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配
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くば
ふりがな文庫
“
配
(
くば
)” の例文
目
(
め
)
にたゝへてお
高
(
たか
)
斯
(
か
)
くとは
言
(
いひ
)
出
(
だ
)
しぬ
歳月
(
としつき
)
心
(
こゝろ
)
を
配
(
くば
)
りし
甲斐
(
かひ
)
に
漸
(
やうや
)
く
此詞
(
このことば
)
にまづ
安心
(
あんしん
)
とは
思
(
おも
)
ふものゝ
運平
(
うんぺい
)
なほも
油斷
(
ゆだん
)
をなさず
起居
(
たちゐ
)
につけて
目
(
め
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
唯
(
たゞ
)
見
(
み
)
る、
日本橋
(
にほんばし
)
檜物町
(
ひものちやう
)
藤村
(
ふぢむら
)
の
二十七疊
(
にじふしちでふ
)
の
大廣間
(
おほひろま
)
、
黒檀
(
こくたん
)
の
大卓
(
だいたく
)
のまはりに、
淺葱絽
(
あさぎろ
)
の
座蒲團
(
ざぶとん
)
を
涼
(
すゞ
)
しく
配
(
くば
)
らせて、
一人
(
ひとり
)
第一番
(
だいいちばん
)
に
莊重
(
さうちよう
)
に
控
(
ひか
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「そうは思わないよ。黙っていたまえ君は……。おう、進君、やがて水を
配
(
くば
)
る時間だ。第四の樽を開けて置いて
呉
(
く
)
れたまえ」
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それで
彼等
(
かれら
)
は
夜
(
よる
)
の
時刻
(
じこく
)
が
來
(
く
)
ると、
目明
(
めあき
)
の
手曳
(
てびき
)
がだんだんと
其
(
そ
)
の
家々
(
いへ/\
)
に
配
(
くば
)
つて
歩
(
ある
)
く。さうしては
復
(
ま
)
た
手曳
(
てびき
)
がそれを
集
(
あつ
)
めて
打
(
う
)
ち
連
(
つ
)
れて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ただ雨の夜道を遠く帰らねばならない使いの人らに、気を
配
(
くば
)
るはりあいで、お政はわずかに自分を
失
(
うしな
)
わずにいるのである。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
晝食
(
ちうじき
)
に歸るには餘りに遠過ぎたので、普段の食事に定められてゐるのと同じほどの、
吝々
(
けち/\
)
した分量の冷肉とパンのお辨當が、禮拜の合間に
配
(
くば
)
られた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「兎も角お神さんのお余野を医者へやってあっしは其辺中に眼を
配
(
くば
)
りましたがね。何を見付けたと思います、親分」
銭形平次捕物控:242 腰抜け彌八
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
此時
(
このとき
)
の
宗助
(
そうすけ
)
に
取
(
と
)
つて、
醫者
(
いしや
)
の
來
(
く
)
るのを
今
(
いま
)
か
今
(
いま
)
かと
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
ける
心
(
こゝろ
)
ほど
苛
(
つら
)
いものはなかつた。
彼
(
かれ
)
は
御米
(
およね
)
の
肩
(
かた
)
を
揉
(
も
)
みながらも、
絶
(
た
)
えず
表
(
おもて
)
の
物音
(
ものおと
)
に
氣
(
き
)
を
配
(
くば
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
万はそう言って、妻のおきんが運んで来た餅桶の中から二切れずつの餅を取っては、子供達の手に
配
(
くば
)
って行った。
手品
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
急いで鼻緒をすげてしまった頃には、二人のうしろ影はもう小半丁も遠くなっているのを、見失うまいと眼を
配
(
くば
)
りながら、長三郎は足早に追って行った。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
洋一は唐物屋の前まで来ると、飾り窓を
後
(
うしろ
)
に
佇
(
たたず
)
みながら、大通りを通る人や車に、
苛立
(
いらだ
)
たしい視線を
配
(
くば
)
り始めた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
配
(
くば
)
り曾て
外々
(
ほか/\
)
の者とは事變り其辛抱は
餘所目
(
よそめ
)
にも見ゆる程なれば近所近邊の者に至る
迄
(
まで
)
伊勢五の
忠義
(
ちうぎ
)
者
々々
(
/\
)
と評判高く一年々々と
年
(
とし
)
重
(
かさ
)
なりて終に二十年を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
つまりあの
方
(
かた
)
を
見失
(
みうし
)
わない
様
(
よう
)
にしてみんなが
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
ってる
証拠
(
しょうこ
)
なの。さあさ、そんなに
趾
(
あしゆび
)
を
内側
(
うちがわ
)
に
曲
(
ま
)
げないで。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
二人とも、そこに突っ立ったまま、両手をポケットに入れ、
素知
(
そし
)
らぬ顔で、
踏段
(
ふみだん
)
のほうに気を
配
(
くば
)
っている。と、やがて、にんじんは、レミイを
肱
(
ひじ
)
で
小突
(
こづ
)
く。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
狼狽の眼を、急に、あたりへ
配
(
くば
)
ると、梅軒は、顔のまえで強くカラカラ廻っている風車に、初めて気づいて
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女優B′ 先生はまだお一人でいらつしやるんだらうから、身の廻りのお世話なんか、よく気を
配
(
くば
)
つてね。
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
そこには、
蚊
(
か
)
や、ぶとや、はちや、
小鳥
(
ことり
)
などが
棲
(
す
)
んでいます。それらに
対
(
たい
)
しても、この
池
(
いけ
)
の
王
(
おう
)
さまであるかわずは、いちいち
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
らなければなりませんでした。
太陽とかわず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分ばかりが
博識
(
ものしり
)
がるものなり、
菊塢
(
きくう
)
は
奥州
(
おうしう
)
よりボツト出て、
堺町
(
さかひてう
)
の
芝居茶屋
(
しばゐぢやや
)
和泉屋
(
いづみや
)
勘
(
かん
)
十
郎
(
らう
)
方
(
かた
)
の
飯焚
(
めしたき
)
となり、
気転
(
きてん
)
が
利
(
き
)
くより店の
若衆
(
わかいしゆ
)
となり、
客先
(
きやくさき
)
の
番附
(
ばんづけ
)
配
(
くば
)
りにも
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
尤も今も云うように瞳は或る一点を
睨
(
にら
)
みつめたまゝであり、
纔
(
わず
)
かに視野に這入って来るものを眼の
角
(
すみ
)
に感じたゞけであるが、それでいて彼は人々の様子に気を
配
(
くば
)
り
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
夫
(
それ
)
にまだ
世間
(
せけん
)
には
売物
(
ばいぶつ
)
にないと
云
(
い
)
ふ
結構
(
けつこう
)
なお
下物
(
さかな
)
でせう
何
(
なん
)
だか名も知らない
美味物許
(
うまいものばかり
)
なんで
吾知
(
われし
)
らず
大変
(
たいへん
)
に
酔
(
よ
)
つちまひました、
夫
(
それ
)
ゆゑ
何方様
(
どちらさま
)
へも
番附
(
ばんづけ
)
を
配
(
くば
)
らずに
帰
(
かへ
)
つたので
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
灌仏というのは、四月八日の釈迦の誕生日に寺で
灌仏会
(
かんぶつえ
)
というものを修じ、参詣人に甘茶などを
配
(
くば
)
るのである。これはその灌仏の日に寺に一人の児がいるのが人の目につく。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
吉良上野介は、お
掛縁
(
かけえん
)
に控えて、最後に、すべての
配
(
くば
)
りはよいかと、あたりを見廻した。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私
(
わたくし
)
も
少年
(
せうねん
)
も、
今猶
(
いまな
)
ほ十
數日
(
すうにち
)
以來
(
いらい
)
の
疲勞
(
つかれ
)
を
感
(
かん
)
じて
居
(
を
)
るので、
其樣
(
そんな
)
に
高歩
(
たかある
)
きする
氣遣
(
きづかひ
)
はないが、まして
此
(
この
)
注意
(
ちうゐ
)
があつたので、
一層
(
いつそう
)
心
(
こゝろ
)
を
配
(
くば
)
り、
食後
(
しよくご
)
は、
日記
(
につき
)
を
書
(
か
)
いたり、
少年
(
せうねん
)
と
二人
(
ふたり
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
乳母
御方樣
(
おんかたさま
)
が
只今
(
たゞいま
)
お
居間
(
ゐま
)
へ
入
(
い
)
らせられます。
夜
(
よ
)
は
明
(
あ
)
けた、もし、
油斷
(
ゆだん
)
なう
心
(
こゝろ
)
を
配
(
くば
)
って。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
各の町に一體づつの觀世音を祭る、物日にはそれぞれある店の一部を借りて開帳し、これに侍づくわかい娘たちは參詣の人にくろ豆を
配
(
くば
)
り、或は小屋をかけていろいろの
催
(
もよふし
)
をする。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一
同
(
どう
)
は
足音
(
あしおと
)
を
忍
(
しの
)
ばせて、
襖
(
ふすま
)
の
開
(
あ
)
けたてにも
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
りながら、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
て
行
(
い
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
何
(
なに
)
か
出
(
で
)
たかと
問
(
と
)
ひながらも、
眼
(
め
)
を四
方
(
はう
)
に
配
(
くば
)
つて
見
(
み
)
ると、
掘出
(
ほりだ
)
した
貝
(
かひ
)
は、
一々
(
いち/\
)
篩
(
ふるひ
)
で
振
(
ふる
)
つて、
貝
(
かひ
)
は
貝
(
かひ
)
だけとして、
山
(
やま
)
の
如
(
ごと
)
く
積
(
つ
)
んである。
破片
(
はへん
)
が
其所此所
(
そこここ
)
に
散亂
(
さんらん
)
して
居
(
ゐ
)
る。
胸
(
むね
)
は
土器々々
(
どき/\
)
である。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
松明
(
たいまつ
)
を
咬
(
か
)
んだ
火串
(
ほぐし
)
は円形にその草野を包んで立てられた。集った
宮人
(
みやびと
)
たちには、鹿の肉片と、松葉で造った
麁酒
(
そしゅ
)
や
醨
(
もそろ
)
の酒が
配
(
くば
)
られ、
大夫
(
たいぶ
)
や
使部
(
しぶ
)
には、
和稲
(
にぎしね
)
から作った
諸白酒
(
もろはくざけ
)
が与えられた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
おんつぁんは始終あたりに眼を
配
(
くば
)
らなければならないやうな境涯にゐたのだ。
骨
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
先
(
ま
)
づ
與力
(
よりき
)
どもを
威
(
おど
)
かし
付
(
つ
)
けて
置
(
お
)
いて、それから
町家
(
ちやうか
)
の
上
(
うへ
)
に
眼
(
め
)
を
配
(
くば
)
つた。すると
其處
(
そこ
)
には、あらゆる
腐敗
(
ふはい
)
が、
鼻持
(
はなも
)
ちもならぬまでにどろ/\と、
膿汁
(
うみしる
)
のやうな
臭氣
(
しうき
)
を八
方
(
ぱう
)
に
流
(
なが
)
してゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
自然の
配
(
くば
)
る
賜
(
たまもの
)
の一番上等なものですのに。3105
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
火星
(
くわせい
)
では一日に二
回
(
くわい
)
食物
(
しよくもつ
)
を
市民
(
しみん
)
に
配
(
くば
)
ります
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
荷物
(
にもつ
)
といふは
大八
(
だいはち
)
に
唯
(
たゞ
)
一
(
ひと
)
くるま
來
(
きた
)
りしばかり、
兩隣
(
りやうどなり
)
にお
定
(
さだ
)
めの
土産
(
みやげ
)
は
配
(
くば
)
りけれども、
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
は
引越
(
ひつこし
)
らしき
騷
(
さわ
)
ぎもなく
至極
(
しごく
)
寂寞
(
ひつそり
)
とせしものなり。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
廣
(
ひろ
)
くもない
畑
(
はたけ
)
へ
残
(
のこ
)
らずが一
度
(
ど
)
に
鍬
(
くは
)
を
入
(
い
)
れるので
各
(
おの/\
)
が
互
(
たがひ
)
に
邪魔
(
じやま
)
に
成
(
な
)
りつゝ
人數
(
にんず
)
の
半
(
なかば
)
は
始終
(
しじう
)
鍬
(
くは
)
の
柄
(
え
)
を
杖
(
つゑ
)
に
突
(
つ
)
いては
立
(
た
)
つて
遠
(
とほ
)
くへ
目
(
め
)
を
配
(
くば
)
りつゝ
笑
(
わら
)
ひさゞめく。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……何よりの証拠には、まず敵は、七尾とこことの中間、
敷浪
(
しきなみ
)
にも兵をやり、津幡とこことの間の
川尻
(
かわじり
)
にも、
逸早
(
いちはや
)
く、兵を
配
(
くば
)
っている。なんのためか、存じておるか
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
配
(
くば
)
り
先
(
まづ
)
品川新宿板橋千住の
大出口
(
おほでぐち
)
四ヶ所へは人數千人
宛
(
づつ
)
固
(
かため
)
させ其外九ヶ所の
出口
(
でぐち
)
へは人數五百人
宛
(
づつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其
(
そ
)
の
席
(
せき
)
に
配
(
くば
)
つた、
座蒲團
(
ざぶとん
)
一
(
ひと
)
つ
一
(
ひと
)
つの
卓
(
たく
)
の
上
(
うへ
)
に、
古色
(
こしよく
)
やゝ
蒼然
(
さうぜん
)
たらむと
欲
(
ほつ
)
する
一錢銅貨
(
いつせんどうくわ
)
がコツンと
一個
(
いつこ
)
。
座
(
ざ
)
にひらきを
置
(
お
)
いて、
又
(
また
)
コツンと
一個
(
いつこ
)
、
會員
(
くわいゐん
)
の
數
(
すう
)
だけ
載
(
の
)
せてある。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私は、お茶の時に
配
(
くば
)
られた貴重な黒パンの
切
(
きれ
)
を二人の請求者の間に分けたことが幾度もあつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「薬がおさまるようになれば、もうしめたものだ。だがちっとは長びくだろうし、
床上
(
とこあ
)
げの時分は暑かろうな。こいつは一つ
赤飯
(
せきはん
)
の代りに、氷あずきでも
配
(
くば
)
る事にするか。」
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それでも、彼女は、ルピック氏から眼を離さずに、心を四方に
配
(
くば
)
っているのである。彼女は、気がきくという点で、彼を感心させ、自分の値打ちを認めてもらおうというのだ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
また、
先頭
(
せんとう
)
のからすは、
行
(
ゆ
)
く
手
(
て
)
にあった
野原
(
のはら
)
や、
河
(
かわ
)
や、
海浜
(
かいひん
)
や、
村
(
むら
)
や、
町
(
まち
)
などにも
注意
(
ちゅうい
)
を
配
(
くば
)
らなければなりません。いつ、どんなものが、
自分
(
じぶん
)
たちを
狙
(
ねら
)
うかわからないからです。
翼の破れたからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
暗
(
くら
)
い
部屋
(
へや
)
の
片隅
(
かたすみ
)
へ、
今
(
いま
)
しもおせんが、
辺
(
あたり
)
に
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
りながら、
胸
(
むね
)
一
杯
(
ぱい
)
に
抱
(
かか
)
え
出
(
だ
)
したのは、つい
三日前
(
みっかまえ
)
の
夜
(
よる
)
、
由斎
(
ゆうさい
)
の
許
(
もと
)
から
駕籠
(
かご
)
に
乗
(
の
)
せて
届
(
とど
)
けてよこした、八百
屋
(
や
)
お七の
舞台姿
(
ぶたいすがた
)
をそのままの
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
銘々
(
めい/\
)
勝手
(
かつて
)
に
分
(
わか
)
つた々々と
自分
(
じぶん
)
の
議論
(
ぎろん
)
に
都合
(
つがふ
)
の
好
(
い
)
い
方
(
はう
)
にのみ
眼
(
め
)
を
配
(
くば
)
つて、
毫
(
がう
)
も
學術的研究
(
がくじゆつてきけんきう
)
は
行
(
おこな
)
はれず、一
方
(
ぱう
)
は
後
(
あと
)
から
彌生式
(
やよひしき
)
が
混入
(
こんにふ
)
したと
云
(
い
)
ひ、一
方
(
ぱう
)
は、
否
(
いな
)
、
然
(
しか
)
らずと
云
(
い
)
ひ。
水掛論
(
みづかけろん
)
で
終
(
をは
)
つて
了
(
しま
)
つた。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其
(
その
)
翌日
(
よくじつ
)
は、
漂流
(
へうりう
)
以來
(
いらい
)
はじめて
少
(
すこ
)
し
心
(
こゝろ
)
が
落付
(
おちつ
)
いて、
例
(
れい
)
の
雨水
(
あめみづ
)
を
飮
(
の
)
み、
沙魚
(
ふか
)
の
肉
(
にく
)
に
舌皷
(
したつゞみ
)
打
(
う
)
ちつゝ、
島影
(
しまかげ
)
は
無
(
な
)
きか、
滊船
(
きせん
)
の
煙
(
けむり
)
は
見
(
み
)
へぬかと
始終
(
しじう
)
氣
(
き
)
を
配
(
くば
)
る、けれど
此
(
この
)
日
(
ひ
)
は
何物
(
なにもの
)
も
眼
(
まなこ
)
を
遮
(
さへぎ
)
るものとてはなく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
なにをいうにも狭いところに大勢ごたごたしているのと、他の人達はみな自分たちが係り合いの踊り子にばかり気を
配
(
くば
)
っていたのとで、おていがいつの間にどうしたのか誰も知っている者はなかった。
半七捕物帳:39 少年少女の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
我門に来さうにしたり
配
(
くば
)
り
餅
(
もち
)
一茶
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
氣を
配
(
くば
)
つて居るだけのことです。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
はなし
乘
(
の
)
る
人
(
ひと
)
は
猶更
(
なほさら
)
なからんを
何
(
なに
)
を
待
(
ま
)
つとか
馬鹿
(
ばか
)
らしさよと
他目
(
よそめ
)
には
見
(
み
)
ゆるゐものからまだ
立去
(
たちさ
)
りもせず
前後
(
ぜんご
)
に
目
(
め
)
を
配
(
くば
)
るは
人待
(
ひとま
)
つ
心
(
こゝろ
)
の
絶
(
た
)
えぬなるべし
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
主の高氏から受けて来た密命も、あえないムダ骨折りに終ったかと、一時は落胆の余り茫然としたが、次の日からは、城内にいて
配
(
くば
)
る眼も、おのずから違って来ていた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白は犬殺しに目を
配
(
くば
)
りながら、じりじり
後
(
あと
)
すざりを始めました。そうしてまた
生垣
(
いけがき
)
の蔭に犬殺しの姿が隠れるが早いか、
可哀
(
かわい
)
そうな黒を残したまま、
一目散
(
いちもくさん
)
に逃げ出しました。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
配
常用漢字
小3
部首:⾣
10画
“配”を含む語句
心配
配偶
配合
気配
分配
配下
支配人
配慮
目配
配偶者
手配
眼配
年配
配達
御心配
差配人
郵便配達
氣配
配分
勾配
...