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幾年
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いくねん
ふりがな文庫
“
幾年
(
いくねん
)” の例文
考
(
かんが
)
え
深
(
ぶか
)
い、また
臆病
(
おくびょう
)
な
人
(
ひと
)
たちは、たとえその
準備
(
じゅんび
)
に
幾年
(
いくねん
)
費
(
つい
)
やされても十
分
(
ぶん
)
に
用意
(
ようい
)
をしてから、
遠
(
とお
)
い
幸福
(
こうふく
)
の
島
(
しま
)
に
渡
(
わた
)
ることを
相談
(
そうだん
)
しました。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
主婦の黒い髪や黒い眼の
裏
(
うち
)
には、
幾年
(
いくねん
)
の昔に消えた春の
匂
(
におい
)
の
空
(
むな
)
しき歴史があるのだろう。あなたは仏蘭西語を話しますかと聞いた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
おつたが
庭
(
には
)
を
見
(
み
)
ると
勘次
(
かんじ
)
は
幾年
(
いくねん
)
も
遭
(
あ
)
はなかつた
※
(
あね
)
の
容子
(
ようす
)
を
有繋
(
さすが
)
にしみ/″\と
見
(
み
)
るのであつた。おつたは五十を
幾
(
いく
)
つも
越
(
こ
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
死後
(
しご
)
幾年
(
いくねん
)
かをへて、それが
始
(
はじ
)
めて
舊石器時代
(
きゆうせつきじだい
)
の
繪
(
え
)
であることにきまり、
今更
(
いまさら
)
サウツオラの
手柄
(
てがら
)
を
人々
(
ひと/″\
)
が
認
(
みと
)
めるようになりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
その人かげのあとから、
幾年
(
いくねん
)
も
朽
(
くち
)
つんだ
落葉
(
おちば
)
をふんで、ガサ、ガサと、歩いてくる者があった。
小具足
(
こぐそく
)
をまとった
武士
(
ぶし
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
其後
(
そのご
)
幾年
(
いくねん
)
か
経
(
た
)
って再び之を越えんとした時にも
矢張
(
やッぱり
)
怕
(
おそ
)
ろしかったが、其時は酒の力を
藉
(
か
)
りて、
半狂気
(
はんきちがい
)
になって、漸く此
怕
(
おそ
)
ろしい線を踏越した。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
こうして、
幾年
(
いくねん
)
も、たちました。——ですから、今ではもう、ふるい、ふるい、恋の物語になってしまったわけです。
いいなずけ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
家
(
いえ
)
をあずけて
行
(
い
)
った
人
(
ひと
)
も、そのまま
幾年
(
いくねん
)
たっても
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
ませんでしたから、
家
(
いえ
)
もとうとう
自分
(
じぶん
)
のものになりました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「別れてからもう
幾年
(
いくねん
)
になるかなあ、しかし君も落ち着いて結構だ。今に立派なお
知識
(
ちしき
)
さんになるだろうよ」と父は
鷹揚
(
おうよう
)
にかつからかい半分に言った。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
それから
荒井城内
(
あらいじょうない
)
の十
幾年
(
いくねん
)
の
武家生活
(
ぶけせいかつ
)
……
随分
(
ずいぶん
)
楽
(
たの
)
しかった
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
の
種子
(
たね
)
もないではございませぬが、
何
(
なに
)
を
申
(
もう
)
してもその
頃
(
ころ
)
は
殺伐
(
さつばつ
)
な
空気
(
くうき
)
の
漲
(
みなぎ
)
った
戦国時代
(
せんごくじだい
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私は冬の書斎の
午
(
ひる
)
過ぎ。
幾年
(
いくねん
)
か昔に恋人とわかれた秋の野の夕暮を
思出
(
おもいだ
)
すような薄暗い光の窓に、ひとり淋しく火鉢にもたれてツルゲネーフの伝記を読んでいた。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
夫は今でこそ
若崎
(
わかざき
)
先生、とか何とか云われているものの、
本
(
もと
)
は云わば職人で、その職人だった頃には一ㇳ通りでは無い
貧苦
(
ひんく
)
と戦ってきた
幾年
(
いくねん
)
の
間
(
あいだ
)
を
浮世
(
うきよ
)
とやり合って
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
牛込
(
うしごめ
)
の
方
(
はう
)
へは、
隨分
(
ずゐぶん
)
しばらく
不沙汰
(
ぶさた
)
をして
居
(
ゐ
)
た。しばらくと
言
(
い
)
ふが
幾年
(
いくねん
)
かに
成
(
な
)
る。このあひだ、
水上
(
みなかみ
)
さんに
誘
(
さそ
)
はれて、
神樂坂
(
かぐらざか
)
の
川鐵
(
かはてつ
)
(
鳥屋
(
とりや
)
)へ、
晩御飯
(
ばんごはん
)
を
食
(
た
)
べに
出向
(
でむ
)
いた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其後石は
安然
(
あんぜん
)
に雲飛の
内室
(
ないしつ
)
に
祕藏
(
ひざう
)
されて其
清秀
(
せいしう
)
の
態
(
たい
)
を
變
(
かへ
)
ず、
靈妙
(
れいめう
)
の
氣
(
き
)
を
失
(
うしな
)
はずして
幾年
(
いくねん
)
か
過
(
すぎ
)
た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
亞尼
(
アンニー
)
に
一人
(
ひとり
)
の
息子
(
むすこ
)
があつて、
極
(
ご
)
く
放蕩
(
ほうたう
)
無頼
(
ぶらい
)
な
男
(
をとこ
)
で、十
幾年
(
いくねん
)
か
前
(
まへ
)
に
家出
(
いへで
)
をして、
行衞不明
(
ゆくゑふめい
)
になつたといふ
事
(
こと
)
は
兼
(
かね
)
て
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
りましたが、
亞尼
(
アンニー
)
は、それをば
常
(
つね
)
に
口僻
(
くちぐせ
)
のやうに
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
兄
(
あに
)
さん何して
居
(
ゐ
)
るのだと
舟大工
(
ふなだいく
)
の子の声を
懸
(
か
)
け
候
(
そろ
)
によれば
其
(
その
)
時の
小生
(
せうせい
)
は
兄
(
あに
)
さんに
候
(
そろ
)
如斯
(
かくのごと
)
きもの
幾年
(
いくねん
)
厭
(
あ
)
きしともなく
綾瀬
(
あやせ
)
に
遠
(
とほざ
)
かり
候
(
そろ
)
後
(
のち
)
は
浅草公園
(
あさくさこうえん
)
の
共同
(
きようどう
)
腰掛
(
こしかけ
)
に
凭
(
もた
)
れて
眼
(
め
)
の前を
行交
(
ゆきか
)
ふ
男女
(
なんによ
)
の
年配
(
ねんぱい
)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
何時
(
いつ
)
まで
獨身
(
ひとり
)
で
居
(
ゐ
)
る
心
(
こゝろ
)
が
數
(
かぞ
)
へる
歳
(
とし
)
の
心細
(
こゝろぼそ
)
さ
是
(
これ
)
ほどならばなぜ
昔
(
むかし
)
お
詞
(
ことば
)
そむいて
厭
(
いと
)
ひしか
我
(
わ
)
れと
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
知
(
し
)
れませぬ
母
(
はゝ
)
さまなしのお
手
(
て
)
一
(
ひと
)
つに
御苦勞
(
ごくらう
)
たんと
懸
(
か
)
けまして
上
(
うへ
)
の
上
(
うへ
)
にも
又
(
また
)
幾年
(
いくねん
)
お
心
(
こゝろ
)
休
(
やす
)
めぬ
不料簡
(
ふれうけん
)
不孝
(
ふかう
)
のお
詫
(
わび
)
は
向後
(
きやうこう
)
さつぱり
芳
(
よし
)
さまのこと
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
何方
(
いづかた
)
への
縁組
(
えんぐみ
)
なれ
仰
(
おほ
)
せに
違背
(
ゐはい
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
こんなに
評判
(
ひょうばん
)
になったのも、
俺
(
おれ
)
が
幾年
(
いくねん
)
もの
間
(
あいだ
)
、こんなにさびしい
険
(
けわ
)
しいところに
我慢
(
がまん
)
をして
生長
(
せいちょう
)
したからのことだ。
俺
(
おれ
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
てくれい。
葉と幹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
只
(
たゞ
)
響
(
ひゞき
)
を
立
(
た
)
てながら
容易
(
ようい
)
に
冷
(
さ
)
めぬ
熱
(
あつ
)
い
茶碗
(
ちやわん
)
を
啜
(
すゝ
)
つた。おつぎも
幾年
(
いくねん
)
か
逢
(
あ
)
はぬ
伯母
(
をば
)
の
人
(
ひと
)
なづこい
樣
(
やう
)
で
理由
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
樣
(
やう
)
な
容子
(
ようす
)
を
偸
(
ぬす
)
み
視
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それから
幾年
(
いくねん
)
かたちました。
娘
(
むすめ
)
もだんだん大きくなりました。ちょうど十五になった
時
(
とき
)
、おかあさんはふと
病気
(
びょうき
)
になって、どっと
寝込
(
ねこ
)
んでしまいました。
松山鏡
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
申
(
もう
)
すまでもなく、十
幾年
(
いくねん
)
の
間
(
あいだ
)
現世
(
げんせ
)
で
仲
(
なか
)
よく
連
(
つ
)
れ
添
(
そ
)
った
良人
(
おっと
)
と、
久
(
ひさ
)
しぶりで
再会
(
さいかい
)
するというのでございますから、
私
(
わたくし
)
の
胸
(
むね
)
には、
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あいだ
)
ならでは
味
(
あじわ
)
われぬ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
路
寂寞
(
じゃくまく
)
と
古今
(
ここん
)
の春を
貫
(
つらぬ
)
いて、花を
厭
(
いと
)
えば足を着くるに地なき
小村
(
こむら
)
に、婆さんは
幾年
(
いくねん
)
の昔からじゃらん、じゃらんを数え尽くして、
今日
(
こんにち
)
の
白頭
(
はくとう
)
に至ったのだろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
十
幾年
(
いくねん
)
かまえには、そこに、
機山大居士信玄
(
きざんだいこじしんげん
)
の
威風
(
いふう
)
にまたたいている
短檠
(
たんけい
)
がおかれてあった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
... いいですね、これはみんな
幾年
(
いくねん
)
も前のことですよ。ところできのう」と、月は語りつづけました。「わたしはシェラン島の東海岸にある、どこかの
入江
(
いりえ
)
を見おろしていました。 ...
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は同じやうな
其
(
そ
)
の冬の
今年
(
ことし
)
と去年、去年とその
前年
(
ぜんねん
)
、それから
其
(
そ
)
れと
幾年
(
いくねん
)
も
溯
(
さかのぼ
)
つて
何心
(
なにごゝろ
)
なく考へて見ると、人は成長するに従つていかに幸福を失つて
行
(
ゆ
)
くものかを
明
(
あきら
)
かに経験した。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
今
(
いま
)
まで
申
(
まを
)
した
日本
(
につぽん
)
の
石器時代
(
せつきじだい
)
は、
幾年
(
いくねん
)
ほどつゞいたかといふことは、
確
(
たしか
)
にはわかりませんが、けっして
二百年
(
にひやくねん
)
や
三百年
(
さんびやくねん
)
の
短
(
みじか
)
い
期間
(
きかん
)
ではなくて、あるひは
千年
(
せんねん
)
にも
近
(
ちか
)
い
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
のことゝ
思
(
おも
)
はれます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
夢
(
ゆめ
)
にばかり、
現
(
うつゝ
)
にばかり、十
幾年
(
いくねん
)
。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
上
一向
(
いっこう
)
専念の修業
幾年
(
いくねん
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして
彼女
(
かのじょ
)
は、
花
(
はな
)
の
香
(
か
)
をかいでいるうちに、ふと
弟
(
おとうと
)
のことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
したのです。
弟
(
おとうと
)
は
外国
(
がいこく
)
へいって
幾年
(
いくねん
)
にもなるが、
消息
(
しょうそく
)
が
絶
(
た
)
えていました。
ある冬の晩のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
幾年
(
いくねん
)
かたちました。
宰相
(
さいしょう
)
と
鉢
(
はち
)
かつぎとの
間
(
あいだ
)
には、いくたりもかわいらしい
子供
(
こども
)
が
生
(
う
)
まれました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
幾年
(
いくねん
)
十月の日が射したものか、どこもかしこも
鼠色
(
ねずみいろ
)
に枯れている西の端に、一本の
薔薇
(
ばら
)
が
這
(
は
)
いかかって、冷たい壁と、暖かい日の間に
挟
(
はさ
)
まった花をいくつか着けた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
後
(
のち
)
幾年
(
いくねん
)
か
経
(
た
)
って、
男
(
おとこ
)
の
方
(
ほう
)
があきらめて、
何所
(
どこ
)
からか
妻
(
つま
)
を
迎
(
むか
)
えた
時
(
とき
)
に、
敦子
(
あつこ
)
さまの
方
(
ほう
)
でも
我
(
が
)
が
折
(
お
)
れたらしく、とうとう
両親
(
りょうしん
)
の
勧
(
すす
)
めに
任
(
まか
)
せて、
幕府
(
ばくふ
)
へ
出仕
(
しゅし
)
している
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
幾年
(
いくねん
)
となしに
隙間
(
すきま
)
を
生
(
しやう
)
ずれば
小笹
(
をざさ
)
を
繼
(
つ
)
ぎ
足
(
た
)
し/\しつゝあつた
竹
(
たけ
)
の
垣根
(
かきね
)
は、
土
(
つち
)
の
處
(
ところ
)
がどす/\に
朽
(
く
)
ちて
居
(
ゐ
)
るので
直
(
すぐ
)
に
大
(
おほ
)
きな
穴
(
あな
)
が
明
(
あ
)
いた。おつぎは
其處
(
そこ
)
から
潜
(
くぐ
)
つて
出
(
で
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もう返らない
幾年
(
いくねん
)
か
前
(
まへ
)
蘿月
(
らげつ
)
の
伯父
(
をぢ
)
につれられお
糸
(
いと
)
も
一所
(
いつしよ
)
に
酉
(
とり
)
の
市
(
いち
)
へ行つた事があつた………
毎年
(
まいとし
)
その日の事を思ひ出す
頃
(
ころ
)
から
間
(
ま
)
もなく、
今年
(
ことし
)
も去年と同じやうな寒い十二月がやつて来るのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
こいは、
幾年
(
いくねん
)
か
大
(
おお
)
きな
池
(
いけ
)
に、またあるときは
河
(
かわ
)
の
中
(
なか
)
にすんでいたのです。こいは、
河
(
かわ
)
の
水音
(
みずおと
)
を
聞
(
き
)
くにつけて、あの
早瀬
(
はやせ
)
の
淵
(
ふち
)
をなつかしく
思
(
おも
)
いました。
千代紙の春
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
くたびに、ちらちらと
花
(
はな
)
が
散
(
ち
)
ったのを
記憶
(
きおく
)
している。もうすぐに、
幾年
(
いくねん
)
めかで、その
季節
(
きせつ
)
がめぐってくるのだ。
汽車は走る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おまえがいなくなった
日
(
ひ
)
から、
私
(
わたし
)
は、
幾年
(
いくねん
)
の
間
(
あいだ
)
毎晩
(
まいばん
)
、ここに
立
(
た
)
っておまえの
帰
(
かえ
)
るのを
待
(
ま
)
っていたかしれない。ちょうどおまえが四つの
夏
(
なつ
)
の
日
(
ひ
)
だった。
けしの圃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、ここで
幾年
(
いくねん
)
か
月日
(
つきひ
)
を
過
(
す
)
ごしました。
私
(
わたし
)
は、ここにきたがためにいろいろの
技術
(
ぎじゅつ
)
を
覚
(
おぼ
)
えることができました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ほんとうに、もう
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
せば
幾年
(
いくねん
)
か
前
(
まえ
)
のことであります。
私
(
わたし
)
は、
病気
(
びょうき
)
をして
職
(
しょく
)
を
失
(
うしな
)
っているときに、あなたにあって、このりんご
圃
(
ばたけ
)
へつれられてきました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
私
(
わたし
)
などは、こうして
幾年
(
いくねん
)
ということなく、
旅
(
たび
)
から
旅
(
たび
)
へ、
歩
(
ある
)
きまわっています。」と、
手品師
(
てじなし
)
がいいました。
花咲く島の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
若
(
わか
)
いときから、
働
(
はたら
)
いたものですが、この
後
(
のち
)
、もう
幾年
(
いくねん
)
も
諸国
(
しょこく
)
をいままでのようにまわることはできません。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
妹
(
いもうと
)
は、
家
(
うち
)
をたってから、
幾年
(
いくねん
)
かになります。その
間
(
あいだ
)
、
父
(
ちち
)
のことを
思
(
おも
)
ったり、
姉
(
あね
)
のことを
思
(
おも
)
ったりしました。
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから、また
幾年
(
いくねん
)
かたったのであります。
少年
(
しょうねん
)
は、いつのまにか、りっぱな、
青年
(
せいねん
)
彫刻家
(
ちょうこくか
)
となっていました。そしてもう
田舎
(
いなか
)
にいず、
都会
(
とかい
)
に
出
(
で
)
て
生活
(
せいかつ
)
していました。
愛は不思議なもの
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、
二人
(
ふたり
)
は、
幾年
(
いくねん
)
かの
後
(
のち
)
に、また
別
(
わか
)
れなければなりませんでした。
子供
(
こども
)
は、
青年
(
せいねん
)
になりました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
別
(
べつ
)
に、また
一人
(
ひとり
)
の
若者
(
わかもの
)
がありました。
志
(
こころざし
)
をたて、
故郷
(
こきょう
)
を
出
(
で
)
てから、もう
幾年
(
いくねん
)
にかなりましたけれど、
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たっ
)
することができずに、あちら、こちらと
流浪
(
るろう
)
していました。
三つのかぎ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
時分
(
じぶん
)
は
大昔
(
おおむかし
)
のことで、まだこの
辺
(
あた
)
りにはあまり
住
(
す
)
んでいるものもなく、
路
(
みち
)
も
開
(
ひら
)
けていなかったのでありました。
家来
(
けらい
)
は
幾年
(
いくねん
)
となくその
国
(
くに
)
じゅうを
探
(
さが
)
して
歩
(
ある
)
きました。
不死の薬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
頭髪
(
かみ
)
は、ごみや
砂
(
すな
)
で
汚
(
よご
)
れて、もう
幾年
(
いくねん
)
も
手
(
て
)
を
入
(
い
)
れたことのないような
頭髪
(
かみ
)
でありました。
てかてか頭の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また、それから
幾年
(
いくねん
)
にもなりますが、二
度
(
ど
)
と
耳
(
みみ
)
の
遠
(
とお
)
い
娘
(
むすめ
)
は、ふるさとへ
帰
(
かえ
)
ってこないのです。
日がさとちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「この
時計
(
とけい
)
は、
幾年
(
いくねん
)
たっても、
狂
(
くる
)
うようなことはございません。」と、
番頭
(
ばんとう
)
は
答
(
こた
)
えました。
時計のない村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、いまごろは、あの
買
(
か
)
った
人
(
ひと
)
も、またどこかの
古道具屋
(
ふるどうぐや
)
へ
売
(
う
)
ってしまったかもしれません。あなたが、そんなにほしいものなら、
幾年
(
いくねん
)
もかかって
探
(
さが
)
してみなさるのですね。
海のかなた
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
“幾年”で始まる語句
幾年月
幾年前
幾年目
幾年間