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計
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はか
ふりがな文庫
“
計
(
はか
)” の例文
高橋空山師と
計
(
はか
)
って、附近の虚空院鈴法寺の衰えたるをおこさんとして果さなかった。あの寺は関東の虚無僧寺の
触頭
(
ふれがしら
)
、活惣派の本山。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
権之助はまた、背中の着物も皮膚も破れるであろう程、地上を
摺
(
す
)
りうごいて、母に有利な位置を作ろうと、敵の下から
計
(
はか
)
っている。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父はそれでもあきらめかねてそういうわけなら嫁にもらおうといわないから叔母が仲に立ってときどき会えるように
計
(
はか
)
らってくれ
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
又
(
また
)
私
(
わたくし
)
の
申上
(
もうしあ
)
げることにどんな
誤謬
(
あやまち
)
があるかも
計
(
はか
)
りかねますので、そこはくれぐれもただ一つの
参考
(
さんこう
)
にとどめて
戴
(
いただ
)
きたいのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
……
然
(
さ
)
うでないと、あの
梟
(
ふくろふ
)
が
唱
(
とな
)
へる
呪文
(
じゆもん
)
を
聞
(
き
)
け、
寢鎭
(
ねしづま
)
つた
恁
(
か
)
うした
町
(
まち
)
は、ふは/\と
活
(
い
)
きて
動
(
うご
)
く、
鮮麗
(
あざやか
)
な
銀河
(
ぎんが
)
に
吸取
(
すひと
)
られようも
計
(
はか
)
られぬ。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
達吉
(
たつきち
)
の
伯父
(
おじ
)
さんは、
新
(
あたら
)
しく
造
(
つく
)
ってきた、ぴかぴか
光
(
ひか
)
るブリキのといをのき
下
(
した
)
に
当
(
あ
)
ててみて、
雨水
(
あまみず
)
の
流
(
なが
)
れる
勾配
(
こうばい
)
を
計
(
はか
)
っていました。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
……ええかね君……
温柔
(
おとな
)
しく
従
(
つ
)
いて来たまえ。悪くは
計
(
はか
)
らわんから。ええかね。君はあの女優が殺された空屋の近くに住んでいるだろう。
冗談に殺す
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それは余談ですが、汽車中で
計
(
はか
)
らずも、ここに居られる方に奇妙な同伴者のある事を発見しました。私は彼の行動を厳重に監視しました。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
通人は
頻
(
しき
)
りに
新参者
(
しんざんもの
)
を求めたりしに、
豈
(
あに
)
計
(
はか
)
らんや新参者は
数多
(
あまた
)
の列座中にあったので、それが分った時の通人の驚きは
一方
(
ひとかた
)
ならなかった。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
御召捕に相成し哉と存じ居候所扨は此忠兵衞が
仕業
(
しわざ
)
成
(
なる
)
か夫にて漸々相分り申候此忠兵衞事私しへ對し
遺恨
(
ゐこん
)
の儀御座候に付
斯
(
かく
)
は
計
(
はか
)
らひ私しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
が、
其
(
そ
)
れも
此
(
こ
)
れも
直
(
ぢき
)
に
彼
(
かれ
)
を
疲勞
(
つか
)
らして
了
(
しま
)
ふ。
彼
(
かれ
)
は
乃
(
そこで
)
ふと
思
(
おも
)
ひ
着
(
つ
)
いた、
自分
(
じぶん
)
の
位置
(
ゐち
)
の
安全
(
あんぜん
)
を
計
(
はか
)
るには、
女主人
(
をんなあるじ
)
の
穴藏
(
あなぐら
)
に
隱
(
かく
)
れてゐるのが
上策
(
じやうさく
)
と。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
といふやうな
計
(
はか
)
り
方
(
かた
)
をしてゐる事や、ナニガシ君は、たしか、一分三十秒おくれただけであつた、と感心した事などを書いてゐるからである。
「鱧の皮 他五篇」解説
(旧字旧仮名)
/
宇野浩二
(著)
他人
(
たにん
)
が
聞
(
き
)
けば
適當
(
てきたう
)
の
評
(
ひやう
)
といはれやせん
別家
(
べつけ
)
も
同
(
おな
)
じき
新田
(
につた
)
にまで
計
(
はか
)
らるゝ
程
(
ほど
)
の
油斷
(
ゆだん
)
のありしは
家
(
いへ
)
の
運
(
うん
)
の
傾
(
かたぶ
)
く
時
(
とき
)
かさるにても
憎
(
にく
)
きは
新田
(
につた
)
の
娘
(
むすめ
)
なり
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
やがて
馬場
(
ばば
)
を八分目ほど廻った頃を
計
(
はか
)
って手綱をゆるめると馬は思い存分
頸
(
くび
)
を延ばしてずんずんおくれた馬から抜き出した。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
旦那がお
出
(
いで
)
になって、例の処で始めますと、昼の雨が利いたのでしょう、打ち込むや否懸り始めて、三年四年以上の
計
(
はか
)
り、二十一本挙げました。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
夫
(
それ
)
から
最初
(
さいしよ
)
のうちは、
詰
(
つ
)
めて
坐
(
す
)
はるのは
難儀
(
なんぎ
)
だから
線香
(
せんかう
)
を
立
(
た
)
てゝ、それで
時間
(
じかん
)
を
計
(
はか
)
つて、
少
(
すこ
)
し
宛
(
づゝ
)
休
(
やす
)
んだら
好
(
よ
)
からうと
云
(
い
)
ふ
樣
(
やう
)
な
注意
(
ちゆうい
)
もして
呉
(
く
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時
計
(
はか
)
らずも、上人が背負いしという貧しい箱が更に私の前に取り出されたのです。これが実に上人研究の出発を与えたといわねばなりません。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
実際
(
じつさい
)
に
真面目
(
しんめんもく
)
に
生涯
(
せうがい
)
の
真味
(
しんみ
)
を
味
(
あぢは
)
ひし人のみが
互
(
たがひ
)
に
共
(
とも
)
に
働
(
はたら
)
き得る人なり
宗教
(
しふけう
)
を以て
茶話席
(
ちやわせき
)
の
活題
(
くわつだい
)
となすに
止
(
とゞ
)
まるものは
言語的
(
げんごてき
)
捺印的
(
なついんてき
)
の
一致
(
いつち
)
を
計
(
はか
)
れよ
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
そこで私が何を隙見しようとしたか、又その隙見から、
計
(
はか
)
らずも、どんな大事件が持ち上ったか。これからがこの物語りの本題に入るのであります。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
くれるだろうが、ピンビタンではかれこれ言うだろう。そうしたら将校の奥さんの所に行って頼め。きっと渡すように
計
(
はか
)
らってくれるに違いないから
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「体温
計
(
はか
)
ってみたところで、稲は育つめえで」と一人が言って、浩平に話しかけた。「なア、よう、台の親方。」
米
(新字新仮名)
/
犬田卯
(著)
タイル張りの流し床に蒲団を放り出した女房が、こう叫んだのは、すべて
計
(
はか
)
ることの出来ない瞬間のことである。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「それでお前達の怨みも消えるだらう。五人の子供達に罪はない、平次が惡いやうには
計
(
はか
)
らはない、許してやれ」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あらたに油渡世をもはじめたについては、伊豆伍を蹴落して、御書院番頭脇坂山城守さまのお
計
(
はか
)
らいで、お城の油御用を一手に引き
請
(
う
)
けたいという念願。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「もう十五分間、お話を續けて下さい。」さうして、彼は、實際その時間を
計
(
はか
)
る爲めに
卓子
(
テエブル
)
の上に時計を置いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
何ぞ
計
(
はか
)
らんその翌日君は再びカンヴアスを抱へて渋川に到り十分に画き直して一週間の後帰京せり。余は今更に君が不屈
不撓
(
ふとう
)
の勇気に驚かざるを得ざりき。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
太郎左衛門は時刻を
計
(
はか
)
って寝床を抜け、宵に調べてあった
刀架
(
かたなかけ
)
の刀を腰にして、そっと女客の
室
(
へや
)
へ往った。
行燈
(
あんどん
)
の光はぼんやりと二人の
枕頭
(
まくらもと
)
を照らしていた。
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あとで
龜裂
(
きれつ
)
の
長
(
なが
)
さを
計
(
はか
)
つてみたら、
延長
(
えんちよう
)
二十二間程
(
にじゆうにけんほど
)
あつたから、
此程
(
これほど
)
噴出
(
ふんしゆつ
)
の
景況
(
けいきよう
)
は
壯觀
(
そうかん
)
であつたに
相違
(
そうい
)
ない。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
古来作家が本を出した時、その本の好評を
計
(
はか
)
る為に、新聞雑誌に載るべき評論を利用する事は
稀
(
まれ
)
ではない。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と毛利さんが頃合を
計
(
はか
)
らって
周囲
(
あたり
)
を見廻した。無礼講だというので、僕は毛利さんの隣りに坐っていた。
冠婚葬祭博士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
わしとともにこの島で
朽
(
く
)
ち果てさすに
忍
(
しの
)
びない。都へ帰ってよき主に仕え、世に出る道を
計
(
はか
)
ってくれ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そのうちの一節に、「今日
計
(
はか
)
らずも甚兵衛の危急を助け申候。されど戦場の敵は私の敵に非ざれば、恩を施せしなど夢にも思うべきに非ず。右後日の為に
記
(
しる
)
し置候事」
恩を返す話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
我國
(
わがくに
)
の
國債
(
こくさい
)
の
状態
(
じやうたい
)
を
見
(
み
)
ると、
今日
(
こんにち
)
既
(
すで
)
に五十九
億圓
(
おくゑん
)
に
達
(
たつ
)
して
居
(
を
)
り
從來
(
じうらい
)
の
大勢
(
たいせい
)
を
以
(
もつ
)
て
計
(
はか
)
れば
年々
(
ねん/\
)
巨額
(
きよがく
)
の
國債
(
こくさい
)
が
殖
(
ふ
)
えるのであつて百
億圓
(
おくゑん
)
に
達
(
たつ
)
するも
餘
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
からざることである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
これは小千谷の下た町といふ所の
酒楼
(
しゆろう
)
に
居
(
を
)
る
酌採
(
しやくとり
)
の
哥妓
(
げいしや
)
どもなり、
岩居
(
がんきよ
)
朋友
(
はういう
)
と
計
(
はか
)
りて
竊
(
ひそか
)
に
此
(
こゝ
)
に
招
(
まねき
)
おきて
余
(
よ
)
に
興
(
きやう
)
させん
為
(
ため
)
とぞ。
渠
(
かれ
)
は狐にあらずして
岩居
(
がんきよ
)
に
魅
(
ばか
)
されたるなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
、右門、
計
(
はか
)
らず耳に入れたからは、申し上げねばなりませぬ……父上、一大事でござりまするぞ!
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ないものは
拂
(
はら
)
へないからそこは
宗教
(
しうけう
)
の
力
(
ちから
)
で、
何
(
なん
)
とか
便宜
(
べんぎ
)
を
計
(
はか
)
つてはくれまいかと
嘆願
(
たんぐわん
)
して
見
(
み
)
たんですが、
彼奴
(
あいつ
)
はどうして、
規定
(
きてい
)
は
規定
(
きてい
)
だから、
證明書
(
しようめいしよ
)
もなく
金
(
かね
)
もないなら
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
其頃
(
そのころ
)
私
(
わたし
)
は
山田
(
やまだ
)
の
家
(
うち
)
を出て
四番町
(
よんばんちやう
)
の
親戚
(
しんせき
)
に
寄寓
(
きぐう
)
して
居
(
ゐ
)
ましたから、
石橋
(
いしばし
)
と
計
(
はか
)
つて、
同益社
(
どうえきしや
)
の
真向
(
まむかう
)
に
一軒
(
いつけん
)
の
家
(
いへ
)
を
借
(
か
)
りて、
之
(
これ
)
に
我楽多文庫
(
がらくたぶんこ
)
発行所
(
はつかうしよ
)
硯友社
(
けんいうしや
)
なる
看板
(
かんばん
)
を上げたのでした
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
美術家ほど世に行儀
悪
(
あ
)
しきものなければ、
独立
(
ひとりた
)
ちて
交
(
まじわ
)
るには、しばしも油断すべからず。寄らず、
障
(
さわ
)
らぬやうにせばやとおもひて、
計
(
はか
)
らず
見玉
(
みたま
)
ふ如き不思議の
癖者
(
くせもの
)
になりぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
お
品
(
しな
)
は
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
に
小
(
ちひ
)
さくなつて
居
(
ゐ
)
た。
軈
(
やが
)
て
藁
(
わら
)
が
竭
(
つ
)
きると
傭人
(
やとひにん
)
は
各自
(
てんで
)
に
其
(
その
)
繩
(
なは
)
を
足
(
あし
)
から
手
(
て
)
へ
引
(
ひ
)
つ
掛
(
か
)
けて
迅速
(
じんそく
)
に
數
(
かず
)
を
計
(
はか
)
つては
土間
(
どま
)
から
手繰
(
たぐ
)
り
上
(
あ
)
げながら、
繼
(
つな
)
がつた
儘
(
まゝ
)
一
房
(
ばう
)
づ
(
ママ
)
ゝに
括
(
くゝ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
かくて
閨房
(
ねや
)
を
免
(
のが
)
れ出でて、庄司にむかひ、かうかうの恐ろしき事あなり。これいかにして
放
(
さ
)
けなん。よく
計
(
はか
)
り給へと
三二七
いふも、
背
(
うしろ
)
にや聞くらんと、声を
小
(
ささ
)
やかにしてかたる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
春の花見頃
午前
(
ひるまえ
)
の晴天は
午後
(
ひるすぎ
)
の二時三時頃からきまって風にならねば夕方から雨になる。
梅雨
(
つゆ
)
の
中
(
うち
)
は申すに及ばず。
土用
(
どよう
)
に
入
(
い
)
ればいついかなる時
驟雨
(
しゅうう
)
沛然
(
はいぜん
)
として
来
(
きた
)
らぬとも
計
(
はか
)
りがたい。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
寺僮は我心を
計
(
はか
)
り得て、君は遺骸を見に來給ひしならん、今は猶
贄卓
(
にへづくゑ
)
の前に置かれたれど、あすは
龕
(
がん
)
に
藏
(
をさ
)
めらるべしとて、燭を點して我を導き、
鑰匙
(
かぎ
)
取り出でゝ側なる小き戸を開きつ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
(九四)
曠日
(
くわうじつ
)
彌久
(
びきう
)
して
(九五)
周澤
(
しうたく
)
既
(
すで
)
に
渥
(
あつ
)
きを
得
(
え
)
ば、
深
(
ふか
)
く
計
(
はか
)
るも
疑
(
うたが
)
はれず、
交〻
(
こもごも
)
爭
(
あらそ
)
ふも
罪
(
つみ
)
せられず、
廼
(
すなは
)
ち
明
(
あきらか
)
に
利害
(
りがい
)
を
計
(
はか
)
りて
以
(
もつ
)
て
其功
(
そのこう
)
を
致
(
いた
)
し、
直
(
ただ
)
ちに
是非
(
ぜひ
)
を
指
(
さ
)
して
以
(
もつ
)
て
(九六)
其身
(
そのみ
)
を
飾
(
かざ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
打払
(
うちはらい
)
方の儀
厳
(
おごそ
)
かに取
計
(
はか
)
らうに付き、
阿蘭
(
オランダ
)
船も長崎の外へ乗り寄る事有るまじきことにてもこれ無く、船の形似寄り候えば、
兼
(
かね
)
てその旨を相心得、不慮の過これ無きよう心掛け通船致すべき旨
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それからまた
彼女
(
かのぢよ
)
は、
自分自身
(
じぶんじしん
)
のことよりも、
子供
(
こども
)
の
行末
(
ゆくすゑ
)
を
計
(
はか
)
つたのだつたといふ
犧牲的
(
ぎせいてき
)
な(
自
(
みづか
)
ら
思
(
おも
)
ふ)
心
(
こゝろ
)
のために、
自
(
みづか
)
ら
亡夫
(
ばうふ
)
の
立場
(
たちば
)
になつて
自分
(
じぶん
)
の
處置
(
しよち
)
を
許
(
ゆる
)
した。
結極
(
けつきよく
)
男
(
をとこ
)
の
不徳
(
ふとく
)
な
行爲
(
かうゐ
)
が
責
(
せ
)
められた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
と
立
(
た
)
つて
傍
(
かたはら
)
なる
卓上
(
たくじやう
)
に
一面
(
いちめん
)
の
海圖
(
かいづ
)
を
押擴
(
おしひろ
)
げ、
具
(
つぶ
)
さに
緯度
(
ゐど
)
を
計
(
はか
)
りつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「そうだ、こよいのうちにも、先発を出して、亀山の家中の者どもに、はや陣用意を触れさせておこう。左馬介、
計
(
はか
)
ろうておくりゃれ」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古人
(
こじん
)
曰
(
いは
)
く近きを
計
(
はか
)
れば
足
(
たら
)
ざるが如く遠きに渡れば乃ち餘り有りと爲す
我國
(
わがくに
)
聽訟
(
ちやうしよう
)
を云ふ者
大概
(
おほむね
)
青砥藤綱
(
あをとふぢつな
)
大岡忠相
(
おほをかたゞすけ
)
の兩氏が明斷を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
儲けた金は方々の銀行にチョクチョク入れて、頭かくして尻かくさず式の安全第一を
計
(
はか
)
るようなケチな真似はしないよ。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
が、それもこれも
直
(
じき
)
に
彼
(
かれ
)
を
疲労
(
つか
)
らしてしまう。
彼
(
かれ
)
はそこでふと
思
(
おも
)
い
着
(
つ
)
いた、
自分
(
じぶん
)
の
位置
(
いち
)
の
安全
(
あんぜん
)
を
計
(
はか
)
るには、
女主人
(
おんなあるじ
)
の
穴蔵
(
あなぐら
)
に
隠
(
かく
)
れているのが
上策
(
じょうさく
)
と。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
“計”の意味
《名詞》
(ケイ)はかりごと、計画、計略。
(ケイ)合計。
(出典:Wiktionary)
計
常用漢字
小2
部首:⾔
9画
“計”を含む語句
詭計
計画
生計
活計
時計
設計
計策
計算
計畫
計略
謀計
早計
取計
主計頭
大時計
圧力計
計較
懐中時計
設計図
見計
...