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声
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こゑ
ふりがな文庫
“
声
(
こゑ
)” の例文
旧字:
聲
奧
(
おく
)
さんの
声
(
こゑ
)
にはもう
何
(
なん
)
となく
張
(
は
)
りがなかつた。そして、そのままひざに
視線
(
しせん
)
を
落
(
おと
)
すと、
思
(
おも
)
ひ出したやうにまた
針
(
はり
)
の
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かし
始
(
はじ
)
めた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
百樹
(
もゝき
)
曰
(
いはく
)
、我が
幼年
(
えうねん
)
の頃は元日のあしたより扇々と市中をうりありく
声
(
こゑ
)
、あるひは白酒々の声も春めきて心も
朗
(
のどか
)
なりしが此声今はなし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其
(
そ
)
の
声
(
こゑ
)
が、
五位鷺
(
ごゐさぎ
)
の、げつく、げつくとも
聞
(
き
)
こえれば、
狐
(
きつね
)
の
叫
(
さけ
)
ぶやうでもあるし、
鼬
(
いたち
)
がキチ/\と
歯
(
は
)
ぎしりする、
勘走
(
かんばし
)
つたのも
交
(
まざ
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
本堂
(
ほんだう
)
の
方
(
はう
)
では
経
(
きやう
)
を
読
(
よ
)
む
声
(
こゑ
)
、
鉦
(
かね
)
を
打
(
う
)
つ
音
(
おと
)
もしてゐる。
道子
(
みちこ
)
は
今年
(
ことし
)
もいつか
盆
(
ぼん
)
の十三
日
(
にち
)
になつたのだと
初
(
はじ
)
めて
気
(
き
)
がついた
時
(
とき
)
である。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
此家
(
うち
)
では
賓客
(
きやく
)
の
帰
(
かへ
)
つた
後
(
あと
)
と見えまして、
主人
(
あるじ
)
が
店
(
みせ
)
を
片付
(
かたづ
)
けさせて
指図
(
さしづ
)
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
りますところへ、
表
(
おもて
)
から
声
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けますから、主
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
忘
(
わす
)
られぬは
我身
(
わがみ
)
の
罪
(
つみ
)
か
人
(
ひと
)
の
咎
(
とが
)
か
思
(
おも
)
へば
憎
(
にく
)
きは
君様
(
きみさま
)
なりお
声
(
こゑ
)
聞
(
き
)
くもいや
御姿
(
おすがた
)
見
(
み
)
るもいや
見
(
み
)
れば
聞
(
き
)
けば
増
(
ま
)
さる
思
(
おも
)
ひによしなき
胸
(
むね
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
泣出
(
なきだ
)
しもしまいと
知
(
し
)
つたから、
久
(
ひさ
)
しぶりで、こちらも
人間
(
にんげん
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
き
)
きたくなつて、
口元
(
くちもと
)
の
手
(
て
)
を
離
(
はな
)
してやると、あとを
拭
(
ふ
)
きさうにもしないのだ。
眼
(
め
)
は
他
(
よそ
)
を
見
(
み
)
てゐるやうだ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
私
(
わたし
)
は
力
(
つと
)
めて
平気
(
へいき
)
らしく、「ウム
見
(
み
)
た。あんな
事
(
こと
)
があつたのか。」と
声
(
こゑ
)
は
嗄
(
かす
)
れて、
顫
(
ふる
)
へてゐた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
神南備
(
かむなび
)
の
浅小竹原
(
あさしぬはら
)
のうるはしみ
妾
(
わ
)
が
思
(
も
)
ふ
君
(
きみ
)
が
声
(
こゑ
)
の
著
(
しる
)
けく 〔巻十一・二七七四〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
聞
(
き
)
け、
資本家
(
しほんか
)
と
利権屋
(
りけんや
)
の一
隊
(
たい
)
のあげる
歓呼
(
くわんこ
)
の
声
(
こゑ
)
を、
軍楽隊
(
ぐんがくたい
)
の
吹奏
(
すゐそう
)
する
勝利
(
しやうり
)
の
由
(
よし
)
を!
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
ある
猟人
(
かりうど
)
が、
山
(
やま
)
へ
猟
(
かり
)
にゆきますと、
何処
(
どこ
)
からか
鸚鵡
(
あうむ
)
の
啼声
(
なきごゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えます。
声
(
こゑ
)
はすれども
姿
(
すがた
)
は
見
(
み
)
えぬ、
猟人
(
かりうど
)
は
途方
(
とはう
)
にくれて「おまへはどこにゐる」と
言
(
い
)
ひますと「わたしはこ〻にゐる」と
答
(
こた
)
へた。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
其後
荊棘
(
けいきよく
)
の為めに
悉
(
こと/″\
)
く
破壊
(
はくわい
)
せられ、躰を
被
(
お
)
ふべきもの
更
(
さら
)
に無く、全身
挙
(
こぞ
)
りて
覆盆
(
ふくぼん
)
の雨に
暴露
(
ばうろ
)
せらる、
其状
(
そのじやう
)
誠に
憐
(
あはれ
)
むに
堪
(
た
)
へたり、衆相対して
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
くも
閴
(
げき
)
として
声
(
こゑ
)
なく、
仰
(
あほ
)
ぎて天の無情を
歎
(
たん
)
す
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
その
水晶
(
すゐしやう
)
の
笛
(
ふえ
)
のやうな
声
(
こゑ
)
に、
嘉十
(
かじふ
)
は
目
(
め
)
をつぶつてふるえあがりました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
俗人
(
ぞくじん
)
を
教
(
をし
)
ふる
功徳
(
くどく
)
の
甚深
(
じんしん
)
広大
(
くわうだい
)
にしてしかも其
勢力
(
せいりよく
)
の
強盛
(
きやうせい
)
宏偉
(
くわうゐ
)
なるは
熊肝
(
くまのゐ
)
宝丹
(
はうたん
)
の
販路
(
はんろ
)
広
(
ひろ
)
きをもて
知
(
し
)
らる。
洞簫
(
どうせう
)
の
声
(
こゑ
)
は
嚠喨
(
りうりやう
)
として
蘇子
(
そし
)
の
膓
(
はらわた
)
を
断
(
ちぎ
)
りたれど
終
(
つひ
)
にトテンチンツトンの
上調子
(
うはでうし
)
仇
(
あだ
)
つぽきに
如
(
し
)
かず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
かくてただ
声
(
こゑ
)
もなし。
青
(
あを
)
く
光
(
ひか
)
る
硝子戸
(
がらすど
)
に
真白
(
ましろ
)
なる
顔
(
かほ
)
ふりむけて
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
の
声
(
こゑ
)
に
心
(
こゝろ
)
のあらはれてやさしき
人
(
ひと
)
の
底井
(
そこゐ
)
知
(
し
)
らるゝ
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
おや 博士が大きな
声
(
こゑ
)
で何か
言
(
い
)
つてゐるよ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
哀れなる
臨終
(
いまは
)
の
声
(
こゑ
)
は、血の波の湖の岸
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
犬の
声
(
こゑ
)
、さはれ
五分時
(
ごふんじ
)
霜夜
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
八千八
(
はつせんや
)
声
(
こゑ
)
蛍の灯台
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
百樹
(
もゝき
)
曰
(
いはく
)
、我が
幼年
(
えうねん
)
の頃は元日のあしたより扇々と市中をうりありく
声
(
こゑ
)
、あるひは白酒々の声も春めきて心も
朗
(
のどか
)
なりしが此声今はなし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
つく/″\と
見
(
み
)
れば
無残
(
むざん
)
や、
形
(
かたち
)
のない
声
(
こゑ
)
が
言交
(
いひか
)
はした
如
(
ごと
)
く、
頭
(
かしら
)
が
畳
(
たゝみ
)
の
上
(
うへ
)
へ
離
(
はな
)
れ、
裙
(
すそ
)
が
梁
(
うつばり
)
にも
留
(
と
)
まらずに
上
(
うへ
)
から
倒
(
さかさま
)
に
釣
(
つる
)
して
有
(
あ
)
る……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
折
(
をり
)
から
貸
(
かし
)
ボート
屋
(
や
)
の
桟橋
(
さんばし
)
には
舷
(
ふなばた
)
に
数知
(
かずし
)
れず
提燈
(
ちやうちん
)
を
下
(
さ
)
げた
凉船
(
すゞみぶね
)
が
間
(
ま
)
もなく
纜
(
ともづな
)
を
解
(
と
)
いて
出
(
で
)
やうとするところらしく、
客
(
きやく
)
を
呼込
(
よびこ
)
む
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
が一
層
(
そう
)
甲高
(
かんだか
)
に
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
奧
(
おく
)
さんは
針
(
はり
)
の
手
(
て
)
を
無意識
(
むいしき
)
なやうに
膝
(
ひざ
)
に休めて、ほの白んだ、硬
張
(
は
)
つた
顏
(
かほ
)
を青木さんの
方
(
はう
)
に向けながら、
眞劍
(
しんけん
)
な
声
(
こゑ
)
でいつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
良
(
りやう
)
さん
今朝
(
けさ
)
の
指輪
(
ゆびわ
)
はめて
下
(
くだ
)
さいましたかと
云
(
い
)
ふ
声
(
こゑ
)
の
細
(
ほそ
)
さよ
答
(
こた
)
へは
胸
(
むね
)
にせまりて
口
(
くち
)
にのぼらず
無言
(
むごん
)
にさし
出
(
だ
)
す
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
き
寄
(
よ
)
せてじつとばかり
眺
(
なが
)
めしが。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
寄
(
よつ
)
て
三升
(
みます
)
の
目印
(
めじるし
)
、
門前
(
もんぜん
)
に
市
(
いち
)
を
為
(
な
)
すにぞ、のど
筒
(
づゝ
)
の
往来
(
わうらい
)
かまびすしく、笑ふ
声
(
こゑ
)
富士
(
ふじ
)
筑波
(
つくば
)
にひゞく。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
信濃
(
しなぬ
)
なる
須賀
(
すが
)
の
荒野
(
あらの
)
にほととぎす
鳴
(
な
)
く
声
(
こゑ
)
きけば
時
(
とき
)
過
(
す
)
ぎにけり 〔巻十四・三三五二〕 東歌
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
朝おきて戸を開けると、葉の黄ばんだ
向
(
むか
)
ふの林に鳥の群が来て囀づりかはしてゐたり、
又
(
また
)
は
遠
(
とほ
)
くの方で
鶇
(
つぐみ
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えたりした。くい/\と啼く鶇の啼声が、殊にも彼に故郷を思ひ出させた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ティウトンの
児
(
こ
)
はしげしげと
視
(
み
)
てゐたが、
透
(
す
)
きとほつた
声
(
こゑ
)
で
答
(
こた
)
へた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
おれたちの
唇
(
くちびる
)
は
歓呼
(
くわんこ
)
の
声
(
こゑ
)
を
叫
(
さけ
)
ぶにはあまりに
干乾
(
ひから
)
びてゐる
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
一ばん
右
(
みぎ
)
はじにたつた
鹿
(
しか
)
が
細
(
ほそ
)
い
声
(
こゑ
)
でうたひました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
哀れ、さは
光
(
ひかり
)
匂
(
にほ
)
はぬ
色
(
いろ
)
もなく
声
(
こゑ
)
もなき野に
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
なんだ
情
(
なさ
)
けない
声
(
こゑ
)
を出すね
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
児
(
こ
)
は母の
懐
(
ふところ
)
にあり、母の袖
児
(
こ
)
の
頭
(
かしら
)
を
覆
(
おほ
)
ひたれば
児
(
こ
)
は
身
(
み
)
に雪をば
触
(
ふれ
)
ざるゆゑにや
凍死
(
こゞえしな
)
ず、
両親
(
ふたおや
)
の
死骸
(
しがい
)
の中にて又
声
(
こゑ
)
をあげてなきけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
唯
(
たゞ
)
、いひかはされるのは、
其
(
そ
)
のくらゐな
事
(
こと
)
を
繰返
(
くりかへ
)
す。
時
(
とき
)
に、
鶺鴒
(
せきれい
)
の
声
(
こゑ
)
がして、
火桶
(
ひをけ
)
の
炭
(
すみ
)
は
赤
(
あか
)
けれど、
山茶花
(
さざんくわ
)
の
影
(
かげ
)
が
寂
(
さび
)
しかつた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
青木さんの
声
(
こゑ
)
は
何
(
なん
)
となく上ずつてゐた。そして、わざとらしいはしやぎ
方
(
かた
)
で
身體
(
からだ
)
をゆすぶりながら
笑
(
わら
)
つた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
しくて
屏風
(
べうぶ
)
の
外
(
ほか
)
に二
足
(
あし
)
ばかり
糸
(
いと
)
より
細
(
ほそ
)
き
声
(
こゑ
)
に
良
(
りやう
)
さんと
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
められて
何
(
なに
)
ぞと
振
(
ふ
)
り
返
(
か
)
へれば。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
云
(
い
)
つて
居
(
を
)
りますと、
突然
(
いきなり
)
後
(
うしろ
)
の
襖
(
ふすま
)
をがらりと
開
(
あ
)
けて
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
た
婦人
(
ふじん
)
が
怒
(
いか
)
りの
声
(
こゑ
)
にて、婦人
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
古池
(
ふるいけ
)
には早くも
昼中
(
ひるなか
)
に
蛙
(
かはづ
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて、去年のまゝなる
枯草
(
かれくさ
)
は水にひたされて
腐
(
くさ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
たまくしげ
二上山
(
ふたがみやま
)
に
鳴
(
な
)
く
鳥
(
とり
)
の
声
(
こゑ
)
の
恋
(
こひ
)
しき
時
(
とき
)
は
来
(
き
)
にけり 〔巻十七・三九八七〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
狂
(
くる
)
ひいづる
北極熊
(
ほつきよくぐま
)
の氷なす
戦慄
(
をののき
)
の
声
(
こゑ
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いい
声
(
こゑ
)
だなア
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
此男やがて
膝
(
ひざ
)
をすゝめ娘の母に
対
(
むか
)
ひ
声
(
こゑ
)
をひそめていふやう、今はなにをかつゝみ申さん、
我
(
われ
)
は
娘御
(
むすめご
)
と二世の
約束
(
やくそく
)
をしたるもの也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
珊瑚
(
さんご
)
の
枝
(
えだ
)
を
折
(
を
)
つてゐた、
炉
(
ろ
)
の
焚火
(
たきび
)
から、
急
(
いそ
)
いで
立
(
た
)
つて
出迎
(
でむか
)
へた、もの
柔
(
やはら
)
かな
中形
(
ちゆうがた
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の、
髪
(
かみ
)
の
濃
(
こ
)
いのを
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
は、
慌
(
あわ
)
てたやうに
声
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いやだよ、
大概
(
たいがい
)
声
(
こゑ
)
でも知れさうなもんだアね、
小春
(
こはる
)
だよ。梅「え……
小春姐
(
こはるねえ
)
さんで、
成程
(
なるほど
)
……
美
(
うつく
)
しいもんですなア。小春「いやだよ、
大概
(
たいがい
)
におし。梅「へゝゝお
初
(
はつ
)
にお
目
(
め
)
に
懸
(
かゝ
)
りました。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
聞
(
き
)
き
馴
(
な
)
れぬ
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
きつけ、
又
(
また
)
もや
窓
(
まど
)
から
首
(
くび
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
ると、
日本髪
(
にほんがみ
)
に
日本服
(
にほんふく
)
を
着
(
き
)
た
奥
(
おく
)
さまらしい
若
(
わか
)
い
女
(
をんな
)
と、その
母親
(
はゝおや
)
かとも
思
(
おも
)
はれる
老婆
(
らうば
)
の
二人
(
ふたり
)
が、
手桶
(
てをけ
)
をさげた
寺男
(
てらをとこ
)
に
案内
(
あんない
)
されて
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
悲しともなく
誦
(
ず
)
しゆけど、
響
(
ひび
)
らぐ
声
(
こゑ
)
は
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
虫
(
むし
)
の
声
(
こゑ
)
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『えゝ、
大
(
おほき
)
な
声
(
こゑ
)
をさつしやりますな、
聞
(
き
)
こえるがのエ』と、
蒼
(
あを
)
い
顔
(
かほ
)
して、
其
(
そ
)
の
男
(
をとこ
)
は、
足許
(
あしもと
)
を
樹
(
き
)
の
梢
(
こずゑ
)
から
透
(
す
)
いて
見
(
み
)
える、
燈
(
ともしび
)
の
影
(
かげ
)
を
指
(
ゆびさ
)
したんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
祝
(
いは
)
ひとて男女ともうちまじりて
声
(
こゑ
)
よく
田植哥
(
たうゑうた
)
をうたふ、此こゑをきけば夏がこひしく、家の上こす雪のはやくきえよかしとおもふも雪国の人情なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“声”の意味
《名詞》
(こえ)人の口や喉といった器官から、主に言葉を構成する目的で発せられる音。
(こえ)動物が口やのどから出す音。または、一般的に動物が出す音。
(出典:Wiktionary)
“声”の解説
声(こえ、聲、en: voice)は、動物の発声器官から発せられる音である。本項ではヒトの口や喉から発せられる音(人声)について扱う。
(出典:Wikipedia)
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“声”を含む語句
低声
声音
声色
音声
御声
声高
一声
笑声
大声
咳声
初声
叫声
啼声
高声
人声
話声
和声
呼声
乱声
皺嗄声
...