“そだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
64.6%
粗朶22.8%
麁朶4.4%
1.9%
生育1.3%
1.3%
0.6%
疎朶0.6%
祖朶0.6%
粗柔0.6%
雑朶0.6%
麤朶0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
谷崎氏は混沌たる今日の文壇に於てうじそだちも共々に傑出した作家である。自分の評論の如きは敢て氏の真価を上下するものでない。
谷崎潤一郎氏の作品 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
たまにゆきあうお百姓たちも村の人ではあろうが見知らぬ顔ばかりである。とある山蔭で粗朶そだを背負ってくる娘さんに逢った。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
かれしばら自失じしつしたやうにして麁朶そだ周圍しうゐやみしつけられようとしてわづかいきほひをたもつたときかれはすつとあがつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
爾らのうちたれかよくおもい煩いてその生命いのちを寸陰も延べ得んや、また何故にころものことを思いわずらうや、野の百合花ゆり如何いかにしてそだつかを思え、つとめずつむがざるなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
又た結局つまりあの人も暫時しばらくつらい目にあっ生育そだつのですから今時分から他人の間に出るのも宜かろうと思って、心を鬼にして出してやりました、辛抱が出来ればいいがと思って
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
扨も嫁入ざたの多事おゝいこと今宵本宅の嫁の妹折枝をりえとて廿を一越た此間迄寄宿舍そだち、早くから姉夫婦に引取れて居たので、本家の娘として此處の孫としての嫁入、進まぬながら是も義理と
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
そうした方法がそだっている処の一つの何か僧侶的な「イデオロギー」にしか過ぎない、という事を注目すべきだ(死・不安・其他)。
焚付たきつけ疎朶そだの五把六束、季節によっては菖蒲あやめや南天小菊の束なぞ上積にした車が、甲州街道を朝々幾百台となく東京へ向うて行く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
雨中の水面に祖朶そだをつんだ海苔採り舟が、水脈をひいてゆく。その妙にものあわれな景色は、洪水時の空と水とを思い起させた。障子を閉じると、軒しずくの音が座敷のうちに充ちてきた。
渡良瀬川 (新字新仮名) / 大鹿卓(著)
冬の夜永よながなどには、よく三四人の青年が其処そこへ集つて来て、粗柔そだきながらいつまでも/\語り続けた。それ等の客のなかに、一人の年若い小学教師があつた。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
雑朶そだと云って、吉蔵が無雑作むぞうさに取り扱うくぬぎの下積みの枝などには、滴り透った霜どけの水に、ぐっしょり、濡れ乍ら半分朽ちた、しゃりしゃりした葉が付いて居たりした。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
放るゝ鳥の聲に夜は白々しら/″\と明渡りければ女房お政は徐々そろ/\と勝手に立出たちいで麤朶そだをりくべてめしの支度にかゝり文右衞門はうがひなどして其所そこらを片付かたづけさてめしも仕舞ければ是より文右衞門は又々馬喰町へゆき市之丞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)