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全身
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ぜんしん
ふりがな文庫
“
全身
(
ぜんしん
)” の例文
そんな
素直
(
すなお
)
な
考
(
かんが
)
えも
心
(
こころ
)
のどこかに
囁
(
ささや
)
かないでもなかったのですが、
次
(
つ
)
ぎの
瞬間
(
しゅんかん
)
には
例
(
れい
)
の
負
(
ま
)
けぎらいが
私
(
わたくし
)
の
全身
(
ぜんしん
)
を
包
(
つつ
)
んで
了
(
しま
)
うのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
(いゝえ
誰
(
たれ
)
も
見
(
み
)
て
居
(
を
)
りはしませんよ。)と
澄
(
す
)
まして
言
(
い
)
ふ、
婦人
(
をんな
)
も
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
衣服
(
きもの
)
を
脱
(
ぬ
)
いで
全身
(
ぜんしん
)
を
練絹
(
ねりぎぬ
)
のやうに
露
(
あら
)
はして
居
(
ゐ
)
たのぢや。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
全身
(
ぜんしん
)
の
毛
(
け
)
が
黒
(
くろ
)
く、
顔
(
かお
)
だけが
白
(
しろ
)
くて、きつねかさるに
似
(
に
)
て、
形
(
かたち
)
は、かわいげがないというよりは、なんだか
気味悪
(
きみわる
)
い
気
(
き
)
がしたのであります。
母犬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
博士
(
はくし
)
の
全身
(
ぜんしん
)
の
血
(
ち
)
が、さっとひいていくようだった。かれの頭には、その時、夕方
書斎
(
しょさい
)
できいたピストルの音が、ありありと
浮
(
う
)
かんでいた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
机博士はみるみるうちに、
全身
(
ぜんしん
)
針鼠
(
はりねずみ
)
のようになって、床のうえに倒れ、しばらく
七転八倒
(
しちてんばっとう
)
していたが、やがて、ピッタリ動かなくなった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
その火のぬくみに
全身
(
ぜんしん
)
の血が
活々
(
いきいき
)
とよみがえってくるのをおぼえて、かれは、この新しい力を、どこへそそごうかと
勇
(
いさ
)
みたった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
は
熱心
(
ねつしん
)
に
書
(
か
)
いて
居
(
ゐ
)
る
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
に
腰
(
こし
)
から
上
(
うへ
)
が
出
(
で
)
て、
其
(
その
)
立
(
た
)
てた
膝
(
ひざ
)
に
畫板
(
ぐわばん
)
が
寄掛
(
よりか
)
けてある、そして
川柳
(
かはやぎ
)
の
影
(
かげ
)
が
後
(
うしろ
)
から
彼
(
かれ
)
の
全身
(
ぜんしん
)
を
被
(
おほ
)
ひ
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
お
品
(
しな
)
は
僅
(
わづか
)
な
日數
(
ひかず
)
を
横
(
よこ
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
たばかりに
目
(
め
)
が
衰
(
おとろ
)
へたものか
日
(
ひ
)
の
稍
(
やゝ
)
眩
(
まぶし
)
いのを
感
(
かん
)
じつゝ
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
を
全身
(
ぜんしん
)
に
浴
(
あ
)
びながら
二人
(
ふたり
)
のするのを
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
野猪
(
ゐのしゝ
)
は
形
(
かたち
)
が
豚
(
ぶた
)
に
似
(
に
)
て
全身
(
ぜんしん
)
黒褐色
(
こつかつしよく
)
のあらい
毛
(
け
)
でおほはれてをり、
頸
(
くび
)
が
短
(
みじか
)
いので
駈
(
か
)
けだすと
急
(
きゆう
)
には
方向
(
ほうこう
)
を
變
(
か
)
へられない
動物
(
どうぶつ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
と、
急
(
きふ
)
に
來
(
き
)
た
人
(
ひと
)
の
院長
(
ゐんちやう
)
だと
解
(
わか
)
つたので、
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
を
怒
(
いかり
)
に
顫
(
ふる
)
はして、
寐床
(
ねどこ
)
から
飛上
(
とびあが
)
り、
眞赤
(
まつか
)
になつて、
激怒
(
げきど
)
して、
病室
(
びやうしつ
)
の
眞中
(
まんなか
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
て
突立
(
つゝた
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
彼
(
かれ
)
は
地上
(
ちじやう
)
に
倒
(
たふ
)
れ、
次々
(
つぎ/\
)
に×
(6)
き×
(7)
される
銃
(
じう
)
×
(8)
の
下
(
もと
)
に、
潮
(
うしほ
)
の
退
(
しりぞ
)
くやうに
全身
(
ぜんしん
)
から
脱
(
ぬ
)
けて
行
(
ゆ
)
く
力
(
ちから
)
を
感
(
かん
)
じ
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
其
(
その
)
音
(
おと
)
が
寂寞
(
せきばく
)
を
破
(
やぶ
)
つてざわ/\と
鳴
(
な
)
ると、
閭
(
りよ
)
は
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の
根
(
ね
)
を
締
(
し
)
め
附
(
つ
)
けられるやうに
感
(
かん
)
じて、
全身
(
ぜんしん
)
の
肌
(
はだ
)
に
粟
(
あは
)
を
生
(
しやう
)
じた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
主人
怪
(
あや
)
しみ人をして是を
捕
(
とら
)
へしめしに、
全身
(
ぜんしん
)
は
烏
(
からす
)
にして白く、
觜
(
くちばし
)
眼
(
まなこ
)
足
(
あし
)
は赤き
烏
(
からす
)
の
雛
(
ひな
)
なり、人々
奇
(
き
)
として
集
(
あつま
)
り
観
(
み
)
る。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
に
澁
(
しぶ
)
に
似
(
に
)
た
柿
(
かき
)
に
似
(
に
)
た
茶
(
ちや
)
に
似
(
に
)
た
色
(
いろ
)
の
法衣
(
ころも
)
を
纏
(
まと
)
つてゐた。
足
(
あし
)
も
手
(
て
)
も
見
(
み
)
えなかつた。たゞ
頸
(
くび
)
から
上
(
うへ
)
が
見
(
み
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
尚
(
なほ
)
去
(
さ
)
らざる
時
(
とき
)
は
全身
(
ぜんしん
)
に
冷水
(
れいすゐ
)
を
灌
(
そゝ
)
ぎて
其
(
その
)
痛
(
いたみ
)
全
(
まつた
)
く
去
(
さ
)
りし
故
(
ゆゑ
)
に、
其後
(
そのご
)
頭痛
(
づつう
)
の
起
(
おこ
)
る
毎
(
ごと
)
に
全身
(
ぜんしん
)
冷水灌漑
(
れいすゐくわんがい
)
を
行
(
おこな
)
ひしが、
遂
(
つひ
)
に
習慣
(
しふくわん
)
となり、
寒中
(
かんちゆう
)
にも
冷水灌漑
(
れいすゐくわんがい
)
に
耐
(
た
)
ゆるを
得
(
え
)
たり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
今度
(
こんど
)
は
鼠
(
ねずみ
)
が
全身
(
ぜんしん
)
の
毛
(
け
)
を
逆立
(
さかだ
)
つて
居
(
ゐ
)
たので、
愛
(
あい
)
ちやんは
屹度
(
きつと
)
鼠
(
ねずみ
)
が
甚
(
ひど
)
く
怒
(
おこ
)
つたに
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
ひました。『そんなにお
前
(
まへ
)
が
嫌
(
きら
)
ひなら、もう
玉
(
たま
)
ちやんのことは
話
(
はな
)
さないわ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
その
日
(
ひ
)
も、
朝
(
あさ
)
早
(
はや
)
く
彼女
(
かのぢよ
)
は
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
らうとしたが、
自分
(
じぶん
)
にどう
鞭
(
むち
)
うつて
見
(
み
)
ても、
全身
(
ぜんしん
)
のひだるさには
勝
(
か
)
てなかつた。
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
ると
激
(
はげ
)
しい
眩暈
(
めまひ
)
がした。
周圍
(
しうゐ
)
がシーンとして
物音
(
ものおと
)
がきこえなくなつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
全身
(
ぜんしん
)
落つる日を
浴
(
あ
)
びて
真夏
(
まなつ
)
の海をうち
睨
(
にら
)
む。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大体
(
だいたい
)
に
於
(
おい
)
て
申
(
もう
)
しますと、
天狗
(
てんぐ
)
の
正体
(
しょうたい
)
は
人間
(
にんげん
)
よりは
少
(
すこ
)
し
大
(
おお
)
きく、そして
人間
(
にんげん
)
よりは
寧
(
むし
)
ろ
獣
(
けもの
)
に
似
(
に
)
て
居
(
お
)
り、
普通
(
ふつう
)
全身
(
ぜんしん
)
が
毛
(
け
)
だらけでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と、
急
(
きゅう
)
に
来
(
き
)
た
人
(
ひと
)
の
院長
(
いんちょう
)
だと
解
(
わか
)
ったので、
彼
(
かれ
)
は
全身
(
ぜんしん
)
を
怒
(
いかり
)
に
顫
(
ふる
)
わして、
寐床
(
ねどこ
)
から
飛上
(
とびあが
)
り、
真赤
(
まっか
)
になって、
激怒
(
げきど
)
して、
病室
(
びょうしつ
)
の
真中
(
まんなか
)
に
走
(
はし
)
り
出
(
で
)
て
突立
(
つった
)
った。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
で、
果
(
はて
)
は
亭主
(
ていしゆ
)
が、
蚤
(
のみ
)
を
除
(
よ
)
けるための
蚤
(
のみ
)
の
巣
(
す
)
に
成
(
な
)
つて、
棕櫚
(
しゆろ
)
の
毛
(
け
)
を
全身
(
ぜんしん
)
に
纏
(
まと
)
つて、
素裸
(
すつぱだか
)
で、
寢室
(
しんしつ
)
の
縁
(
えん
)
の
下
(
した
)
へ
潛
(
もぐ
)
り
潛
(
もぐ
)
り、
一夏
(
ひとなつ
)
のうちに
狂死
(
くるひじに
)
をした。——
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
頭から顔じゅうをほうたいでぐるぐる
巻
(
ま
)
き、ほうたいの白い中から
鼻
(
はな
)
だけが赤くのぞいていて、そのぶきみさは、
全身
(
ぜんしん
)
の毛がそうけ立つほどだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
彼
(
かれ
)
は、まだ
羞恥
(
はぢ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とが
全身
(
ぜんしん
)
を
支配
(
しはい
)
して
居
(
ゐ
)
るおつぎを
捕
(
とら
)
へて
只
(
たゞ
)
凝然
(
ぢつ
)
と
動
(
うご
)
かさないまでには
幾度
(
いくたび
)
か
手
(
て
)
を
換
(
かへ
)
て
苦心
(
くしん
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
主人
怪
(
あや
)
しみ人をして是を
捕
(
とら
)
へしめしに、
全身
(
ぜんしん
)
は
烏
(
からす
)
にして白く、
觜
(
くちばし
)
眼
(
まなこ
)
足
(
あし
)
は赤き
烏
(
からす
)
の
雛
(
ひな
)
なり、人々
奇
(
き
)
として
集
(
あつま
)
り
観
(
み
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その
吹
(
ふ
)
き
方
(
かた
)
が、
兄
(
あに
)
そっくりなので、わたしは、はっとして、このときばかりは、
全身
(
ぜんしん
)
があつくなりました。
たましいは生きている
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鼠
(
ねずみ
)
は
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
から一
ト
跳
(
と
)
びはねて、なほも
跳
(
と
)
び
出
(
だ
)
しさうに
全身
(
ぜんしん
)
を
振
(
ふる
)
はして
居
(
ゐ
)
ました。『あら
御免
(
ごめん
)
よ!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
急
(
いそ
)
いで
叫
(
さけ
)
びました、
此
(
この
)
憐
(
あは
)
れな
動物
(
どうぶつ
)
の
機嫌
(
きげん
)
をそこねた
事
(
こと
)
を
氣遣
(
きづか
)
つて。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ぼくの身体はもう
埃
(
ほこり
)
にまみれて、かつて倉庫番から
褒
(
ほ
)
めちぎられたときのような
金色
(
きんいろ
)
の
光沢
(
こうたく
)
は、もう見ようとしたって見られなかった。
全身
(
ぜんしん
)
は
艶
(
つや
)
をうしない、変に黄色くなっていた。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
翌朝
(
よくてう
)
彼
(
かれ
)
は
激
(
はげ
)
しき
頭痛
(
づつう
)
を
覺
(
おぼ
)
えて、
兩耳
(
りやうみゝ
)
は
鳴
(
な
)
り、
全身
(
ぜんしん
)
には
只
(
たゞ
)
ならぬ
惱
(
なやみ
)
を
感
(
かん
)
じた。
而
(
さう
)
して
昨日
(
きのふ
)
の
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けた
出來事
(
できごと
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しても、
恥
(
はづか
)
しくも
何
(
なん
)
とも
感
(
かん
)
ぜぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
雪
(
ゆき
)
なす
鸚鵡
(
あうむ
)
は、
見
(
み
)
る/\
全身
(
ぜんしん
)
、
美
(
うつく
)
しい
血
(
ち
)
に
染
(
そま
)
つたが、
目
(
め
)
を
眠
(
ねむ
)
るばかり
恍惚
(
うつとり
)
と
成
(
な
)
つて、
朗
(
ほがら
)
かに
歌
(
うた
)
つたのである。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
じぶんで
決心
(
けっしん
)
してやったことだが、こうして
成功
(
せいこう
)
して
全身
(
ぜんしん
)
が
透明
(
とうめい
)
になってしまうと、さすがのぼくも、たいへんなことをやったなと、心おだやかでなかった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
夫
(
をつと
)
は
簑笠
(
みのかさ
)
を吹とられ、
妻
(
つま
)
は
帽子
(
ばうし
)
を
吹
(
ふき
)
ちぎられ、
髪
(
かみ
)
も吹みだされ、
咄嗟
(
あはや
)
といふ
間
(
ま
)
に
眼口
(
めくち
)
襟袖
(
えりそで
)
はさら也、
裾
(
すそ
)
へも雪を吹いれ、
全身
(
ぜんしん
)
凍
(
こゞえ
)
呼吸
(
こきう
)
迫
(
せま
)
り
半身
(
はんしん
)
は
已
(
すで
)
に雪に
埋
(
う
)
められしが
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
中
(
なか
)
はがらんとして
空
(
から
)
だったので、せっかくわすれた
悲
(
かな
)
しみが、また
新
(
あたら
)
しく
全身
(
ぜんしん
)
をしめつけました。
ペスときょうだい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたくし
)
はますます
全身
(
ぜんしん
)
に
寒気
(
さむけ
)
を
感
(
かん
)
じ、
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
では
逃
(
に
)
げて
帰
(
かえ
)
りたい
位
(
くらい
)
に
思
(
おも
)
いましたが、それでもお
爺
(
じい
)
さんが一
向
(
こう
)
平気
(
へいき
)
でズンズン
足
(
あし
)
を
運
(
はこ
)
びますので、
漸
(
やっ
)
との
思
(
おも
)
いでついて
参
(
まい
)
りますと
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「それから、外は寒いし、気圧はゼロなんだから、そのままでは、からだは大きくふくれて、しかもこおってしまうよ。つまり
全身
(
ぜんしん
)
しもやけになった氷人間になっちまうよ。もちろん、たちまち君は死んじまう」
宇宙の迷子
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
翌朝
(
よくちょう
)
彼
(
かれ
)
は
激
(
はげ
)
しき
頭痛
(
ずつう
)
を
覚
(
おぼ
)
えて、
両耳
(
りょうみみ
)
は
鳴
(
な
)
り、
全身
(
ぜんしん
)
には
只
(
ただ
)
ならぬ
悩
(
なやみ
)
を
感
(
かん
)
じた。そうして
昨日
(
きのう
)
の
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けた
出来事
(
できごと
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しても、
恥
(
はずか
)
しくも
何
(
なん
)
とも
感
(
かん
)
ぜぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
膚
(
はだへ
)
が
衣
(
きぬ
)
を
消
(
け
)
すばかり、
其
(
そ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の
青
(
あを
)
いのにも、
胸襟
(
むねえり
)
のほのめく
色
(
いろ
)
はうつろはぬ、
然
(
しか
)
も
湯上
(
ゆあが
)
りかと
思
(
おも
)
ふ
温
(
あたゝか
)
さを
全身
(
ぜんしん
)
に
漲
(
みなぎ
)
らして、
髮
(
かみ
)
の
艶
(
つや
)
さへ
滴
(
したゝ
)
るばかり
濡々
(
ぬれ/\
)
として、
其
(
それ
)
がそよいで
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何年
(
なんねん
)
か
前
(
まえ
)
にも、どこかで
見
(
み
)
たことがあるような
記憶
(
きおく
)
がしました。やせこけた、あばら
骨
(
ぼね
)
の
出
(
で
)
た
馬
(
うま
)
が、
全身
(
ぜんしん
)
に
水
(
みず
)
をあびたようにあせにぬれて、
重
(
おも
)
い
車
(
くるま
)
をひきかねているのでした。
道の上で見た話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『
開
(
あ
)
けろ!』アンドレイ、エヒミチは
全身
(
ぜんしん
)
をぶる/\と
顫
(
ふる
)
はして。『
俺
(
おれ
)
が
命
(
めい
)
ずるのだツ!』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
旅僧
(
たびそう
)
は
年紀
(
とし
)
四十二三、
全身
(
ぜんしん
)
黒
(
くろ
)
く
痩
(
や
)
せて、
鼻
(
はな
)
隆
(
たか
)
く、
眉
(
まゆ
)
濃
(
こ
)
く、
耳許
(
みゝもと
)
より
頤
(
おとがひ
)
、
頤
(
おとがひ
)
より
鼻
(
はな
)
の
下
(
した
)
まで、
短
(
みじか
)
き
髭
(
ひげ
)
は
斑
(
まだら
)
に
生
(
お
)
ひたり。
懸
(
か
)
けたる
袈裟
(
けさ
)
の
色
(
いろ
)
は
褪
(
あ
)
せて、
法衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
も
破
(
やぶ
)
れたるが、
服裝
(
いでたち
)
を
見
(
み
)
れば
法華宗
(
ほつけしう
)
なり。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして、
全身
(
ぜんしん
)
に
悪感
(
おかん
)
を
感
(
かん
)
ずるのでありました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『
開
(
あ
)
けろ!』アンドレイ、エヒミチは
全身
(
ぜんしん
)
をぶるぶると
顫
(
ふる
)
わして。『
俺
(
おれ
)
が
命
(
めい
)
ずるのだッ!』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
全身
(
ぜんしん
)
緋色
(
ひいろ
)
なんだつて。……
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“全身”の意味
《名詞》
全身(ぜんしん)
頭のてっぺんから足のつま先まで。
(出典:Wiktionary)
全
常用漢字
小3
部首:⼊
6画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“全身”で始まる語句
全身不随
全身一人立