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婦人
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をんな
ふりがな文庫
“
婦人
(
をんな
)” の例文
「
今日
(
こんにち
)
は、」と、
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けたが、フト
引戻
(
ひきもど
)
さるゝやうにして
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
た、
心着
(
こゝろづ
)
くと、
自分
(
じぶん
)
が
挨拶
(
あいさつ
)
したつもりの
婦人
(
をんな
)
はこの
人
(
ひと
)
ではない。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
折角柔かい乳房を持ちながら、男のやうな硬い考へ方をする
婦人
(
をんな
)
がある。正直な
農夫
(
ひやくしやう
)
め、そんなのを見たら、どんなに言ふだらう。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そは
婦人
(
をんな
)
の
愼
(
つゝしみ
)
に於ては、サールディニアのバルバジアさへ、わがかの女を殘して去りしバルバジアよりはるかに上にあればなり 九四—九六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
定めし、文平は
婦人
(
をんな
)
子供
(
こども
)
と見て思ひ
侮
(
あなど
)
つて、自分独りが男ででも有るかのやうに、
可厭
(
いや
)
に
容子
(
ようす
)
を売つて居ることであらう。
嘸
(
さぞ
)
。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
いざといふ場合に
為
(
な
)
ると、基督の精神も何も有つたもので無い、
婦人
(
をんな
)
の愚痴に
復
(
かへ
)
つて、昨今世間に
流行
(
はや
)
つてゐる煩悶に陥る。
未亡人と人道問題
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
畢竟
(
つまり
)
自由結婚をさせたくても
婦人
(
をんな
)
の交際する範囲には立派な理想の男子が入つて来ないから困ると、常/\仰せられた。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
私
醜
(
みつともな
)
い
婦人
(
をんな
)
といふものは創造の
麗
(
うるは
)
しい顏の汚點だと見なします。でも
殿方
(
とのがた
)
にはたゞ力と勇武だけをお
備
(
そな
)
へになれば結構ですわ。その座右の銘としては——狩獵、射撃、戰ですわ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
女と
輕侮
(
あなどり
)
申し伏んとすれども
假令
(
たとへ
)
婦人
(
をんな
)
なりとも
逐
(
ちく
)
一申立己れが罪迄も明白に
白状
(
はくじやう
)
するを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
婦人
(
をんな
)
の
身
(
み
)
はかなしと
思
(
おも
)
もひ
絶
(
たえ
)
て、
松野
(
まつの
)
が
忠節
(
ちうせつ
)
の
心
(
こゝろ
)
より、
我
(
われ
)
大事
(
だいじ
)
と
思
(
お
)
もふあまりに
樣々
(
さま/″\
)
の
苦勞
(
くらう
)
心痛
(
しんつう
)
、
大方
(
おほかた
)
ならぬ
志
(
こゝろざし
)
は
知
(
し
)
るものから、
夫
(
それ
)
すら
空
(
そら
)
ふく
風
(
かぜ
)
と
聞
(
き
)
きて、
耳
(
みゝ
)
にだに
止
(
と
)
めんとせざりし
身
(
み
)
が
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
開きつ「
婦人
(
をんな
)
なんてものは、
極
(
ご
)
く思想の浅薄で、感情の
脆弱
(
ぜいじやく
)
なものだからナ、少こし気概でもあつて、貧乏して居る独身者でも見ると、
直
(
ぢ
)
きに同情を寄せるんだ、実にクダらんものだからナ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
杏多き所にて、ジヤルルック君
一風呂敷
(
ひとふろしき
)
買ひ来りしかど、余はエルサレムに、杏に
中
(
あ
)
てられたれば食はず。ほとり近く泉あり。村の
婦人
(
をんな
)
甕を頭に乗せて来り汲む。或はこゝにて洗濯をなすあり。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
やさしい
婦人
(
をんな
)
のうたごゑもきこえはしない。
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
(いゝえ
誰
(
たれ
)
も
見
(
み
)
て
居
(
を
)
りはしませんよ。)と
澄
(
す
)
まして
言
(
い
)
ふ、
婦人
(
をんな
)
も
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
衣服
(
きもの
)
を
脱
(
ぬ
)
いで
全身
(
ぜんしん
)
を
練絹
(
ねりぎぬ
)
のやうに
露
(
あら
)
はして
居
(
ゐ
)
たのぢや。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
婦人
(
をんな
)
を
蹂躙
(
ふみにじ
)
つたり、置いてきぼりにしたりして、それで
後
(
あと
)
から後から
恋女
(
こひをんな
)
の出来るなぞも、多分こんな
理由
(
わけ
)
からかも知れない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『そいつは妙だ。』と銀之助は笑つて、『余程奥様といふ人は変つた
婦人
(
をんな
)
と見えるね。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
皆な
新橋辺
(
しんばしあたり
)
のぢやありませんか——
婦人
(
をんな
)
は
矢張
(
やつぱ
)
り日本風の
温柔
(
おとなし
)
いのが
可
(
い
)
いなんて申してネ、自分が以前
盛
(
さかん
)
に西洋風を
唱
(
とな
)
へたことなど忘れて仕舞つて私にまで
斯様
(
こんな
)
丸髷
(
まるまげ
)
など
結
(
ゆ
)
はせるんですもの
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
井の
傍
(
かたはら
)
なる壁に
基督
(
きりすと
)
サマリヤの
婦人
(
をんな
)
に語り玉ふ小さき画額を掲ぐ。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
私
(
わし
)
はその
前刻
(
さつき
)
から
何
(
なん
)
となく
此
(
この
)
婦人
(
をんな
)
に
畏敬
(
ゐけい
)
の
念
(
ねん
)
が
生
(
しやう
)
じて
善
(
ぜん
)
か
悪
(
あく
)
か、
何
(
ど
)
の
道
(
みち
)
命令
(
めいれい
)
されるやうに
心得
(
こゝろえ
)
たから、いはるゝままに
草履
(
ざうり
)
を
穿
(
は
)
いた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鋏は色恋や愛国婦人会などと一緒に、
婦人
(
をんな
)
の
玩具
(
おもちや
)
として発明せられたものだから、それを使ふのに誰に遠慮はない筈だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夫人には、日頃頼りにする
仏蘭西
(
フランス
)
語の教師があつた。B夫人といふ西洋の
婦人
(
をんな
)
だ。
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「馬鹿言へ、高が一人の
婦人
(
をんな
)
ぢやないか、
其様
(
そんな
)
ことで親の権力が
何処
(
どこ
)
に
在
(
あ
)
る——それに大洞、吾輩は今日、実に
怪
(
け
)
しからんことを耳に入れたぞ」満々たる
大盃
(
だいコップ
)
取り上げて、グウーツとばかり傾けたり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
餅菓子店
(
もちぐわしや
)
の
店
(
みせ
)
にツンと
濟
(
す
)
ましてる
婦人
(
をんな
)
なり。
生娘
(
きむすめ
)
の
袖
(
そで
)
誰
(
たれ
)
が
曳
(
ひ
)
いてか
雉子
(
きじ
)
の
聲
(
こゑ
)
で、ケンもほろゝの
無愛嬌者
(
ぶあいけうもの
)
、
其癖
(
そのくせ
)
甘
(
あま
)
いから
不思議
(
ふしぎ
)
だとさ。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
画家
(
ゑかき
)
といふものは自分の「参考」のためには、若い
婦人
(
をんな
)
を
裸体
(
はだか
)
にする事さへ平気なのだから、
他人様
(
ひとさま
)
の土蔵を
開
(
あ
)
けさす事位は何とも思つて
居
(
を
)
らない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
やがてお
柳
(
りう
)
の
手
(
て
)
がしなやかに
曲
(
まが
)
つて、
男
(
をとこ
)
の
手
(
て
)
に
觸
(
ふ
)
れると、
胸
(
むね
)
のあたりに
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
卷煙草
(
まきたばこ
)
は、
心
(
こゝろ
)
するともなく、
放
(
はな
)
れて、
婦人
(
をんな
)
に
渡
(
わた
)
つた。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「道理で、ひどく不味いと思ひました。」と、ビスマルクは
独言
(
ひとりごと
)
のやうに言つて、英吉利生れの
婦人
(
をんな
)
でも見るやうに、馬鹿にした眼つきでその酒壜を見た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
忘
(
わす
)
れ
果
(
は
)
てて、
狂氣
(
きやうき
)
の
如
(
ごと
)
く、
其
(
その
)
家
(
や
)
を
音信
(
おとづ
)
れて
聞
(
き
)
くと、お
柳
(
りう
)
は
丁
(
ちやう
)
ど
爾時
(
そのとき
)
……。あはれ、
草木
(
くさき
)
も、
婦人
(
をんな
)
も、
靈魂
(
たましひ
)
に
姿
(
すがた
)
があるのか。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
野崎氏は
好
(
い
)
いやうに
計
(
はから
)
つた。
富豪
(
かねもち
)
は
後
(
あと
)
で
金高
(
きんだか
)
を聞いて、自分の胸算用より少し出し過ぎたなと思つた。
恰
(
ちやう
)
ど
婦人
(
をんな
)
客が
百貨店
(
デパートメントストア
)
の
帰途
(
かへり
)
にいつも感じるやうに……。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其時
(
そのとき
)
小犬
(
こいぬ
)
ほどな
鼠色
(
ねづみいろ
)
の
小坊主
(
こばうず
)
が、ちよこ/\とやつて
来
(
き
)
て、
啊呀
(
あなや
)
と
思
(
おも
)
ふと、
崖
(
がけ
)
から
横
(
よこ
)
に
宙
(
ちゆう
)
をひよいと、
背後
(
うしろ
)
から
婦人
(
をんな
)
の
背中
(
せなか
)
へぴつたり。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ある婦人が
市街
(
まち
)
を歩いてゐると、一人の男が
横合
(
よこつちよ
)
から飛び出して来て、じつと
婦人
(
をんな
)
の顔を見てゐたが、
暫
(
しばら
)
くすると黙つて婦人の跡をつけた。婦人は立ち止つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すると……
其
(
そ
)
の
婦人
(
をんな
)
の
主人
(
あるじ
)
と
云
(
い
)
ふのは……
二階座敷
(
にかいざしき
)
の
火
(
ひ
)
のない
中
(
なか
)
を、
媚
(
なまめ
)
かしい
人
(
ひと
)
の
周圍
(
まはり
)
を、ふら/\とまはり
繞
(
めぐ
)
つた
影法師
(
かげぼふし
)
とは
違
(
ちが
)
ふらしい。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
未来派の詩人マリネツチはこんな事を言つたが、
他
(
ほか
)
の事は
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、
婦人
(
をんな
)
に対する
侮蔑
(
さげすみ
)
を思はせるだけでも、戦争は吾々にとつて鉄剤同様一種の健康剤たるを失はない。
茶話:01 大正四(一九一五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一體
(
いつたい
)
誰彼
(
たれかれ
)
といふ
中
(
うち
)
に、さし
急
(
いそ
)
いだ
旅
(
たび
)
なれば、
註文
(
ちうもん
)
は
間
(
ま
)
に
合
(
あは
)
ず、
殊
(
こと
)
に
少
(
わか
)
い
婦人
(
をんな
)
なり。うつかりしたものも
連
(
つ
)
れられねば、
供
(
とも
)
さして
遣
(
や
)
られもせぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
頃
(
ごろ
)
の暖い春日和にはそれをいろんな木に懸けて休むが、一度だつて盗まれた事が無い。日本の木は日本の
婦人
(
をんな
)
のやうにむやみに外套を欲しがらないものと見える。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此
(
こ
)
の
二人
(
ふたり
)
の
婦人
(
をんな
)
は、
民也
(
たみや
)
のためには
宿世
(
すぐせ
)
からの
縁
(
えん
)
と
見
(
み
)
える。ふとした
時
(
とき
)
、
思
(
おも
)
ひも
懸
(
か
)
けない
處
(
ところ
)
へ、
夢
(
ゆめ
)
のやうに
姿
(
すがた
)
を
露
(
あら
)
はす——
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
罪のない子役のませた
仕草
(
しぐさ
)
は、
涙脆
(
なみだもろ
)
い
桟敷
(
さじき
)
の
婦人
(
をんな
)
客を直ぐ泣かせる事が出来るので、横着な
興行師
(
しうち
)
や
俳優
(
やくしや
)
やは、成るべく
年端
(
としは
)
も
往
(
ゆ
)
かない、柄の小さい子役を舞台に立たせようとする。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
褄前
(
つまさき
)
を
揃
(
そろ
)
へて
裾
(
すそ
)
を
踏
(
ふ
)
みくゞむやうにして、
圓髷
(
まげ
)
と
島田
(
しまだ
)
の
對丈
(
つゐたけ
)
に、
面影
(
おもかげ
)
白
(
しろ
)
く、ふツと
立
(
た
)
つた、
兩個
(
ふたり
)
の
見
(
み
)
も
知
(
し
)
らぬ
婦人
(
をんな
)
がある。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
旗野の
主人
(
あるじ
)
は
血刀
(
ちがたな
)
提
(
ひつさ
)
げ、「やをれ
婦人
(
をんな
)
、
疾
(
と
)
く覚めよ」とお村の
肋
(
あばら
)
を
蹴返
(
けかへ
)
せしが、
活
(
くわつ
)
の
法
(
はふ
)
にや
合
(
かな
)
ひけむ、うむと
一声
(
ひとこゑ
)
呼吸
(
いき
)
出
(
い
)
でて、あれと驚き
起返
(
おきかへ
)
る。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
わがまゝのやうだけれど、
銀杏返
(
いてふがへし
)
や
圓髷
(
まるまげ
)
は
不可
(
いけな
)
い。「だらしはないぜ、
馬鹿
(
ばか
)
にして
居
(
ゐ
)
る。」が、
憤
(
いきどほ
)
つたのでは
決
(
けつ
)
してない。
一寸
(
ちよつと
)
の
旅
(
たび
)
でも
婦人
(
をんな
)
である。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
處
(
ところ
)
が、
今日
(
けふ
)
の
會
(
くわい
)
は
眞面目
(
まじめ
)
なんだよ。
婦人
(
をんな
)
たちはお
酌
(
しやく
)
に
來
(
き
)
たのでもなければ、
取卷
(
とりま
)
きでもない、
實
(
じつ
)
は
施主
(
せしゆ
)
なんだ。」
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先生
(
せんせい
)
は
束髪
(
そくはつ
)
に
結
(
ゆ
)
つた、
色
(
いろ
)
の
黒
(
くろ
)
い、なりの
低
(
ひく
)
い
頑丈
(
がんじやう
)
な、でく/\
肥
(
ふと
)
つた
婦人
(
をんな
)
の
方
(
かた
)
で、
私
(
わたし
)
がさういふと
顔
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
うした。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
生死
(
しやうし
)
は
知
(
し
)
らぬが、……いま
唯吉
(
たゞきち
)
が、
屋根越
(
やねごし
)
に、
窓
(
まど
)
と
窓
(
まど
)
とに
相對
(
あひたい
)
して、もの
云
(
い
)
ふは
即
(
すなは
)
ち
其
(
そ
)
の
婦人
(
をんな
)
なのである。……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
予は
殆
(
ほとん
)
ど
絶
(
ぜつ
)
せむとせり、そも何者の見えしとするぞ、雪もて築ける
裸体
(
らたい
)
の
婦人
(
をんな
)
、あるが
如
(
ごと
)
く無きが如き
灯
(
ともしび
)
の蔭に
朦朧
(
もうろう
)
と乳房のあたりほの見えて描ける如く
彳
(
たゝず
)
めり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
されば
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の絶えしにあらねば、
現
(
うつゝ
)
に
号泣
(
がうきふ
)
する糸より細き
婦人
(
をんな
)
の声は、
終日
(
ひねもす
)
休
(
や
)
む
間
(
ひま
)
なかりしとぞ。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
船
(
ふね
)
の
胴
(
どう
)
の
室
(
ま
)
に
嬰兒
(
あかご
)
が
一人
(
ひとり
)
、
黄色
(
きいろ
)
い
裏
(
うら
)
をつけた、
紅
(
くれなゐ
)
の
四
(
よ
)
ツ
身
(
み
)
を
着
(
き
)
たのが
辷
(
すべ
)
つて、
彼
(
か
)
の
婦人
(
をんな
)
の
招
(
まね
)
くにつれて、
船
(
ふね
)
ごと
引
(
ひ
)
きつけらるゝやうに、
水
(
みづ
)
の
上
(
うへ
)
をする/\と
斜
(
なゝ
)
めに
行
(
ゆ
)
く。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……あはれな
犠牲
(
いけにえ
)
の
婦人
(
をんな
)
も、
唯
(
たゞ
)
恁
(
か
)
う
申
(
まを
)
したばかりでは、
夫
(
をつと
)
も
心
(
こゝろ
)
に
疑
(
うたが
)
ひませう……
今
(
いま
)
其
(
そ
)
の
印
(
しるし
)
を、と
言
(
い
)
ふてな、
色
(
いろ
)
は
褪
(
あ
)
せたが、
可愛
(
かあい
)
い
唇
(
くちびる
)
を
動
(
うご
)
かすと、
白歯
(
しらは
)
に
啣
(
くは
)
えたものがある。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
差配
(
さはい
)
の
棟
(
むね
)
の
上
(
うへ
)
の
其
(
その
)
ためか、
婦人
(
をんな
)
は
聲
(
こゑ
)
を
密
(
ひそ
)
めたが、
電車
(
でんしや
)
の
軋
(
きしみ
)
も
響
(
ひゞ
)
かぬ
夜更
(
よふけ
)
。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
應
(
おう
)
」は
普通
(
ふつう
)
の
乞食
(
こつじき
)
と
齊
(
ひと
)
しく、
見
(
み
)
る
影
(
かげ
)
もなき
貧民
(
ひんみん
)
なり。
頭髮
(
とうはつ
)
は
婦人
(
をんな
)
のごとく
長
(
なが
)
く
伸
(
の
)
びたるを
結
(
むす
)
ばず、
肩
(
かた
)
より
垂
(
た
)
れて
踵
(
かゝと
)
に
到
(
いた
)
る。
跣足
(
せんそく
)
にて
行歩
(
かうほ
)
甚
(
はなは
)
だ
健
(
けん
)
なり。
容顏
(
ようがん
)
隱險
(
いんけん
)
の
氣
(
き
)
を
帶
(
お
)
び、
耳
(
みゝ
)
敏
(
さと
)
く、
氣
(
き
)
鋭
(
するど
)
し。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
婦人
(
をんな
)
二人
(
ふたり
)
は
何時
(
いつ
)
も
違
(
ちが
)
はぬ、
顏容
(
かほかたち
)
に
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
らず、
些
(
ちつ
)
とも
變
(
かは
)
らず、
同一
(
おなじ
)
である。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『おゝ、
私
(
わし
)
が
今
(
いま
)
出逢
(
であ
)
ふた、
水底
(
みなぞこ
)
から
仰向
(
あふむ
)
けに
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
いた
婦人
(
をんな
)
の
事
(
こと
)
ぢや。』
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其處
(
そこ
)
へも
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
白身
(
はくしん
)
の
婦人
(
をんな
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
るのかも
知
(
し
)
れません。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“婦人”の解説
夫人
婦人(ふじん)はくだけた呼び方であり、これは敬称ではない。
正しい敬称はご婦人(ごふじん)であり英語圏ではMs.に相当する。
一般的には成人女性全般または大人の女性への敬称である。上流階級の女性には貴婦人があてがわれる。
類似する意味には成人女性全般を意味する婦女(ふじょ)は汎用性の高い女性と同義である。
(出典:Wikipedia)
婦
常用漢字
小5
部首:⼥
11画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“婦人”で始まる語句
婦人達
婦人等
婦人服
婦人科
婦人像
婦人用
婦人外套
婦人患者
婦人速記者
婦人会