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弓
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ゆみ
ふりがな文庫
“
弓
(
ゆみ
)” の例文
為朝
(
ためとも
)
は
筋
(
すじ
)
を
抜
(
ぬ
)
かれて
弓
(
ゆみ
)
は
少
(
すこ
)
し
弱
(
よわ
)
くなりましたが、ひじがのびたので、
前
(
まえ
)
よりもかえって
長
(
なが
)
い
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
ることができるようになりました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「いまごろ、
弓
(
ゆみ
)
なんか
持
(
も
)
ったかがしなんてあるものでない。どこの
田
(
た
)
や、
圃
(
はたけ
)
でも、
鉄砲
(
てっぽう
)
を
持
(
も
)
った、
勇
(
いさ
)
ましいかがしを
立
(
た
)
てている。」
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
にわかにくっきり白いその
羽根
(
はね
)
は前の方へ
倒
(
たお
)
れるようになり、インデアンはぴたっと立ちどまって、すばやく
弓
(
ゆみ
)
を空にひきました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ところが、竹童の
信念
(
しんねん
)
はくつがえされて、
弓
(
ゆみ
)
をとっては
神技
(
かみわざ
)
といわれている蔦之助が、どうだろう、この
不覚
(
ふかく
)
? このみにくい
敗
(
やぶ
)
れ
方
(
かた
)
!
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
賀
(
が
)
の
曰
(
いは
)
く、
其
(
そ
)
の
左
(
ひだり
)
の
目
(
め
)
を
射
(
い
)
よ。
羿
(
げい
)
すなはち
弓
(
ゆみ
)
を
引
(
ひ
)
いて
射
(
い
)
て、
誤
(
あやま
)
つて
右
(
みぎ
)
の
目
(
め
)
にあつ。
首
(
かうべ
)
を
抑
(
おさ
)
へて
愧
(
は
)
ぢて
終身不忘
(
みををはるまでわすれず
)
。
術
(
じゆつ
)
や、
其
(
そ
)
の
愧
(
は
)
ぢたるに
在
(
あ
)
り。
術三則
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
此方
(
こなた
)
には
具足櫃
(
ぐそくびつ
)
があつたり、
弓
(
ゆみ
)
鉄砲抔
(
てつぱうなど
)
が
立掛
(
たてかけ
)
てあつて、
最
(
い
)
とも
厳
(
いか
)
めしき
体裁
(
ていさい
)
で
何所
(
どこ
)
で
喫
(
たべ
)
させるのか、お
長家
(
ながや
)
か
知
(
し
)
ら、
斯
(
か
)
う思ひまして
玄関
(
げんくわん
)
へ
掛
(
かゝ
)
り
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ようし」と言いながら、かねて大神からいただいて来た
弓
(
ゆみ
)
と
矢
(
や
)
を取り出して、いきなりそのきじを射殺してしまいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
刷毛
(
はけ
)
で
刷
(
は
)
いたような
弓
(
ゆみ
)
なりになった
広
(
ひろ
)
い
浜
(
はま
)
……のたりのたりと
音
(
おと
)
もなく
岸辺
(
きしべ
)
に
寄
(
よ
)
せる
真青
(
まっさお
)
な
海
(
うみ
)
の
水
(
みず
)
……
薄絹
(
うすぎぬ
)
を
拡
(
ひろ
)
げたような
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
も
徹
(
とほ
)
す
桑
(
くは
)
の
弓
(
ゆみ
)
張裂
(
はりさく
)
胸
(
むね
)
を
押鎭
(
おししづ
)
め打果さでや置べきかと
裾
(
すそ
)
短
(
みじ
)
かに
支度
(
したく
)
を爲し既に一刀
佩
(
たば
)
さんて
出行
(
でかけ
)
んとする其の
折柄
(
をりから
)
後ろの
襖
(
ふすま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「まっ先にきた
小桜縅
(
こざくらおどし
)
のよろい着て
葦毛
(
あしげ
)
の馬に乗り、
重籐
(
しげどう
)
の
弓
(
ゆみ
)
を持ってたかの
切斑
(
きりふ
)
の
矢
(
や
)
を負い、くわ
形
(
がた
)
のかぶとを馬の平首につけたのはあれは
楠正行
(
くすのきまさつら
)
じゃ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
革
(
かは
)
を
卷
(
ま
)
いた
弓
(
ゆみ
)
、
黒塗
(
くろぬ
)
りの
箙
(
えびら
)
、
鷹
(
たか
)
の
羽
(
は
)
の
征矢
(
そや
)
が十七
本
(
ほん
)
、——これは
皆
(
みな
)
、あの
男
(
をとこ
)
が
持
(
も
)
つてゐたものでございませう。はい、
馬
(
うま
)
も
仰有
(
おつしや
)
る
通
(
とほ
)
り、
法師髮
(
ほふしがみ
)
の
月毛
(
つきげ
)
でございます。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
親方は、
片手
(
かたて
)
に
弓
(
ゆみ
)
、片手にヴァイオリンを持って、身ぶりをしながら
口上
(
こうじょう
)
を
述
(
の
)
べだした。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
泰勝院殿は
甲冑
(
かっちゅう
)
刀剣
弓
(
ゆみ
)
鎗
(
やり
)
の類を
陳
(
つら
)
ねて御見せなされ、蒲生殿意外に
思
(
おぼ
)
されながら、一応御覧あり、さて実は茶器拝見致したく参上したる次第なりと申され、泰勝院殿御笑いなされ
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
東京には
箪笥
(
たんす
)
町とか
鍛冶
(
かじ
)
町とか
白銀
(
しろがね
)
町とか
人形
(
にんぎょう
)
町とか
紺屋
(
こんや
)
町とか
弓
(
ゆみ
)
町とか
錦
(
にしき
)
町とか、手仕事に
因
(
ちな
)
んだ町が色々ありますが、もう仕事の
面影
(
おもかげ
)
を残している所はほとんどなくなりました。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「これからずっと家のお暮しではどうしても女の手がなくては御不自由でござります、わたくしの
姪
(
めい
)
に当るむすめでお
弓
(
ゆみ
)
と申しますが、下働きにでも使って頂こうと存じまして、……」
一人ならじ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
母の
弓
(
ゆみ
)
がそこへ出て来て、なんにもないけれど、ゆつくり夕食でもというのを、この旧友二人は、せつかくの機会をそれでは面白くないのであろう、どちらからともなく、どこかで一杯と
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
肩
(
かた
)
から
乳
(
ちち
)
へと
流
(
なが
)
れるほうずきのふくらみをそのままの
線
(
せん
)
に、
殊
(
こと
)
にあらわの
波
(
なみ
)
を
打
(
う
)
たせて、
背
(
せ
)
から
腰
(
こし
)
への、
白薩摩
(
しろさつま
)
の
徳利
(
とくり
)
を
寝
(
ね
)
かしたような
弓
(
ゆみ
)
なりには、
触
(
さわ
)
ればそのまま
手先
(
てさき
)
が
滑
(
すべ
)
り
落
(
お
)
ちるかと
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
乳母のお槇はお梅の母親のお
弓
(
ゆみ
)
から
楊枝
(
ようじ
)
を買うことを云いつけられていた。
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
代助は赤い
唇
(
くちびる
)
の両
端
(
はし
)
を、少し
弓
(
ゆみ
)
なりに
下
(
した
)
の方へ
彎
(
ま
)
げて
蔑
(
さげす
)
む様に笑つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ドアがグーッと、
弓
(
ゆみ
)
のようにしないます。おそろしい力です。
妖星人R
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「これから
弓
(
ゆみ
)
を引きにゆこう。来たまえ」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
秋の雨に
逆反
(
さかぞ
)
りやすき
弓
(
ゆみ
)
のごと
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
力
(
ちから
)
ある
足
(
たり
)
の
弓
(
ゆみ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
とりわけ
左
(
ひだり
)
の手が
右
(
みぎ
)
の手より四
寸
(
すん
)
も
長
(
なが
)
かったものですから、
並
(
な
)
みの二
倍
(
ばい
)
もある
強
(
つよ
)
い
弓
(
ゆみ
)
に、二
倍
(
ばい
)
もある
長
(
なが
)
い
矢
(
や
)
をつがえては
引
(
ひ
)
いたのです。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それも、そのはずで、おじいさんは
若
(
わか
)
い
時分
(
じぶん
)
から
弓
(
ゆみ
)
を
射
(
い
)
ることが
上手
(
じょうず
)
で、どんな
小
(
ちい
)
さな
鳥
(
とり
)
でも、ねらえば、かならず
射落
(
いお
)
としたものです。
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大神はその
言葉
(
ことば
)
に従って、
天若日子
(
あめのわかひこ
)
にりっぱな
弓
(
ゆみ
)
と
矢
(
や
)
をお授けになって、それを持たせて下界へおくだしになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
親方のげんこつがおれの頭に
富士山脈
(
ふじさんみゃく
)
をこしらえるか、
弓
(
ゆみ
)
の折れで百たたきの目に
会
(
あ
)
わされるか、どっちにしても
椿事出来
(
ちんじしゅったい
)
、アア
桑原
(
くわばら
)
桑原、桑原桑原。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時
(
とき
)
の
流行
(
りうかう
)
といへば、
別
(
べつ
)
して
婦人
(
ふじん
)
が
見得
(
みえ
)
と
憧憬
(
しようけい
)
の
的
(
まと
)
にする……
的
(
まと
)
となれば、
金銀
(
きんぎん
)
相
(
あひ
)
輝
(
かゞや
)
く。
弓
(
ゆみ
)
を
學
(
まな
)
ぶものの、
三年
(
さんねん
)
凝視
(
ぎようし
)
の
瞳
(
ひとみ
)
には
的
(
まと
)
の
虱
(
しらみ
)
も
其
(
そ
)
の
大
(
おほ
)
きさ
車輪
(
しやりん
)
である。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それはたしかになにか黒いつるつるした
細長
(
ほそなが
)
いもので、あの見えない天の川の水の上に
飛
(
と
)
び出してちょっと
弓
(
ゆみ
)
のようなかたちに
進
(
すす
)
んで、また水の中にかくれたようでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
けれども、
鳥
(
とり
)
たちは、
弓
(
ゆみ
)
を
持
(
も
)
って
立
(
た
)
っいるかがしを
見
(
み
)
ると、やはりおじいさんのような、
怖
(
おそ
)
ろしい
人
(
ひと
)
だと
思
(
おも
)
ったのです。
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
為朝
(
ためとも
)
はもって
来
(
き
)
た
弓
(
ゆみ
)
に
矢
(
や
)
をつがえて、
鳥
(
とり
)
に
向
(
む
)
かって
射
(
い
)
かけますと、すぐ五六
羽
(
ぱ
)
ばたばたと
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
って
落
(
お
)
ちて
来
(
き
)
ました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
熟考
(
じゅっこう
)
の長さにひきかえて、
意
(
い
)
を
決
(
けっ
)
するとすぐであった。蔦之助と小文治も、
膝行袴
(
たっつけ
)
の
紐
(
ひも
)
をしめ、
脇差
(
わきざし
)
をさし、
手馴
(
てな
)
れの
弓
(
ゆみ
)
と、
朱柄
(
あかえ
)
の
槍
(
やり
)
をそばへ取りよせた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何事
(
なにごと
)
も、しかし、
其
(
そ
)
の
的
(
まと
)
に
打撞
(
ぶつか
)
るまでには、
弓
(
ゆみ
)
と
云
(
い
)
へども
道中
(
だうちう
)
がある。
醉
(
よ
)
つて
言
(
い
)
ふのではないけれども、ひよろ/\
矢
(
や
)
の
夜汽車
(
よぎしや
)
の
状
(
さま
)
から、
御一覽
(
ごいちらん
)
を
願
(
ねが
)
ふとしよう。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一晩
(
ひとばん
)
のうちに、ふじのつるで、着物からはかまから、くつからくつ下まで織ったり、こしらえたりした上に、やはり同じふじのつるで
弓
(
ゆみ
)
をこしらえてくれました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
小さな
弓
(
ゆみ
)
に
矢
(
や
)
をつがえていちもくさんに汽車を
追
(
お
)
って来るのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
義家
(
よしいえ
)
はそこらにある
弓
(
ゆみ
)
に
矢
(
や
)
をつがえて、
無造作
(
むぞうさ
)
に
放
(
はな
)
しますと、
鎧
(
よろい
)
を三
枚
(
まい
)
とおして、
後
(
うし
)
ろに五
寸
(
すん
)
も
鏃
(
やじり
)
が出ていました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
童や老人は、ちりぢりに、どこへともなく落ちて行き、そしてあとの三百人ほどな屈強だけは、いつのまにか具足、よろい、
頬当
(
ほおあて
)
までして
弓
(
ゆみ
)
の
弦
(
つる
)
など調べていた。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、
太鼓腹
(
たいこばら
)
を
突出
(
つきだ
)
して、でれりとして、
團扇
(
うちは
)
で
雛妓
(
おしやく
)
に
煽
(
あふ
)
がせて
居
(
ゐ
)
るやうなのではない。
片膚脱
(
かたはだぬ
)
ぎで
日置流
(
へぎりう
)
の
弓
(
ゆみ
)
を
引
(
ひ
)
く。
獅子寺
(
ししでら
)
の
大弓場
(
だいきうば
)
で
先生
(
せんせい
)
と
懇意
(
こんい
)
だから、
從
(
したが
)
つて
弟子
(
でし
)
たちに
帳面
(
ちやうめん
)
が
利
(
き
)
いた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこへ、
弓
(
ゆみ
)
を
持
(
も
)
った、
武士
(
ぶし
)
がはいってきました。
はまねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ある
時
(
とき
)
清原武則
(
きよはらたけのり
)
というこれも
弓
(
ゆみ
)
の
名人
(
めいじん
)
で
名高
(
なだか
)
かった人が、
義家
(
よしいえ
)
のほんとうの
弓勢
(
ゆんぜい
)
を
知
(
し
)
りたがって、
丈夫
(
じょうぶ
)
な
鎧
(
よろい
)
を
三重
(
みかさ
)
ねまで木の上にかけて、
義家
(
よしいえ
)
に
射
(
い
)
させました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
破
(
や
)
れ
弓
(
ゆみ
)
を
担
(
にな
)
って、弓直しの仁田彦十は、その一言を合言葉に、町の方へ立ち去った。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
弓
(
ゆみ
)
をこしらえて、はまねこを
射
(
い
)
ろうか?」
はまねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
唱
(
となう
)
には
雷上動
(
らいじょうどう
)
という
弓
(
ゆみ
)
に
黒鷲
(
くろわし
)
の
羽
(
はね
)
ではいた
水破
(
すいは
)
という
矢
(
や
)
と、
山鳥
(
やまどり
)
の
羽
(
はね
)
ではいた
兵破
(
ひょうは
)
という
矢
(
や
)
を
持
(
も
)
たせました。
早太
(
はやた
)
には
骨食
(
ほねくい
)
という
短刀
(
たんとう
)
を
懐
(
ふところ
)
に
入
(
い
)
れてもたせました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
かと思えば、
的場
(
まとば
)
へ出て、片肌ぬぎで、弓の射競べに、汗をぬらしている連中を、むしろの上で、酒をのみながら見物している——もちろんそれも、武技の励みではなく、
賭
(
か
)
け
弓
(
ゆみ
)
だった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義家
(
よしいえ
)
は
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
から
弓
(
ゆみ
)
がうまくって、もう十二、三という
年
(
とし
)
にはたいていの
武士
(
ぶし
)
の
引
(
ひ
)
けないような
上手
(
じょうず
)
な
弓
(
ゆみ
)
を
引
(
ひ
)
いて、
射
(
い
)
れば
必
(
かなら
)
ず
当
(
あ
)
たるという
不思議
(
ふしぎ
)
なわざをもっていました。
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そして
弓
(
ゆみ
)
につがえて、ひょうと
放
(
はな
)
しますと、こんどこそ
矢
(
や
)
はぐっさりむかでのみけんにささりました。
人間
(
にんげん
)
のつばをむかでがきらうということを
藤太
(
とうだ
)
はふと
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
したのでした。
田原藤太
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
おかあさんはそれから、
一晩
(
ひとばん
)
のうちにたくさんの
藤
(
ふじ
)
のつるで、
着物
(
きもの
)
と
袴
(
はかま
)
と、
靴
(
くつ
)
から
靴下
(
くつした
)
まで
織
(
お
)
って、
編
(
あ
)
んで、
縫
(
ぬ
)
って、その上にやはり
藤
(
ふじ
)
のつるで、
弓
(
ゆみ
)
と
矢
(
や
)
をこしらえて
下
(
くだ
)
さいました。
春山秋山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
一生懸命
(
いっしょうけんめい
)
心
(
こころ
)
の中で
八幡大神
(
はちまんだいじん
)
のお
名
(
な
)
をとなえながら、この一の
矢
(
や
)
を
射損
(
いそん
)
じたら、二の
矢
(
や
)
をつぐまでもなく
生
(
い
)
きては
帰
(
かえ
)
らない
覚悟
(
かくご
)
をきめて、まず
水破
(
すいは
)
という
鏑矢
(
かぶらや
)
を
取
(
と
)
って、
弓
(
ゆみ
)
に
番
(
つが
)
えました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
保名
(
やすな
)
はそれを
残念
(
ざんねん
)
なことに
思
(
おも
)
って、どうかして
先祖
(
せんぞ
)
の
仲麻呂
(
なかまろ
)
のような
学者
(
がくしゃ
)
になって、
阿倍
(
あべ
)
の
家
(
いえ
)
を
興
(
おこ
)
したいと
思
(
おも
)
いましたが、
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
から
馬
(
うま
)
に
乗
(
の
)
ったり
弓
(
ゆみ
)
を
射
(
い
)
たりすることはよくできても
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
宝
(
たから
)
はなんでも千という
数
(
かず
)
をそろえて
持
(
も
)
つものだそうた。
奥州
(
おうしゅう
)
の
秀衡
(
ひでひら
)
はいい
馬
(
うま
)
を千
疋
(
びき
)
と、
鎧
(
よろい
)
を千りょうそろえて
持
(
も
)
っている。
九州
(
きゅうしゅう
)
の
松浦
(
まつうら
)
の
太夫
(
たゆう
)
は
弓
(
ゆみ
)
を千ちょうとうつぼを千
本
(
ぼん
)
そろえてもっている。
牛若と弁慶
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
弓
常用漢字
小2
部首:⼸
3画
“弓”を含む語句
弓箭
弓形
弓張提灯
胡弓
弓弦
楊弓
檀弓
強弓
賭弓
弓削道鏡
弓場
梓弓
弓町
大弓
弓絃
弓矢
弓張
弓杖
弩弓
楊弓場
...