地方ちほう)” の例文
「ここから、きたへ、きたへとんでゆけば、その地方ちほうられるようながする。ゆくなら今夜こんやにでも、すぐにとうではないか。」
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
𤍠あついところからさむ地方ちほうくにつれて、そこに生育せいいくしてゐる樹木じゆもく種類しゆるいおよ森林しんりんかたち各々おの/\ことなつてゐる、とはいまはおはなししました。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
阿蘇あそ火山灰かざんばひはこの地方ちほうで『よな』ととなへられてゐるが、被害ひがいたん阿蘇あそのみにとゞまらずして、大分縣おほいたけんにまでもおよぶことがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ガンたちは、オムベルイ地方ちほうって、イエータ運河うんがにそって東に飛びました。ここでは、夏のためのじゅんびをしていました。
(1)ですから、この話のでどころのヘッセン地方ちほうでは、雪がふるとき、ホレおばあさんが寝床ねどこをなおしている、といいます。
さてその農民小屋のうみんごやにはひつてると爐邊ろへんにはまきやされてあつて、その地方ちほう風俗ふうぞくをしたぢいさんがたばこをいぶらしてゐたり
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
曳馬野ひくまの——萬葉集まんにようしゆうなどにえてゐる土地とちで、濱松はまゝつからきたへかけての平野へいや地方ちほう——のあたらしくてゐる。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
でも、幕府ばくふのよわい外交がいこうをふんがいした地方ちほうはんでは、外国がいこく軍艦ぐんかんにいくさをしかけて、けっきょく、さんざんなめにあわされるようなじけんが、ひきつづいておこりました。
あるとき天皇はそのころ吉備きびといっていた、今の備前びぜん備中びっちゅう地方ちほうの、黒崎くろさきというところに、海部直あまのあたえという者の子で、黒媛くろひめというたいそうきりょうのよいむすめがいるとお聞きになり
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
我々われわれ地方ちほう不作ふさくなのはピンぬまなどをからしてしまったからだ、非常ひじょう乱暴らんぼうをしたものだとか、などとって、ほとんひとにはくちかせぬ、そうしてその相間あいまには高笑たかわらいと、仰山ぎょうさん身振みぶり
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
この海嘯つなみのちわかつたが、印度洋インドやうちうマルダイヷたう附近ふきん海底かいてい地滑ちすべりに原因げんいんして、亞弗利加アフリカ沿岸えんがんから、亞剌比亞アラビヤ地方ちほうへかけて、非常ひじやう損害そんがいあたへたさうだが、その餘波よはこの孤島はなれじままで押寄おしよせてたのである。
ふゆになっても、むすめのきた地方ちほうは、ゆきりませんでした。いつもあたたかないい天気てんきがつづいて、北国ほっこくはる時節じせつのような景色けしきでした。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いままでべた土器どきはなしは、しゆとして關東かんとうから奧羽地方おううちほうにおいて土器どきについてまをしたのでありますが、關西地方かんさいちほう、あるひはその地方ちほうから
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
『ヴェッテルンの近くの、メデヴィの平原へいげんに、鉱泉こうせんがわきでるようになります。そして、その鉱泉のおかげで、この地方ちほう有名ゆうめいになるでしょう。』
そのたい特徴樹種とくちようじゆしゆはぶなですが、そのほかにおほなら、みづなら、とちなど落葉濶葉樹らくようかつようじゆこんじてゐることもあり、地方ちほうによつてはひのき、さわら、ひば
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
著者ちよしや想像そう/″\では、かり地震豫報ぢしんよほう出來できても、それは地震ぢしんおこりそうなある特別とくべつ地方ちほう指摘してきるのみで
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
われ/\は、とほみやこはなれた地方ちほうなが距離きよりをば、こがれてやつてた。そして、いまこのときがつくと、この明石あかし海峽かいきようからうちらに、畿内きない山々やま/\えてゐる。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
廉直れんちょくなる方針ほうしん地方ちほう新聞紙しんぶんし芝居しばい学校がっこう公会演説こうかいえんぜつ教育きょういくある人間にんげん団結だんけつ、これらはみな必要ひつようからざるものである。また社会しゃかいみずかさとっておどろくようにしなければならぬとかなどとのことで。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
昨年さくねん、ご当地とうちで、おどおりいたしましたむすめは、さる地方ちほうにおいて、たわらかさねまするさいに、腹帯はらおびれて、非業ひごう最期さいごげました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
温度おんどでいへば、同温度どうおんど地方ちほうをつなぎあはせたせん、すなはち同温線どうおんせん攝氏十三度せつしじゆうさんど以上いじよう二十一度にじゆういちど以下いかです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
それによりますと、かんはじごろ支那しな南方なんぽうしよくといふとほ地方ちほうで、つくつたものであることがわかるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
たとへば現在げんざい活動中かつどうちゆう火山かざん南北なんぼくアメリカしゆうでは西にしほう太平洋沿岸たいへいようえんがんだけに一列いちれつならんでをり、中部ちゆうぶアメリカ地方ちほうでは二條にじようになつてみぎ南北線なんぼくせんにつながつてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
このすばらしいたくさんの別荘べっそうが、やっぱりこの地方ちほう名誉めいよになるのです。
正吉しょうきちは、ただ、ちかわかれるのがかなしかったのでした。こちらに、おもわしい就職口しゅうしょくぐちがないので、高橋たかはしが、地方ちほうへいくのをっているからです。
世の中へ出る子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
はたしてしからば、ロアイヤルこうや、むかしベスンバぞくのゐた部落ぶらくみぎ現象げんしようおこすにもつと適當てきとう場所ばしよであつて、此等これら地方ちほう大地震だいぢしんによつてふたゝ同樣どうよう現象げんしようおこすこともあるであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
これらの男女だんじょは、いずれも牧人ぼくじんでした。もうこの地方ちほうは、あたたかで、みんなははたけや、たがやさなければなりませんでした。
月とあざらし (新字新仮名) / 小川未明(著)
それについては津浪襲來つなみしゆうらい常習地じようしゆうちといふものがある。この常習地じようしゆうちみぎしるしたような地震ぢしん見舞みまはれた場合ばあひ特別とくべつ警戒けいかいようするけれども、其他そのた地方ちほうおいては左程さほど注意ちゆうい必要ひつようとしないのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
このまえこの地方ちほうに、稀有けう暴風ぼうふうおそったことがあります。そのときは、電信柱でんしんばしらをかたっぱしからたおしてしまいました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれど、この時分じぶんには、まだこの地方ちほうには汽車きしゃというものがありませんでした。どこへゆくにも、荒海あらうみ汽船きせんでゆかなければならなかったのです。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それはよく毎年まいねんはるからなつにかけて、この地方ちほうへどこからかやってくる、からくりをせるじいさんにていました。
夕焼け物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるとき、殿とのさまは山国やまぐに旅行りょこうなされました。その地方ちほうには、殿とのさまのお宿やどをするいい宿屋やどやもありませんでしたから、百姓家しょうやにおまりなされました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
もうこのころになると、この地方ちほうでは、いつあらしとなり、あられがってくるかしれません。百しょうは、せっせとはたけて、りいれをいそいでいました。
般若の面 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうして、それから四、五ねんのちには、牛女うしおんな子供こどもは、この地方ちほうでの幸福こうふくうえの百しょうとなったのであります。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いわば元日がんじつはこの地方ちほうでは、みんなないといってよいくらいで、まちほうはもうにぎやかでありました。幸作こうさく雪路ゆきみちあるいてまちへいきました。すると
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、ひろ野原のはら横切よこぎり、あるときは、やまいただきえて、ついに、なつのはじめのころには、はるかに、あおい、あおい、北海ほっかいえる地方ちほうたっしたのでした。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
信吉しんきちは、学校がっこうからかえると、野菜やさいみずをやったり、むし駆除くじょしたりして、農村のうそん繁忙期はんぼうきには、よくうち手助てだすけをしたのですが、今年ことしは、晩霜ばんそうのために、山間さんかん地方ちほう
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それも、おもしろいくわだてにはちがいないが、この地方ちほう宿やどなしどもは、そんなめずらしいはなしっているようにもおもわれない……。」と、おうさまは、いわれて、すぐに
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
この老人ろうじんは、いつごろから、そこにんでいるのか、だれもったものがありません。そして、ようすからて、どうやら、この地方ちほうひとではないようにもおもわれました。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こちらは、こんなにいい天気てんきだのになあ。」と、おな太陽たいようでありながら、その地方ちほうによって、あたえる恵慈けいじ相違そういかんがえずにはいられなかったのです。かれは、藤本先生ふじもとせんせいにも
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
地方ちほうちいさなまちといっても、工場こうじょうでは、機械きかい運転うんてんをして、人々ひとびとはせっせとはたらいていたし、またほかの商店しょうてんでは、一せんせんあらそって、生活せいかつのためには、血眼ちまなこになっていたからでした。
生きている看板 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また台湾たいわんあたりの高山こうざん自生じせいするといういとのようにほそいもの、もしくは、支那しな奥地おくちにあるという、きわめてあつくてひろいもの、そして、九州きゅうしゅうあたりから、四こく地方ちほうやまには
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしがまだ子供こども時分じぶんおやたちにつれられてとおったことのある地方ちほうは、やまがあり、もりがあり、みずうみがあり、そして、うみ荒波あらなみが、しろきしせているばかりで、さびしい景色けしきではあったが
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、うすべにや、黄色きいろはなや、あかはななどがいて、また、きた自分じぶんたちがまれた地方ちほうではなかったような、うつくしいちょうが、ひらひらとほこらしげにはなうえんでいたのであります。
ふるさと (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いろいろお世話せわになりましてありがとうぞんじます。なにかおれいをすればいいのですが、いまはなにもわせがありません。いずれまたこの地方ちほうにきましたときに、おれいをいたします。」
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
当時とうじ、ひまわりのはなは、この地方ちほうにすらめずらしいものにおもわれました。また、このはな種子たねから、くすりつくられるというので、小父おじさんは、それをってかえって、自分じぶんうちのまわりにまいたのであります。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)