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不安
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ふあん
ふりがな文庫
“
不安
(
ふあん
)” の例文
ほんとうに、
平常
(
へいぜい
)
は、そんな
不安
(
ふあん
)
も
感
(
かん
)
じないほど、このへやの
中
(
なか
)
は
平和
(
へいわ
)
で、お
嬢
(
じょう
)
さんの
笑
(
わら
)
い
声
(
ごえ
)
などもして、にぎやかであったのです。
風の寒い世の中へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それが
人
(
ひと
)
の
言
(
い
)
うように
規則的
(
きそくてき
)
に
溢
(
あふ
)
れて
来
(
こ
)
ようとは、
信
(
しん
)
じられもしなかった。
故
(
ゆえ
)
もない
不安
(
ふあん
)
はまだ
続
(
つづ
)
いていて、
絶
(
た
)
えず
彼女
(
かのじょ
)
を
脅
(
おびや
)
かした。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
けれど
私
(
わたし
)
は
如何
(
どう
)
いふものか、
其
(
それ
)
に
触
(
さは
)
つて
見
(
み
)
る
気
(
き
)
は
少
(
すこ
)
しもなく、
唯
(
たゞ
)
端
(
はじ
)
の
喰出
(
はみだ
)
した、一
筋
(
すぢ
)
の
背負揚
(
しよいあげ
)
、それが
私
(
わたし
)
の
不安
(
ふあん
)
の
中心点
(
ちうしんてん
)
であつた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
さうして、もし
此
(
この
)
冒險
(
ばうけん
)
に
成功
(
せいこう
)
すれば、
今
(
いま
)
の
不安
(
ふあん
)
な
不定
(
ふてい
)
な
弱々
(
よわ/\
)
しい
自分
(
じぶん
)
を
救
(
すく
)
ふ
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
はしまいかと、
果敢
(
はか
)
ない
望
(
のぞみ
)
を
抱
(
いだ
)
いたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
時分
(
じぶん
)
の
不安
(
ふあん
)
、
焦燥
(
しょうそう
)
、
無念
(
むねん
)
、
痛心
(
つうしん
)
……
今
(
いま
)
でこそすっかり
精神
(
こころ
)
の
平静
(
へいせい
)
を
取
(
と
)
り
戻
(
もど
)
し、
別
(
べつ
)
にくやしいとも、
悲
(
かな
)
しいとも
思
(
おも
)
わなくなりましたが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
『いや、いや、
如何
(
どう
)
考
(
かんが
)
へても
今時分
(
いまじぶん
)
あんな
船
(
ふね
)
に
此
(
この
)
航路
(
かうろ
)
で
追越
(
おひこ
)
される
筈
(
はづ
)
はないのだ。』と
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に
不安
(
ふあん
)
の
顏色
(
いろ
)
が
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と、
誘
(
さそ
)
はれた
彼
(
かれ
)
も、ぐら/\と
地震
(
なゐ
)
ふる
墓
(
はか
)
の
中
(
なか
)
に、
一所
(
いつしよ
)
に
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
るもののやうな
思
(
おも
)
ひがして、をかしいばかり
不安
(
ふあん
)
でならぬ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれども、
諭吉
(
ゆきち
)
は、あたらしい
政府
(
せいふ
)
に
不安
(
ふあん
)
をもっていました。なぜなら、
朝廷
(
ちょうてい
)
は、まえから、
国
(
くに
)
をひらくことにはんたいしていたからです。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
やう/\あきらかな
形
(
かたち
)
となつて
彼女
(
かのぢよ
)
に
萠
(
きざ
)
した
不安
(
ふあん
)
は、
厭
(
いや
)
でも
應
(
おう
)
でも
再
(
ふたゝ
)
び
彼女
(
かのぢよ
)
の
傷所
(
きずしよ
)
——それは
羞耻
(
しうち
)
や
侮辱
(
ぶじよく
)
や、
怒
(
いか
)
りや
呪
(
のろ
)
ひや
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
召使
(
めしつか
)
いは、
不安
(
ふあん
)
と
心配
(
しんぱい
)
で
胸
(
むね
)
をいためながら、
中庭
(
なかにわ
)
におりて、どうしてこの
災難
(
さいなん
)
をのがれたものだろうかと、いっしょうけんめい考えていました。
白ヘビ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
誰
(
だれ
)
か
自分
(
じぶん
)
の
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
たのでは
無
(
な
)
いか、
自分
(
じぶん
)
を
尋
(
たづ
)
ねてゐるのでは
無
(
な
)
いかと
思
(
おも
)
つて、
顏
(
かほ
)
には
謂
(
い
)
ふべからざる
不安
(
ふあん
)
の
色
(
いろ
)
が
顯
(
あら
)
はれる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
きっと、まっさおな
顔
(
かお
)
をしていたのにちがいありません。マレイは
不安
(
ふあん
)
そうな
笑
(
わら
)
いを
浮
(
う
)
かべてわたしの顔を見ていました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
心中
(
しんちゆう
)
頗
(
すこぶ
)
る
不安
(
ふあん
)
を
感
(
かん
)
じました、
確
(
たし
)
かに
愛
(
あい
)
ちやんは
未
(
ま
)
だ
女王樣
(
ぢよわうさま
)
とは
試合
(
しあひ
)
をしませんでしたが、
何時
(
いつ
)
か
其時
(
そのとき
)
が
來
(
く
)
るだらうと思つて居ました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「わたしをおどかそうとするのは、だれだね?」と、ムクドリはたずねながら、
不安
(
ふあん
)
そうにはねをバタバタやりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
別
(
べつ
)
に
自分
(
じぶん
)
がそれについて
弱味
(
よわみ
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
ないにしてもさ、
永
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
には
何
(
なん
)
だか
斯
(
か
)
う
不安
(
ふあん
)
を感じて
來
(
き
)
さうな
氣持
(
きもち
)
がするね。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
徳川家
(
とくがわけ
)
の
使者
(
ししゃ
)
についてきた
侍
(
さむらい
)
、
横顔
(
よこがお
)
をさしのぞくのも
無礼
(
ぶれい
)
であるし、
疑念
(
ぎねん
)
のあるものをやすやすと、主君の前へ近づけるのはなおのこと
不安
(
ふあん
)
なはなし。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう思って苦しい
不安
(
ふあん
)
の日をこの先送らなければならなかった。わたしたちはみんなひじょうにのどがかわいていた。パージュが水を取りに行こうとした。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
其
(
その
)
時
(
とき
)
不安
(
ふあん
)
な
態度
(
たいど
)
でぽつさりと
自分
(
じぶん
)
の
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
既
(
すで
)
に
巡査
(
じゆんさ
)
の
檐下
(
のきした
)
に
立
(
た
)
つてるのを
見
(
み
)
て
悚然
(
ぞつ
)
とした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
暫
(
しばら
)
くはまだいいけれど、さうなつてから
今
(
いま
)
のやうなのはあたしまつぴらだわ。
第
(
だい
)
一、こんな
暮
(
くら
)
し
方
(
かた
)
をしてゐて、さきさきどうなるかと
思
(
おも
)
ふと
不安
(
ふあん
)
ぢやなくつて?
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
病人
(
びやうにん
)
は
不安
(
ふあん
)
な
眼
(
め
)
を
室内
(
しつない
)
に
漂
(
たゞよ
)
はしてゐたが、
何
(
なに
)
か
物
(
もの
)
をいひたさうに、K
夫人
(
ふじん
)
の
動
(
うご
)
く
方
(
はう
)
を
眼
(
め
)
で
追
(
お
)
つてゐた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
少し気が
落着
(
おちつ
)
いてくると、おそろしさと
不安
(
ふあん
)
とが、前の二
倍
(
ばい
)
になって自分の
胸
(
むね
)
におしよせてきた。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
細君
(
さいくん
)
も
不安
(
ふあん
)
なりに
同意
(
どうい
)
して、その乳しぼりをおいてやることになった。
牛舎
(
ぎゅうしゃ
)
のほうでは
親牛
(
おやうし
)
と
子牛
(
こうし
)
とを
引
(
ひ
)
き
分
(
わ
)
けて
運動場
(
うんどうじょう
)
にだしたから、親牛も子牛もともによびあって
鳴
(
な
)
いてる。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
お
互
(
たがひ
)
になんとなくつまらない、とりとめもない
不安
(
ふあん
)
と
遣瀬
(
やるせ
)
なさが、
空虚
(
くうきよ
)
な
心
(
こゝろ
)
を
包
(
つゝ
)
んでゐるやうであつた。
二人
(
ふたり
)
は
家
(
いへ
)
にゐることが
淋
(
さび
)
しく、
夜
(
よる
)
になつて
寢
(
ね
)
ることがものたりなかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
かくして
最初
(
さいしよ
)
の
一分間
(
いつぷんかん
)
を
凌
(
しの
)
ぎ
得
(
え
)
たならば、
最早
(
もはや
)
不安
(
ふあん
)
に
思
(
おも
)
ふべき
何物
(
なにもの
)
も
殘
(
のこ
)
さないはずであるが、
唯
(
たゞ
)
これに
今一
(
いまひと
)
つ
解説
(
かいせつ
)
して
置
(
お
)
く
必要
(
ひつよう
)
のあるものは、
地割
(
ぢわ
)
れに
對
(
たい
)
して
誤
(
あやま
)
れる
恐怖心
(
きようふしん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
延長戦
(
えんちょうせん
)
に持ちこまれそうな
不安
(
ふあん
)
をいだきはじめていた。
星野くんの二塁打
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
(獨語のやうに)なりゃこそ
彌〻
(
いよ/\
)
心
(
こゝろ
)
が
不安
(
ふあん
)
になる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
松江
(
しょうこう
)
のおもてには、
不安
(
ふあん
)
の
色
(
いろ
)
が
濃
(
こ
)
い
影
(
かげ
)
を
描
(
えが
)
いた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
軍楽
(
ぐんがく
)
の
黒
(
くろ
)
き
不安
(
ふあん
)
の
壊
(
なだ
)
れ落ち、
夜
(
よ
)
に入る
時
(
とき
)
よ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ものをいうのにも、
人
(
ひと
)
の
顔
(
かお
)
をじっと
見
(
み
)
ました。その
目
(
め
)
つきはやさしそうに
見
(
み
)
えたけれど、なんとなく、
不安
(
ふあん
)
な
影
(
かげ
)
が
宿
(
やど
)
っていました。
酒屋のワン公
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたし
)
は
自分
(
じぶん
)
の
不安
(
ふあん
)
と
苦痛
(
くつう
)
を
訴
(
うつた
)
へたが、
其
(
それ
)
も
効
(
かひ
)
はなく、
此
(
この
)
まゝ
秘密
(
ひみつ
)
にしてくれと
云
(
い
)
ふ
妻
(
つま
)
の
哀願
(
あいぐわん
)
を
容
(
い
)
れて、
此事
(
このこと
)
は一
時
(
じ
)
其
(
その
)
まゝに
葬
(
はふむ
)
ることにした。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女
(
かのじよ
)
はその
苦痛
(
くつう
)
に
堪
(
たへ
)
られさうもない。けれども
黒
(
くろ
)
い
影
(
かげ
)
を
翳
(
かざ
)
して
漂
(
たゞよ
)
つて
來
(
く
)
る
不安
(
ふあん
)
は、それにも
増
(
ま
)
して
彼女
(
かのぢよ
)
を
苦
(
くる
)
しめるであらう。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
不安
(
ふあん
)
の
折
(
をり
)
だし、
御不自由
(
ごふじいう
)
まことにお
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
で
申
(
まを
)
し
兼
(
か
)
ねるが、
近所
(
きんじよ
)
へ
分
(
わ
)
けるだけでも
水
(
みづ
)
が
足
(
た
)
りない。
外町
(
ほかまち
)
の
方
(
かた
)
へは、と
言
(
い
)
つて
其
(
そ
)
の
某邸
(
ぼうてい
)
で
斷
(
ことわ
)
つた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
倦怠
(
けんたい
)
は
彼等
(
かれら
)
の
意識
(
いしき
)
に
眠
(
ねむり
)
の
樣
(
やう
)
な
幕
(
まく
)
を
掛
(
か
)
けて、
二人
(
ふたり
)
の
愛
(
あい
)
をうつとり
霞
(
かす
)
ます
事
(
こと
)
はあつた。けれども
簓
(
さゝら
)
で
神經
(
しんけい
)
を
洗
(
あら
)
はれる
不安
(
ふあん
)
は
決
(
けつ
)
して
起
(
おこ
)
し
得
(
え
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
誰
(
だれ
)
か
自分
(
じぶん
)
の
所
(
ところ
)
に
来
(
き
)
たのでは
無
(
な
)
いか、
自分
(
じぶん
)
を
尋
(
たず
)
ねているのでは
無
(
な
)
いかと
思
(
おも
)
って、
顔
(
かお
)
には
謂
(
い
)
うべからざる
不安
(
ふあん
)
の
色
(
いろ
)
が
顕
(
あら
)
われる。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
不安
(
ふあん
)
やら、
心配
(
しんぱい
)
やら、
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
したばかりでもきまりのわるく、
顔
(
かお
)
の
紅
(
あか
)
くなるような
思
(
おも
)
いで、
袖子
(
そでこ
)
は
学校
(
がっこう
)
への
道
(
みち
)
を
辿
(
たど
)
った。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私
(
わたくし
)
としては
内心
(
ないしん
)
多大
(
ただい
)
の
不安
(
ふあん
)
を
感
(
かん
)
じながら、そうお
答
(
こた
)
えするより
外
(
ほか
)
に
詮術
(
せんすべ
)
がないのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「
何
(
なん
)
だんべ」
勘次
(
かんじ
)
はふつと
彼
(
かれ
)
の
平生
(
へいぜい
)
に
還
(
かへ
)
らうとして
例
(
いつも
)
の
不安
(
ふあん
)
らしい
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つておつたを
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
議員
(
ぎゐん
)
なんて
云
(
い
)
ふ
連中
(
れんちう
)
でも、それだけ
舞
(
ま
)
ひこんだら
矢張
(
やは
)
り
多少
(
たせう
)
の
不安
(
ふあん
)
は
感
(
かん
)
じるだらうかなア。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
花前の顔色には
不安
(
ふあん
)
もなければ
安心
(
あんしん
)
もない。主人は
無意職
(
むいしき
)
に色をやわらげてことば
軽
(
かる
)
く
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
帽子屋
(
ばうしや
)
が
先
(
ま
)
づ
其
(
そ
)
の
沈默
(
ちんもく
)
を
破
(
やぶ
)
りました。『
何日
(
いくにち
)
だね?』と
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんの
方
(
はう
)
を
振向
(
ふりむ
)
き、
衣嚢
(
ポケツト
)
から
時計
(
とけい
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
し、
不安
(
ふあん
)
さうにそれを
眺
(
なが
)
めて、
時々
(
とき/″\
)
振
(
ふ
)
つては
耳
(
みゝ
)
の
所
(
ところ
)
へそれを
持
(
も
)
つて
行
(
ゆ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
いく時間か
過
(
す
)
ぎた。だんだん夜がふけるに
従
(
したが
)
って、とりとめもない
恐怖
(
きょうふ
)
がわたしを
圧迫
(
あっぱく
)
した。わたしは
不安
(
ふあん
)
に感じたが、なぜわたしが、そう感じたのかわからない。なにをわたしはおそれているのか。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「
不安
(
ふあん
)
なものではありませんから」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不安
(
ふあん
)
いま、黒き
旗
(
はた
)
して
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
お
姫
(
ひめ
)
さまは、その
道
(
みち
)
は、
自分
(
じぶん
)
のきた
時分
(
じぶん
)
に
通
(
とお
)
った
道
(
みち
)
でないので、ほんとうに、
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
ることができるだろうかと、
不安
(
ふあん
)
に
思
(
おも
)
われましたが
お姫さまと乞食の女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其以上
(
それいじやう
)
、
私
(
わたし
)
の
詰問
(
きつもん
)
の
矢
(
や
)
の
根
(
ね
)
は
通
(
とほ
)
らぬ。
通
(
とほ
)
らぬ
処
(
ところ
)
に
暗
(
くら
)
い
不安
(
ふあん
)
の
影
(
かげ
)
が
漂
(
たゞよ
)
うてゐるのであるが、
影
(
かげ
)
は
影
(
かげ
)
で、一
歩
(
ぽ
)
も
私
(
わたし
)
の
足迹
(
そくせき
)
を
容
(
い
)
るゝを
許
(
ゆる
)
さぬのである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
夜
(
よ
)
ふけて、ひとり
澄
(
す
)
む
月
(
つき
)
も、
忽
(
たちま
)
ち
暗
(
くら
)
くなりはしないだらうか、
眞赤
(
まつか
)
になりはしないかと、おなじ
不安
(
ふあん
)
に
夜
(
よ
)
を
過
(
す
)
ごした。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
昨夕
(
ゆうべ
)
御米
(
およね
)
が
散藥
(
さんやく
)
を
飮
(
の
)
んでから
以後
(
いご
)
の
時間
(
じかん
)
を
指
(
ゆび
)
を
折
(
を
)
つて
勘定
(
かんぢやう
)
した。さうして
漸
(
やうや
)
く
不安
(
ふあん
)
の
色
(
いろ
)
を
面
(
おもて
)
に
表
(
あら
)
はした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
が
勉
(
つとむ
)
の
成長
(
せいちやう
)
を
樂
(
たの
)
しみ
過
(
すご
)
した
空想
(
くうさう
)
は、
圖
(
はか
)
らずも
恐
(
おそ
)
ろしい
不安
(
ふあん
)
を
彼女
(
かのぢよ
)
の
胸
(
むね
)
に
暴露
(
あばい
)
て
行
(
い
)
つた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
入口
(
いりぐち
)
には
注連縄
(
しめなわ
)
が
張
(
は
)
ってあるので、
悪魔
(
あくま
)
外道
(
げどう
)
の
類
(
たぐい
)
は
絶対
(
ぜったい
)
に
入
(
はい
)
ることはできぬ。
又
(
また
)
たとえ
何事
(
なにごと
)
が
起
(
おこ
)
っても、
神
(
かみ
)
の
眼
(
まなこ
)
はいつも
見張
(
みは
)
っているから、
少
(
すこ
)
しも
不安
(
ふあん
)
を
感
(
かん
)
ずるには
及
(
およ
)
ばぬ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
清潔
(
きれい
)
に
成
(
な
)
ることは
勘次
(
かんじ
)
も
惡
(
わる
)
いことには
思
(
おも
)
はなかつたが、
幾
(
いく
)
らもない
家財道具
(
かざいだうぐ
)
へ
少
(
すこ
)
しでも
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けられるのが
懷
(
ふところ
)
でも
探
(
さぐ
)
られる
樣
(
やう
)
に
勘次
(
かんじ
)
には
何
(
なん
)
となく
不安
(
ふあん
)
の
念
(
ねん
)
が
起
(
おこ
)
されるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
“不安”の解説
不安(ふあん、en: anxiety, uneasiness)とは、心配に思ったり、恐怖を感じたりすること。または恐怖とも期待ともつかない、何か漠然として気味の悪い心的状態や、よくないことが起こるのではないかという感覚(予期不安)である。
(出典:Wikipedia)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
安
常用漢字
小3
部首:⼧
6画
“不安”で始まる語句
不安心
不安定
不安気