“ぜんしん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ゼンシン
語句割合
全身45.3%
前進20.3%
漸進10.9%
前身4.7%
善信4.7%
前清3.1%
善心3.1%
全心1.6%
前秦1.6%
善神1.6%
染心1.6%
漸浸1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(いゝえたれりはしませんよ。)とましてふ、婦人をんな何時いつにか衣服きものいで全身ぜんしん練絹ねりぎぬのやうにあらはしてたのぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また鎔岩ようがん次第しだい冷却れいきやくしてるとどんな成分せいぶんのものも流動りゆうどうがたくなり、其後そのご固形こけい岩塊がんかい先頭せんとう岩塊がんかいえて前進ぜんしんするのみである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その組み合わせを示すためには、数字かアルファベットの文字かを置き代えてもよさそうだった。ある者は、一つの音響形式の漸進ぜんしん的展開の上に、作品を組み立てていた。
枕のとがなるびん後毛おくれげを掻き上げたのちは、ねじるように前身ぜんしんをそらして、櫛の背を歯にくわえ、両手を高く
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
草庵には今、師の善信ぜんしんが留守ではあるし、そういう複雑な事情の者を入れることは、自分たちだけの考えではできないので、どうしたものかと、性善坊は裏方へ計るのであった。けれど、玉月にも
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前清ぜんしん乾隆けんりゅう年間のことだそうだ。広東カントンの三水県の県署のまえに劇場がある。そこである日、包孝粛ほうこうしゅくの芝居を上演した。包孝粛は宋時代の名判官はんがんで、日本でいえば大岡さまというところだ。
女侠伝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
如何いくよめいびりの胡麻白ごましろばあさんでも此時このときだけはのんびりして幾干いくら善心ぜんしんちかへるだらうとおもはれる。なつし、清明せいめい季節きせつ高地テーブルランド旦道たんだうはしときなどさらし。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あたまなか占領せんりょうしていた、ふかいたにやまも、また、きりや、くももどこへか、あとなく、けむりのようにきえてしまって、そのかわり、きたないしみのように、現実げんじつのなやみが、全心ぜんしんをとらえたのでした。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれどそこは今、地名だけにのこっている前秦ぜんしん時代の古城があるに過ぎない。もちろん久しく人も住まず壁石垣も荒れ崩れている。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
願ふか兩樣の内何共いづれとも決心けつしん致さるべしとのおもむきを申つかはしたるに此方こなたは越前守は公用人こうようにん次右衞門三五郎の紀州表へ出立しゆつたつせし其日より夜終よもすがら行衣ぎやういを着し新菰あらごもの上にて水垢離みづごりとり諸天しよてん善神ぜんしん祈誓きせい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
妙光女魂既にうせたりといえども、容儀儼然活けるがごとく、妍華けんか平生に異ならざるをあいいいて曰く、この女かくまで美艶にして、遠くもとむるも等類なしと、各々染心ぜんしんを生じ
其の余瀾よらんは万里の外の邦国に漸浸ぜんしんするに及べるありしがためならずばあらず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)