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宿
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やど
ふりがな文庫
“
宿
(
やど
)” の例文
私
(
わたし
)
は、
坊
(
ぼっ
)
ちゃんに、
私
(
わたし
)
の
持
(
も
)
っているような
目
(
め
)
と、
私
(
わたし
)
の
胸
(
むね
)
に
宿
(
やど
)
っているような
魂
(
たましい
)
を
分
(
わ
)
けてあげますように、
神
(
かみ
)
さまにお
願
(
ねが
)
いしましょう。
はてしなき世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
実
(
じつ
)
に
驚
(
おどろ
)
きました、
彼
(
あ
)
んなお
丈夫
(
ぢやうぶ
)
さまなお
方
(
かた
)
が
何
(
ど
)
うして
御死去
(
おなくな
)
りになつたかと
云
(
い
)
つて、
宿
(
やど
)
の
者
(
もの
)
も
宜
(
よろ
)
しう
申
(
まう
)
しました、
嚥
(
さぞ
)
お
力落
(
ちからおと
)
しで……。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「やい、
宿
(
やど
)
六、
飯
(
めし
)
をだしてくれ、
飯
(
めし
)
を。
腹
(
はら
)
がぺこぺこだ。え。こんなに
暗
(
くら
)
くなつたに、まだランプも
點
(
つ
)
けやがらねえのか。え、おい」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
こんな籠城の中からでさえ、
宿
(
やど
)
ったものは、ついに生ぶ声をあげずにいない。しかも木の根や草で養われた胎内の子ではなかったか。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ミハイル、アウエリヤヌイチは
一人
(
ひとり
)
して
元気
(
げんき
)
よく、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
町
(
まち
)
を
遊
(
あそ
)
び
歩
(
ある
)
き、
旧友
(
きゅうゆう
)
を
尋
(
たず
)
ね
廻
(
まわ
)
り、
宿
(
やど
)
には
数度
(
すうど
)
も
帰
(
かえ
)
らぬ
夜
(
よ
)
があった
位
(
くらい
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
「このたびはまア……とんでもないことで……それにお
悔
(
くや
)
みにもまだ上がりもいたしませんで……あいにく
宿
(
やど
)
で
留守
(
るす
)
なものですから」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
さうして
座敷
(
ざしき
)
の
隅
(
すみ
)
に
居
(
ゐ
)
た
瞽女
(
ごぜ
)
が
代
(
かは
)
つて
三味線
(
さみせん
)
の
袋
(
ふくろ
)
をすつと
扱
(
こ
)
きおろした
時
(
とき
)
巫女
(
くちよせ
)
は
荷物
(
にもつ
)
の
箱
(
はこ
)
を
脊負
(
しよ
)
つて
自分
(
じぶん
)
の
泊
(
とま
)
つた
宿
(
やど
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
貴女が僕の
胤
(
たね
)
を
宿
(
やど
)
したということが判ったなら、僕は一体どうなると思うのです。社会的地位も名声も、灰のように飛んでしまいます。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
やゝ
低
(
ひく
)
く、
山
(
やま
)
の
腰
(
こし
)
に
其
(
そ
)
の
流
(
ながれ
)
を
繞
(
めぐ
)
らして、
萌黄
(
もえぎ
)
まじりの
朱
(
しゆ
)
の
袖
(
そで
)
を、
俤
(
おもかげ
)
の
如
(
ごと
)
く
宿
(
やど
)
したのは、つい、まのあたり
近
(
ちか
)
い
峰
(
みね
)
、
向山
(
むかひやま
)
と
人
(
ひと
)
は
呼
(
よ
)
ぶ。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宿
(
やど
)
に
凝
(
じつ
)
としてゐるのは、
猶
(
なほ
)
退屈
(
たいくつ
)
であつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
匆々
(
そう/\
)
に
又
(
また
)
宿
(
やど
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
棄
(
す
)
てゝ、
絞
(
しぼ
)
りの
三尺
(
さんじやく
)
と
共
(
とも
)
に
欄干
(
らんかん
)
に
掛
(
か
)
けて、
興津
(
おきつ
)
を
去
(
さ
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おれたちはな、おまえらみたいな
宿
(
やど
)
なしが、一生かかってするよりも、もっといいことを一時間のうちにやってのけるんだぞ!」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
凡
(
す
)
べて
神聖
(
しんせい
)
な
物
(
もの
)
の
終
(
はて
)
は
悦
(
よろこび
)
に
在
(
あ
)
る。われらが
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
はこの
紅
(
あか
)
い
茨
(
いばら
)
の
上
(
うへ
)
に、このわが
口
(
くち
)
に、わが
貧
(
まづ
)
しい
言葉
(
ことば
)
にも
宿
(
やど
)
つていらせられる。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
遠くいなかへ出れば、夜になって
宿
(
やど
)
をたのむこともできよう。けれどこうパリの近くでは……このへんで宿をたのむことはできない。さあ
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
おなじ
宿
(
やど
)
に木村篤迚、今新潟始審裁判所の判事
勤
(
つと
)
むる人あり。臼井六郎が事を
詳
(
つまびらか
)
に知れりとて物語す。
面白
(
おもしろ
)
きふし一ツ二ツかきつくべし。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
いまだに
宿
(
やど
)
とても
定
(
さだ
)
まるまじく、
母
(
はゝ
)
は
此樣
(
こん
)
な
身
(
み
)
になつて
恥
(
はづ
)
かしい
紅白粉
(
べにおしろい
)
、よし
居處
(
ゐどころ
)
が
分
(
わか
)
つたとて
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
は
逢
(
あ
)
ひに
來
(
き
)
ても
呉
(
く
)
れまじ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
五八も驚き
確
(
しつ
)
かと
抱
(
いだ
)
き
止
(
と
)
め
是
(
こ
)
は若旦那にて
有
(
あり
)
しか私し事は多く
御恩
(
ごおん
)
に
預
(
あづか
)
り何かと
御贔屓下
(
ごひいきくだ
)
されし者なれば
先々
(
まづ/\
)
譯
(
わけ
)
は
後
(
あと
)
の事手前の
宿
(
やど
)
へ御供を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「正直のこうべに神
宿
(
やど
)
る」というが、わずか百円で三方よいことをしたことになった。とんだ落語の『三方一両損』のようなはなしである。
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
わたくしももう店をしまつて戻るのでござります。
御差支
(
おさしつか
)
へなければ途中までお
供
(
とも
)
いたしませう。お
宿
(
やど
)
はどちらでござります。
小夜の中山夜啼石
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
義雄は、かの
未見
(
みけん
)
の敵であつた山の客がした如く、敷島の部屋を
宿
(
やど
)
見た樣にして、晝間は氷峰や、勇や、入院中の森本などをまはり歩いた。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
に
宿
(
やど
)
る
所
(
ところ
)
の
戀
(
こひ
)
をすら
笑
(
わら
)
ふべく
信
(
しん
)
ずべからざる
者
(
もの
)
ならば、
人生
(
じんせい
)
遂
(
つひ
)
に
何
(
なん
)
の
價
(
あたひ
)
ぞ、
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
ほど
嘘僞
(
きよぎ
)
な
者
(
もの
)
は
無
(
な
)
いではないか。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
若
(
も
)
し
眼
(
め
)
が
星
(
ほし
)
の
座
(
ざ
)
に
直
(
なほ
)
り、
星
(
ほし
)
が
姫
(
ひめ
)
の
頭
(
つむり
)
に
宿
(
やど
)
ったら、
何
(
なん
)
とあらう!
姫
(
ひめ
)
の
頬
(
ほゝ
)
の
美
(
うつく
)
しさには
星
(
ほし
)
も
羞耻
(
はにか
)
まうぞ、
日光
(
にっくわう
)
の
前
(
まへ
)
の
燈
(
ランプ
)
のやうに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
戸外
(
そと
)
へ寝るのも非常に寒くて困難ですからどうか一夜の
宿
(
やど
)
りを願いたいと言ったところが、案外快くそんならばまずこちらにお入りなさい
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
こう答えた時私は、私の今までの全経歴、全経験を、私の胸の中にぱっと
展
(
ひろ
)
げられたのを感じた。
不覚
(
ふかく
)
にも私は、
微
(
かす
)
かな涙を私の眼に
宿
(
やど
)
した。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
かれの心はその造られし時、
生
(
いく
)
る力をもてたゞちに滿たされたりしかば、母に
宿
(
やど
)
りゐてこれを豫言者たらしめき 五八—六〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
嘗
(
かつ
)
て天皇の行幸に御伴をして、山城の宇治で、秋の野のみ草(
薄
(
すすき
)
・
萱
(
かや
)
)を刈って
葺
(
ふ
)
いた
行宮
(
あんぐう
)
に
宿
(
やど
)
ったときの興深かったさまがおもい出されます。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
そのために
幾度
(
いくたび
)
か
瞼
(
まぶた
)
を
閉
(
と
)
ぢ/\した。
涙
(
なみだ
)
が
徐
(
おもむろ
)
にあふれ
出
(
い
)
でゝもう
直視
(
ちよくし
)
しようとはしない
眼瞼
(
まぶた
)
に
光
(
ひかり
)
を
宿
(
やど
)
して
止
(
と
)
まつてゐた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「殿様、恐れ多いことでございます。
宿
(
やど
)
も、殿様がお気の毒だ、お前はよくして上げなければならないと、いつでも申しておりますでございます」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
生
(
い
)
きた
相手
(
あいて
)
にいう
如
(
ごと
)
く、
如何
(
いか
)
にもなつかしそうに、
人形
(
にんぎょう
)
を
仰
(
あお
)
いだおせんの
眼
(
め
)
には、
情
(
なさけ
)
の
露
(
つゆ
)
さえ
仇
(
あだ
)
に
宿
(
やど
)
って、
思
(
おも
)
いなしか、
声
(
こえ
)
は一
途
(
ず
)
にふるえていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そこで、
若者
(
わかもの
)
は
旅
(
たび
)
にでかけました。しばらくして、とあるお
城
(
しろ
)
のまえにきましたので、ひと
晩
(
ばん
)
の
宿
(
やど
)
をたのみました。
三つのことば
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
正直
(
しやうぢき
)
の
頭
(
かうべ
)
に
神
(
かみ
)
宿
(
やど
)
る——
嫌
(
いや
)
な思をして
稼
(
かせ
)
ぐよりは
真
(
ま
)
ツ
正直
(
しやうぢき
)
に
遊
(
あそ
)
んで
暮
(
くら
)
すが
人間
(
にんげん
)
の
自然
(
しぜん
)
にして
祈
(
いの
)
らずとても
神
(
かみ
)
や
守
(
まも
)
らん。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
己のような素質を持った人間の頭に
宿
(
やど
)
って居る、美しい幻影や空想の世界の中に、藝術が存在するのではなくして、何等の主観をも想像をも交えずに
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その逆旅たる人生に在っても江戸に住むも近江に住むも悉く旅中の一小
宿
(
やど
)
りたるに過ぎなかった彼に在っては、死の外に帰る
棲家
(
すみか
)
はなかったのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「お泊まりなすっておいでなさい。
奈良井
(
ならい
)
のお
宿
(
やど
)
はこちらでございます。
浪花講
(
なにわこう
)
の
御定宿
(
おじょうやど
)
はこちらでございます。」
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
宿
(
やど
)
の者
等
(
ら
)
此人を
目科
(
めしな
)
「
様
(
さん
)
」とて特に「
様
(
さん
)
」附にして呼び、帳番も廊下にて
摺違
(
すれちが
)
うたびに此人には帽子を脱ぎて
挨拶
(
あいさつ
)
するなど
大
(
おおい
)
に
持做
(
もてなし
)
ぶりの違う所あるにぞ
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
それから船で淀川を下り、夕刻大坂の八
軒屋
(
けんや
)
に着き、
上仲仕
(
かみなかし
)
の幸助という男の家へ、ひとまず
宿
(
やど
)
をとりました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「でもまるで
浅茅
(
あさぢ
)
が
宿
(
やど
)
よ。でなけや、こほろぎの家よ。あの時、畳の上一面にぴよんぴよん逃げまはつたこほろぎはまあどうでせう。恐しいほどでしたわ」
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
……わたしはこの温泉
宿
(
やど
)
にもう
一月
(
ひとつき
)
ばかり
滞在
(
たいざい
)
しています。が、
肝腎
(
かんじん
)
の「風景」はまだ一枚も
仕上
(
しあ
)
げません。
温泉だより
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おなじような
片歌
(
かたうた
)
の
話
(
はなし
)
が、やまとたけるの
尊
(
みこと
)
にもあります。この
尊
(
みこと
)
東國
(
とうごく
)
平定
(
へいてい
)
の
時
(
とき
)
、
甲斐
(
かひ
)
の
國
(
くに
)
酒折
(
さかをり
)
の
宮
(
みや
)
に
宿
(
やど
)
られて、
火
(
ひ
)
を
燃
(
もや
)
してゐた
翁
(
おきな
)
に、いひかけられました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
姫
(
ひめ
)
があれをただ
海神
(
かいじん
)
の
怒
(
いか
)
りとのみ
感
(
かん
)
じたのはいささか
間違
(
まちが
)
って
居
(
い
)
るが、それはそうとして、あの
場合
(
ばあい
)
の
姫
(
ひめ
)
の
心胸
(
むね
)
にはまことに
涙
(
なみだ
)
ぐましい
真剣
(
しんけん
)
さが
宿
(
やど
)
っていた。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其の翌十八年の夏酷暑と悪病を避けて有馬の温泉に浴す。
端
(
はし
)
なく
会人
(
あいづのひと
)
無々君と邂逅して
宿
(
やど
)
を倶にす。君は真宗の僧侶にして、学識
両
(
ふたつなが
)
ら秀で尤も説教に長ぜりと。
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
どの横町も灰色の
夜陰
(
やいん
)
に閉ぢられて
灯影
(
ほかげ
)
が
少
(
すくな
)
く、ゴルキイの「
夜
(
よる
)
の
宿
(
やど
)
」の様な物凄さを感じないでもない。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
しかし路が狹いので、それが行き過ぎるまでと思つて坐つてゐた。その頃は私もまだ若かつたから! いろ/\な明るいまた暗い空想が、私の心に
宿
(
やど
)
つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その代り、そうするには何処か人知れぬ心の
隠家
(
かくれが
)
を求めて、時々
生命
(
いのち
)
の洗濯をする必要を感じた。
宿
(
やど
)
なしの乞食でさえも眠るにはなお橋の下を求めるではないか。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
明るいところに
魔
(
ま
)
の
住
(
す
)
まないごとく、花前のような生活には
虚偽
(
きょぎ
)
罪悪
(
ざいあく
)
などいうものの
宿
(
やど
)
りようがない。
大悟徹底
(
だいごてってい
)
というのがそれか。
絶対的
(
ぜったいてき
)
安心
(
あんしん
)
というのがそれか。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私
(
わたし
)
は
途中
(
とちう
)
I
子
(
こ
)
の
宿
(
やど
)
の
近
(
ちか
)
くで
自動車
(
じどうしや
)
を
乗棄
(
のりす
)
てた。そしてI
子
(
こ
)
の
宿
(
やど
)
へ
寄
(
よ
)
つた。I
子
(
こ
)
は
洋服姿
(
ようふくすがた
)
で
独
(
ひと
)
りでゐた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
我
(
われ
)
江戸に
逗留
(
とうりう
)
せしころ、
旅宿
(
りよしゆく
)
のちかきあたりに死亡ありて
葬式
(
さうしき
)
の日大
嵐
(
あらし
)
なるに、
宿
(
やど
)
の
主
(
あるじ
)
もこれに
往
(
ゆく
)
とて
雨具
(
あまぐ
)
きびしくなしながら、
今日
(
けふ
)
の
仏
(
ほとけ
)
はいかなる
因果
(
いんくわ
)
ものぞや
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ところで、不幸なことに、この男、
細君
(
さいくん
)
があった。そうした種類の人間に、
宿
(
やど
)
の妻という奴は、いや笑いごとじゃない。
正
(
まさ
)
に不幸といッつべきだよ。いや、まったく。
一人二役
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私たちは
侍女
(
じじょ
)
なんです。
今日
(
きょう
)
、森へ遊びにお
姫様
(
ひめさま
)
をおつれ
申
(
もう
)
しましたところ、道にまよってとうとうここへきてしまいました。どうか、
今晩
(
こんばん
)
だけ
宿
(
やど
)
をかしてください。
巨男の話
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
三人の娘を
伴
(
とも
)
ないてこの高原に来たり、今の
来内
(
らいない
)
村の
伊豆権現
(
いずごんげん
)
の社あるところに
宿
(
やど
)
りし夜、今夜よき夢を見たらん娘によき山を与うべしと母の神の語りて寝たりしに
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ここの旅館丸杉は、以前未醒画伯の
宿
(
やど
)
ったことがある家だという。早速宿ることとして旅装をとく。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
“宿”の意味
《名詞》
(やど) 住み家。
(やど) 旅先で泊まる家屋。
(出典:Wiktionary)
宿
常用漢字
小3
部首:⼧
11画
“宿”を含む語句
旅宿
宿酔
一宿
御宿
宿命
宿泊
露宿
宿世
宿屋
新宿
下宿
野宿
宿下
旅人宿
宿老
宿所
此宿
宿外
宿帳
宿直
...