妙齡としごろ)” の例文
新字:妙齢
妙齡としごろいたらせたまひなば、あはれ才徳さいとくかねそなはり、希有けう夫人ふじんとならせたまはん。すなはち、ちかごろの流行りうかう良妻賢母りやうさいけんぼにましますべし。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さうしてこの中の資格は處女に限られ、縁づいたものは籍を除かれ、新らしい妙齡としごろのものが代つて入る。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ことに、その引手茶屋ひきてぢややには、丁度ちやうど妙齡としごろになるむすめ一人ひとりあつて、それがその吉原よしはらるといふことを、兼々かね/″\非常ひじやうきらつてる。むすめまち出度でたいとふ。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
萬事ばんじはうあひまかせる、此女このもの何處いづこにてもともなき、妙齡としごろれんまで、人目ひとめにかけずかくけ。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おそらく妙齡としごろむすめ横腹よこばらかゝへながらあるいたのも多度たんとはあるまいし、また帳場ちやうばつてあるいた女房かみさん澤山たんとはあるまい。うしても光景くわうけいが、吉原よしはら大門おほもんなか仕事しごとなんです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へんになつてなくなつたといひます——上州じやうしう安中あんなか旅藝者たびげいしやをしてゐたとき親知おやしらずでもらつたをんな方便はうべんぢやありませんか、もう妙齡としごろで……かゝへぢやあありましたが、なか藝者げいしやをしてゐて
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)