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天籟
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てんらい
ふりがな文庫
“
天籟
(
てんらい
)” の例文
その刹那聞こえて来たものが、例の
鼓
(
つづみ
)
の音である。春陽のようにも温かく松風のようにも清らかな、人の心を平和に誘う
天籟
(
てんらい
)
のような鼓の音!
開運の鼓
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
銀波、銀砂に
列
(
つら
)
なる千古の名松は、清光の
裡
(
うち
)
に風姿を
悉
(
つ
)
くして、
宛然
(
えんぜん
)
、名工の
墨技
(
ぼくぎ
)
の
天籟
(
てんらい
)
を帯びたるが如し。行く事一里、漁村
浜崎
(
はまさき
)
を過ぎて興
尚
(
なお
)
尽きず。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
さすがにかの欧米の天に
雷
(
らい
)
の如く響きわたりたる此等楽聖が
深潭
(
しんたん
)
の胸をしぼりし
天籟
(
てんらい
)
の遺韻をつたへて、耳まづしき我らにはこの一小機械子の声さへ、猶あたゝかき天苑の余光の如くにおぼえぬ。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その時、
天籟
(
てんらい
)
の声かのように、霧立ちこめた谷底の遥か前方と
思
(
おぼ
)
しい辺から鈴の音が
厳
(
おごそ
)
かに聞こえて来た。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その語気に含まれた老人らしい謙遜さは、今でも
天籟
(
てんらい
)
の如く筆者の耳に残っている。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
谷川の音は自然の鼓、松吹く風は
天籟
(
てんらい
)
の琴、この美妙の天地のなかに
胚胎
(
はぐく
)
まれた恋の
蕾
(
つぼみ
)
に虫を附かせてはなりません。——幸福というものは破れ易くまた二度とは来ないものです
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“天籟”の意味
《名詞》
風が物を鳴らす音。
優れた詩歌のたとえ。
(出典:Wiktionary)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
籟
漢検1級
部首:⽵
22画
“天籟”で始まる語句
天籟的