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年頃
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としごろ
ふりがな文庫
“
年頃
(
としごろ
)” の例文
しかもリザヴェッタは世間の青年たちが追い廻している、
面
(
つら
)
の皮の厚い、心の冷たい、
年頃
(
としごろ
)
の娘たちよりは百層倍も可愛らしかった。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
十四、五になる
大概
(
たいがい
)
の
家
(
いえ
)
の
娘
(
むすめ
)
がそうであるように、
袖子
(
そでこ
)
もその
年頃
(
としごろ
)
になってみたら、
人形
(
にんぎょう
)
のことなぞは
次第
(
しだい
)
に
忘
(
わす
)
れたようになった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
感心なし事急ぐなれば
摘
(
つま
)
んで咄さんが某し江戸表に奉公なし
年頃
(
としごろ
)
給金其外とも
溜置
(
ためおき
)
し金百五十兩程に成たり依て此度古郷へ立ち歸り家を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
こそならべて
見
(
み
)
たしと
我
(
われ
)
すら
思
(
おも
)
ふに
御自身
(
ごじしん
)
は
尚
(
なほ
)
なるべし
及
(
およ
)
ぶまじきこと
打出
(
うちだ
)
して
年頃
(
としごろ
)
の
中
(
なか
)
うとくもならば
何
(
なに
)
とせん
夫
(
それ
)
こそは
悲
(
かな
)
しかるべきを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
年頃
(
としごろ
)
遠野郷の昔の話をよく知りて、誰かに話して聞かせ置きたしと
口癖
(
くちぐせ
)
のようにいえど、あまり
臭
(
くさ
)
ければ立ち寄りて聞かんとする人なし。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
娘が二人
辱
(
はずか
)
しめられ、村中の若い女は震え上り、
年頃
(
としごろ
)
の娘をもつ親は急いで東京に奉公に出すやら、無銭飲食を恐れて急に酒樽を隠すやら
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
けれども三
人
(
にん
)
とも
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
動
(
うご
)
かさない。そして五六
人
(
にん
)
の
同
(
おな
)
じ
年頃
(
としごろ
)
の
小供
(
こども
)
がやはり
身動
(
みうご
)
きもしないで
婆
(
ばあ
)
さん
達
(
たち
)
の
周圍
(
まはり
)
を
取
(
と
)
り
卷
(
ま
)
いて
居
(
ゐ
)
るのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「そんだが
娘
(
むすめ
)
も
年頃
(
としごろ
)
來
(
き
)
てんのに
遣
(
や
)
るとかとるとかしねえぢや
可哀相
(
かあいさう
)
だよなあ」
婆
(
ばあ
)
さん
等
(
ら
)
の
口
(
くち
)
はそれからそれと
竭
(
つ
)
きなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
○
茲
(
ここ
)
に
吾
(
わ
)
が
住
(
すむ
)
近在
(
きんざい
)
に
后谷村
(
ごやむら
)
といふあり。此村の弥左ヱ門といふ
農夫
(
のうふ
)
、
老
(
おい
)
たる
双親
(
ふたおや
)
年頃
(
としごろ
)
のねがひにまかせ、秋のはじめ信州善光寺へ
参詣
(
さんけい
)
させけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
一例を挙げると、もし坊さんに女の子があって、その女の子が
年頃
(
としごろ
)
になったとすると、
檀家
(
だんか
)
のものが相談して、どこか適当な所へ嫁にやってくれます。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人が、もしこれを性の欲望に関する変態のものだったろうと言うなら、
或
(
あるい
)
はそうかも知れないと答えよう。
丁度
(
ちょうど
)
、
年頃
(
としごろ
)
もその説を
当嵌
(
あては
)
めるに
妥当
(
だとう
)
である。
桃のある風景
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「あら、よし子さんじゃいらッしゃいませんか。」と同じ
年頃
(
としごろ
)
、同じような
風俗
(
みなり
)
の同じような丸髷が声をかけた。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
潮
(
うしお
)
のように近づいてきたかと思うと、やがて
青々
(
あおあお
)
とした草の
波
(
なみ
)
から、おなじ
年頃
(
としごろ
)
の少年ばかりが二十人ほど、まっ黒になって、
竹童
(
ちくどう
)
のほうへなだれてくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女は、そろそろ四十歳に近い
年頃
(
としごろ
)
に思える。上品な紺いろの明石らしい和服を着て、同じテーブルには、娘だろう、肩をむき出したピンクの服の少女がいる。
十三年
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
シューラは
急
(
いそ
)
いでポケットの中から、この
年頃
(
としごろ
)
の男の子につきものになっている
他愛
(
たあい
)
のない
品々
(
しなじな
)
を、すっかり出して見せた——それから
両方
(
りょうほう
)
のポケットもひっくり
返
(
かえ
)
した。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
『でも、
可愛
(
かあい
)
い
犬
(
いぬ
)
ころだッたわね!』
息
(
やす
)
まうとして
毛莨
(
キンポーゲ
)
に
凭
(
よ
)
り
掛
(
かゝ
)
つた
時
(
とき
)
に、
其葉
(
そのは
)
の一
枚
(
まい
)
を
取
(
と
)
つて
扇
(
あふ
)
ぎながら
愛
(
あい
)
ちやんが
云
(
い
)
ひました、『
私
(
わたし
)
が
若
(
も
)
しそんな
事
(
こと
)
をする
年頃
(
としごろ
)
ならば、 ...
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
けれどもそれはあなた
方
(
がた
)
の
年頃
(
としごろ
)
では、
細
(
こま
)
かに
説
(
と
)
いてもむりですから、もっと
長
(
なが
)
く
歌
(
うた
)
に
親
(
した
)
しんで
貰
(
もら
)
つて、
自分自身
(
じぶんじしん
)
の
批評
(
ひひよう
)
が
出來
(
でき
)
るまでは、まづよい
歌
(
うた
)
だと
考
(
かんが
)
へて
置
(
お
)
いて
下
(
くだ
)
さい。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
幾
(
いく
)
ら眠っても寝足りない
年頃
(
としごろ
)
の奉公人共は床に這入るとたちまちぐっすり寝入ってしまうから苦情をいう者はいなかったけれども佐助は皆が
熟睡
(
じゅくすい
)
するのを待って起き上り
布団
(
ふとん
)
を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その火の光りでこゝに
居
(
を
)
ります女を見ると、
年頃
(
としごろ
)
は三十二三
服装
(
なり
)
は
茶弁慶
(
ちやべんけい
)
の
上田
(
うへだ
)
の
薄
(
うす
)
い
褞袍
(
どてら
)
を
被
(
き
)
て
居
(
を
)
りまして、
頭髪
(
つむり
)
は
結髪
(
むすびがみ
)
でございまして、
目
(
め
)
もとに
愛嬌
(
あいけう
)
のある
仇
(
あだ
)
めいた女ですが
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さるほどに弟も生長して
年頃
(
としごろ
)
となりしかば、縁ありしを
幸
(
さいわい
)
として兄はそのため
婦
(
つま
)
を迎へ
遣
(
や
)
りしに、この婦心狭くして
良
(
よ
)
からぬものなりしゆゑ夫に
対
(
むか
)
ひて、
汝
(
おんみ
)
はあたかも
奴隷
(
しもべ
)
のやうなり
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかるにそれが
年頃
(
としごろ
)
になると、この自覚を感じ、人の前に出ると恥かしくなり、ことに婦人の前に出ると、前に述べたる生理上の関係のみならず、
容貌
(
ようぼう
)
の
醜
(
しゅう
)
なるを恥じて気が弱くなる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ふと
眼
(
め
)
を
我
(
わが
)
歩
(
あゆ
)
み
行
(
ゆ
)
く
街路
(
がいろ
)
の
前方
(
ぜんぽう
)
に
向
(
む
)
けた。五六
間
(
けん
)
先
(
さき
)
から
年頃
(
としごろ
)
の
娘
(
むすめ
)
が歩いて來る。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
おそよは十八、おつぎは十六、どっちも
年頃
(
としごろ
)
の若い娘であるから、世にいう
恋煩
(
こいわずら
)
いのたぐいではないかとも疑われたが、ひとりならず、姉妹揃っておなじ恋煩いというのも少しおかしい。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此
(
これ
)
が
年頃
(
としごろ
)
になったのでございますから、
縁談
(
えんだん
)
の
口
(
くち
)
は
諸方
(
しょほう
)
から
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
るようにかかりましたが、
俚諺
(
ことわざ
)
にも
帯
(
おび
)
に
短
(
みじ
)
かし
襷
(
たすき
)
に
長
(
なが
)
しとやら、なかなか
思
(
おも
)
う
壺
(
つぼ
)
にはまったのがないのでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
おせんも
年頃
(
としごろ
)
、
好
(
す
)
きなお
客
(
きゃく
)
の
一人
(
ひとり
)
くらいはあろうかと、
折節
(
おりふし
)
のお
母
(
っか
)
さんの
心配
(
しんぱい
)
も、あたしの
耳
(
みみ
)
には
上
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
。
火
(
ひ
)
あぶりで
死
(
し
)
んだお七が
羨
(
うらや
)
ましいと、あたしゃいつも、
思
(
おもい
)
い
続
(
つづ
)
けてまいりました。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
口に出して言いつけられぬうちに、何の用事でも果たすような、
敏捷
(
びんしょう
)
な若者で、武芸は同じ
年頃
(
としごろ
)
の
同輩
(
どうはい
)
に、
傍
(
そば
)
へ寄りつく者もないほどであった。それに遊芸が巧者で、ことに
笛
(
ふえ
)
を
上手
(
じょうず
)
に
吹
(
ふ
)
いた。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
(右の方に向き、耳を
聳
(
そばだ
)
てて聞く様子にて立ちおる。)何だか
年頃
(
としごろ
)
聞きたく思っても聞かれなかった
調
(
しらべ
)
ででもあるように、身に沁みて聞える。
限
(
かぎり
)
なき
悔
(
くい
)
のようにもあり、限なき希望のようにもある。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
「この子は、
嫁
(
よめ
)
様にもなる
年頃
(
としごろ
)
で、食うこツばかり云いよる」
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
我は
年頃
(
としごろ
)
恋をして
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
しかし、
袖子
(
そでこ
)
はまだ
漸
(
ようや
)
く
高等小学
(
こうとうしょうがく
)
の一
学年
(
がくねん
)
を
終
(
お
)
わるか
終
(
お
)
わらないぐらいの
年頃
(
としごろ
)
であった。
彼女
(
かのじょ
)
とても
何
(
なに
)
かなしにはいられなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
年頃
(
としごろ
)
愛
(
めで
)
玉ひたる梅にさへ別れををしみたまひて「
東風
(
こち
)
吹
(
ふか
)
ば匂ひをこせよ梅の花
主
(
あるじ
)
なしとて春な
忘
(
わすれ
)
ぞ」此梅つくしへ
飛
(
とび
)
たる事は
挙世
(
よのひと
)
の知る処なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
の
奉公
(
ほうこう
)
して
獲
(
え
)
た
給料
(
きふれう
)
を
自分
(
じぶん
)
の
身
(
み
)
に
費
(
つひや
)
して
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
では
餘所目
(
よそめ
)
には
疑
(
うたが
)
はれる
年頃
(
としごろ
)
の卅
近
(
ぢか
)
くまで
獨身
(
どくしん
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
繼續
(
けいぞく
)
した。
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
に
彼
(
かれ
)
は
黴毒
(
ばいどく
)
を
病
(
や
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
年頃
(
としごろ
)
廿一二の女
惣身
(
そうしん
)
に
打疵
(
うちきず
)
多
(
おほく
)
して
殺
(
ころし
)
候樣子に相見申候尤も
衣類
(
いるゐ
)
は
紬縞小袖
(
つむぎじまこそで
)
二枚を着し
黒純子
(
くろどんす
)
の
龍
(
りう
)
の
模樣
(
もやう
)
織出
(
おりだし
)
の丸
帶
(
おび
)
を
締
(
しめ
)
面部
(
めんぶ
)
眉
(
まゆ
)
左
(
ひだり
)
の方に
古
(
ふる
)
き
疵
(
きず
)
の
痕
(
あと
)
相見
(
あひみえ
)
候
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
兄の二人、弟の一人と、姉婿が棺側に附いて、最早墓守夫妻が其亡くなった姉をはじめて識った頃の
年頃
(
としごろ
)
になった彼女の妹が、紫の袴をはいて位牌を持った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
築地のこの
界隈
(
かいわい
)
にはお
妾新道
(
めかけじんみち
)
という処もある位で妾が大勢住んでいる。
堅気
(
かたぎ
)
の女房も赤い
手柄
(
てがら
)
をかける位の
年頃
(
としごろ
)
のものはお妾に見まがうような身なりをしている。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
仕立
(
したて
)
かけの
縫物
(
ぬひもの
)
に
針
(
はり
)
どめして
立
(
た
)
つは
年頃
(
としごろ
)
二十餘
(
はたちあま
)
りの
意氣
(
いき
)
な
女
(
をんな
)
、
多
(
おほ
)
い
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
忙
(
いそが
)
しい
折
(
をり
)
からとて
結
(
むす
)
び
髮
(
がみ
)
にして、
少
(
すこ
)
し
長
(
なが
)
めな
八丈
(
はちぢやう
)
の
前
(
まへ
)
だれ、お
召
(
めし
)
の
臺
(
だい
)
なしな
半天
(
はんてん
)
を
着
(
き
)
て
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
今日
(
けふ
)
始
(
はじ
)
めて
自然
(
しぜん
)
の
昔
(
むかし
)
に帰るんだ」と
胸
(
むね
)
の
中
(
なか
)
で云つた。
斯
(
か
)
う云ひ得た時、彼は
年頃
(
としごろ
)
にない安慰を
総身
(
そうしん
)
に覚えた。
何故
(
なぜ
)
もつと早く
帰
(
かへ
)
る事が出来なかつたのかと思つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それからこういう人たちは手引のために、眼の見える娘を育てて使ったが、それは奉公人と同じで、
年頃
(
としごろ
)
になれば縁に付け、是にも絶対に
叨
(
みだ
)
らな行儀は無かったと
謂
(
い
)
っている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さすがに
辺鄙
(
ひな
)
でも
媚
(
なまめ
)
き立つ
年頃
(
としごろ
)
だけに
紅
(
あか
)
いものや青いものが遠くからも見え渡る
扮装
(
つくり
)
をして、
小籃
(
こかご
)
を片手に、節こそ
鄙
(
ひな
)
びてはおれど清らかな高い
徹
(
とお
)
る声で、桑の
嫩葉
(
わかば
)
を
摘
(
つ
)
みながら歌を
唄
(
うた
)
っていて
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
年頃
(
としごろ
)
此辺にて殺生関白が辻切を物し侍るよし聞及びし、必定是なるべしと思ひつゝ、かく盲目と成さへに、
如何
(
いか
)
なる
悪業
(
あくごふ
)
にせめられて、此身と成ぬるよとかなしく存候に、如何してながらふべき
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
○
茲
(
ここ
)
に
吾
(
わ
)
が
住
(
すむ
)
近在
(
きんざい
)
に
后谷村
(
ごやむら
)
といふあり。此村の弥左ヱ門といふ
農夫
(
のうふ
)
、
老
(
おい
)
たる
双親
(
ふたおや
)
年頃
(
としごろ
)
のねがひにまかせ、秋のはじめ信州善光寺へ
参詣
(
さんけい
)
させけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
勘次
(
かんじ
)
さん
彼女
(
あれ
)
げ
焦
(
こが
)
れたんぢやあんめえ、
尤
(
もつと
)
も
年頃
(
としごろ
)
は
持
(
も
)
つゝけだから
連
(
つれ
)
つ
子
(
こ
)
の
一人
(
ひとり
)
位
(
ぐれえ
)
は
我慢
(
がまん
)
も
出來
(
でき
)
らあな、そんだがあれつ
切
(
き
)
り
來
(
き
)
なくなつちやつて
困
(
こま
)
つたな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
男
(
をとこ
)
はまだ
初
(
はじ
)
めてと
云
(
い
)
ふ
年頃
(
としごろ
)
であるが、
気
(
き
)
の
持
(
も
)
ちやう
一
(
ひと
)
ツで、
女
(
をんな
)
ならば
誰
(
だれ
)
にでも
出来
(
でき
)
る
商売
(
しやうばい
)
のこと。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
客
(
きやく
)
は
結城朝之助
(
ゆふきとものすけ
)
とて、
自
(
みづか
)
ら
道樂
(
だうらく
)
ものとは
名
(
な
)
のれども
實体
(
じつてい
)
なる
處
(
ところ
)
折々
(
をり/\
)
に
見
(
み
)
えて
身
(
み
)
は
無職業
(
むしよくげふ
)
妻子
(
さいし
)
なし、
遊
(
あそ
)
ぶに
屈強
(
くつきやう
)
なる
年頃
(
としごろ
)
なればにや
是
(
こ
)
れを
初
(
はじ
)
めに一
週
(
しゆう
)
には二三
度
(
ど
)
の
通
(
かよ
)
ひ
路
(
ぢ
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
隣
(
とな
)
りのお
勇
(
ゆう
)
さんもあの『おばこ』を
採
(
と
)
つて
來
(
き
)
て
織
(
お
)
ることを
樂
(
たのし
)
みにするやうな
幼
(
をさな
)
い
年頃
(
としごろ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
かう
云
(
い
)
ふ
惡戯
(
いたづら
)
をする
年頃
(
としごろ
)
の
娘
(
むすめ
)
は
固
(
もと
)
よりの
事
(
こと
)
、
子供
(
こども
)
と
云
(
い
)
ふ
子供
(
こども
)
を
育
(
そだ
)
て
上
(
あ
)
げた
經驗
(
けいけん
)
のない
宗助
(
そうすけ
)
は、
此
(
この
)
小
(
ちひ
)
さい
赤
(
あか
)
い
夜具
(
やぐ
)
の
尋常
(
じんじやう
)
に
日
(
ひ
)
に
干
(
ほ
)
してある
有樣
(
ありさま
)
をしばらく
立
(
た
)
つて
眺
(
なが
)
めてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
教へ居し内
年頃
(
としごろ
)
にて相成候へば
何處
(
どこ
)
ぞへ
奉公
(
ほうこう
)
に出し度由お三婆より私へ頼みに付私し右娘を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
年頃
(
としごろ
)
此山中を経過すれども、未だ見たること無き処なれば、始めて道に迷ひたることを悟り、
且
(
かつ
)
は山の広大なることを思ひ、歎息してたゝずみしが、
偶〻
(
たまたま
)
あたりの谷蔭に人語の聴えしまゝ
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
年頃
(
としごろ
)
愛
(
めで
)
玉ひたる梅にさへ別れををしみたまひて「
東風
(
こち
)
吹
(
ふか
)
ば匂ひをこせよ梅の花
主
(
あるじ
)
なしとて春な
忘
(
わすれ
)
ぞ」此梅つくしへ
飛
(
とび
)
たる事は
挙世
(
よのひと
)
の知る処なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
蘿月は机を離れて座敷の
真中
(
まんなか
)
に坐り直ったが、
襷
(
たすき
)
をとりながら
這入
(
はい
)
って来る妻のお
滝
(
たき
)
と来訪のお豊、同じ
年頃
(
としごろ
)
の老いた女同士は
幾度
(
いくたび
)
となくお辞儀の
譲合
(
ゆずりあい
)
をしては長々しく
挨拶
(
あいさつ
)
した。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
頃
常用漢字
中学
部首:⾴
11画
“年”で始まる語句
年
年齢
年増
年紀
年老
年月
年寄
年嵩
年長
年暮