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小桜縅
「まっ先にきた
小桜縅のよろい着て
葦毛の馬に乗り、
重籐の
弓を持ってたかの
切斑の
矢を負い、くわ
形のかぶとを馬の平首につけたのはあれは
楠正行じゃ」
武田、田丸、山国、藤田諸将の書いた詩歌の
短冊、
小桜縅の
甲冑片袖、そのほかに小荷駄掛りの
亀山嘉治が特に半蔵のもとに残して置いて行った歌がある。
つれの家内が持って
遣ろうというのだけれど、二十か、三十そこそこで双方
容子が
好いのだと野山の景色にもなろうもの……
紫末濃でも
小桜縅でも何でもない。