“はぐく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハグク
語句割合
68.0%
14.7%
羽含5.3%
4.0%
哺育1.3%
撫育1.3%
羽育1.3%
胚胎1.3%
1.3%
養育1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
千登世の無常觀——は過去の閲歴からはぐくまれたのだつた。時折りその感情が潮流のやうに一時に彼女に歸つて來ては彼女をくるしめた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
それと呼応して全宇宙に漲る大生命のはぐくみ育てんとする作用力が、この種子に働きかけるためだと仏教では考えるのです。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
馨が前橋へ出かけて行くのは、繼母に取つて、優しい庭鳥の羽含はぐくかへした家鴨の子が水の中へ逃げて行くやうな痛ましさがあるとは察しながらも、義雄はなほ弟の出來た戀には少しも反對が無かつた。
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
師匠のその潔癖さは、そのまま徒弟をはぐくむうえでの鞭ともなり、ただひたむきにその道へと駆り立てる。鞭は徒弟の曲を矯めるためとも、また、師匠自らの惰を戒めるためともみられる。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
われはわが頭に本より生れぬ言語を哺育はぐく
何時いつともなしに我もまた路行く人と同じように、二百余年の泰平に撫育はぐくまれた安楽な逸民であるといわぬばかり、知らず知らずいかにも長閑のどやかな心になってしまうのであった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その反対の条理に歩調を合わせた——恐るべき老鶏は全英国民を羽育はぐくみながらじっと腰を据えている。
谷川の音は自然の鼓、松吹く風は天籟てんらいの琴、この美妙の天地のなかに胚胎はぐくまれた恋のつぼみに虫を附かせてはなりません。——幸福というものは破れ易くまた二度とは来ないものです
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けれど、かの女自身にしてみれば、ぶさは、つかんでみてもはりがないし、乳くびは、あんず種子たねみたいに黒い。なんとしても、四人の男の子をはぐくんだ泉のれが皮膚にもある。
これを養育はぐくむことかなはず、折角頼みし仇討ちも、仇になりなん口惜しさ、推量なして給はらば、何卒なにとぞこの児を阿姐あねごの児となし、阿姐がもて育てあげ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)