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草履
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ざうり
ふりがな文庫
“
草履
(
ざうり
)” の例文
平次の態度の眞劍さに引ずられたやうに、推名近江守は、
草履
(
ざうり
)
を呼んで駕籠を立出でると、平次の指した石垣の上を仰いで居ります。
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わし
)
はその
前刻
(
さつき
)
から
何
(
なん
)
となく
此
(
この
)
婦人
(
をんな
)
に
畏敬
(
ゐけい
)
の
念
(
ねん
)
が
生
(
しやう
)
じて
善
(
ぜん
)
か
悪
(
あく
)
か、
何
(
ど
)
の
道
(
みち
)
命令
(
めいれい
)
されるやうに
心得
(
こゝろえ
)
たから、いはるゝままに
草履
(
ざうり
)
を
穿
(
は
)
いた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おつぎは
默
(
だま
)
つて
草履
(
ざうり
)
を
脱棄
(
ぬぎす
)
てゝ
座敷
(
ざしき
)
へ
駈
(
か
)
けあがつて、
戸棚
(
とだな
)
から
小
(
ちひ
)
さな
古
(
ふる
)
い
新聞紙
(
しんぶんし
)
の
袋
(
ふくろ
)
を
探
(
さが
)
し
出
(
だ
)
して、
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
へ
少
(
すこ
)
し
砂糖
(
さたう
)
をつまみ
出
(
だ
)
して
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一人はステツキを持ち
草履
(
ざうり
)
を
穿
(
は
)
き、一人は
日和下駄
(
ひよりげた
)
を穿いて、藪蔭を通り墓地を拔けて、小松の繁つてゐる後ろの山へ登つた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
偖
(
さて
)
又
(
また
)
憑司は其夜昌次郎を立せやり
草履
(
ざうり
)
に血の付たるを
持
(
もち
)
て傳吉宅へ
忍
(
しの
)
び
込
(
こみ
)
庭
(
には
)
の
飛石
(
とびいし
)
へ血を付置き夫より高田の役所へ
夜通
(
よどほ
)
しに往て
訴
(
うつた
)
へ
捕方
(
とりかた
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
父
(
とう
)
さんはその
新
(
あたら
)
しい
草履
(
ざうり
)
をはいた
足
(
あし
)
で、お
家
(
うち
)
の
臺所
(
だいどころ
)
の
外
(
そと
)
に
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
る
鷄
(
にはとり
)
を
見
(
み
)
に
行
(
ゆ
)
きました。
大
(
おほ
)
きな
玉子
(
たまご
)
をよく
父
(
とう
)
さんに
御馳走
(
ごちさう
)
して
呉
(
く
)
れた
鷄
(
にはとり
)
は
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
杖と
草履
(
ざうり
)
とを、我と手に取て、縁之下屋に置申、
罷出時
(
まかりいづるとき
)
取出し、我とはき申て出入仕候位にて、中々今日之世上不相成候。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
斗滿川
(
とまむがは
)
は
余
(
よ
)
が
家
(
いへ
)
を
去
(
さ
)
る
半町餘
(
はんちやうよ
)
の
處
(
ところ
)
に
在
(
あ
)
り。
朝夕
(
あさゆふ
)
灌水
(
くわんすゐ
)
に
赴
(
おもむ
)
くに、
如何
(
いか
)
なる
嚴寒
(
げんかん
)
大雪
(
おほゆき
)
の
候
(
こう
)
と
雖
(
いへど
)
も、
浴衣
(
ゆかた
)
を
纒
(
まと
)
ひ、
草履
(
ざうり
)
を
穿
(
うが
)
つのみにて、
他
(
た
)
に
何等
(
なんら
)
の
防寒具
(
ばうかんぐ
)
を
用
(
もち
)
ゐず。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
雪
径
(
みち
)
に
階級
(
だん/\
)
ある所にいたれば主人もわらぐつにはきかふる、此げたわらぐつは礼者にかぎらず人々皆しかり。雪
全
(
まつた
)
く
消
(
きゆ
)
る夏のはじめにいたらざれば、
草履
(
ざうり
)
をはく事ならず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
十二月三十日
(
じふにぐわつさんじふにち
)
の
夜
(
よ
)
、
吉
(
きち
)
は
坂上
(
さかうへ
)
の
得意場
(
とくいば
)
へ
誂
(
あつら
)
への
日限
(
にちげん
)
の
遲
(
おく
)
れしを
詫
(
わ
)
びに
行
(
ゆ
)
きて、
歸
(
かへ
)
りは
懷手
(
ふところで
)
の
急
(
いそ
)
ぎ
足
(
あし
)
、
草履
(
ざうり
)
下駄
(
げた
)
の
先
(
さき
)
にかゝるものは
面白
(
おもしろ
)
づくに
蹴
(
け
)
かへして、ころ/\と
轉
(
ころ
)
げる
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
巴里の三越と云つてよい大きなマガザンのルウヴルの三階などに
陳
(
なら
)
べられて居るので、
然
(
さ
)
まで珍しくも無いであらうが、白足袋を
穿
(
は
)
いて
草履
(
ざうり
)
で歩く足附が野蠻に見えるらしい。
巴里にて
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
未
(
ま
)
だ
巴里
(
パリイ
)
のノオトル・ダムを観る暇の無かつた晶子は
之
(
これ
)
に
見恍
(
みと
)
れて居る。周囲の
礼拝
(
らいはい
)
室に静かに
黙祷
(
もくたう
)
に耽つて居る五六人の女が居た。響くものは僕等の靴と
草履
(
ざうり
)
の音
丈
(
だけ
)
である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
お定はすぐ起きて、
寢室
(
ねま
)
にしてゐる四疊半許りの板敷を出た。手探りに
草履
(
ざうり
)
を
突
(
つゝ
)
かけて、表裏の入口を開けると、厩では
乾秣
(
やた
)
を
欲
(
ほ
)
しがる馬の、破目板を
蹴
(
け
)
る音がゴトゴトと鳴る。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
松崎村の
寒戸
(
さむと
)
といふ所の民家にて、若き娘梨の樹の下に
草履
(
ざうり
)
を脱ぎおきたるまま行方を知らずなり、三十年あまり過ぎたりしに、ある日親類知音の人々その家に集まりてありし処へ
遠野物語
(新字旧仮名)
/
柳田国男
(著)
侍は法師の姿を見ると、
草履
(
ざうり
)
の足を
止
(
と
)
めたなり、さりげないやうに声をかけた。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
黙
(
だま
)
つてゐな、
己
(
おら
)
ア
馬鹿
(
ばか
)
が
好
(
すき
)
だ……
其儘
(
そのまゝ
)
却
(
かへ
)
つて
綿服
(
めんぷく
)
で
往
(
ゆ
)
け、
先方
(
むかう
)
へ
往
(
ゆ
)
くと
寄附
(
よりつ
)
きへ
通
(
とほ
)
すか、それとも
広間
(
ひろま
)
へ
通
(
とほ
)
すか知らんが、
鍋島
(
なべしま
)
か
唐物
(
からもの
)
か
何
(
なに
)
か
敷
(
し
)
いて
有
(
あ
)
るだらう、
囲
(
かこ
)
ひへ
通
(
とほ
)
る、
草履
(
ざうり
)
が出て
居
(
ゐ
)
やう
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それでは車を呼んで來ませう。」と
草履
(
ざうり
)
をぱたぱたさせて出て行つた。
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
主人は
格子戸
(
かうしど
)
の中の
叩
(
たたき
)
の上に、今帰つた客の靴を直す為めに、据ゑてある
根府川石
(
ねぶかはいし
)
の上から、
脇
(
わき
)
へいざらせたらしい千代田
草履
(
ざうり
)
のあるのに目を着けて、
背後
(
うしろ
)
に
膝
(
ひざ
)
を
衝
(
つ
)
いてゐる女中をかへり見て問うた。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
戸外
(
そと
)
のどよめきが流れる中を、
草履
(
ざうり
)
の音を高く、加代は走り出す。
空の悪魔(ラヂオ・ドラマ)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「
些
(
ちつ
)
とも
好
(
よ
)
かないわ、
私
(
わたし
)
、
草履
(
ざうり
)
を
穿
(
は
)
いて
来
(
き
)
たんですもの」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
敷石を静かに歩いて
草履
(
ざうり
)
を、片すみにそろへてぬいだ。
嫂
(新字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
そいつが空腹の
草履
(
ざうり
)
をひきずりあるいて
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
夏川をこす
嬉
(
うれ
)
しさよ手に
草履
(
ざうり
)
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
(
急
(
きふ
)
に
低
(
ひく
)
くなりますから
気
(
き
)
をつけて。こりや
貴僧
(
あなた
)
には
足駄
(
あしだ
)
では
無理
(
むり
)
でございましたか
不知
(
しら
)
、
宜
(
よろ
)
しくば
草履
(
ざうり
)
とお
取交
(
とりか
)
へ
申
(
まを
)
しませう。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
口小言を言ひ乍ら、平次も
草履
(
ざうり
)
を突つかけて、路地の外まで出て見ましたが、若い娘の姿は
愚
(
おろ
)
か、その邊には
雌犬
(
めすいぬ
)
一匹居なかつたのです。
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
直
(
すぐ
)
自分
(
じぶん
)
に
近
(
ちか
)
く
手拭
(
てぬぐひ
)
被
(
かぶ
)
つたおつぎの
姿
(
すがた
)
が
徐
(
おもむ
)
ろに
動
(
うご
)
いて
來
(
く
)
るのを
見
(
み
)
た。
其
(
それ
)
と
同時
(
どうじ
)
に
竊
(
ひそか
)
に
落
(
お
)
ち
行
(
ゆ
)
く
草履
(
ざうり
)
の
音
(
おと
)
が
勘次
(
かんじ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
受し者なればお里のお豐は
洗濯
(
せんたく
)
をし又惣内の甚兵衞は
日傭
(
ひよう
)
に
駈歩行
(
かけあるき
)
手紙使
(
てがみづかひ
)
や
土
(
つち
)
こね
草履
(
ざうり
)
取又は
荷物
(
にもつ
)
を
擔
(
かつ
)
ぎ何事に依ず
追取稼
(
おつとりかせぎ
)
を爲し漸々其日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
父
(
とう
)
さんの
子供
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
には
祖母
(
おばあ
)
さんの
織
(
お
)
つて
下
(
くだ
)
さる
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
、
爺
(
ぢい
)
やの
造
(
つく
)
つて
呉
(
く
)
れる
草履
(
ざうり
)
をはいて、それで
學校
(
がくかう
)
へ
通
(
かよ
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
雪
径
(
みち
)
に
階級
(
だん/\
)
ある所にいたれば主人もわらぐつにはきかふる、此げたわらぐつは礼者にかぎらず人々皆しかり。雪
全
(
まつた
)
く
消
(
きゆ
)
る夏のはじめにいたらざれば、
草履
(
ざうり
)
をはく事ならず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
夫
(
そ
)
れだが
正
(
しよう
)
さん
誰
(
だ
)
れが
聞
(
き
)
いても
私
(
わたし
)
が
長吉
(
ちようきち
)
に
草履
(
ざうり
)
を
投
(
な
)
げられたと
言
(
い
)
つてはいけないよ、もし
萬一
(
ひよつと
)
お
母
(
つか
)
さんが
聞
(
き
)
きでもすると
私
(
わたし
)
が
叱
(
し
)
かられるから、
親
(
おや
)
でさへ
頭
(
つむり
)
に
手
(
て
)
はあげぬものを
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
巴里
(
パリイ
)
の三越と云つてよい大きなマガザンのルウヴルの三階などに
陳
(
なら
)
べられて居るので、
然
(
さ
)
まで珍しくも無いであらうが、白
足袋
(
たび
)
を
穿
(
は
)
いて
草履
(
ざうり
)
で歩く
足附
(
あしつき
)
が野蛮に見えるらしい。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
いざ狼の立塞がぬ間にと、
草履
(
ざうり
)
片足で裏門から逃げ出さぬとも限らない。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一人
(
ひとり
)
は
髮
(
かみ
)
の二三
寸
(
ずん
)
伸
(
の
)
びた
頭
(
あたま
)
を
剥
(
む
)
き
出
(
だ
)
して、
足
(
あし
)
には
草履
(
ざうり
)
を
穿
(
は
)
いてゐる。
今
(
いま
)
一人
(
ひとり
)
は
木
(
き
)
の
皮
(
かは
)
で
編
(
あ
)
んだ
帽
(
ばう
)
を
被
(
かぶ
)
つて、
足
(
あし
)
には
木履
(
ぽくり
)
を
穿
(
は
)
いてゐる。どちらも
痩
(
や
)
せて
身
(
み
)
すぼらしい
小男
(
こをとこ
)
で、
豐干
(
ぶかん
)
のやうな
大男
(
おほをとこ
)
ではない。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
舞ごろも五たり
紅
(
あけ
)
の
草履
(
ざうり
)
して河原に出でぬ千鳥のなかに
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
平次はそんなことを言つて、
草履
(
ざうり
)
を突つかけるのです。其處にはもう
杵
(
きね
)
太郎も、お葉も、間が惡かつたのか、姿を隱して顏も見せません。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
綺麗
(
きれい
)
だわ、
綺麗
(
きれい
)
だわ、
綺麗
(
きれい
)
な
蟲
(
むし
)
だわ。」と
魅
(
み
)
せられたやうに
言
(
い
)
ひつゝ、
草履
(
ざうり
)
をつま
立
(
だ
)
つやうにして、
大空
(
おほぞら
)
を
高
(
たか
)
く、
目
(
め
)
を
据
(
す
)
ゑて
仰
(
あふ
)
いだのである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
父
(
とう
)
さんがその
小
(
ちい
)
さな
紫
(
むらさき
)
いろの
花
(
はな
)
の
前
(
まへ
)
で
自分
(
じぶん
)
の
草履
(
ざうり
)
の
紐
(
ひも
)
を
結
(
むす
)
ばうとして
居
(
を
)
りますと、
伯父
(
をぢ
)
さんは
父
(
とう
)
さんの
側
(
そば
)
へ
來
(
き
)
て、
腰
(
こし
)
を
曲
(
こゞ
)
めて
手傳
(
てつだ
)
つて
呉
(
く
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
汝
(
われ
)
何處
(
どこ
)
さ
行
(
え
)
くんだ。こうれ」
勘次
(
かんじ
)
は
引
(
ひ
)
つ
捉
(
つか
)
まうとしたがおつぎは
身
(
み
)
を
捩
(
ねぢ
)
つてさつさと
行
(
ゆ
)
く。
勘次
(
かんじ
)
は
慌
(
あわ
)
てゝ
草履
(
ざうり
)
の
爪先
(
つまさき
)
が
蹶
(
つまづ
)
きつゝおつぎの
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
見留
(
みとめ
)
之幸
(
これさいはひ
)
と傳吉の罪に
落
(
おと
)
さんと
計
(
はか
)
りたるも知るべからず殊に其夜は傳吉も同じ河原を
歸
(
かへ
)
りしを
知
(
しる
)
其者
草履
(
ざうり
)
に血を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
長吉
(
ちようきち
)
づれが
草履
(
ざうり
)
の
泥
(
どろ
)
を
額
(
ひたい
)
にぬられては
踏
(
ふ
)
まれたも
同
(
おな
)
じだからとて、
背
(
そむ
)
ける
顏
(
かほ
)
のいとをしく、
本當
(
ほんと
)
に
堪忍
(
かんにん
)
しておくれ、みんな
己
(
お
)
れが
惡
(
わ
)
るい、だから
謝
(
あやま
)
る、
機嫌
(
きげん
)
を
直
(
なほ
)
して
呉
(
く
)
れないか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
馬のみにあらず、
童
(
わらべ
)
どもゝ雪のはじめより
外遊
(
そとあそび
)
する事ならざりしに、夏のはじめにいたりてやう/\
冬履
(
ふゆげた
)
稿沓
(
わらくつ
)
をすてゝ
草履
(
ざうり
)
せつたになり、
凧
(
いかのぼり
)
などにかけはしるはさもこそとうれしさうなれ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
が、便所の
草履
(
ざうり
)
をはいて細工をしたり、
匕首
(
あひくち
)
を聟の部屋の
花瓶
(
くわびん
)
に入れるやうなことは、品吉でなければ出來ない藝當です。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まあ、お
早
(
はや
)
くいらつしやい、
草履
(
ざうり
)
も
可
(
よ
)
うござんすけれど、
刺
(
とげ
)
がさゝりますと
不可
(
いけ
)
ません、それにじく/\
湿
(
ぬ
)
れて
居
(
ゐ
)
てお
気味
(
きみ
)
が
悪
(
わる
)
うございませうから
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お節は勝手の
草履
(
ざうり
)
を穿いたまゝ其小窓のところへ行つた。
無花果
(
いちじく
)
の枝、
漆
(
うるし
)
の葉、裏長屋の屋根などが
雑然
(
ごちや/\
)
入組んで見える町裏を通して朝らしい光を帯びた
鱗形
(
うろこがた
)
の雲が望まれた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼奴
(
あいつ
)
も
泣
(
な
)
いて
口惜
(
くや
)
しがつた、
己
(
お
)
れは
聞
(
き
)
いてさへ
口惜
(
くや
)
しい、お
前
(
まへ
)
の
顏
(
かほ
)
へ
長吉
(
ちようきち
)
め
草履
(
ざうり
)
を
投
(
な
)
げたと
言
(
い
)
ふでは
無
(
な
)
いか、
彼
(
あ
)
の
野郎
(
やらう
)
亂暴
(
らんぼう
)
にもほどがある、だけれど
美登利
(
みどり
)
さん
堪忍
(
かんにん
)
してお
呉
(
く
)
れよ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
馬のみにあらず、
童
(
わらべ
)
どもゝ雪のはじめより
外遊
(
そとあそび
)
する事ならざりしに、夏のはじめにいたりてやう/\
冬履
(
ふゆげた
)
稿沓
(
わらくつ
)
をすてゝ
草履
(
ざうり
)
せつたになり、
凧
(
いかのぼり
)
などにかけはしるはさもこそとうれしさうなれ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
上
(
うへ
)
からなぞは、と
思
(
おも
)
ひながら、
止
(
よ
)
せばいゝのに、——それでも
草履
(
ざうり
)
は
遠慮
(
ゑんりよ
)
したが、
雪靴
(
ゆきぐつ
)
を
穿
(
は
)
いた
奥山家
(
おくやまが
)
の
旅人
(
たびびと
)
の
気
(
き
)
で、ぐい、と
踏込
(
ふみこ
)
むと、おゝ
冷
(
つめた
)
い。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
成程敷居には外から打ち込んだ
鑿
(
のみ
)
の跡があり、庭には
濕
(
しめ
)
つた土の上に、
明
(
あきら
)
かに
草履
(
ざうり
)
の足跡があるのですから、曲者が外から入つたに疑ひはありません。
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
ど
)
うしてもお
前
(
まへ
)
には
逢
(
あ
)
はないよ、
長々
(
なが/\
)
御世話
(
おせわ
)
さま
此處
(
こゝ
)
からお
禮
(
れい
)
を
申
(
まを
)
します、
人
(
ひと
)
をつけ、もう
誰
(
だれ
)
の
事
(
こと
)
も
當
(
あ
)
てにするものか、
左樣
(
さやう
)
なら、と
言
(
い
)
つて
立
(
たち
)
あがり
沓
(
くつ
)
ぬぎの
草履
(
ざうり
)
下駄
(
げた
)
足
(
あし
)
に
引
(
ひき
)
かくるを
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
男なら盥を
跨
(
また
)
いでやるところだ。不思議でたまらないから
柄杓
(
ひしやく
)
か茶碗を貸してくれといふと、チヨコチヨコと刻み足に駈け出して、
草履
(
ざうり
)
を内輪に脱いだ
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“草履”の意味
《名詞》
わら、藺草などで編まれ、底が平らで鼻緒が挿げられている履物。
(出典:Wiktionary)
“草履”の解説
草履(ぞうり)は、鼻緒を有する日本の伝統的な履物。明治以降に洋靴が普及するまで日本で広く使用された。
古くは藁(わら)を材料に作られた履物で藁草履ともいう。構造的に同じく鼻緒部分(strap)と台の部分(sole)があるが、ゴム製のものはゴム草履(flip-flops)と呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
履
常用漢字
中学
部首:⼫
15画
“草履”で始まる語句
草履取
草履穿
草履袋
草履屋
草履持
草履表
草履下駄
草履片方