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彼處
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かしこ
ふりがな文庫
“
彼處
(
かしこ
)” の例文
新字:
彼処
我は
聖光
(
みひかり
)
を
最
(
いと
)
多く受くる天にありて諸〻の物を見たりき、されど
彼處
(
かしこ
)
れて
降
(
くだ
)
る者そを語るすべを知らずまた
然
(
しか
)
するをえざるなり 四—六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
燈の光は窓々より洩れたり。フランチエスカとフアビアニとは、
彼處
(
かしこ
)
にて禮を
卒
(
を
)
へつるなり。家の内より、樂の聲響き來ぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
さうしてあれから我々は長いこと騎つてきた。もういまは秋だらう。少くとも、悲しい女たちが我々のことをよく知つてゐる、
彼處
(
かしこ
)
では、秋だらう。
旗手クリストフ・リルケ抄
(旧字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
神
(
しん
)
ならず、
仙
(
せん
)
ならずして、
然
(
しか
)
も
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
、
彼處
(
かしこ
)
に
蝶鳥
(
てふとり
)
の
遊
(
あそ
)
ぶに
似
(
に
)
たり、
岨
(
そば
)
がくれなる
尾
(
を
)
の
姫百合
(
ひめゆり
)
、
渚
(
なぎさ
)
づたひの
翼
(
つばさ
)
の
常夏
(
とこなつ
)
。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
甚麼話
(
どんなはなし
)
を
爲
(
す
)
るので
有
(
あ
)
らうか、
彼處
(
かしこ
)
へ
行
(
い
)
つても
處方書
(
しよはうがき
)
を
示
(
しめ
)
さぬでは
無
(
な
)
いかと、
彼方
(
あつち
)
でも、
此方
(
こつち
)
でも、
彼
(
かれ
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
の
奇
(
き
)
なる
擧動
(
きよどう
)
の
評判
(
ひやうばん
)
で
持切
(
もちき
)
つてゐる
始末
(
しまつ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
行所に
遙
(
はる
)
か向ふに火の光りの見えければ不思議に思ひ此原は未だ
人里
(
ひとさと
)
までは程あるを
彼處
(
かしこ
)
に火の光り見ゆるは如何にも
心得
(
こゝろえ
)
ずと思ひ
段々
(
だん/\
)
近
(
ちか
)
づきて樣子を見れば
野火
(
のび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
顧客
(
とくい
)
は
廓内
(
かくない
)
に
居
(
い
)
つゞけ
客
(
きやく
)
のなぐさみ、
女郎
(
ぢよろう
)
の
憂
(
う
)
さ
晴
(
は
)
らし、
彼處
(
かしこ
)
に
入
(
い
)
る
身
(
み
)
の
生涯
(
せうがい
)
やめられぬ
得分
(
とくぶん
)
ありと
知
(
し
)
られて、
來
(
く
)
るも
來
(
く
)
るも
此處
(
こゝ
)
らの
町
(
まち
)
に
細
(
こま
)
かしき
貰
(
もら
)
ひを
心
(
こゝろ
)
に
止
(
と
)
めず
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
獅子
(
しゝ
)
の
友呼
(
ともよ
)
び!。』と
一名
(
いちめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
は
咡
(
さゝや
)
いた。
成程
(
なるほど
)
遠雷
(
えんらい
)
の
如
(
ごと
)
き
叫聲
(
さけびごゑ
)
が
野山
(
のやま
)
に
響渡
(
ひゞきわた
)
ると、
忽
(
たちま
)
に
其處
(
そこ
)
の
森
(
もり
)
からも、
彼處
(
かしこ
)
の
岩陰
(
いはかげ
)
からも
三頭
(
さんとう
)
五頭
(
ごとう
)
と
猛獸
(
まうじう
)
は
群
(
ぐん
)
をなして
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
バルタ
僕
(
わたくし
)
めは、ヂュリエット
樣
(
さま
)
お
死去
(
しきょ
)
の
事
(
こと
)
をば、マンチュアの
主人方
(
しゅじんがた
)
へ
傳
(
つた
)
へましたるところ、
主人
(
しゅじん
)
は
直
(
すぐ
)
に
驛馬
(
はやうま
)
にて、
彼處
(
かしこ
)
から
御廟所
(
ごべうしょ
)
まで
參
(
まゐ
)
られ、
墓
(
はか
)
へ
入
(
はひ
)
られまする
前
(
まへ
)
に
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
或日
(
あるひ
)
近所
(
きんじよ
)
の
川
(
かは
)
に
漁
(
れふ
)
に出かけて
彼處
(
かしこ
)
の
淵
(
ふち
)
此所
(
こゝ
)
の
瀬
(
せ
)
と
網
(
あみ
)
を
投
(
う
)
つて
廻
(
ま
)
はるうち、ふと網に
掛
(
かゝ
)
つたものがある、
引
(
ひ
)
いて見たが
容易
(
ようい
)
に
上
(
あが
)
らないので川に
入
(
はひ
)
つて
探
(
さぐ
)
り
試
(
こゝろ
)
みると
一抱
(
ひとかゝへ
)
もありさうな
石
(
いし
)
である。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
野を、水を、時間を
超
(
こ
)
えて、
彼處
(
かしこ
)
に
生けるものと死せるものと
(旧字旧仮名)
/
アンナ・ド・ノアイユ
(著)
地
(
つち
)
なる愁を去らむ、
彼處
(
かしこ
)
にては
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
(
彼處
(
かしこ
)
にはよい國あり……)
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
彼處
(
かしこ
)
、いま
花
(
はな
)
はひからび
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
彼處
(
かしこ
)
に
此處
(
こゝ
)
に
戲
(
たはぶ
)
るゝ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
常は
一人
(
ひとりのひと
)
取らるゝ
例
(
ならひ
)
なるに、我等は
二人
(
ふたり
)
ながら
彼處
(
かしこ
)
にとられき、我等のいかなる者なりしやは今もガルディンゴの
附近
(
あたり
)
を見てしるべし —一〇八
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
六百枚なくば、我等の義兄弟となりて生きんとも、
彼處
(
かしこ
)
なる枯井の底にて、相擁して永く眠れる人々の義兄弟となりて終らんとも、二つに一つと思はれよ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
が、
趣
(
おもむき
)
が
違
(
ちが
)
ふ。
彼處
(
かしこ
)
のは、
横
(
よこ
)
に
靡
(
なび
)
いて
婉轉
(
ゑんてん
)
として
流
(
ながれ
)
を
操
(
あやつ
)
り、
此處
(
こゝ
)
のは、
縱
(
たて
)
に
通
(
とほ
)
つて
喨々
(
れう/\
)
として
瀧
(
たき
)
を
調
(
しら
)
ぶる。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
定め其處よ
彼處
(
かしこ
)
と思へ共
竟
(
つひ
)
に其日は捨兼て同じ宿なる
棒端
(
ぼうばな
)
の
境屋
(
さかひや
)
と云
旅籠屋
(
はたごや
)
に一宿なして明の朝此所の
旅店
(
やどや
)
を立出て人の
往來
(
ゆきゝ
)
の無中に
疾
(
と
)
く
捨
(
すて
)
なんと
右
(
と
)
つ
左
(
おい
)
つ其場所がらを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
三十
有餘名
(
いうよめい
)
の、
日頃
(
ひごろ
)
は
鬼
(
おに
)
とも
組
(
く
)
まん
水兵等
(
すいへいら
)
も、
今
(
いま
)
は
全
(
まつた
)
く
無言
(
むごん
)
に、
此處
(
こゝ
)
に
一團
(
いちだん
)
、
彼處
(
かしこ
)
に
一團
(
いちだん
)
、
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあ
)
はすばかりで、
其中
(
そのうち
)
に二三
名
(
めい
)
は、
萬一
(
まんいち
)
にも十二の
樽
(
たる
)
の
中
(
うち
)
一つでも、二つでも
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
口惜
(
くちを
)
しげに
相手
(
あひて
)
を
睨
(
にら
)
みしこともありしがそれは
無心
(
むしん
)
の
昔
(
むかし
)
なり
我
(
わ
)
れ
性來
(
せいらい
)
の
虚弱
(
きよじやく
)
とて
假初
(
かりそめ
)
の
風邪
(
ふうじや
)
にも
十日
(
とをか
)
廿日
(
はつか
)
新田
(
につた
)
の
訪問
(
はうもん
)
懈
(
おこた
)
れば
彼處
(
かしこ
)
にも
亦
(
また
)
一人
(
ひとり
)
の
病人
(
びやうにん
)
心配
(
しんぱい
)
に
食事
(
しよくじ
)
も
進
(
すゝ
)
まず
稽古
(
けいこ
)
ごとに
行
(
ゆ
)
きもせぬとか
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
汝
(
な
)
はいへり、
彼處
(
かしこ
)
には舟
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
彼處
(
かしこ
)
蹄
(
ひづめ
)
や
觸
(
ふ
)
れけんの
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
我に告げよ、汝誰なりしや、汝等何ぞ背を上にむくるや、汝わが汝の爲に世に何物をか求むるを願ふや、我は
生
(
いき
)
ながら
彼處
(
かしこ
)
よりいづ。 九四—九六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
我に彫刻を喜ぶこゝろを生ぜしめしは
彼處
(
かしこ
)
なり。プロメテウスが死者に生を與ふるに同じく、人間の心の偉大なるを、わが悟りしはかしこなり。彼廊に一室あり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
此時
(
このとき
)
、われに
返
(
かへ
)
る
心
(
こゝろ
)
、しかも
湯氣
(
ゆげ
)
の
裡
(
うち
)
に
恍惚
(
くわうこつ
)
として、
彼處
(
かしこ
)
に
鼈甲
(
べつかふ
)
の
櫛
(
くし
)
笄
(
かうがい
)
の
行方
(
ゆくへ
)
も
覺
(
おぼ
)
えず、
此處
(
こゝ
)
に
亂箱
(
みだればこ
)
の
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
、
我
(
わ
)
が
手
(
て
)
にさへ
袖
(
そで
)
をこぼれて
亂
(
みだ
)
れたり。
面
(
おもて
)
、
色
(
いろ
)
染
(
そま
)
んぬ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
暮
(
くら
)
し居たりしが如何なる
縁
(
えん
)
か其
後家
(
ごけ
)
の處へ兄清兵衞が
這
(
はひ
)
り
込
(
こみ
)
夫
(
それ
)
より
辛抱
(
しんばう
)
して段々と
稼
(
かせ
)
ぎ出し夫に又女房が
勿々
(
なか/\
)
針仕事
(
はりしごと
)
が
能
(
よく
)
爰
(
こゝ
)
彼處
(
かしこ
)
にて頼まれ夫婦にて
稼
(
かせぎ
)
しかば
忽
(
たちま
)
ち三四年の
間
(
あひだ
)
に金が出來て
普請
(
ふしん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『いざ、
吾等
(
われら
)
も
彼處
(
かしこ
)
に
行
(
ゆ
)
いて、
共
(
とも
)
に
大日本帝國
(
だいにつぽんていこく
)
の
※歳
(
ばんざい
)
を
唱
(
とな
)
へませうか。』
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今日
(
けふ
)
の
酉
(
とり
)
の
市
(
いち
)
目茶々々
(
めちや/″\
)
に
此處
(
こゝ
)
も
彼處
(
かしこ
)
も
怪
(
あや
)
しき
事
(
こと
)
成
(
な
)
りき。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼處
(
かしこ
)
にはまた——
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
その
一
(
ひとり
)
はヴィルジリオに向へり、また
一
(
ひとり
)
は
彼處
(
かしこ
)
に坐せる者にむかひ、起きよクルラード、來りて神の惠深き
聖旨
(
みむね
)
より出し事を見よと叫び 六四—六六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
彼處
(
かしこ
)
に、
遙
(
はるか
)
に、
湖
(
みづうみ
)
の
只中
(
たゞなか
)
なる
一點
(
いつてん
)
のモーターは、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に、たゞ
青瑪瑙
(
あをめなう
)
の
瓜
(
うり
)
の
泛
(
うか
)
べる
風情
(
ふぜい
)
がある。また、
行
(
ゆ
)
く
船
(
ふね
)
の、さながら
白銀
(
しろがね
)
の
猪
(
しゝ
)
の
驅
(
か
)
けるが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えたるも
道理
(
ことわり
)
よ。
十和田の夏霧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さらば
彼處
(
かしこ
)
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
何人
(
なんびと
)
が
何用
(
なによう
)
ありて
逢
(
あ
)
ひたしといふにや
親戚
(
しんせき
)
朋友
(
ほういう
)
の
間柄
(
あひだがら
)
にてさへ
面
(
おもて
)
背
(
そむ
)
ける
我
(
われ
)
に
對
(
たい
)
して
一面
(
いちめん
)
の
識
(
しき
)
なく
一語
(
いちご
)
の
交
(
まじ
)
はりなき
然
(
し
)
かも
婦人
(
ふじん
)
が
所用
(
しよよう
)
とは
何事
(
なにごと
)
逢
(
あひ
)
たしとは
何故
(
なにゆゑ
)
人違
(
ひとちが
)
ひと
思
(
おも
)
へば
譯
(
わけ
)
もなければ
彼處
(
かしこ
)
といひ
此處
(
こゝ
)
といひ
乘
(
の
)
り
廻
(
まは
)
りし
方角
(
はうがく
)
の
不審
(
いぶか
)
しさそれすら
事
(
こと
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
なるに
頼
(
たの
)
みたきことあり
足
(
あし
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我等汝を導いて彼の目の
邊
(
ほとり
)
に到らむ、されどその
中
(
うち
)
なる悦びの光を見んため、物を見ること尚深き
彼處
(
かしこ
)
の
三者
(
みたり
)
汝の目をば強くせむ。 一〇九—一一一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
路
(
みち
)
に
太郎稻荷
(
たらういなり
)
あり、
奉納
(
ほうなふ
)
の
手拭
(
てぬぐひ
)
堂
(
だう
)
を
蔽
(
おほ
)
ふ、
小
(
ちさ
)
き
鳥居
(
とりゐ
)
夥多
(
おびたゞ
)
し。
此處
(
こゝ
)
彼處
(
かしこ
)
露地
(
ろぢ
)
の
日
(
ひ
)
あたりに
手習草紙
(
てならひざうし
)
を
干
(
ほ
)
したるが
到
(
いた
)
る
處
(
ところ
)
に
見
(
み
)
ゆ、
最
(
いと
)
もしをらし。それより
待乳山
(
まつちやま
)
の
聖天
(
しやうでん
)
に
詣
(
まう
)
づ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
わが目の
彼處
(
かしこ
)
にてベアトリーチェを離れしに及ばじ、されど是我に
係
(
かゝはり
)
なかりき、そはその姿
間
(
あひだ
)
に
混
(
まじ
)
る物なくしてわが
許
(
もと
)
に下りたればなり 七六—七八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
地方
(
ちはう
)
は
風物
(
ふうぶつ
)
に
變化
(
へんくわ
)
が
少
(
すくな
)
い。わけて
唯
(
たゞ
)
一年
(
いちねん
)
、もの
凄
(
すご
)
いやうに
思
(
おも
)
ふのは、
月
(
つき
)
は
同
(
おな
)
じ
月
(
つき
)
、
日
(
ひ
)
はたゞ
前後
(
ぜんご
)
して、——
谿川
(
たにがは
)
に
倒
(
たふ
)
れかゝつたのも
殆
(
ほとん
)
ど
同
(
おな
)
じ
時刻
(
じこく
)
である。
娘
(
むすめ
)
も
其處
(
そこ
)
に
按摩
(
あんま
)
も
彼處
(
かしこ
)
に——
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
されど我は何故に
彼處
(
かしこ
)
にゆかむ誰か之を我に許せる、我エーネアに非ず我パウロに非ず、わがこの事に堪ふべしとは我人倶に信ぜざるなり 三一—三三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
屈竟
(
くつきやう
)
なる
壯佼
(
わかもの
)
具
(
ぐ
)
したるが、
車
(
くるま
)
の
輪
(
わ
)
も
緩
(
ゆる
)
やかに、
彼
(
か
)
の
蜘蛛手
(
くもで
)
の
森
(
もり
)
の
下道
(
したみち
)
を、
訪
(
と
)
ふ
人
(
ひと
)
の
家
(
いへ
)
を
尋
(
たづ
)
ね
惱
(
なや
)
みつと
覺
(
おぼ
)
しく、
此處
(
こゝ
)
彼處
(
かしこ
)
、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
咲
(
さ
)
けりと
見
(
み
)
る
處
(
ところ
)
、
必
(
かなら
)
ず、
一時
(
ひととき
)
ばかりの
間
(
あひだ
)
に
六度
(
むたび
)
七度
(
なゝたび
)
出
(
い
)
であひぬ。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
されど人もし一切の美を
捺
(
お
)
す諸〻の生くる印がその高きに從つて愈〻強く働く事と、わが未だ
彼處
(
かしこ
)
にてかの目に向はざりし事とを思はゞ 一三三—一三五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
數限
(
かずかぎり
)
もない
材木
(
ざいもく
)
を
水
(
みづ
)
のまゝに
浸
(
ひた
)
してあるが、
彼處
(
かしこ
)
へ五
本
(
ほん
)
、
此處
(
こゝ
)
へ六
本
(
ぽん
)
、
流寄
(
ながれよ
)
つた
形
(
かたち
)
が
判
(
はん
)
で
印
(
お
)
した
如
(
ごと
)
く、
皆
(
みな
)
三方
(
さんぱう
)
から
三
(
みつ
)
ツに
固
(
かたま
)
つて、
水
(
みづ
)
を
三角形
(
さんかくけい
)
に
區切
(
くぎ
)
つた、あたりは
廣
(
ひろ
)
く、
一面
(
いちめん
)
に
早苗田
(
さなへだ
)
のやうである。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あゝ
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
に
葬
(
はうむ
)
つた、
母
(
はゝ
)
のおくつきは
彼處
(
かしこ
)
に
近
(
ちか
)
い。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
處
部首:⾌
11画
“彼處”で始まる語句
彼處等
彼處此處
彼處邊