年齢としごろ)” の例文
旧字:年齡
それは、う云う訳なので御座いますよ。貴女はまだ、その道理がお解けになる年齢としごろでは御座いませんが、そう云う疑念うたがいが貴方の生長そだち
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
この種の告白に、ぢつと耳を藉す年齢としごろ——少くとも、それだけの成熟にまだ達しないといふ見当がついてゐるためもあらう。
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
年齢としごろは忘れたが、つまり薬屋の櫃台デスクがわたしの脊長せたけと同じ高さで、質屋のそれは、ほとんど倍増しの高さであった。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
年齢としごろは廿一二になる商人体あきんどていの人品のいゝ男で、盲縞めくらじまの脚絆甲掛こうがけも旅馴れた様子で、頻りに中食をしておりますと
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ふと小歌の年齢としごろに考え及ぼし、いつの間にか自分と夫婦になって、痴話もする苦説くぜつもする小鍋立もする合乗もする、恐い事恥しい事嬉しい事哀しい事面白い事可笑おかしい事
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
抱主かかえぬしの家へは自分の了簡りょうけんでも遠慮をするだけ、可愛い孫の顔は、長者星ほど宵から目先にちらつくので、同じ年齢としごろの、同じ風俗ふうの若いでも、同じ土地で見たさの余り、ふとこのに限って
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
総じてこの婦人には、憂鬱などこかに、謙譲な性格が隠されているように思われた。以上の三人は、年齢としごろ四十四、五と推察された。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
作「わしイ頼まれて少し相談ぶちにめえったが、お前等めえらうちに此の頃年齢としごろ二十二三のわけえ色のしれえ江戸者が来て居ると云う話、それにいて少し訳あってめえった」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「これは驚いた! 君はもうそんな年齢としごろになったのかね」と道化おどけした顔をしたが、法水は皮肉に微笑み返して
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
粥河圖書は年齢としごろ二十六七で、色の白い人品じんぴんひとで、尤も大禄を取った方は自然品格が違います。
漸々田本で中食をあつらえていると、側にいる客は年齢としごろ四十一二になる女で、衣裳なりは小弁慶の衣物きものに細かい縞の半纒を着ている商人体あきゅうどていのおかみさん、今一人は息子か供か
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
山之助が漸うに起上って燈火あかりで顔を見ると、成程年齢としごろは四十一二にして色白く、鼻筋通り、口元が締って眉毛の濃い、散髪の撫付なでつけで、額から小鬢こびんに掛けてきずが有りますなれども
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大きに草臥くたびれましたから茶店に腰を掛けて休んでいると、其処そこへ入って来たお百姓は年齢としごろ四十四五で、木綿のぼうた布子ぬのこに羽織を上に着て、千草ちくさの股引で、お納戸色なんどいろ足袋たび草鞋わらじ穿
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
側を見ると燈火あかりいて、見馴れぬ人計りいるから、びっくりしてキョト/\して居りますのを文治が見ると、年齢としごろ十六七で、目元に愛敬のある色の白い別嬪べっぴんですが、髪などは先々月の六日にったまゝ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)