“としごろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
年頃29.9%
妙齢26.6%
年齢7.1%
年来6.5%
年比5.8%
年輩5.2%
年紀3.9%
妙齡2.6%
年來2.6%
年齡1.9%
年紀頃1.3%
年配1.3%
歳頃1.3%
芳紀1.3%
適齡0.6%
小嬢0.6%
年齢頃0.6%
旧来0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十四、五になる大概たいがいいえむすめがそうであるように、袖子そでこもその年頃としごろになってみたら、人形にんぎょうのことなぞは次第しだいわすれたようになった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「ヘヘヘ。博多中の妙齢としごろの娘の乳房の黒い、赤いを間違いなく存じておりまする者は、この赤猪口兵衛タッタ一人で。ヘヘヘ……」
この種の告白に、ぢつと耳を藉す年齢としごろ——少くとも、それだけの成熟にまだ達しないといふ見当がついてゐるためもあらう。
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
年来としごろになりければ平塚の宿に夜叉王やしゃおうといふ傾城けいせいのもとへ通ひて女子一人設けたり寅の年の寅の月の寅の日に生まれければその名を三虎御前とぞ呼ばれける。
しかれドモ三成討死シ給フト申スモノ一人モ無シ、其実否ヲ聞届ケ給フマデハ御待候ベシ、年比としごろ父三成ノ御恩深ク蒙シひじり高野山ニ候間暫御忍ビアレ、それがし御トモ可申ト頼シゲニ言ヒテンケレバ
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
夫れは下町の相場とて折かへして來るは無かりき、さるほどに此ほどの朝まだき四十に近かるべき年輩としごろの男、紡績織の浴衣ゆかたも少し色のさめたるを着て
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
女主人はわが何の爲めに問ひしかを疑ふものゝ如く、我面を暫し守りて二十八歳と答へつ。ジエンナロ。そはまことに好き年紀としごろにて、殊におん身には似あひたり。
さうしてこの中の資格は處女に限られ、縁づいたものは籍を除かれ、新らしい妙齡としごろのものが代つて入る。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
しやうにしつらひ、年來としごろ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
れしくるまたしかに香山家かやまけものなりとは、車夫しやふ被布はつぴぬひにもれたり、十七八とえしはうつくしさのゆゑならんが、年齡としごろむすめほかにりともかず、うはさの令孃ひめれならんれなるべし
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
名物赤福餅あかふくもちの旗、如月きさらぎのはじめ三日の夜嵐に、はたはたと軒をゆすり、じりじりと油が減って、早や十二時になんなんとするのに、客はまだ帰りそうにもしないから、その年紀頃としごろといい、容子ようすといい
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、もあらせず、今度は印半纏しるしばんてんた若いものに船をらせて、亭主らしい年配としごろ法体ほったいしたのがぎつけて、「これはこれは太夫様。」亭主も逸早いちはやくそれを知っていて、うやうやしく挨拶をした。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
領せし御旗本の二男主税之助ちからのすけと云へる者人品じんぴん歳頃としごろとも相應さうおうなるにより是を乞ひて嘉川の養子に貰ひし處に其後平助は藤五郎藤三郎と云へる二人の男子をまうけしかば主税之助をもらひしことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
芳紀としごろの春子さんに至ってはたもとくわえて突っ伏していた。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
亡夫やどが「これ、俯向うつむき轉倒ころばしゃったか? いま適齡としごろにならッしゃると仰向あふむけ轉倒ころばッしゃらう、なァ、いと?」といふとな、啼止なきだまって「あい」ぢゃといの。(笑ふ)。
カピ長 先度せんどまうしたとほりを繰返くりかへすまでゞござる。何分なにぶんにも世間せけん知らず、まだ十四度よどとはとし變移目かはりめをばむすめ、せめてもう二夏ふたなつ榮枯わかばおちばせいでは、適齡としごろともおもひかねます。
「ホホホホ、お嬢さんでもないわね私は。……でも、その小嬢としごろだった頃、わたし開封かいほうの都で育ったでしょ。そして近所が色街でしたからね、しぜん稽古事は、ずいぶん仕込まれてきたんですって」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と言つて、年齢頃としごろには頓着なく、箪笥の安いのを標準めやすかたづけられたものなのだ。
○さるほどに源教げんけういほりにかへりて、朝日あけのひ人をたのみて旧来としごろしたしきおなじ村の紺屋こんや七兵衛をまねき、昨夜かう/\の事ありしとおきく幽霊いうれいの㕝をこまかにかたり、お菊が亡魂まうこん今夜こよひかならずきたるべし