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幸作
やがて、わずか
日がたつとお
正月になりました。けれど
独り
者の
幸作のところへは、あまりたずねてくる
客もなかったのです。
独り
者の
幸作は、
家の
中に
話し
相手もなくその
日を
暮らしていました。
北国は十二
月にもなると、
真っ
白に
雪が
積もります。
「
両替、
両替、
小判の
両替。」といいながら、こっちに
歩いてきました。やがて、
幸作の
家の
戸口で、げたについた
雪をはらう
小さな
足音がしました。