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此
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こ
ふりがな文庫
“
此
(
こ
)” の例文
国家統治ノ大権ハ朕カ
之
(
これ
)
を祖宗ニ
承
(
う
)
ケテ之ヲ子孫伝フル所ナリ朕及朕カ子孫ハ将来
此
(
こ
)
ノ憲法ノ
条章
(
じょうしょう
)
ニ
循
(
したが
)
ヒ之ヲ行フコトヲ
愆
(
あやま
)
ラサルヘシ
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
雪
(
ゆき
)
の
中
(
なか
)
を
此
(
こ
)
の
紅鯛
(
べにだひ
)
綺麗
(
きれい
)
なり。
此
(
こ
)
のお
買初
(
かひぞ
)
めの、
雪
(
ゆき
)
の
眞夜中
(
まよなか
)
、うつくしき
灯
(
ひ
)
に、
新版
(
しんぱん
)
の
繪草紙
(
ゑざうし
)
を
母
(
はゝ
)
に
買
(
か
)
つてもらひし
嬉
(
うれ
)
しさ、
忘
(
わす
)
れ
難
(
がた
)
し。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
〔譯〕
象山
(
しようざん
)
の、
宇宙
(
うちう
)
内
(
ない
)
の事は皆
己
(
おの
)
れ
分内
(
ぶんない
)
の事は、
此
(
こ
)
れ男子
擔當
(
たんたう
)
の志
此
(
かく
)
の如きを謂ふなり。
陳澔
(
ちんかう
)
此を引いて
射義
(
しやぎ
)
を
註
(
ちゆう
)
す、
極
(
きは
)
めて
是
(
ぜ
)
なり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
直
(
たゞ
)
ちに
此
(
こ
)
れが
扇子
(
せんす
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所爲
(
せい
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
急
(
いそ
)
いで
其扇子
(
そのせんす
)
を
捨
(
す
)
てました、
恰
(
あだか
)
も
縮
(
ちゞ
)
むのを
全
(
まつた
)
く
恐
(
おそ
)
れるものゝ
如
(
ごと
)
く。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
は
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
に
懸
(
か
)
けた
大根
(
だいこ
)
の
動
(
うご
)
かぬ
程
(
ほど
)
穩
(
おだや
)
かな
日
(
ひ
)
であつた。お
品
(
しな
)
は
此
(
こ
)
の
分
(
ぶん
)
で
行
(
ゆ
)
けば
一枚紙
(
いちまいがみ
)
を
剥
(
は
)
がすやうに
快
(
こゝろ
)
よくなることゝ
確信
(
かくしん
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
此
(
こ
)
の冬ルツェルンに遊んでいた時、リギから東に遠く遠く見えたる立派な山塊は、グラールスの谷奥に屹えるこの山岳であったのだ。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
此
(
こ
)
の茶店へ入って来た時、摺れ違いに出て行った女の、右半面を見せた美しさが、若い旅人には焼き付くような記憶になった様子です。
天保の飛行術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
之
(
これ
)
は
政府
(
せいふ
)
の
指導
(
しだう
)
又
(
また
)
は
消費節約
(
せうひせつやく
)
の
奬勵
(
しやうれい
)
の
行
(
ゆ
)
き
渡
(
わた
)
つたと
云
(
い
)
ふよりも、
寧
(
むし
)
ろ
國民自體
(
こくみんじたい
)
が
此
(
こ
)
の
事柄
(
ことがら
)
の
必要
(
ひつえう
)
を
感
(
かん
)
じて
居
(
を
)
つたからだと
思
(
おも
)
ふのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
此
(
これ
)
を
以
(
もつ
)
て
相持
(
あひぢ
)
する、
此
(
こ
)
れ
説
(
ぜい
)
の
成
(
な
)
る
也
(
なり
)
。
伊尹
(
いゐん
)
は
(九七)
庖
(
はう
)
と
爲
(
な
)
り、百
里奚
(
りけい
)
は
(九八)
虜
(
りよ
)
と
爲
(
な
)
る、
(九九)
皆
(
みな
)
由
(
よ
)
つて
其上
(
そのかみ
)
に
干
(
もと
)
めし
所
(
ところ
)
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
測定者・木戸——とサインされてある
此
(
こ
)
の貴重な三つの曲線の意味は、
漸
(
ようや
)
く助手の丘数夫の頭脳に
朧気
(
おぼろげ
)
ながら理解されるに至った。
キド効果
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
予は既に
此
(
こ
)
の為に五回、空しく氏の家を訪れたのである。氏は予に
斯
(
こ
)
う云った。「あんな物を持ち廻ったところで、売れやしないぜ。」
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「今ちょうど、一回の終りで魔術が済んだところです。
此
(
こ
)
れから写真になりますから、まだ魔術には二時間ぐらい暇がありましょう。」
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
面附
(
つらつき
)
こそは
誰
(
た
)
れよりも
見
(
み
)
よけれ、
脛附
(
すねつき
)
が十
人並
(
にんなみ
)
以上
(
いじゃう
)
ぢゃ、それから
手
(
て
)
や
足
(
あし
)
や
胴
(
どう
)
やは
彼
(
か
)
れ
此
(
こ
)
れ
言
(
い
)
ふが
程
(
ほど
)
も
無
(
な
)
いが、
外
(
ほか
)
には、ま、
類
(
るゐ
)
が
無
(
な
)
い。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
迂濶
(
うかつ
)
に手を放せば、彼は底知れぬ
暗黒
(
くらやみ
)
に転げ
墜
(
お
)
ちて、お杉と同じ運命を追わねばならぬ。さりとて
此
(
こ
)
のままの
暗黒
(
くらやみ
)
では仕方が無い。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
荘田に
言伝
(
ことづて
)
をしておいて呉れたまえ、いゝか。
俺
(
わし
)
の云うことをよく覚えて、言伝をして、おいて呉れ
給
(
たま
)
え。
此
(
こ
)
の唐沢は貧乏はしている。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
越前守殿聞だまれ憑司汝は何を申すぞ早は
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
で
吟味
(
ぎんみ
)
なすに爰な
出過者
(
ですぎもの
)
め今早が口より梅が體に
疵
(
きず
)
などは御ざらぬと申立たるに
汝
(
なんぢ
)
夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
草木の美しさを
羨
(
うらや
)
むなんて、余程自分の生活に、自分の心持ちに不自然な醜さがあるのだと、
此
(
こ
)
の朝つく/″\と身に
沁
(
し
)
みて考へられた。
椎の若葉
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
此
(
こ
)
の
尖端
(
せんたん
)
を
上
(
うへ
)
に
向
(
む
)
けてゐる
釘
(
くぎ
)
と、
塀
(
へい
)
、さては
又
(
また
)
此
(
こ
)
の
別室
(
べつしつ
)
、こは
露西亞
(
ロシア
)
に
於
(
おい
)
て、たゞ
病院
(
びやうゐん
)
と、
監獄
(
かんごく
)
とにのみ
見
(
み
)
る、
儚
(
はかな
)
き、
哀
(
あはれ
)
な、
寂
(
さび
)
しい
建物
(
たてもの
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私は
未
(
ま
)
だいちども、
此
(
こ
)
の年少の友人たちに対して、面会を拒絶した事が無い。どんなに仕事のいそがしい時でも、あがりたまえ、と言う。
新郎
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そのあげくが和作はやはり
此
(
こ
)
の寄宿学校で
独逸
(
ドイツ
)
語の授業のほかに、少年寮の図書係といふ
呑気
(
のんき
)
な役目を世話して
貰
(
もら
)
ふ事になつたのである。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
私は内心やや
此
(
こ
)
の結果に驚きながらも、まだ心を許す余裕はなく、夢中で目をつぶったまま相手の胸ぐらを小突きまわしていた。
虎狩
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
此
(
こ
)
の富豪は我が町に緑樹の海を置いて
居
(
い
)
る。富豪自身は期せずして良民の呼吸の為めにふんだんな酸素を分配して居るのである。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
父も家庭に対する
苦
(
くるし
)
み、妻子に対する
苦
(
くるし
)
み、社会に対する
苦
(
くる
)
しみ——
所謂
(
いはゆる
)
中年の
苦痛
(
くるしみ
)
を
抱
(
いだ
)
いて、
其
(
その
)
時
此
(
こ
)
の狭い汚い町を
通
(
とほ
)
つたに
相違
(
さうゐ
)
ない。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
此
(
こ
)
ん
中
(
なか
)
に人が
居
(
ゐ
)
るだらう。と
怪
(
け
)
しからん
奴
(
やつ
)
で、指の先へ
唾
(
つば
)
を
附
(
つ
)
け、ぷつりと
障子
(
しやうじ
)
へ穴を
開
(
あ
)
け
覗
(
のぞ
)
き見て、弥「いやア
何
(
なに
)
か
喰
(
く
)
つて
居
(
ゐ
)
やアがる。 ...
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「こんなに
年老
(
としよ
)
るまで、
自分
(
じぶん
)
は
此
(
こ
)
の
梢
(
こづゑ
)
で、どんなにお前のために
雨
(
あめ
)
や
風
(
かぜ
)
をふせぎ、それと
戰
(
たゝか
)
つたか
知
(
し
)
れない。そしてお
前
(
まへ
)
は
成長
(
せいちやう
)
したんだ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
吉
(
きち
)
さんと
云
(
い
)
ふのは
地方町
(
ぢかたまち
)
の小学校時代の友達で、
理髪師
(
とこや
)
をしてゐる
山谷通
(
さんやどほ
)
りの
親爺
(
おやぢ
)
の店で、
此
(
こ
)
れまで
長吉
(
ちやうきち
)
の髪をかつてくれた
若衆
(
わかいしゆ
)
である。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此の
辺
(
あたり
)
にかうよろしき人の住むらんを今まで聞えぬ事はあらじを、
此
(
こ
)
は都人の
三七
三つ山
詣
(
まうで
)
せし
次
(
ついで
)
に、海
愛
(
めづら
)
しくここに遊ぶらん。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
左樣
(
さやう
)
、
私
(
わたくし
)
は
君
(
きみ
)
を
確信
(
くわくしん
)
します、
若
(
も
)
し
君
(
きみ
)
は
我等
(
われら
)
の
同志
(
どうし
)
の
士
(
し
)
として、
永久
(
えいきゆう
)
に
此
(
こ
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
守
(
まも
)
る
事
(
こと
)
を
約束
(
やくそく
)
し
玉
(
たま
)
はゞ、
請
(
こ
)
ふ
誠心
(
せいしん
)
より
三度
(
みたび
)
天
(
てん
)
に
誓
(
ちか
)
はれよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
春になると、北上の
河谷
(
かこく
)
のあちこちから、沢山の馬が連れて来られて、
此
(
こ
)
の部落の人たちに預けられます。そして、上の野原に放されます。
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
抑
(
そもそ
)
もバアトンが
此
(
こ
)
の翻訳を思ひ立つたのは、アデン在留の医師ジヨン・スタインホイザアと
一緒
(
いつしよ
)
に、メヂヤ、メツカを旅行した時のことで
リチャード・バートン訳「一千一夜物語」に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
玄関番
(
げんくわんばん
)
の
書生
(
しよせい
)
に
不作法
(
ぶさはふ
)
な
取扱
(
とりあつかひ
)
を
受
(
う
)
けると、
其処
(
そこ
)
の
主人迄
(
しゆじんまで
)
がいやになる。
著米
(
ちやくべい
)
早々
(
さう/\
)
の
此
(
こ
)
の
始末
(
しまつ
)
は、
少
(
すくな
)
からず
僕等
(
ぼくら
)
に
不快
(
ふくわい
)
を
与
(
あた
)
へた。(四月三日)
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
その名一世に鳴り響いた人々も、武勇の
誉
(
ほま
)
れ天下に高い人々も、また
此
(
こ
)
の間の戦争で死んで、ふたたび
甦
(
よみがえ
)
って来た兵士もいた。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
而して燕王の豪傑の心を
攬
(
と
)
る
所以
(
ゆえん
)
のもの、実に王の
此
(
こ
)
の勇往
邁進
(
まいしん
)
、
艱危
(
かんき
)
を冒して
肯
(
あえ
)
て避けざるの
雄風
(
ゆうふう
)
にあらずんばあらざる也。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
汝知るべし、我は
伯爵
(
コンテ
)
ウゴリーノ
此
(
こ
)
は僧正ルツジェーリといへる者なり、いざ我汝に何によりてか上る
隣人
(
となりびと
)
となれるやを告げん 一三—一五
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
此
(
こ
)
の友達は既にそのやうな偉い職工の一人になつてゐると思ふと私はいつまでも自分はぐづ/\してゐる時でないと考へた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
“第一線から、こんな所へ左遷されて、
守備隊長
(
おやじ
)
は何だっていい気になっているんだろう。
此
(
こ
)
の頃の馬鹿な御機嫌はどうだ”
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
実際
此
(
こ
)
の失恋でもない、
況
(
いは
)
んや得恋でもない、
謂
(
い
)
はゞ無恋の心もちが、一番悲惨な心持なんだ。此の
落寞
(
らくばく
)
たる心持が、俺には
堪
(
たま
)
らなかつたんだ。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
が、
此
(
こ
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
後生大事
(
ごしやうだいじ
)
と
収
(
しま
)
つておく
処
(
ところ
)
から
見
(
み
)
ると、
其後
(
そのご
)
何
(
なに
)
かの
事情
(
じゞやう
)
で、
互
(
たがひ
)
に
隔
(
へだ
)
たつてはゐても、
心
(
こゝろ
)
は
今
(
いま
)
に
隔
(
へだ
)
てぬ
中
(
なか
)
だと
云
(
い
)
ふことは
明
(
あきら
)
かである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
おばあさんは、もう
此
(
こ
)
の上目鏡を買ふこともなくなつたので、広いお部屋で、
呑気
(
のんき
)
に、新聞がよめることになりました。
おもちや の めがね
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
牛や馬以上に従順であっても
此
(
こ
)
の通り、モシ、従順でなかったら、
傲慢
(
ごうまん
)
な百姓達は恐らく
此
(
こ
)
の「あまり者」を打ち殺して
了
(
しま
)
うだろうと私は思った。
あまり者
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
此
(
こ
)
の一文を
草
(
そう
)
するに当っても、何一つとして先人の手に成った権威ある文献を
渉猟
(
しょうりょう
)
してはいないため、一般の定説や
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
おもへば
四年
(
よとせ
)
の昔なりけり、
南翠氏
(
なんすゐし
)
と
共
(
とも
)
に
学海先生
(
がくかいせんせい
)
の
此
(
こ
)
の
別荘
(
べつさう
)
をおとづれ、朝より
夕
(
ゆふ
)
まで
何
(
なに
)
くれと
語
(
かた
)
らひたる
事
(
こと
)
ありけり、
其時
(
そのとき
)
先生
(
せんせい
)
左
(
さ
)
の
詩
(
し
)
を
示
(
しめ
)
さる。
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
𢌞廊のあなたに、
蘭燈
(
らんとう
)
尚ほ
微
(
かすか
)
なるは
誰
(
た
)
が
部屋
(
へや
)
ならん、主は
此
(
こ
)
の
夜
(
よ
)
深
(
ふか
)
きにまだ寢もやらで、獨り黒塗の小机に打ちもたれ、
首
(
かうべ
)
を俯して物思はしげなり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
一
體
(
たい
)
コスモポリタンといふ
言葉
(
ことば
)
の
正確
(
せいかく
)
な
意義
(
いぎ
)
はどういふのだらう。
私
(
わたし
)
には
先
(
ま
)
づ
此
(
こ
)
の
疑問
(
ぎもん
)
が
起
(
おこ
)
つた。そこで『
井上
(
ゐのうへ
)
英和辭典
(
えいわじてん
)
』を
引
(
ひ
)
いて
見
(
み
)
ると、
斯
(
か
)
うある。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
資本主
(
しほんぬし
)
と
機械
(
きかい
)
と
勞働
(
らうどう
)
とに
壓迫
(
あつぱく
)
されながらも、
社會
(
しやくわい
)
の
泥土
(
でいど
)
と
暗黒
(
あんこく
)
との
底
(
そこ
)
の底に、
僅
(
わづか
)
に其の
儚
(
はかな
)
い
生存
(
せいぞん
)
を
保
(
たも
)
ツてゐるといふ
表象
(
シンボル
)
でゞもあるやうな
此
(
こ
)
の
唄
(
うた
)
には
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
女は腰をかがめて一つ一つを
覗
(
のぞ
)
いてまはる。
此
(
こ
)
の
室
(
へや
)
の空気には生物学の標本室の
匂
(
におい
)
がする。初生児は皮膚で呼吸する動物のやうにまるで音を立てない。
水に沈むロメオとユリヤ
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
すなわちこの様に解釈してこそこの歌、すなわち、「
妹
(
いも
)
が
為
(
た
)
め
菅
(
すが
)
の
実
(
み
)
採
(
と
)
りに
行
(
ゆ
)
きし
吾
(
あ
)
れ
山路
(
やまぢ
)
に
惑
(
ま
)
どひ
此
(
こ
)
の
日
(
ひ
)
暮
(
くら
)
しつ」
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
彼
(
か
)
れ
此
(
こ
)
れと
悶着
(
もんちゃく
)
して居る間に
夜
(
よ
)
が明けて
仕舞
(
しま
)
い、私は何にも知らずにその朝船に
乗
(
のっ
)
て海上無事神戸に着きました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
然し、当夜
此
(
こ
)
の惨事に立会ったものは、店内関係者としては装飾部主任とその部下、宿直主任とその部下、警備係員若干、すべてで二十人はいるのだがね。
扉は語らず:(又は二直線の延長に就て)
(新字新仮名)
/
小舟勝二
(著)
さて、さう言はれてみますと、
此
(
こ
)
の村中に、其の掛軸の絵を、はつきり覚えてゐる人は一人だつてありません。
愚助大和尚
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
“此”を含む語句
此方
此処
此家
彼方此方
此間
此様
此地
如此
此辺
此所
此女
彼処此処
彼此
此室
此樣
此邸
此頃
此處
此寺
此店
...