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育
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そだ
ふりがな文庫
“
育
(
そだ
)” の例文
世界
(
せかい
)
の
植物
(
しょくぶつ
)
を
愛
(
あい
)
する
人
(
ひと
)
たちで、おそらく、わたしを
知
(
し
)
っていないものはあるまいね。わたしは、
南
(
みなみ
)
の
温
(
あたた
)
かな
島
(
しま
)
の
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
で
育
(
そだ
)
ちました。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
谷崎氏は混沌たる今日の文壇に於て
氏
(
うじ
)
も
育
(
そだ
)
ちも共々に傑出した作家である。自分の評論の如きは敢て氏の真価を上下するものでない。
谷崎潤一郎氏の作品
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何
(
なに
)
も
下品
(
げひん
)
に
育
(
そだ
)
つたからとて
良人
(
おつと
)
の
持
(
も
)
てぬ
事
(
こと
)
はあるまい、
殊
(
こと
)
にお
前
(
まへ
)
のやうな
別品
(
べつぴん
)
さむではあり、一
足
(
そく
)
とびに
玉
(
たま
)
の
輿
(
こし
)
にも
乘
(
の
)
れさうなもの
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ところで、
竹
(
たけ
)
の
中
(
なか
)
から
出
(
で
)
た
子
(
こ
)
は、
育
(
そだ
)
て
方
(
かた
)
がよかつたと
見
(
み
)
えて、ずん/\
大
(
おほ
)
きくなつて、
三月
(
みつき
)
ばかりたつうちに
一人前
(
いちにんまへ
)
の
人
(
ひと
)
になりました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
樹木
(
じゆもく
)
には、それ/″\
日陰地
(
ひかげち
)
にもよく
育
(
そだ
)
つ
木
(
き
)
や、また
日陰
(
ひかげ
)
と
日陽
(
ひなた
)
の
中間
(
ちゆうかん
)
のところを
好
(
この
)
む
等
(
など
)
、
種類
(
しゆるい
)
によつて、
土地
(
とち
)
に
適
(
てき
)
、
不適
(
ふてき
)
があります。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
▼ もっと見る
潤
(
うるほ
)
せしが此方に向ひてコリヤ娘必ず泣な我も泣じ
和女
(
そなた
)
を
育
(
そだ
)
て此年月
能
(
よき
)
婿
(
むこ
)
取んと思ふ所へ幸ひなるかなと今度の婚姻
無上
(
こよなき
)
親娘
(
おやこ
)
が悦びを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
は
勘次
(
かんじ
)
もお
品
(
しな
)
も
腹
(
はら
)
の
子
(
こ
)
を
大切
(
たいせつ
)
にした。
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
が十三といふともう
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つので、
與吉
(
よきち
)
を
育
(
そだ
)
てながら
夫婦
(
ふうふ
)
は十
分
(
ぶん
)
に
働
(
はたら
)
くことが
出來
(
でき
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一
體
(
たい
)
、
私
(
わたし
)
の
幼少
(
ちひさ
)
な
時分
(
じぶん
)
には、ごく
弱
(
よわ
)
かつたものですから、この
白狐
(
しろぎつね
)
はこれでも
育
(
そだ
)
つかしら、と
皆
(
みんな
)
に
言
(
い
)
はれたくらゐださうです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それも
始
(
はじめ
)
から
宿
(
やど
)
る
種
(
たね
)
がなかつたのなら、まだしもだが、
育
(
そだ
)
つべきものを
中途
(
ちゆうと
)
で
取
(
と
)
り
落
(
おと
)
したのだから、
更
(
さら
)
に
不幸
(
ふかう
)
の
感
(
かん
)
が
深
(
ふか
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
夫婦
(
ふうふ
)
は
笑
(
わら
)
いながら、この
子供
(
こども
)
をだいじにして
育
(
そだ
)
てました。ところがこの子は、いつまでたってもやはり
指
(
ゆび
)
だけより大きくはなりませんでした。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その
心持
(
こころもち
)
は今、私をだん/\と
宗教的
(
しうけうてき
)
な
方面
(
はうめん
)
に
導
(
みちび
)
かうとし、
反動
(
はんどう
)
のやうに起つて來た
道徳的
(
だうとくてき
)
な心は、
日光
(
につくわう
)
となつて私の胸に
平和
(
へいわ
)
の芽を
育
(
そだ
)
てます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
南無冥加
(
なむみょうが
)
あらせたまへ!
多勢
(
おほぜい
)
育
(
そだ
)
てた
嬰兒
(
あかさん
)
の
中
(
うち
)
で
最
(
いっ
)
ち
可憐
(
いたいけ
)
であったはお
前
(
まへ
)
ぢゃ。
其
(
その
)
お
前
(
まへ
)
の
御婚禮
(
ごこんれい
)
を
見
(
み
)
ることが
出來
(
でく
)
れば、
予
(
わし
)
の
本望
(
ほんまう
)
でござります。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
但
(
たゞし
)
其時
(
そのとき
)
から、
両親
(
りやうしん
)
は
私
(
わたくし
)
を
男
(
をとこ
)
にしました。
其
(
それ
)
まで、
三人
(
さんにん
)
も
出来
(
でき
)
た
児
(
こ
)
が
皆
(
みんな
)
育
(
そだ
)
たなかつたので、
私
(
わたくし
)
を
女
(
をんな
)
にして
置
(
お
)
いたんです。
名
(
な
)
も
雪枝
(
ゆきえ
)
と
言
(
い
)
ふ
女
(
をんな
)
のやうな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さて、ひとりっ子というものは、わがままっ子のきかんぼうが
育
(
そだ
)
つものですが、林太郎はどっちかといえば、いくじなしの
泣
(
な
)
き
虫
(
むし
)
子にそだちました。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
けれど
蛙
(
かへる
)
が、「
子守歌
(
こもりうた
)
を
知
(
し
)
らないでどうして
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ばう
)
が
育
(
そだ
)
てられませう。」といひますので、また
元氣
(
げんき
)
を
出
(
だ
)
して、「げつ げつ げつ」と
習
(
なら
)
ふのでした。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
これはあなたとは
縁
(
えん
)
のあるものでございます。どうぞあなたの子にしてお
育
(
そだ
)
てを
願
(
ねが
)
います。おねがいでございます。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
育
(
そだ
)
ちのいい
家鴨
(
あひる
)
の
子
(
こ
)
はそのお
父
(
とう
)
さんやお
母
(
かあ
)
さんみたいに、ほら、こう
足
(
あし
)
を
広
(
ひろ
)
くはなしてひろげるもんなのだ。さ、
頸
(
くび
)
を
曲
(
ま
)
げて、グワッって
言
(
い
)
って
御覧
(
ごらん
)
。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
我
(
わが
)
まま
勝手
(
かって
)
に
育
(
そだ
)
てられて
来
(
き
)
たおこのは、たとい
役者
(
やくしゃ
)
の
女房
(
にょうぼう
)
には
不向
(
ふむき
)
にしろ、
品
(
ひん
)
なら
縹緻
(
きりょう
)
なら、
人
(
ひと
)
には
引
(
ひ
)
けは
取
(
と
)
らないとの、
固
(
かた
)
い
己惚
(
うぬぼれ
)
があったのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
誰
(
だれ
)
もおいては
行
(
ゆ
)
きません。ひとり
殘
(
のこ
)
らず
行
(
ゆ
)
くのです。でもね、いいですか、それまでに
大
(
おほ
)
きくそして
立派
(
りつぱ
)
に
育
(
そだ
)
つことですよ。
壯健
(
たつしや
)
な
體
(
からだ
)
と
強
(
つよ
)
い
翼
(
はね
)
! わかつて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
お八重は此反對に、今は他に縁づいた
異腹
(
はらちがひ
)
の姉と一緒に
育
(
そだ
)
つた
所爲
(
せゐ
)
か、負嫌ひの、我の強い兒で、娘盛りになつてからは、手もつけられぬ
阿婆摺
(
あばづ
)
れになつた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「鳥にとっては、この上もなく
悲
(
かな
)
しいことね。」と、おかあさんは思いました。「そうなったら、みんな、いったいどこへいって、ヒナを
育
(
そだ
)
てるのかしら?」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
海上のガス即ち霧が襲うて来るので、
根菜類
(
こんさいるい
)
は出来るが、地上に
育
(
そだ
)
つものは穀物蔬菜何も出来ず、どうしても三里内地に入らねば麦も何も出来ないのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
何
(
なに
)
をきかれてもこの
娘
(
こ
)
の
答
(
こたえ
)
は
簡単
(
かんたん
)
明瞭
(
めいりょう
)
、
幽界
(
ゆうかい
)
で
育
(
そだ
)
った
小供
(
こども
)
には
矢張
(
やは
)
りどこか
異
(
ちが
)
ったところがあるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
けれども、今まで山の中にばっかり
育
(
そだ
)
って、あまり町を見たことのない清造の目には、それがどんなに美しくうつったことでしょう。清造はすっかり
驚
(
おどろ
)
きました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
そういうはげしい動きのなかで、幼い子どもらは麦めしをたべて、いきいきと
育
(
そだ
)
った。
前途
(
ぜんと
)
に何が待ちかまえているかをしらず、ただ成長することがうれしかった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ソログーブが四つのときに
父
(
ちち
)
が
死
(
し
)
んで
以来
(
いらい
)
、
母
(
はは
)
はよその
家
(
いえ
)
の
女中奉公
(
じょちゅうぼうこう
)
をして
一人子
(
ひとりご
)
を
育
(
そだ
)
て
上
(
あ
)
げた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
わたしたちの生まれ合わせは、ほかのあまやかされて
育
(
そだ
)
った子どもたちが、あんまり多いキッスにへいこうしてそれをさけなければならないのとは、大ちがいであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
ランチュウの
子
(
こ
)
がありまして、こいつは、うまく
育
(
そだ
)
てりや、
大
(
たい
)
したものになるでしよう。いえ
値段
(
ねだん
)
はいいです。さしあげるんですよ。
餌
(
えさ
)
は、
当分
(
とうぶん
)
のうち、
卵
(
たまご
)
の
黄身
(
きみ
)
にしてください。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
吾
(
ワ
)
だケエに十年も
後家
(
ごけ
)
立デデせ、
他
(
ホガ
)
の
家
(
エ
)
ガら
童
(
ワラシ
)
貰
(
もら
)
て
藁
(
わら
)
の上ララ
育
(
そだ
)
デデ見デも、
羸弱
(
キヤな
)
くてアンツクタラ病氣ネ
罹
(
トヅガ
)
れデ死なれデ見れば、
派立
(
ハダヂ
)
の
目腐
(
めくさ
)
れ
阿母
(
アバ
)
だケヤエに
八十歳
(
ハチヂウ
)
の
身空
(
みそら
)
コイデ
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
相当
(
さうたう
)
な
身柄
(
みがら
)
の
家
(
いへ
)
に
育
(
そだ
)
つただけに青木さん
夫婦
(
ふうふ
)
は
相方
(
さうはう
)
共に品のいい十人
並
(
なみ
)
な
容姿
(
ようし
)
の
持主
(
もちぬし
)
で、
善良
(
ぜんりやう
)
な
性格
(
せいかく
)
ながらまた
良家
(
りやうか
)
の子らしい、矜
持
(
ぢ
)
と、
幾
(
いく
)
らか
見
(
み
)
えを
張
(
は
)
るやうな
氕質
(
きしつ
)
もそなへてゐた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
むかし
印度
(
いんど
)
のある国に、一人の王子がありました。国王からは
大事
(
だいじ
)
に
育
(
そだ
)
てられ、国民からは
慕
(
した
)
われて、ゆくゆくは
立派
(
りっぱ
)
な王様になられるに
違
(
ちが
)
いないと、
皆
(
みな
)
から
望
(
のぞ
)
みをかけられていました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「三十年にもなりますよ、あなた。あのお三人共に私がお
育
(
そだ
)
て申しました。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「それならわかつて居る、お小夜は深川
育
(
そだ
)
ちで、海も川も近いから子供の時は河童のやうによく泳いだし、半次郎は材木屋の若旦那で、たまには
筏
(
いかだ
)
にも材木にも乘るから、泳ぎはうまい筈だ」
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘がお前でなければならないと
煩
(
わずら
)
う迄に思い詰めたというと、浮気なようだが
然
(
そ
)
うではない、あれが
七歳
(
なゝつ
)
の時母が死んで、それから十八まで
私
(
わし
)
が
育
(
そだ
)
った者だから、あれも一人の親だと大事に思い
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
荒
(
あら
)
い
風
(
かぜ
)
を
厭
(
いと
)
うて
育
(
そだ
)
てられた
極
(
きは
)
めて
多幸
(
たかう
)
な
愛娘
(
まなむすめ
)
である。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
対手は
曲輪
(
くるわ
)
育
(
そだ
)
ちの気性の勝った
花魁
(
おいらん
)
だ。
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
そうだ、これを
弟
(
おとうと
)
に
見
(
み
)
せてやろう。そして、りこうなはちが、どうして
巣
(
す
)
を
造
(
つく
)
り、また
子供
(
こども
)
を
育
(
そだ
)
てるのに
苦心
(
くしん
)
するかを
教
(
おし
)
えてやろう。
ある夏の日のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
品
(
ひん
)
よしと
喜
(
よろ
)
こぶ
人
(
ひと
)
ありけり十九といへど
深窓
(
しんそう
)
の
育
(
そだ
)
ちは
室咲
(
むろざ
)
きも
同
(
おな
)
じこと
世
(
よ
)
の
風
(
かぜ
)
知
(
し
)
らねど
松風
(
まつ ぜ
)
の
響
(
ひゞ
)
きは
通
(
かよ
)
ふ
瓜琴
(
つまごと
)
のしらべに
長
(
なが
)
き
春日
(
はるび
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
以上
(
いじよう
)
お
話
(
はなし
)
したのは、つゞめていふと
暑
(
あつ
)
い
𤍠帶
(
ねつたい
)
から
暖
(
だん
)
、
温
(
おん
)
、
寒
(
かん
)
といふ
風
(
ふう
)
にその
各地方
(
かくちほう
)
に
適
(
てき
)
してよく
育
(
そだ
)
つ
森林
(
しんりん
)
の
區域
(
くいき
)
と、その
帶
(
たい
)
の
特徴
(
とくちよう
)
とでした。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
「
例
(
たと
)
へば」と云つて、先生は
黙
(
だま
)
つた。
烟
(
けむり
)
がしきりに
出
(
で
)
る。「
例
(
たと
)
へば、こゝに
一人
(
ひとり
)
の男がゐる。
父
(
ちゝ
)
は早く死んで、
母
(
はゝ
)
一人
(
ひとり
)
を
頼
(
たより
)
に
育
(
そだ
)
つたとする。 ...
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
付て一同に通夜迄もなし
翌朝
(
よくあさ
)
は
泣々
(
なく/\
)
野邊
(
のべ
)
の
送
(
おく
)
りさへ
最
(
いと
)
懇
(
ねんごろ
)
に取行なひ妻の
紀念
(
かたみ
)
と
孤子
(
みなしご
)
を
漸々
(
やう/\
)
男の手一ツに
育
(
そだ
)
てゝ月日を送りけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そこでおじいさんとおばあさんは、あわててお
湯
(
ゆう
)
をわかして、
赤
(
あか
)
ちゃんにお
湯
(
ゆう
)
をつかわせて、
温
(
あたたか
)
い
着物
(
きもの
)
の中にくるんで、かわいがって
育
(
そだ
)
てました。
瓜子姫子
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「さうだともよ、こらおつうでも
無
(
な
)
くつちや
育
(
そだ
)
たなかつたかも
知
(
し
)
んねえぞ、それこそ
因果
(
いんぐわ
)
見
(
み
)
なくつちやなんねえや、なあおつう」
女房等
(
にようばうら
)
はいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
父
(
とう
)
さんも
馬籠
(
まごめ
)
のやうな
村
(
むら
)
に
育
(
そだ
)
つた
子供
(
こども
)
です。
山道
(
やまみち
)
を
歩
(
ある
)
くのに
慣
(
な
)
れては
居
(
ゐ
)
ます。それにしても、『みさやま
峠
(
たうげ
)
』は
見上
(
みあ
)
げるやうな
險
(
けは
)
しい
山坂
(
やまさか
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「たゞの
人
(
ひと
)
でないとはいひながら、
今日
(
けふ
)
まで
養
(
やしな
)
ひ
育
(
そだ
)
てたわしを
親
(
おや
)
と
思
(
おも
)
つて、わしのいふことをきいて
貰
(
もら
)
ひたい」
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
たづぬるに
精
(
くは
)
しからず、
宿題
(
しゆくだい
)
にした
處
(
ところ
)
、
近頃
(
ちかごろ
)
神田
(
かんだ
)
で
育
(
そだ
)
つた
或婦
(
あるをんな
)
が
教
(
をし
)
へた。
茄子
(
なす
)
と
茗荷
(
めうが
)
と、
油揚
(
あぶらあげ
)
を
清汁
(
つゆ
)
にして、
薄葛
(
うすくづ
)
を
掛
(
か
)
ける。
至極
(
しごく
)
經濟
(
けいざい
)
な
惣菜
(
そうざい
)
ださうである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どうぞ
辛抱
(
しんぼう
)
して、
話相手
(
はなしあいて
)
になっておくんなさいまし、——あたしゃ、
王子
(
おうじ
)
で
育
(
そだ
)
った十
年前
(
ねんまえ
)
も、お
見世
(
みせ
)
へ
通
(
かよ
)
うきょうこの
頃
(
ごろ
)
も、
心
(
こころ
)
に
毛筋程
(
けすじほど
)
の
変
(
かわ
)
りはござんせぬ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
乳母 はて、お
若
(
わか
)
い
方
(
かた
)
、
母御樣
(
はゝごさま
)
は
此
(
この
)
お
邸
(
やしき
)
の
内室
(
おかた
)
さまぢゃがな、よいお
仁
(
ひと
)
で、
御發明
(
ごはつめい
)
な、
御貞節
(
ごていせつ
)
な。わしは、
今
(
いま
)
貴下
(
こなた
)
が
話
(
はな
)
してござらしゃった
孃
(
ぢゃう
)
さまを
育
(
そだ
)
てました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
東の京に住む君は、西なる京なつかしと
思
(
おぼ
)
さぬにてはあらざりき。父の帝の眠ります西の京、
其処
(
そこ
)
に
生
(
あ
)
れまし十六まで
育
(
そだ
)
ち玉ひし西の京、君に忘られぬ西の京。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そこに
育
(
そだ
)
つ木といえば、わずかに、シラカバやカンバやエゾマツぐらいのものです。こういう木は、高い土地の
寒
(
さむ
)
さにもたえ、わずかの土地でもがまんできるのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
育
常用漢字
小3
部首:⾁
8画
“育”を含む語句
教育
紐育
養育
生育
撫育
哺育
山家育
野育
育馬所
無教育
阿育
都育
御養育
養育料
教育法
山育
薫育
發育
傅育
鞠育
...