)” の例文
といふのが、幻花子げんくわしが、小魔石斧せうませきふや、完全くわんぜんちか土器どきなどをしたので、余等よら發掘熱はつくつねつがそろ/\高度かうどたつしかけたからである。
いつこの川辺かわべのおれたちのかえされてしまうかわかったものでない。あぶないとなったら、どこへかしをしなけりゃならん。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
薯蕷じねんじやう九州きうしゆう山奥やまおくいたるまで石版画せきばんゑ赤本あかほんざるのなしとはなうごめかして文学ぶんがく功徳くどく無量広大むりやうくわうだいなるを当世男たうせいをとこほとんど門並かどなみなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
わしだんずることも出來でけうずれ、このやうに頭髮かみのけ掻毟かきむしって、ま此樣このやう地上ぢびたたふれて、まだらぬ墓穴はかあなしゃくることも出來でけうずれ!
もつともと一面いちめん竹藪たけやぶだつたとかで、それをひらとき根丈ねだけかへさずに土堤どてなかうめいたから、存外ぞんぐわいしまつてゐますからねと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
火を免れる見込がないとなると、私は庭先に穴をり出した。金銀や、珍本ちんぽんを埋めるためではない。博雄の旅行荷物を保全ほぜんする為である。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
「あのがんこもん親父おやじねば、息子むすこ井戸いどらせてくれるそうだがのオ。だが、ありゃ、もう二、三にちぬからええて。」
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
この天皇の御代みよには、新羅しらぎの国の人がどっさりわたって来ました。武内宿禰たけのうちのすくねはその人々を使って、方々に田へ水を取る池などをりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
あきぼんには赤痢せきりさわぎもしづんであたらしいほとけかずえてた。墓地ぼちにはげたあかつちちひさなつかいくつも疎末そまつ棺臺くわんだいせてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
粘土のかめが頭から落ちて、みぞれている大理石の敷石しきいしの上で二つにくだけてしまいました。少女はわっと泣きだしました。
林檎りんごつてるッて、眞箇ほんとか!』とうさぎ腹立はらだゝしげにひました。『オイ、たすけてれ!』(硝子ガラスれるおとがする)
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
丑之助は、った自分の芋を、自慢して肩へかついだ。だが、その芋の先は完全でなかった。折れ口が白い乳を出していた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしが立ち止まると、左右のひづめでかわるがわる土をったり、けたたましい声を立てて、わたしの痩せ馬の首ったまにみついたりした。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
人間がこのくぼ地をったのには、なにかわけがあるにちがいないと思って、そこに飛びおりていっては、さかんにひっかきまわしました。
「これはこのごろにないしものだ。どうかして道具どうぐずきなお金持かねもちをつかまえて、いいらなければならない。」
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして、ちよつといきれたやうな樣子やうすをすると、今度こんどはまたあたま前脚まへあしさかんうごかしながらかへしたつちあなした。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
私たちはまっすぐにそのイギリス海岸を昨日きのうの処に行きました。それからていねいにあのあやしい化石かせきりはじめました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
このふるかはらふるいおてら境内けいだいや、ふるいおてらのあつた場所ばしよいまはたけとなつてゐるところから、よくされるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
雪中だい一の用具ようぐなれば、山中の人これを作りてさとうる家毎いへごとたくはへざるはなし。雪を状態ありさまにあらはしたるがごとし。
上から細い穴を斜めにってきて、ここだけ部屋のように掘りひろげたものとみえる。四方は粘土まじりのしめった土。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
まつろうしばしのあいだおしたけのこるような恰好かっこうをしていたが、やがてにぎこぶしなかに、五六まい小粒こつぶ器用きようにぎりしめて、ぱっと春重はるしげはなさきひろげてみせた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
例えばアイヌ人のだれかが山へ姥百合うばゆりりに行くとしますと、そこは神様のことですから、いつの間にかちゃんとそれを知ってしまって、先廻さきまわりをするのです
蕗の下の神様 (新字新仮名) / 宇野浩二(著)
そこで、家来たちがさっそくその松の根元をって見ますと、たして宝物の名刀が出て来ました。
とんまの六兵衛 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
一どきに篠竹の谷をこわして移植したようなわけにはゆかない、あの時も悪場からり出すのに、まるで竹と毎日すもうを取っていたようなものだと民さんは言った。
生涯の垣根 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
馬鈴薯じゃがいもうて来ることを巳代公みよこうに頼むと云って、とめやがくわで地をる真似をして、ゆびまるいものをこさえて見せて、口にあてゝ食うさまをして、東を指し北を指し
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これより鳳山亭ののぼりみち、いづみある処に近き荼毘所とびじょあとを見る。石を二行にぎょうに積みて、其間の土をりてかまどとし、その上にけたの如く薪をし、これをかんするところとす。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それを手にして堤下どてしたを少しうろついていたが、何かっていると思うと、たちまちにして春の日に光る白い小さい球根を五つ六つふところから出した半紙の上にせてもどって来た。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それは全く私の心の要求からり起された泉でありました。自らをすゝんで犧牲にすることは、決して自らをころすことではなかつた!と私はこの頃さう思つてやすんじてゐます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
白砥しらと小新田をにひた山のる山のうら枯れ為無せな常葉とこはにもがも」(巻十四・三四三六)等がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そういうことを理論と実生活の両面から、もっと深くりさげて行くとおもしろいと思うね。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
其れが貢さんには、蛇のあな発見めつけたのでらうぢや無いかと相談して居るやうに思はれた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
くさむしれ、馬鈴薯じやがいもれ、かひけ、で、げつくやうな炎天えんてんよる毒蛇どくじやきり毒蟲どくむしもやなかを、鞭打むちう鞭打むちうち、こき使つかはれて、三月みつき半歳はんとし一年いちねんうちには、大方おほかたんで
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
土鼠もぐらつちなかをもくもくつてきますと、こつりと鼻頭はながしらツつけました。うまいぞ。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
小初はり下げた櫓台下の竪穴から浅瀬の泥底どろぞこへ水を掻き上げて行くと、岸の堀垣ほりがきこわれからくずれ落ちた土が不規則なスロープになって水底へかげをひくのが朦朧もうろうと目に写って来た。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
『それ、このに。』と武村兵曹たけむらへいそう紀念塔きねんたふかついではしたので、一同いちどうつゞいて車外しやぐわいをどで、日出雄少年ひでをせうねん見張みはりやくわたくしつちる、水兵すいへいいしまろばす、武村兵曹たけむらへいそう無暗むやみさけ
道子みちこはゝのみならずちゝはかも——戦災せんさい生死不明せいしふめいになつため、いまだにてずにあることかたり、はゝ戒名かいみやうともならべていしつてもらふやうにたのみ、百円札ひやくゑんさつ二三まいかみつゝんでした。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
切り散らし、っくりかえしている事のていを見て、一同のものが白け渡りました。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
とうさんのおうちには井戸ゐどつてありました。その井戸ゐど柄杓ひしやくみづめるやうなあさ井戸ゐどではありません。いても、いても、なか/\釣瓶つるべあがつてないやうな、ふかい/\井戸ゐどでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あとしてみると、いづれもいたのようにつぶされてゐたといふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
お銀の暗面をどこどこまでもじくり立てようとしているような自分の態度にも気がさして来たし、女も以前のことは詳しく知らなかった。笹村は時々深入りしようとしては、他の話に紛らした。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
未開社會に於ては井戸ゐどる術、水道をまうくる術も無き譯故わけゆへ、コロボツクルの如きも、水の入用にうようかんじたる時には必ず川邊に至りしならん。遺跡ゐせきより發見はつけんする所の土器の中には椀形わんがたのもの少からず。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
私の住んでゐる村では、何處どこで井戸を掘つても、一丈程下へ行くと屹度澤山な眞菰まこもの根に掘當てる。多い處ではそうを成してあらはれる。三間ほどつて漸く水を含んだ砂に突き當てる。それは青い砂だ。
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
蘭若てらに帰り給ひて、三九二堂の前を深くらせて、鉢のままにめさせ、三九三永劫えいごふがあひだ世に出ることをいましめ給ふ。今猶三九四をろちつかありとかや。庄司が女子むすめはつひに病にそみてむなしくなりぬ。
どうか土手どてって弾丸の位置をおしらべください
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
をんな燈心とうしんたけつたりする観物みせものが出ますよ。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「へツ、こいつは全くり出し物だ」
友は大官いもつてこれをもてなしぬ
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
ってうずめようじゃないか。
「みみずをっているの……」
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
砂を指もてりてありしに
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)