“使部”の読み方と例文
読み方割合
しぶ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奴国なこくの宮からは、面部の玦形けっけい刺青ほりものつぶされた五人の使部しぶが、偵察兵となって不弥うみの国へ発せられた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
広間の中では、君長ひとこのかみは二人の宿禰すくねと、数人の童男と使部しぶとを傍に従えて、前方の蒸被むしぶすまの方を眺めていた。数箇の燈油の皿に燃えている燈火は、一様に君長の方へ揺れていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
宿禰のいばらの根で作ったつえは若者の方へ差し向けられた。たちまち、使部しぶたちの剣は輝いた。若者は突っ立ち上ると、つかんだ粟を真先に肉迫する使部の面部へ投げつけた。剣を抜いた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)