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罵
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のゝし
ふりがな文庫
“
罵
(
のゝし
)” の例文
見
(
み
)
よ、
愚劣
(
ぐれつ
)
な×
(2)
旗
(
き
)
に対して
拳
(
こぶし
)
を
振
(
ふ
)
る
子供
(
こども
)
らを、
顔
(
かほ
)
をそむけて
罵
(
のゝし
)
る
女
(
をんな
)
たちを、
無言
(
むごん
)
のまゝ
反抗
(
はんこう
)
の
視線
(
しせん
)
を
列
(
れつ
)
に
灼
(
や
)
きつける
男
(
をとこ
)
たちを!
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
離屋を覗いて、親分の平次が居ないと見ると、寶雲齋坊と、何にかひどくやり合つて居るらしく、
罵
(
のゝし
)
りわめく聲が筒拔けに聞えます。
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜中の
喚
(
わめ
)
き
罵
(
のゝし
)
る声に驚いて雨戸まで開けた近所の人達は朝には肩を並べて牛を引いて
田圃
(
たんぼ
)
に出て行く私共父子を見て
呆気
(
あつけ
)
にとられた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
取たること
迄
(
まで
)
逐一
(
ちくいち
)
訴へ呉ん
邪魔
(
じやま
)
せずと
其所
(
そこ
)
を
開
(
ひら
)
いて通しをれと
罵
(
のゝし
)
るを段右衞門は
怒
(
いか
)
り
汝
(
おの
)
れ
生
(
いか
)
して置ば我が身の仇なり覺悟をせよと切付るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
斯
(
か
)
く
言
(
い
)
ひつゝ
法華僧
(
ほつけそう
)
は
哄然
(
こうぜん
)
と
大笑
(
たいせう
)
して、
其
(
その
)
まゝ
其處
(
そこ
)
に
肱枕
(
ひぢまくら
)
して、
乘客等
(
のりあひら
)
がいかに
怒
(
いか
)
りしか、いかに
罵
(
のゝし
)
りしかを、
渠
(
かれ
)
は
眠
(
ねむ
)
りて
知
(
し
)
らざりしなり。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
釋迦がおのが來しかたを説いて
提婆達多
(
だいばだつた
)
を
罵
(
のゝし
)
りしは、罵ることの極めて深きものなりと。逍遙子が言も亦罵り得て好からずや。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
『僕も不幸にして郡視学を叔父に持たなかつた』とかなんとか言ひたい放題なことを書き散らし、普通教育者の身を
恨
(
うら
)
み
罵
(
のゝし
)
り
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ゾオラが
偶々
(
たま/\
)
醜悪
(
しうあく
)
のまゝを
写
(
うつ
)
せば
青筋
(
あをすじ
)
出して
不道徳
(
ふだうとく
)
文書
(
ぶんしよ
)
なりと
罵
(
のゝし
)
り
叫
(
わめ
)
く事さりとは
野暮
(
やぼ
)
の
行
(
い
)
き
過
(
す
)
ぎ
余
(
あま
)
りに
業々
(
げふ/\
)
しき
振舞
(
ふるまひ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
技法
(
ぎはふ
)
の
尖鋭
(
せんえい
)
慧敏
(
けいびん
)
さは
如何
(
いか
)
ほどまでも
尊
(
たふと
)
ばれていい
筈
(
はず
)
だが、やたらに
相手
(
あひて
)
の
技法
(
ぎはふ
)
に
神經
(
しんけい
)
を
尖
(
と
)
がらして、
惡打
(
あくだ
)
を
怒
(
いか
)
り
罵
(
のゝし
)
り、
不覺
(
ふかく
)
の
過
(
あやま
)
ちを
責
(
せ
)
め
咎
(
とが
)
め
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
彼は何かぶつ/\
罵
(
のゝし
)
つてゐたらしいが、私にはわからなかつた。がとにかく
咒文
(
じゆもん
)
のやうなものを
稱
(
とな
)
へてゐたので、直ぐには返辭をしなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
と
口穢
(
くちぎた
)
なく
罵
(
のゝし
)
るのを
此方
(
こちら
)
は何を云われても只おど/\して居ると、お虎婆アは無闇に来てお筆の袂から巾着を引出して
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
滿の
罵
(
のゝし
)
る声がしたかはたれ
時
(
どき
)
に、鏡子は茶の間へ出て
行
(
ゆ
)
くと、お照は四畳半で榮子をじつとじつと
抱
(
いだ
)
いて居た。(終り)
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
下人は、老婆が
屍骸
(
しがい
)
につまづきながら、
慌
(
あは
)
てふためいて逃げようとする行手を塞いで、こう
罵
(
のゝし
)
つた。老婆は、それでも下人をつきのけて
行
(
ゆ
)
かうとする。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今の所謂基督教信者なるものに
幾等
(
いくとう
)
か加ふるところありし、然るも基督は之を排して、
蝮
(
まむし
)
の
裔
(
すゑ
)
とまで
罵
(
のゝし
)
りぬ。
各人心宮内の秘宮
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
一方で家の爲といふのを
楯
(
たて
)
にすれば、一方では個人
主義
(
しゆぎ
)
を
振廻
(
ふりまは
)
す。軈がては親は子に對つて、
不孝
(
ふかう
)
なるやくざ者と
罵
(
のゝし
)
る、子は親に對つて、無
慈悲
(
じひ
)
な
驅
(
かたり
)
だと
毒
(
どく
)
吐く。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
なかに一人ちよつぴり鼻の尖つた狐のやうな表情をした、
商人
(
あきんど
)
らしい男が、口汚くウヰルソンを
罵
(
のゝし
)
るのが、
殊更
(
ことさら
)
耳立
(
みゝだ
)
つて聞えた。総長某氏は
癪
(
しやく
)
にさへて口を出した。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「そればかりでない。人妻に対して汝は
不埒
(
ふらち
)
な考へなどを持つてゐくさるぞ、此の不届者……!」と隊長は事の
序
(
ついで
)
に其の事までも素つぱぬいて
罵
(
のゝし
)
つてゐるやうな気がして
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
扉を
鎖
(
とざ
)
して
鳩首
(
きうしゆ
)
密議する三個の人影を見る、目を閉ぢて沈黙する四十五六とも見えて和服せるは議長の浦和
武平
(
ぶへい
)
、眉を
昂
(
あ
)
げて
咄々
(
とつ/\
)
罵
(
のゝし
)
る四十前後と
覚
(
おぼ
)
しき背広は幹事の松本常吉
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
○英雄を
罵
(
のゝし
)
る、快事たり。美人を罵る、亦快事たり。されども共に、銭なき時の事たり。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
汝が二心あることを知らざりしこそ不覚なれ、されども太閤の高恩を忘れ、義を捨てゝ約に
違
(
たが
)
い、関ヶ原に於いて裏切りせしこと、汝心に耻じざるやと、声を励まして
罵
(
のゝし
)
ったので
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
文句
(
もんく
)
は
色々
(
いろ/\
)
に
變
(
か
)
へて、
或
(
あるひ
)
は
強
(
つよ
)
く、
或
(
あるひ
)
は
弱
(
よわ
)
く、
或
(
あるひ
)
は
罵
(
のゝし
)
り、
或
(
あるひ
)
はふざけ、
種々樣々
(
しゆ/″\さま/″\
)
の
事
(
こと
)
を
書
(
か
)
いてやつた。
中途
(
ちうと
)
で
凹
(
へた
)
たれては
全
(
まつた
)
く
敵
(
てき
)
に
降伏
(
かうふく
)
する
譯
(
わけ
)
だから、
例
(
れい
)
の
持藥
(
ぢやく
)
のつもりで
毎日
(
まいにち
)
書
(
か
)
いた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
獄
(
ごく
)
から
歸
(
かへ
)
つて見ると石がない、
雲飛
(
うんぴ
)
は妻を
罵
(
のゝし
)
り
子
(
こ
)
を
毆
(
う
)
ち、
怒
(
いかり
)
に
怒
(
いか
)
り、
狂
(
くる
)
ひに
狂
(
くる
)
ひ、
遂
(
つひ
)
に
自殺
(
じさつ
)
しようとして
何度
(
なんど
)
も
妻子
(
さいし
)
に
發見
(
はつけん
)
されては自殺することも
出來
(
でき
)
ず、
懊惱
(
あうなう
)
煩悶
(
はんもん
)
して居ると、一夜
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
東皐子
(
とうくわうし
)
はそれを
聞
(
き
)
いて、
手紙
(
てがみ
)
で『
思
(
おも
)
ひ
直
(
なほ
)
して
來
(
く
)
る
氣
(
き
)
は
無
(
な
)
いか
鳥
(
とり
)
も
枯木
(
かれき
)
に二
度
(
ど
)
とまる』と
言
(
い
)
つて
寄越
(
よこ
)
す。
幻翁
(
げんおう
)
もすゝめる。
罵
(
のゝし
)
りながらも
實
(
じつ
)
は
行
(
ゆ
)
きたいので、
又
(
また
)
出掛
(
でか
)
ける。
相變
(
あひかは
)
らず
何
(
なに
)
も
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
答がないので半ば歌のやうな調子から次第に独語のやうにぶつぶつと父を
罵
(
のゝし
)
り乍ら、その時分にはもう整理した家具
什器
(
じふき
)
の一杯に押し込んであつて誰もは入れないやうになつてゐた離れに
鳥羽家の子供
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
拜
(
おが
)
みますと
心
(
こゝろ
)
から
泣
(
な
)
いて、
此
(
この
)
ある
甲斐
(
かひ
)
なき
活計
(
くらし
)
を
數
(
かぞ
)
へれば、
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
を
罵
(
のゝし
)
られし
事
(
こと
)
と
腹
(
はら
)
たゝしく、お
爲
(
ため
)
ごかしの
夜學沙汰
(
やがくさた
)
は、
我
(
わ
)
れを
留守
(
るす
)
にして
身
(
み
)
の
樂
(
たの
)
しみを
思
(
おも
)
ふ
故
(
ゆゑ
)
ぞと一
圖
(
づ
)
にくやしく
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お信さんはさう自分で自分を
罵
(
のゝし
)
りながら、更にしつかり私にしがみついて
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
『
軍艦
(
ぐんかん
)
にしても、あんなに
速
(
はや
)
い
船脚
(
ふなあし
)
は
新式
(
しんしき
)
巡洋艦
(
じゆんやうかん
)
か、
水雷驅逐艦
(
すいらいくちくかん
)
の
他
(
ほか
)
はあるまい。』と二
等
(
とう
)
運轉手
(
うんてんしゆ
)
、
非番
(
ひばん
)
舵手
(
だしゆ
)
、
水夫
(
すゐふ
)
、
火夫
(
くわふ
)
、
船丁
(
ボーイ
)
に
至
(
いた
)
るまで、
互
(
たがひ
)
に
眼
(
め
)
と
眼
(
め
)
を
見合
(
みあは
)
せつゝ
口々
(
くち/″\
)
に
罵
(
のゝし
)
り
騷
(
さは
)
いで
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
町
(
まち
)
の
人々
(
ひと/″\
)
の
事
(
こと
)
は
彼
(
かれ
)
は
毎
(
いつ
)
も
輕蔑
(
けいべつ
)
して、
無教育
(
むけういく
)
の
徒
(
と
)
、
禽獸的生活
(
きんじうてきせいくわつ
)
と
罵
(
のゝし
)
つて、テノルの
高聲
(
たかごゑ
)
で
燥立
(
いらだ
)
つてゐる。
彼
(
かれ
)
が
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
ふのは
憤懣
(
ふんまん
)
の
色
(
いろ
)
を
以
(
もつ
)
てせざれば、
欣喜
(
きんき
)
の
色
(
いろ
)
を
以
(
もつ
)
て、
何事
(
なにごと
)
も
熱心
(
ねつしん
)
に
言
(
い
)
ふのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
もとより青木さんは、しかとした事を捉へるまでは、奥さんに向つては、そんな事だけで奥さんのすべてを
罵
(
のゝし
)
られるやうもないのだけれど、おかみさんだけにそつと疑をもらされたのであつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
腰から下のバツとひらいた
清国
(
しんこく
)
学生が五六人何やら大声に
罵
(
のゝし
)
つて居た。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
井中より
俄
(
にはか
)
に火をいだし
火勢
(
くわせい
)
さかんに
燃
(
もえ
)
あがりければ
近隣
(
きんりん
)
のものども
火事
(
くわじ
)
なりとしてはせつけ、井中より火のもゆるを見て此井を掘しゆゑ此火ありとて村のものども口々に主人を
罵
(
のゝし
)
り
恨
(
うら
)
みければ
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
透谷と思想の傾向を同ふするもの僕等を
形而下
(
けいじか
)
派と
罵
(
のゝし
)
るに至れり。
透谷全集を読む
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
にあらばと
頻
(
しき
)
りに
妻
(
つま
)
なる
鬼
(
おに
)
を
罵
(
のゝし
)
りぬ
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
かたみに低く
罵
(
のゝし
)
りつ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
罵
(
のゝし
)
る
者
(
もの
)
は
殺
(
ころ
)
さるべし。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
腰
(
こし
)
に
佩
(
たばさ
)
み此
青壯年
(
あをにさい
)
いざ行やれと
罵
(
のゝし
)
りつゝ
泣臥
(
なきふ
)
し居たる千太郎を
引立々々
(
ひきたて/\
)
行んとすれば
此方
(
こなた
)
は
胸
(
むね
)
に
釘
(
くぎ
)
打思ひ
眼前
(
がんぜん
)
養父の
預
(
あづか
)
り金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
初
(
はじ
)
めは
人皆
(
ひとみな
)
懊惱
(
うるさゝ
)
に
堪
(
た
)
へずして、
渠等
(
かれら
)
を
罵
(
のゝし
)
り
懲
(
こ
)
らせしに、
爭
(
あらそ
)
はずして
一旦
(
いつたん
)
は
去
(
さ
)
れども、
翌日
(
よくじつ
)
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
報怨
(
しかへし
)
を
蒙
(
かうむ
)
りてより
後
(
のち
)
は、
見
(
み
)
す/\
米錢
(
べいせん
)
を
奪
(
うば
)
はれけり。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
中にはあの男を
罵
(
のゝし
)
つて、画の為には親子の情愛も忘れてしまふ、人面獣心の
曲者
(
くせもの
)
だなどと申すものもございました。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
思ひ/\のことを言ふ人々に近いて、其となく会の模様を聞いて見ると、いづれも激昂したり、憤慨したりして、一人として高柳を
罵
(
のゝし
)
らないものは無い。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「圭一郎が居らんからこないなことになるんぢや。不孝者の餓鬼奴。今に罰が當つて眼がつぶれようぞ」とお父さまはさも/\憎しげにお兄さまを
罵
(
のゝし
)
られました。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
彼は偽学偽弁に長じたるパリサイ人を
罵
(
のゝし
)
れり、彼は罪に
充
(
み
)
ち汚れに満てるサマリヤの女を救ひに入らしめたり、彼は
生命
(
いのち
)
を人間に備へたり、彼は死を人間より絶たんとせり
実行的道徳
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
と言つて口を極めて
罵
(
のゝし
)
つたものだ。忘れてゐたが上西氏は人並外れた
口達者
(
くちたつしや
)
である。実業家としては
遣
(
つか
)
ひ
場
(
ば
)
のない口達者が自動車をこき
下
(
おろ
)
す場合に初めて役に立つ事になつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
田中は直に再度の質問書を提出し、その十四日、議会最終日の演壇で次のやうに
罵
(
のゝし
)
つた。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
然
(
しか
)
るを
愚図々々
(
ぐづ/\
)
と
賢
(
さか
)
しらだちて
罵
(
のゝし
)
るは
隣家
(
となり
)
のお
菜
(
かず
)
を
考
(
かんが
)
へる
独身者
(
ひとりもの
)
の
繰言
(
くりごと
)
と
何
(
なん
)
ぞ
択
(
えら
)
まん。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
余りの事に友之助が
騙
(
かた
)
りめ泥坊めと大声を放って
罵
(
のゝし
)
りますと、門弟どもが一同取ってかゝり、友之助を
捕縛
(
ほばく
)
して表へ引出し、さん/″\
打擲
(
ちょうちゃく
)
した
揚句
(
あげく
)
の
果
(
はて
)
、割下水の
大溝
(
おおどぶ
)
へ
打込
(
うちこ
)
み
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私の
家
(
うち
)
は朝の忙しい商売で、学校へ子供達を出すのも大方は時間かつ/\なのでしたから、どうしても私は水谷のひどい
罵
(
のゝし
)
りを受けた
後
(
あと
)
でなければ先生のお顔を見られませんでした。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
さるに數奇失意の人は造化を怨み、自然を憤りて、此世を
穢土
(
ゑど
)
と
罵
(
のゝし
)
り、苦界と
誚
(
そし
)
るなり。さて亦得意の人はこれに反して造化を情深き慈母のやうにおもひて、此世を樂園とおもへり。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
馬鹿野郎
(
ばかやらう
)
めと
罵
(
のゝし
)
りながら
袋
(
ふくろ
)
をつかんで
裏
(
うら
)
の
空地
(
あきち
)
へ
投出
(
なげいだ
)
せば、
紙
(
かみ
)
は
破
(
やぶ
)
れて
轉
(
まろ
)
び
出
(
で
)
る
菓子
(
くわし
)
の、
竹
(
たけ
)
のあら
垣
(
がき
)
打
(
うち
)
こえて
溝
(
どぶ
)
の
中
(
なか
)
に
落込
(
おちこ
)
むめり、
源
(
げん
)
七はむくりと
起
(
お
)
きてお
初
(
はつ
)
と一
聲
(
こゑ
)
大
(
おほ
)
きくいふに
何
(
なに
)
か
御用
(
ごよう
)
かよ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
井中より
俄
(
にはか
)
に火をいだし
火勢
(
くわせい
)
さかんに
燃
(
もえ
)
あがりければ
近隣
(
きんりん
)
のものども
火事
(
くわじ
)
なりとしてはせつけ、井中より火のもゆるを見て此井を掘しゆゑ此火ありとて村のものども口々に主人を
罵
(
のゝし
)
り
恨
(
うら
)
みければ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
小六郎が指した木戸の外、この中二階から五間とも離れてゐない路地を、お勝手の方へ蟲のやうに這つて居るのは、見る影もない
躄
(
ゐざり
)
の乞食老爺で、
罵
(
のゝし
)
りわめく男達の顏を
怨
(
うら
)
めしさうに見上げながら
銭形平次捕物控:164 幽霊の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
罵
常用漢字
中学
部首:⽹
15画
“罵”を含む語句
罵詈
罵倒
嘲罵
罵声
罵詈讒謗
冷罵
罵詈雑言
悪罵
面罵
痛罵
怒罵
罵言
漫罵
熱罵
呶罵
罵殺
惡罵
慢罵
罵詈悪口
唾罵
...