前身ぜんしん)” の例文
卜斎ぼくさい前身ぜんしんを知らずに、かれをただの鏃鍛冶やじりかじとばかり思っていた、大久保長安おおくぼながやす家来けらいたちは、少々あッけにとられている顔つき。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
枕のとがなるびん後毛おくれげを掻き上げたのちは、ねじるように前身ぜんしんをそらして、櫛の背を歯にくわえ、両手を高く
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かくしてとき火山かざん火熱かねつ原因げんいんあるひ言葉ことばへていへば、火山かざんから流出りゆうしゆつする鎔岩ようがん前身ぜんしんたる岩漿がんしよう地下ちか貯藏ちよぞうせられてゐる場所ばしよは、けつしてふかいものではなく
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
噴火ふんかによつてされるものゝ本體ほんたいは、第一だいゝち鎔岩ようがんであり、これが前身ぜんしんたる岩漿がんしようである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それをいうと、柴田勝家しばたかついえ遺臣いしんという、自分の前身ぜんしん暴露ばくろする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)