“耳立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みゝだ66.7%
みみだ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なかに一人ちよつぴり鼻の尖つた狐のやうな表情をした、商人あきんどらしい男が、口汚くウヰルソンをのゝしるのが、殊更ことさら耳立みゝだつて聞えた。総長某氏はしやくにさへて口を出した。
朝顔あさがほの花が日毎ひごとに小さくなり、西日にしびが燃えるほのほのやうにせま家中いへぢゆう差込さしこんで来る時分じぶんになると鳴きしきるせみの声が一際ひときは耳立みゝだつてせはしくきこえる。八月もいつかなかば過ぎてしまつたのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
朝顔の花が日ごとに小さくなり、西日が燃える焔のように狭い家中いえじゅうへ差込んで来る時分じぶんになると鳴きしきるせみの声が一際ひときわ耳立みみだってせわしく聞える。八月もいつかなかば過ぎてしまったのである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)