年紀頃としごろ)” の例文
「あら、あんなことを云って。こちらの早瀬さんなんかでも、ちょうど似合いの年紀頃としごろじゃありませんか。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
名物赤福餅あかふくもちの旗、如月きさらぎのはじめ三日の夜嵐に、はたはたと軒をゆすり、じりじりと油が減って、早や十二時になんなんとするのに、客はまだ帰りそうにもしないから、その年紀頃としごろといい、容子ようすといい
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
殊に靴までお隠しなさりますなぞは、ちと手重ておも過ぎまするで、どうも変でござりまするが、お年紀頃としごろ御容子ごようすは、先刻さっき申上げましたので、その方に相違ござりませぬか、お綺麗な、品のい、面長おもながな。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)