トップ
>
經
>
た
ふりがな文庫
“
經
(
た
)” の例文
新字:
経
暫く
經
(
た
)
つてから、當時の高等中學校に居た友人が來て、お前の書く文章は教科書中にあるエメルソンの文に似て居るぞと云つたので
神秘的半獣主義
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
其
(
それ
)
から
煩
(
わづら
)
ひついて、
何時
(
いつ
)
まで
經
(
た
)
つても
治
(
なほ
)
らなかつたから、
何
(
なに
)
もいはないで
其
(
そ
)
の
内
(
うち
)
をさがつた。
直
(
たゞ
)
ちに
忘
(
わす
)
れるやうに
快復
(
くわいふく
)
したのである。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、
彼
(
かれ
)
は
年月
(
としつき
)
の
經
(
た
)
つと
共
(
とも
)
に、
此事業
(
このじげふ
)
の
單調
(
たんてう
)
なのと、
明瞭
(
あきらか
)
に
益
(
えき
)
の
無
(
な
)
いのとを
認
(
みと
)
めるに
從
(
したが
)
つて、
段々
(
だん/\
)
と
厭
(
あ
)
きて
來
(
き
)
た。
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
ふたのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
時間の
經
(
た
)
つのが非常に遲かつた。書齋の
扉
(
ドア
)
が開くまでに十五分は
經
(
た
)
つた。イングラム孃はアアチをぬけて私共のゐる處へ歸つて來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
私が勢のいゝ返事をすると、おふさは子供のやうな笑顏をして
下
(
お
)
りて行つたが、それから大分
經
(
た
)
つても容易に
門口
(
かどぐち
)
の
鈴
(
りん
)
の音がせぬ。
金魚
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
同時に「
自我
(
じが
)
」といふものが少しづゝ
侵略
(
しんりやく
)
されて
行
(
ゆ
)
くやうに思はれた。これは最初の
間
(
あひだ
)
で、
少時
(
しばらく
)
經
(
た
)
つとまた
別
(
べつ
)
に他の煩悶が起つた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
清
(
きよ
)
は
夫
(
それ
)
からすぐ
起
(
お
)
きた。三十
分
(
ぷん
)
程
(
ほど
)
經
(
た
)
つて
御米
(
およね
)
も
起
(
お
)
きた。
又
(
また
)
三十
分
(
ぷん
)
程
(
ほど
)
經
(
た
)
つて
宗助
(
そうすけ
)
も
遂
(
つひ
)
に
起
(
お
)
きた。
平常
(
いつも
)
は
好
(
い
)
い
時分
(
じぶん
)
に
御米
(
およね
)
が
遣
(
や
)
つて
來
(
き
)
て
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
這麽
(
こんな
)
氣がし出してから、早いもので、二三日
經
(
た
)
つと、モウ私は何を見ても何を聞いても、直ぐフフンと鼻先であしらふ樣な氣持になつた。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
只
(
たゞ
)
お
品
(
しな
)
にのみ
焦
(
こが
)
れて
居
(
ゐ
)
たのであるが、
段々
(
だん/\
)
日數
(
ひかず
)
が
經
(
た
)
つて
不自由
(
ふじいう
)
を
感
(
かん
)
ずると
共
(
とも
)
に
耳
(
みゝ
)
を
聳
(
そばだ
)
てゝさういふ
噺
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
くやうに
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、
暫
(
しばら
)
くすると
中根
(
なかね
)
の
話
(
はなし
)
にも
倦
(
あ
)
きが
來
(
き
)
た。そして、三十
分
(
ぷん
)
も
經
(
た
)
たない
内
(
うち
)
にまた
兵士達
(
へいしたち
)
の
歩調
(
ほてう
)
は
亂
(
みだ
)
れて
來
(
き
)
た。ゐ
眠
(
ねむ
)
りが
始
(
はじ
)
まつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
所がその後一月ばかり
經
(
た
)
つて、愈々地獄變の屏風が出來上りますと良秀は早速それを御邸へ持つて出て、恭しく大殿樣の御覽に供へました。
地獄変
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其壁
(
そのかべ
)
を
越
(
こ
)
して、
桑樹
(
くはのき
)
の
老木
(
らうぼく
)
が
繁
(
しげ
)
り、
壁
(
かべ
)
の
折
(
を
)
り
曲
(
まが
)
つた
角
(
かど
)
には
幾百年
(
いくひやくねん
)
經
(
た
)
つか、
鬱
(
うつ
)
として
日影
(
ひかげ
)
を
遮
(
さへぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
樫樹
(
かしのき
)
が
盤居
(
わだかま
)
つて
居
(
ゐ
)
ます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
鹹水
(
かんすい
)
貝塚は
元來
(
ぐわんらい
)
海邊
(
かいへん
)
に在るべきものなれど年月の
經
(
た
)
つに從ひ
土地隆起
(
とちりうき
)
の爲、海水退きて其位置
比較的
(
ひかくてき
)
内地に移る事有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
今少し
經
(
た
)
てば、
己
(
おれ
)
の中の人間の心は、獸としての習慣の中にすつかり
埋
(
うも
)
れて消えて了ふだらう。恰度、古い宮殿の礎が次第に土砂に埋沒するやうに。
山月記
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
三年
經
(
た
)
ち、五年と暮れる中には、太鼓樓から雨が漏つて、ギラ/\光る白い紙で貼つた天井には墨繪の山水か、化物の影法師のやうな
汚點
(
しみ
)
が
染
(
にじ
)
み出す。
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
彼女
(
かれ
)
は初めはどうしても誰の子であると言はなかつたさうだが、幾月も
經
(
た
)
つてからとうとう打明けて了つたといふ。
古い村
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
少し
經
(
た
)
つて、母親が、あまり遠くへ行かないようにと思つて出て行つて見ると、もう姿が見えなかつたのである。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
船底に張りつくやうになつて居た女を救ひ上げたときは、宜い加減時が
經
(
た
)
つたので、可哀想にお小夜は綺麗な人形のやうになつて、死んでゐたといふのです
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
つぎに
名高
(
なだか
)
い
歌
(
うた
)
の
書物
(
しよもつ
)
は、
萬葉集
(
まんにようしゆう
)
が
書物
(
しよもつ
)
になつて
後
(
のち
)
、
百年
(
ひやくねん
)
以上
(
いじよう
)
經
(
た
)
つてから
出
(
で
)
た、
古今集
(
こきんしゆう
)
といふ
歌集
(
かしゆう
)
であります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
百人前
(
ひやくにんまへ
)
の
仕事
(
しごと
)
をしたからとつて
褒美
(
はうび
)
の
一
(
ひと
)
つも
出
(
で
)
やうでは
無
(
な
)
し、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
一寸法師
(
いつすんぼし
)
の
言
(
い
)
はれつゞけで、それだからと
言
(
い
)
つて
一生
(
いつしやう
)
經
(
た
)
つても
此
(
この
)
身長
(
せい
)
が
延
(
の
)
びやうかい
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一
年
(
ねん
)
經
(
た
)
ち二
年
(
ねん
)
經
(
た
)
つ
中
(
うち
)
には
日本
(
にほん
)
の
經濟界
(
けいざいかい
)
の
基礎
(
きそ
)
は
安固
(
あんこ
)
のものになると
云
(
い
)
ふことを
確信
(
かくしん
)
して
疑
(
うたが
)
はぬのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
『
時間
(
じかん
)
さへ
經
(
た
)
てば
可
(
い
)
いわ!』
愛
(
あい
)
ちやんは
何時
(
いつ
)
も
自分
(
じぶん
)
に
良
(
い
)
い
忠告
(
ちゆうこく
)
をし、(それに
從
(
したが
)
ふことは
滅多
(
めつた
)
にないが)
時
(
とき
)
には
涙
(
なみだ
)
の
出
(
で
)
る
程
(
ほど
)
我
(
わ
)
れと
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
を
責
(
せ
)
めることもありました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
樂
(
たのし
)
んで
後
(
あと
)
に
殘
(
のこ
)
つた。さうして
新生涯
(
しんしやうがい
)
を
夢
(
ゆめ
)
みながら
彼
(
かれ
)
からのたよりを
待
(
ま
)
ち
暮
(
くら
)
した。一
日
(
にち
)
、一
日
(
にち
)
と
經
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
く。けれどもその
後
(
のち
)
彼
(
かれ
)
からは
何
(
なん
)
の
端書
(
はがき
)
一
本
(
ぽん
)
の
音信
(
おとづれ
)
もなかつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
カピ叔 いや、もそっと
經
(
た
)
つ、もそっと。
彼
(
あ
)
れの
倅
(
せがれ
)
がもそっと
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
ってをる。もう三十ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
田の水に茅萱うつりゐしづかなりこのすがしさの眞晝
經
(
た
)
ちたる
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
墓原
(
はかはら
)
へ
出
(
で
)
たのは十二
時過
(
じすぎ
)
、それから、あゝして、あゝして、と
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
た
間
(
あひだ
)
のことを
心
(
こゝろ
)
に
繰返
(
くりかへ
)
して、
大分
(
だいぶん
)
の
時間
(
じかん
)
が
經
(
た
)
つたから。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
三年ばかり
經
(
た
)
ツた。叔父の家では、六丁目の或る寺内の下宿屋をそツくり其のまヽ讓受けて馴れぬ客商賣を始めることになツた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
其
(
その
)
頸
(
くび
)
から
上
(
うへ
)
が、
嚴肅
(
げんしゆく
)
と
緊張
(
きんちやう
)
の
極度
(
きよくど
)
に
安
(
やす
)
んじて、
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
經
(
た
)
つても
變
(
かは
)
る
恐
(
おそれ
)
を
有
(
いう
)
せざる
如
(
ごと
)
くに
人
(
ひと
)
を
魅
(
み
)
した。さうして
頭
(
あたま
)
には一
本
(
ぽん
)
の
毛
(
け
)
もなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何故
(
なぜ
)
こんなに苦しめられねばならないか? その後何年
經
(
た
)
つたか、わざと云はない——今になつて、私は、その
譯
(
わけ
)
が、はつきり判つて來た。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
(註、狐森一番戸は乃ち盛岡監獄署なり。)此時年齡が既に六十餘の老體であつたので、半年許り
經
(
た
)
つて遂々獄裡で病死した。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
先
(
さき
)
やつてくろえ」
卯平
(
うへい
)
はさういつて
暫
(
しばら
)
く
經
(
た
)
つてから
蒲團
(
ふとん
)
を
出
(
で
)
て
井戸端
(
ゐどばた
)
へ
行
(
い
)
つた。
卯平
(
うへい
)
は
幾年目
(
いくねんめ
)
かで
冷
(
つめ
)
たい
水
(
みづ
)
で
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
屹度
(
きつと
)
返却
(
かへ
)
します、
屹度
(
きつと
)
。』などと
誓
(
ちか
)
ひながら、
又
(
また
)
帽
(
ばう
)
を
取
(
と
)
るなり
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つた。が、
大約
(
おほよそ
)
二
時間
(
じかん
)
を
經
(
た
)
つてから
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
何分
(
なんぷん
)
か
經
(
た
)
つた。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
の
兵士
(
へいし
)
が
私
(
わたし
)
の
體
(
からだ
)
に
左
(
ひだり
)
から
倒
(
たふ
)
れかかつた。
私
(
わたし
)
ははつとして
眼
(
め
)
を
開
(
ひら
)
いた。その
瞬間
(
しゆんかん
)
私
(
わたし
)
の
左
(
ひだり
)
の
頬
(
ほほ
)
は
何
(
なに
)
かに
厭
(
い
)
やと
云
(
い
)
ふ
程
(
ほど
)
突
(
つ
)
き
上
(
あ
)
げられた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
柳屋の中は、すつかり鎭まつた樣子ですが、娘は何に脅えたか、八五郎から誘つても、容易に
唇
(
くち
)
を開かうとはせず、その間に、不安な時が
經
(
た
)
つて行きます。
銭形平次捕物控:294 井戸端の逢引
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雲飛は
所謂
(
いはゆ
)
る
掌中
(
しやうちゆう
)
の
珠
(
たま
)
を
奪
(
うば
)
はれ殆ど
死
(
し
)
なうとまでした、
諸所
(
しよ/\
)
に人を
出
(
だ
)
して
搜
(
さが
)
さしたが
踪跡
(
ゆきがた
)
が
全
(
まる
)
で
知
(
しれ
)
ない、其中二三年
經
(
た
)
ち或日
途中
(
とちゆう
)
でふと
盆石
(
ぼんせき
)
を賣て居る者に
出遇
(
であつ
)
た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
アグレイアの四度目の誕生日が過ぎて、一週間ばかり
經
(
た
)
つた或る日のこと、彼女が突然見えなくなつた。彼女は家の前の道傍で、草花を
摘
(
つ
)
んでゐたのだが、それから分らない。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
井戸
(
ゐど
)
が
深
(
ふか
)
かつたのか、それとも
自分
(
じぶん
)
の
落
(
お
)
ちるのが
極
(
きは
)
めて
徐
(
のろ
)
かつた
所爲
(
せゐ
)
か、
落
(
お
)
ち
切
(
き
)
つてから
身
(
み
)
の
周
(
まは
)
りを
見廻
(
みまは
)
し、
此先
(
このさき
)
何
(
ど
)
うなるだらうかと
疑
(
うたが
)
ひ
出
(
だ
)
した
迄
(
まで
)
には
隨分
(
ずゐぶん
)
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
經
(
た
)
ちました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
暫
(
しばら
)
く
經
(
た
)
つて
後
(
のち
)
よく/\
見
(
み
)
ると、それはほんとに、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れたのでなかつたといふことを、
説明
(
せつめい
)
でいつてゐるのでなく、
氣持
(
きも
)
ちから
讀
(
よ
)
む
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
に
觸
(
ふ
)
れて
行
(
い
)
つてゐるのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
子供
(
こども
)
の
癖
(
くせ
)
にませた
樣
(
やう
)
でをかしい、お
前
(
まへ
)
は
餘
(
よ
)
つぽど
剽輕
(
ひやうきん
)
ものだね、とて
美登利
(
みどり
)
は
正太
(
しようた
)
の
頬
(
ほう
)
をつゝいて、
其眞面目
(
そのまじめ
)
がほはと
笑
(
わら
)
ひこけるに、
己
(
おい
)
らだつても
最少
(
もすこ
)
し
經
(
た
)
てば
大人
(
おとな
)
になるのだ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
が、お鳥も段々薄氣味が惡くなつたと見え、日の
經
(
た
)
つに從つて、義雄の話を忘れるどころかありありと思ひ出すやうになつたかして、つひにはまた引ツ越しをしようと云ひ出した。
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
三十分程も
經
(
た
)
つたらうか。突然、冷たい感觸が私を目醒めさせる。風が出たのか? 起上つて窓から外を見ると、近くのパンの木の葉といふ葉が殘らず白い裏を見せて翻つてゐる。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
濱口内閣
(
はまぐちないかく
)
の
出來
(
でき
)
た
前
(
まへ
)
の六
月
(
ぐわつ
)
三十
日
(
にち
)
の
日本内地
(
にほんないち
)
の
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
は二
億
(
おく
)
八千
萬圓
(
まんゑん
)
餘
(
よ
)
であつたが、七
月
(
ぐわつ
)
二
日
(
か
)
に
濱口内閣
(
はまぐちないかく
)
が
組織
(
そしき
)
されてから
以來
(
いらい
)
段々
(
だん/\
)
時
(
とき
)
の
經
(
た
)
つに
從
(
したが
)
つて
輸入超過
(
ゆにふてうくわ
)
の
大勢
(
たいせい
)
は
改善
(
かいぜん
)
されて
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
足下
(
こなた
)
が
予程
(
わしほど
)
に
齡
(
とし
)
が
若
(
わか
)
うて、あのヂュリエットが
戀人
(
こひびと
)
で、
婚禮
(
こんれい
)
の
式
(
しき
)
を
擧
(
あ
)
げて
只
(
たんだ
)
一
時
(
とき
)
も
經
(
た
)
たぬうちにチッバルトをば
殺
(
ころ
)
して、
予
(
わし
)
のやうに
戀
(
こ
)
ひ
焦
(
こが
)
れ、
予
(
わし
)
のやうにあさましう
追放
(
つゐはう
)
された
上
(
うへ
)
でなら
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
晝餉
(
ひるげ
)
過ぎいくら
經
(
た
)
たぬを
木群
(
こむら
)
には早やしろじろとかかる夕霧
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
二三日
(
にさんにち
)
經
(
た
)
つて、
弴
(
とん
)
さんに
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
をした。
丁
(
ちやう
)
ど
其日
(
そのひ
)
、
同
(
おな
)
じ
白樺
(
しらかば
)
の
社中
(
しやちう
)
で、
御存
(
ごぞん
)
じの
名歌集
(
めいかしふ
)
『
紅玉
(
こうぎよく
)
』の
著者
(
ちよしや
)
木下利玄
(
きのしたりげん
)
さんが
連立
(
つれだ
)
つて
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
四五分間
經
(
た
)
つて彼は寧ろ變てこな調子で
訊
(
き
)
いた——「實は忘れてしまつたんだが、あなたがあなたの部屋の
扉
(
ドア
)
を開けたときには何かゐたの?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
僅
(
わづか
)
な
餅
(
もち
)
はさういふことで
幾
(
いく
)
らも
減
(
へ
)
らないのに
時間
(
じかん
)
が
經
(
た
)
つて、
寒冷
(
かんれい
)
な
空氣
(
くうき
)
の
爲
(
ため
)
に
陸稻
(
をかぼ
)
の
特色
(
とくしよく
)
を
現
(
あらは
)
して
切口
(
きりくち
)
から
忽
(
たちま
)
ちに
罅割
(
ひゞわ
)
れになつて
堅
(
かた
)
く
乾燥
(
かんそう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夫
(
それ
)
から
又
(
また
)
一
年
(
ねん
)
ばかり
經
(
た
)
つたら、
叔父
(
をぢ
)
の
子
(
こ
)
の
安之助
(
やすのすけ
)
が
大學
(
だいがく
)
を
卒業
(
そつげふ
)
して、
小六
(
ころく
)
が
高等學校
(
かうとうがくかう
)
の二
年生
(
ねんせい
)
になつた。
叔母
(
をば
)
は
安之助
(
やすのすけ
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
中
(
なか
)
六番町
(
なかろくばんちやう
)
に
引
(
ひ
)
き
移
(
うつ
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一年程
經
(
た
)
つてから、白井樣の番頭を勤めてゐた人の息子で、薄野呂なところからノロ勘と
綽名
(
あだな
)
された、十六の勘之助といふのが、源助さんに弟子入をした。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「私も、何時まで
經
(
た
)
つても浮ぶ瀬のない貧乏暮しに、すつかりイヤ氣がさして居ました。夏になつても冬になつても、着物一枚買ふことの出來ないやうな——」
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
經
部首:⽷
13画
“經”を含む語句
經緯
經驗
經過
讀經
御經
看經
經歴
經文
聖經
法華經
佛説阿彌陀經
經營者
經机
經度
稱讃淨土經
經濟
經帷子
神經
神經質
經師屋
...