少年せうねん)” の例文
て、ぷんかをりのたか抽斗ひきだしから、高尾たかを薄雲うすぐも一粒選ひとつぶえりところして、ずらりとならべてせると、くだん少年せうねん鷹揚おうやうたが
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたくしちうんで船室せんしつかたむかつた。昇降口しようかうぐちのほとり、出逢であひがしらに、下方したからのぼつてたのは、夫人ふじん少年せうねんとであつた。
二人ふたり少年せうねんとまつたいへは、隣村りんそんにもだたる豪家がうかであつた。もんのわきにはおほきなひいらぎが、あをそらにそヽりたつてゐた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
自分じぶん少年せうねんとは四五十けんへだたつてたが自分じぶんは一けんして志村しむらであることをつた。かれは一しんになつてるので自分じぶんちかづいたのにもつかぬらしかつた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
このひととうさんたちちがひまして、療治れうぢ東京とうきやうまで出掛でかけるといふことでした。なにしろとうさんはまだ九さい少年せうねんでしたから、草鞋わらぢをはくといふこと出來できません。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
孟子もうしはゝやおどろかん上達じようたつすみやかさ、うまいとめられて今宵こよひも一まわりと生意氣なまいきは七つ八つよりつのりて、やがてはかた置手おきてぬぐひ、鼻歌はなうたのそゝりぶし、十五の少年せうねんがませかたおそろし
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うれひある少年せうねんの眼にうらやみき
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
銀鞍ぎんあん少年せうねん玉駕ぎよくが佳姫かき、ともに恍惚くわうこつとしてたけなはなるとき陽炎かげろふとばりしづかなるうちに、木蓮もくれんはなひとひとみな乳房ちゝごとこひふくむ。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これは人形にんぎやうのやうにうごかない、風呂ふろなか少年せうねんおなじくこれを見物けんぶつしてるのだといふことが自分じぶんにやつとわかつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
夫人ふじん少年せうねんとをその船室キヤビンおくつて、明朝めうてうちぎつて自分じぶん船室へやかへつたとき八點鐘はつてんしよう號鐘がうしようはいと澄渡すみわたつて甲板かんぱんきこえた。
伯父をぢさんにいて東京とうきやうとうさんの道連みちづれには、きちさんといふ少年せうねんもありました。きちさんはおとなりの大黒屋だいこくや子息むすこさんで、てつさんやおゆうさんのにいさんにあたひとでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
つて、あかくなつたわたしあつくちびるでひつたりとひました。布団ふとん眼深まぶかかにかぶつた小鳩こばとのやうに臆病をくびやう少年せうねんはおど/\しながらも、おんなのするがまヽにまかせてゐた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
ほこらちかところ少年せうねんそうあり。かね聰明そうめいをもつてきこゆ。含春がんしゆん姿すがたて、愛戀あいれんじやうへず、柳氏りうしせい呪願じゆぐわんして、ひそか帝祠ていしたてまつる。ことばいは
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またわたくしがこれまで漫遊中まんゆうちう失策談しつさくばなしなどをかたつてかせて、相變あひかはらずかしたので、夫人ふじん少年せうねんをばその船室ケビンおくみ、明朝めうてうやくして其處そこつた。
全校ぜんかうたい腕白わんぱくでも數學すうがくでも。しかるに天性てんせいきなでは全校ぜんかうだい一の名譽めいよ志村しむらといふ少年せうねんうばはれてた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
祖父おぢいさんは學問がくもんひとでしたから、『三字文さんもじ』だの『勸學篇くわんがくへん』だのといふものを自分じぶんいて、それを少年せうねん讀本とくほんのやうにして、幼少ちひさ時分じぶんとうさんにをしへてれました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さうして少年せうねんのやぶれたこヽろはつくのはれたけれど、舞台ぶたいのうへで姫君ひめぎみのきられたといふことはわすれられない記臆きおくであつた。また赤毛布あかけつとうらをば、んだ姫君ひめぎみあるいたのも、不可思儀ふかしぎ発見はつけんであつた。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
以前いぜん少年せうねん手傳てつだつて、これからつゝみいて、人參にんじん卓子テエブル一杯いつぱい積上つみあげる。異香いかう室内しつない滿つ——で、たふとさが思遣おもひやられる。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これを對岸たいがんからうつすので、自分じぶんつゝみりて川原かはら草原くさはらると、いままで川柳かはやぎかげえなかつたが、一人ひとり少年せうねんくさうちすわつてしきりに水車みづぐるま寫生しやせいしてるのをつけた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一日あるひことで、十八九の一人ひとり少年せうねんうま打乘うちのり、荷鞍にぐらけた皮袋かはぶくろに、銀貨ぎんくわをざく/\とならしてて、店頭みせさき翻然ひらりり、さて人參にんじんはうとふ。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
入口いりくちそと軒下のきした橢圓形だゑんけい据風呂すゑぶろがあつて十二三の少年せうねんはひつるのが最初さいしよ自分じぶん注意ちゆういいた。この少年せうねんけた脊中せなかばかり此方こちらけてけつして人車じんしやはうない。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
列車れつしや給仕きふじ少年せうねんは——ひにく——東區ひがしく某町ぼうちやう矢太やたさんのみぎ高等御下宿かうとうおんげしゆくへあてた言句もんくながら
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なるほど少年せうねんはこれであらう、身体からだ沢庵色たくあんいろにふとつてる。やがてわけもなく餌食えじきたひらげて、ともいはず、ふツ/\と太儀たいぎさうに呼吸いきむかふへくわさ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
誰方どなたたちでも、小兒こどもこれきだとふのはあまりなからう。十四五ぐらゐの少年せうねんで、ぼくどうふがいよ、なぞは——説明せつめいおよばず——おやたちの注意ちういえうする。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
途中とちゆうより、としておうらで、二人ふたり結婚けつこんないまへから、ちぎりをはした少年せうねん学生がくせい一人ひとりある。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夫人ふじん居室ゐまあたる、あまくしてつやつぽく、いろい、からきりはないたまどしたに、一人ひとりかげあたゝかくたゝずんだ、少年せうねん書生しよせい姿すがたがある。ひと形容けいようにしてれいなり、といてある。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
重湯おもゆか、薄粥うすがゆあるひ麺麭パン少量せうりやうはれたけれども、汽車きしやで、そんなものはられなかつた。乘通のりとほしは危險きけんだから。……で、米原まいばらとまつたが、羽織はおりない少年せうねんには、かゆてくれぬ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
がりびたのがまへ鶏冠とさかごとくになつて、頷脚えりあしねてみゝかぶさつた、おしか、白痴ばかか、これからかへるにならうとするやうな少年せうねんわしおどろいた、此方こツち生命いのち別条べつでうはないが、先方様さきさま形相ぎやうさう
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いともの。)といひかけて親仁おやぢ少年せうねんそばへにぢりつて、鉄挺かなてこたやうなこぶしで、脊中せなかをどんとくらはした、白痴ばかはらはだぶりとして、べそをかくやうなくちつきで、にやりとわらふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
列車れつしやはひつたとき驛夫えきふ少年せうねんくるまけてとほる。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
來合きあはせて立停たちどまつた、いろしろ少年せうねん驛夫えきふ引取ひきとる。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼處あすこそれです。」と、少年せうねん驛夫えきふゆびさす。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)