“天籟”の読み方と例文
読み方割合
てんらい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その刹那聞こえて来たものが、例の鼓(つづみ)の音である。春陽のようにも温かく松風のようにも清らかな、人の心を平和に誘う天籟(てんらい)のような鼓の音!
開運の鼓 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
銀波、銀砂に列(つら)なる千古の名松は、清光の裡(うち)に風姿を悉(つ)くして、宛然(えんぜん)、名工の墨技(ぼくぎ)の天籟(てんらい)を帯びたるが如し。行く事一里、漁村浜崎(はまさき)を過ぎて興尚(なお)尽きず。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
さすがにかの欧米の天に雷(らい)の如く響きわたりたる此等楽聖が深潭(しんたん)の胸をしぼりし天籟(てんらい)の遺韻をつたへて、耳まづしき我らにはこの一小機械子の声さへ、猶あたゝかき天苑の余光の如くにおぼえぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)