶
(
くわびん
)
に花が
挿
(
さ
)
してあり、
煎茶
(
せんちや
)
の
器械
(
きかい
)
から、
莨盆
(
たばこぼん
)
から
火鉢
(
ひばち
)
まで
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
世の中の進歩
趨勢
(
すうせい
)
はその停止する所を知らずという有様で、
従
(
したが
)
ってすべての思想界にも、
頻々
(
ひんぴん
)
新主義を産出してくる今日であるのに、ことに文学美術の上に写実主義の大潮流は
竹乃里人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
それは、王女のお
婿
(
むこ
)
さまになる人のいうことに、むろん、番兵たちは
従
(
したが
)
ったからです。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
屋内
(
おくない
)
はべつに
取乱
(
とりみだ
)
されず、
犯人
(
はんにん
)
が
何
(
なに
)
かを
物色
(
ぶっしょく
)
したという
形跡
(
けいせき
)
もないから、
盗賊
(
とうぞく
)
の
所為
(
しょい
)
ではないらしく、
従
(
したが
)
つて
殺人
(
さつじん
)
の
動機
(
どうき
)
は、
怨恨
(
えんこん
)
痴情
(
ちじょう
)
などだろうという
推定
(
すいてい
)
がついたが、さて
現場
(
げんば
)
では
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
此
(
この
)
歳
(
とし
)
漢王
(
かんおう
)
高煦
(
こうこう
)
反す。高煦は永楽帝の子にして、仁宗の同母弟、
宣徳帝
(
せんとくてい
)
の
叔父
(
しゅくふ
)
なり。燕王の兵を挙ぐるや、高煦父に
従
(
したが
)
って力戦す。材武みずから
負
(
たの
)
み、騎射を
善
(
よ
)
くし、
酷
(
はなは
)
だ燕王に
肖
(
に
)
たり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
もう一つの木は、南米およびその
付近
(
ふきん
)
の島だけに生ずる、アルガロッペと
称
(
しょう
)
するもので、これも酒をつくることができる、一同はゴルドンの
指揮
(
しき
)
に
従
(
したが
)
って、この二種の木の実を
採集
(
さいしゅう
)
した。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
我
(
われ
)
よりも
息子
(
むすこ
)
または
娘
(
むすめ
)
を
愛
(
あい
)
する
者
(
もの
)
は、
我
(
われ
)
に
相応
(
ふさわ
)
しからず。
又
(
また
)
おのが
十字架
(
じゅうじか
)
をとりて
我
(
われ
)
に
従
(
したが
)
わぬ
者
(
もの
)
は、
我
(
われ
)
に
相応
(
ふさわ
)
しからず。
生命
(
いのち
)
を
得
(
う
)
る
者
(
もの
)
は、これを
失
(
うしな
)
い、
我
(
わ
)
がために
生命
(
いのち
)
を
失
(
うしな
)
う
者
(
もの
)
は、これを
得
(
う
)
べし
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
この
疑問
(
ぎもん
)
は
私
(
わたし
)
などにも
兎角
(
とかく
)
起
(
おこ
)
りやすい
疑問
(
ぎもん
)
である。
歌舞伎俳優
(
かぶきはいゆう
)
が
近代的
(
きんだいてき
)
になるに
従
(
したが
)
つて、
以前
(
いぜん
)
のやうな
荘重典雅
(
そうてうてんが
)
の
風貌
(
ふうぼう
)
がなくなつて、そこいらの
若
(
わか
)
い
衆
(
しう
)
と
大
(
たい
)
した
違
(
ちが
)
ひがなくなると
同
(
おな
)
じことである。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
百
(
もゝ
)
の
照姫
(
てるひめ
)
従
(
したが
)
へて
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
アッカはみんなからたいへん
尊敬
(
そんけい
)
されている鳥で、どんなに、りっぱなガンでも、アッカの言いつけには
従
(
したが
)
うほどだったのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
すると
為朝
(
ためとも
)
に
打
(
う
)
ち
従
(
したが
)
えられた
大名
(
だいみょう
)
たちは、うわべは
降参
(
こうさん
)
した
体
(
てい
)
に
見
(
み
)
せかけながら、
腹
(
はら
)
の中ではくやしくってくやしくってなりませんでした。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
路
(
みち
)
の
両側
(
りょうがわ
)
には、
雪
(
ゆき
)
が
消
(
き
)
えかかって、
青
(
あお
)
い
草
(
くさ
)
の
出
(
で
)
ているところもありました。けれど、だんだんと
進
(
すす
)
むに
従
(
したが
)
って、
雪
(
ゆき
)
は
多
(
おお
)
くなったのであります。
角笛吹く子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わたしはカピがそうして、いやいやわたしの
命令
(
めいれい
)
に
従
(
したが
)
いながらも、ゼルビノとの
格闘
(
かくとう
)
にわざと負けてやったことがわかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
それに
又
(
また
)
神
(
かみ
)
さまからも『
折角
(
せっかく
)
であるから
通信
(
つうしん
)
したがよい』との
思召
(
おぼしめし
)
でございますので、
今回
(
こんかい
)
いよいよ
思
(
おも
)
い
切
(
き
)
ってお
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
うことにいたしました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と
密
(
そつ
)
と
揺
(
ゆす
)
ぶる、
手
(
て
)
に
従
(
したが
)
つて
揺
(
ゆす
)
ぶれるのが、
死
(
し
)
んだ
魚
(
うを
)
の
鰭
(
ひれ
)
を
摘
(
つま
)
んで、
水
(
みづ
)
を
動
(
うご
)
かすと
同
(
おな
)
じ
工合
(
ぐあひ
)
で、
此方
(
こちら
)
が
留
(
や
)
めれば
静
(
じつ
)
と
成
(
な
)
つて、
浮
(
う
)
きも
沈
(
しづ
)
みもしない
風
(
ふう
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ミドリはさすがに女だけあって、とても猿田の半分のスピードも出ず、
従
(
したが
)
って三人は一緒に遅れて、猿田との距離はみるみる非常に大きくなっていった。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこでは、あらゆることが
可能
(
かのう
)
である。人は
一瞬
(
いっしゅん
)
にして
氷雲
(
ひょううん
)
の上に
飛躍
(
ひやく
)
し
大循環
(
だいじゅんかん
)
の風を
従
(
したが
)
えて北に
旅
(
たび
)
することもあれば、赤い
花杯
(
はなさかずき
)
の下を行く
蟻
(
あり
)
と
語
(
かた
)
ることもできる。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
従
(
したが
)
って彼女
等
(
ら
)
をしてその特長の新感覚に広く
磨
(
みが
)
きをかけさせたく思う。色調、形式美、音等に対する感覚ばかりでなく対人的、
殊
(
こと
)
に異性に対する感覚をもっと洗練させ
度
(
た
)
い。
異性に対する感覚を洗練せよ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
唯
(
ただ
)
冒進
(
ぼうしん
)
の一事あるのみと、
独
(
ひと
)
り身を
挺
(
ぬき
)
んで水流を
溯
(
さかのぼ
)
り衆を
棄
(
す
)
てて又顧みず、余等
次
(
つゐ
)
で是に
従
(
したが
)
ふ、人夫等之を見て皆曰く、
豈
(
あに
)
坐視
(
ざし
)
して以て
徒
(
いたづ
)
らに吉田署長以下の
死
(
し
)
を
待
(
ま
)
たんやと
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
一
統計年度
(
とうけいねんど
)
において、一万二千
人
(
にん
)
の
患者
(
かんじゃ
)
を
受
(
う
)
けたとすれば、
即
(
すなわ
)
ち一万二千
人
(
にん
)
は
欺
(
あざむ
)
かれたのである。
重
(
おも
)
い
患者
(
かんじゃ
)
を
病院
(
びょういん
)
に
入院
(
にゅういん
)
させて、それを
学問
(
がくもん
)
の
規則
(
きそく
)
に
従
(
したが
)
って
治療
(
ちりょう
)
することは
出来
(
でき
)
ぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
では、
筑前守秀吉
(
ちくぜんのかみひでよし
)
は、かならずしも、悪意があって勝頼のゆくえをたずねさせたのではなかろう……と
伊那丸
(
いなまる
)
も心がとけ、
忍剣
(
にんけん
)
や
龍太郎
(
りゅうたろう
)
も、さらばと、その
意
(
い
)
に
従
(
したが
)
うことになった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
漸々
(
だん/″\
)
盞
(
さかづき
)
がまはつて
参
(
まゐ
)
るに
従
(
したが
)
つて、二人とも
眼
(
め
)
の
縁
(
ふち
)
ほんのり
桜色
(
さくらいろ
)
となりました。小
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
従
(
したが
)
って動き等も主演者より遥かに些いのが通例である。
能とは何か
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
年月の前後に
従
(
したが
)
い
順次
(
じゅんじ
)
に
編集
(
へんしゅう
)
せられたる
実事談
(
じつじだん
)
なり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
といって、
島
(
しま
)
を
討
(
う
)
ち
従
(
したが
)
えてしまいました。そのうち
方々
(
ほうぼう
)
にかくれていた
為朝
(
ためとも
)
の
家来
(
けらい
)
が、
一人
(
ひとり
)
二人
(
ふたり
)
とだんだん
集
(
あつ
)
まって
来
(
き
)
て
為朝
(
ためとも
)
につきました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
でも、けっきょく、いまは言いつけに
従
(
したが
)
うのがいちばんだと思いました。そこで、
牧師館
(
ぼくしかん
)
のひじかけイスに
腰
(
こし
)
をおろして、読みはじめました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
正直
(
しょうじき
)
で、
信
(
しん
)
じやすい
雷
(
かみなり
)
は、たかのいうことに
従
(
したが
)
いました。そして、
雷
(
かみなり
)
は、
方向
(
ほうこう
)
を
転
(
てん
)
じて、
都
(
みやこ
)
の
方
(
ほう
)
へ
進
(
すす
)
んでいきました。
黒雲
(
くろくも
)
は
雷
(
かみなり
)
に、
従
(
したが
)
いました。
ぴかぴかする夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれども明け方に近づくに
従
(
したが
)
って、寒さはいよいよひどくなった。戸口からはいって来る風が
骨
(
ほね
)
までこおるようであった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
さてやがて
乗込
(
のりこ
)
むのに、
硝子窓
(
ガラスまど
)
を
横目
(
よこめ
)
で
見
(
み
)
ながら、
例
(
れい
)
のぞろ/\と
押揉
(
おしも
)
むで
行
(
い
)
くのが、
平常
(
いつも
)
ほどは
誰
(
だれ
)
も
元気
(
げんき
)
がなさゝうで、
従
(
したが
)
つて
然
(
さ
)
まで
混雑
(
こんざつ
)
もしない。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
従
常用漢字
小6
部首:⼻
10画
“従”を含む語句
従者
追従
従兄
従来
扈従
主従
従姉
従順
従僕
従前
陪従
従弟
従妹
服従
侍従
従事
再従兄弟
従駕
従容
従而
...