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空
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そら
ふりがな文庫
“
空
(
そら
)” の例文
青
(
あお
)
い、
美
(
うつく
)
しい
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に、
黒
(
くろ
)
い
煙
(
けむり
)
の
上
(
あ
)
がる、
煙突
(
えんとつ
)
の
幾本
(
いくほん
)
か
立
(
た
)
った
工場
(
こうじょう
)
がありました。その
工場
(
こうじょう
)
の
中
(
なか
)
では、
飴
(
あめ
)
チョコを
製造
(
せいぞう
)
していました。
飴チョコの天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『朝日新聞』にて『
空
(
そら
)
だき』をお書きなすってから、作風も筆つきも
殊更
(
ことさら
)
に調ってきて、『空だき』の続稿の出るのがまたれました。
大塚楠緒子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
勿論、
兇器
(
きょうき
)
は離さない。
上
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
の足が
躍
(
おど
)
つて、ともすれば局の袴に
躓
(
つまず
)
かうとする
状
(
さま
)
は、
燃立
(
もえた
)
つ
躑躅
(
つつじ
)
の花の
裡
(
うち
)
に、
鼬
(
いたち
)
が狂ふやうである。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
美
(
うつく
)
しい
空
(
そら
)
に
奪
(
うば
)
はれてゐた
眼
(
め
)
を、ふと一
本
(
ぽん
)
の
小松
(
こまつ
)
の
上
(
うへ
)
に
落
(
お
)
すと、
私
(
わたし
)
は
不思議
(
ふしぎ
)
なものでも
見付
(
みつ
)
けたやうに、
暫
(
しばら
)
くそれに
目
(
め
)
を
凝
(
こ
)
らした。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
空
(
そら
)
を
焦
(
こが
)
す
狼火
(
のろし
)
……そして
最後
(
さいご
)
に
武運
(
ぶうん
)
いよいよ
尽
(
つ
)
きてのあの
落城
(
らくじょう
)
……四百
年後
(
ねんご
)
の
今日
(
こんにち
)
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
してみる
丈
(
だけ
)
でも
気
(
き
)
が
滅入
(
めい
)
るように
感
(
かん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
たとへば鳩の、願ひに
誘
(
さそ
)
はれ、そのつよき翼をたかめ、おのが
意
(
こゝろ
)
に身を負はせて
空
(
そら
)
をわたり、たのしき巣にむかふが如く 八二—八四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
子家鴨
(
こあひる
)
はみんなが
連
(
つ
)
れだって、
空
(
そら
)
高
(
たか
)
くだんだんと
昇
(
のぼ
)
って
行
(
い
)
くのを
一心
(
いっしん
)
に
見
(
み
)
ているうち、
奇妙
(
きみょう
)
な
心持
(
こころもち
)
で
胸
(
むね
)
がいっぱいになってきました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ところがまるで、追つかけるやうに、藤原の宮は固より、目ぬきの家並みが、不時の出火で、痕形もなく、
空
(
そら
)
の
有
(
もの
)
となつてしまつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
雜木林
(
ざふきばやし
)
の
間
(
あひだ
)
には
又
(
また
)
芒
(
すゝき
)
の
硬直
(
かうちよく
)
な
葉
(
は
)
が
空
(
そら
)
を
刺
(
さ
)
さうとして
立
(
た
)
つ。
其
(
その
)
麥
(
むぎ
)
や
芒
(
すゝき
)
の
下
(
した
)
に
居
(
きよ
)
を
求
(
もと
)
める
雲雀
(
ひばり
)
が
時々
(
とき/″\
)
空
(
そら
)
を
占
(
し
)
めて
春
(
はる
)
が
深
(
ふ
)
けたと
喚
(
よ
)
びかける。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『いや/\、
私
(
わたくし
)
は
却
(
かへつ
)
て、
天外
(
てんぐわい
)
※里
(
ばんり
)
の
此樣
(
こん
)
な
島
(
しま
)
から、
何時
(
いつ
)
までも、
君等
(
きみら
)
に
故郷
(
こきよう
)
の
空
(
そら
)
を
望
(
のぞ
)
ませる
事
(
こと
)
を
情
(
なさけ
)
なく
感
(
かん
)
ずるのです。』と
嘆息
(
たんそく
)
しつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
三日目の
日盛
(
ひざかり
)
に、彼は書斎の
中
(
なか
)
から、ぎら/\する
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
を
見詰
(
みつ
)
めて、
上
(
うへ
)
から
吐
(
は
)
き
下
(
おろ
)
す
焔
(
ほのほ
)
の
息
(
いき
)
を
嗅
(
か
)
いだ時に、非常に恐ろしくなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
静かにさす午後の日に白く
光
(
ひか
)
って
小虫
(
こむし
)
が飛ぶ。
蜘糸
(
くものい
)
の断片が日光の道を見せて
閃
(
ひら
)
めく。甲州の山は
小春
(
こはる
)
の
空
(
そら
)
にうっとりと
霞
(
かす
)
んで居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そこで女はいら立たしいながらも、本堂一ぱいにつめかけた大勢の
善男善女
(
ぜんなんぜんにょ
)
に
交
(
まじ
)
って、
日錚和尚
(
にっそうおしょう
)
の説教に
上
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
の耳を貸していました。
捨児
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そのうちずんずん
空
(
そら
)
は
明
(
あか
)
るくなってきて、
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
が
薄赤
(
うすあか
)
く
染
(
そ
)
まってくると、どこかの
村
(
むら
)
で
鶏
(
にわとり
)
の
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
てる
声
(
こえ
)
がいさましく
聞
(
き
)
こえました。
安達が原
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
空
(
そら
)
にある
月
(
つき
)
が
満
(
み
)
ちたり
欠
(
か
)
けたりする
度
(
たび
)
に、それと
呼吸
(
こきゅう
)
を
合
(
あ
)
わせるような、
奇蹟
(
きせき
)
でない
奇蹟
(
きせき
)
は、まだ
袖子
(
そでこ
)
にはよく
呑
(
の
)
みこめなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あなたが少しもお立ち留りなさらずに、わたくしを引き
摩
(
ず
)
って、
空
(
そら
)
を
翔
(
か
)
けるような生活の
真中
(
まんなか
)
へ駈込んでおしまいなさったのですもの。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
その
雪途
(
ゆきみち
)
もやゝ半にいたりし時
猛風
(
まうふう
)
俄
(
にはか
)
におこり、
黒雲
(
こくうん
)
空
(
そら
)
に
布満
(
しきみち
)
て
闇夜
(
あんや
)
のごとく、いづくともなく火の玉飛来り
棺
(
くわん
)
の上に
覆
(
おほひ
)
かゝりし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その前に、じっと
俯向
(
うつむ
)
いて聞いていた新九郎は、今に至っても、
空
(
そら
)
んじているほど、その時の母の言葉が脳裡に深く彫り込まれた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はまるで心も
空
(
そら
)
の様子であった。一つ所に一分と立っていることもできなければ、一つのものに注意を集中することもできなかった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
のききょうの
花
(
はな
)
びらはもういつかしぼんだように
力
(
ちから
)
なくなり、
朝
(
あさ
)
の
白光
(
しろびか
)
りがあらわれはじめました。
星
(
ほし
)
が一つずつきえてゆきます。
いちょうの実
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
からは
灰
(
はひ
)
にあとも
止
(
とゞ
)
めず
煙
(
けぶ
)
りは
空
(
そら
)
に
棚引
(
たなび
)
き
消
(
き
)
ゆるを、うれしや
我
(
わが
)
執着
(
しふちやく
)
も
遺
(
のこ
)
らざりけるよと
打眺
(
うちなが
)
むれば、
月
(
つき
)
やもりくる
軒
(
のき
)
ばに
風
(
かぜ
)
のおと
清
(
きよ
)
し。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
稜を鋭く何箇所か
空
(
そら
)
に目がけて切り立つて、孔雀石と翡翠の明暗を隈つた半島が此方の
海岸
(
かいがん
)
に詰め寄せるかのやうに
鮮
(
あざや
)
かに浮出してゐる。
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
「
空
(
そら
)
っとぼけるな。この野郎……」と、半七は叱り付けた。「貴様は今夜この為吉を
殺
(
ば
)
らすつもりでここへ連れ出したのだろう」
半七捕物帳:60 青山の仇討
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あのごつごつした岩の上へ、己は花を咲かせて見る事も出来る。あの
空
(
そら
)
に漂っている白い雲を己は追い
除
(
の
)
けてしまう事も出来る。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
四年
前
(
ぜん
)
に彼は一度山下で狼に
出遇
(
であ
)
った。狼は附かず離れず跟いて来て彼の肉を
食
(
くら
)
おうと思った。彼はその時全く生きている
空
(
そら
)
は無かった。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
谷山は大角柱の側によると、まるで見世物の口上でも述べる調子で、
空
(
そら
)
うそぶきながら、角柱の向側で、カチカチと音をさせた。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
こうなってはいかな左膳でも、
空
(
そら
)
を
翔
(
か
)
け、地にもぐる術のない以上、一本腕のつづくかぎり、斬って斬って斬りまくらねばならない……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「まア、
空
(
そら
)
とぼけるなんて
卑怯
(
ひけふ
)
だわ。そ、そんな
贅澤
(
ぜいたく
)
な
壁掛
(
かべかけ
)
なんかを
氣
(
き
)
まぐれにお
買
(
か
)
ひになる
餘裕
(
よゆう
)
があるんならつて
言
(
い
)
ふのよ」
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
水のひろがりは
空
(
そら
)
の霊を顕わし示す。それは上から絶えず新しいいのちと運動とを受けとっている。それは大地と空との中間的性質をもつ。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
角
(
かど
)
のパレエの
大時鐘
(
おほどけい
)
、七時を打つた——
都
(
みやこ
)
の上に、
金無垢
(
きんむく
)
の
湖水
(
こすゐ
)
と見える西の
空
(
そら
)
、雲
重
(
かさな
)
つてどことなく、
雷
(
らい
)
のけしきの東の空。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
お日さまは、
空
(
そら
)
たかくのぼって、あかるく かがやいていました。
朝風
(
あさかぜ
)
は、きりかぶの上を あたたかく ふいていました。
うさぎと はりねずみ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
其翌五日
(
そのよくいつか
)
、
奮然
(
ふんぜん
)
として
余
(
よ
)
は
唯
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
で
行
(
ゆ
)
つた。
寒
(
さむい
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
き、
空
(
そら
)
の
曇
(
くも
)
つた、
厭
(
いや
)
な
日
(
ひ
)
であつたが、
一人
(
ひとり
)
で一
生懸命
(
しやうけんめい
)
に
掘
(
ほ
)
つたけれど、
何
(
なに
)
も
出
(
で
)
て
來
(
こ
)
ぬ。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
懷
(
なつ
)
かしさうに
言
(
い
)
つて、
築山
(
つきやま
)
の
彼方
(
かなた
)
に、
少
(
すこ
)
しばかり
現
(
あら
)
はれてゐる
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
を
眺
(
なが
)
めた。
紀
(
こつな
)
も
身體
(
からだ
)
がぞく/\するほど
東
(
あづま
)
の
空
(
そら
)
を
慕
(
した
)
はしく
思
(
おも
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
そんな
話
(
はなし
)
の
最中
(
さいちう
)
にサァーツと
音
(
おと
)
をたてゝ
漆
(
うるし
)
のやうに
暗
(
くら
)
い
空
(
そら
)
の
方
(
はう
)
から、
直逆
(
まつさか
)
さまにこれはまた一
羽
(
は
)
の
鴉
(
からす
)
がパチパチ
燃
(
も
)
えてる
篝火
(
かがりび
)
の
中
(
なか
)
に
墜
(
を
)
ちてきた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
「何か使走りの男が、手紙のやうなものを持つて來たやうですが、それを見ると急にソワソワして、私の言葉も
上
(
うは
)
の
空
(
そら
)
に飛出してしまひました」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そう思ってゆくてをみると、白い道が夕もやの中へきえて、その
先
(
さき
)
の
空
(
そら
)
には二つ三つ、
黄
(
きい
)
ろい星が光りだしているばかり。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
死んだとばかし思っていた、まわりのマレー人や安南人が、狂人のようにはね起き、
空
(
そら
)
を仰いで飽くほど雨を飲んでいる。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
空
(
そら
)
というより、
空
(
くう
)
をみつめていたと言った方がよろしいかもしれぬ。空には何も見えないのであったが、眼もまた何も見ていないごとくであった。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
せっかく自分が好意ずくで話しかけるのを、
上
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
で聞き流して、眼中にも、脳裏にも、置いていないようにも取れる。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
鶏
(
にはとり
)
は
神様
(
かみさま
)
に
夜明
(
よあけ
)
を
知
(
し
)
らせる
事
(
こと
)
を
仰付
(
おほせつ
)
かつたのが
嬉
(
うれ
)
しさに、
最初
(
さいしよ
)
の
夜
(
よる
)
、まだお
月様
(
つきさま
)
がゆつくりと
空
(
そら
)
を
遊
(
あそ
)
びまはつてゐるのに、
時
(
とき
)
を
作
(
つく
)
つて
啼
(
な
)
きました。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
青年
(
わかもの
)
の目と
少女
(
おとめ
)
の目と
空
(
そら
)
に合いし時、少女はさとその
面
(
かお
)
を赤らめ、しばしはためらいしが急に立ちあがりかの大皿のみを
左手
(
ゆんで
)
に持ちて道にのぼり
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
波が高まると妹の姿が見えなくなったその時の事を思うと、今でも私の胸は
動悸
(
どうき
)
がして、
空
(
そら
)
恐ろしい気持ちになります。
溺れかけた兄妹
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
嘉代吉は若い男を振りかえって「
兄
(
あね
)
ぇ
空
(
そら
)
(上)へ行けやい」と
腮
(
あご
)
で指図しながら、杖をコツンと石について考えている。
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
思ひの外なる
御驚
(
おんおどろき
)
きに定めて
浮
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
とも
思
(
おぼ
)
されんが、此願ひこそは時頼が此座の
出來心
(
できごゝろ
)
にては
露
(
つゆ
)
候
(
さふら
)
はず、斯かる曉にはと
豫
(
かね
)
てより
思決
(
おもひさだ
)
めし事に候。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
見て吉兵衞は杢右衞門に向ひ
兵庫
(
ひやうご
)
の
沖
(
おき
)
を今日
出帆
(
しゆつぱん
)
せんは如何といふ杢右衞門は
最早
(
もはや
)
三が日の
規式
(
ぎしき
)
も
相濟
(
あひすみ
)
殊に
長閑
(
のどか
)
なる
空
(
そら
)
なれば
御道理
(
ごもつとも
)
なりとて
水差
(
みづさし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
仇無
(
あどな
)
き
娧
(
いと
)
しらしき、美き娘の
柔
(
やはらか
)
き手を携へて、人無き野道の
長閑
(
のどか
)
なるを
語
(
かたら
)
ひつつ行かば、
如何
(
いか
)
ばかり楽からんよと、彼ははや心も
空
(
そら
)
になりて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
伯母さんの考へによれば即ち私が極楽にゐた時の名まへであるところの
一喚即応童子
(
いつくわんそくおうどうじ
)
といふのを
空
(
そら
)
に覚えさせた。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
先刻
(
さつき
)
まで
蒼
(
あを
)
かつた
空
(
そら
)
も、
何時
(
いつ
)
とはなし一
面
(
めん
)
に
薄曇
(
うすぐも
)
つて、
其処
(
そこ
)
らが
急
(
きふ
)
に
息苦
(
いきぐる
)
しく、
頭脳
(
あたま
)
は一
層
(
さう
)
圧
(
おし
)
つけられるやうになる。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
此の母親のツベコベ云うのを
上
(
うわ
)
の
空
(
そら
)
で聞き流して、さも面白そうに新聞を読んで見せるのが、私には愉快で堪らない。
The Affair of Two Watches
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と
吉彦
(
よしひこ
)
さんがいった。
四郎五郎
(
しろごろう
)
さんの
家
(
いえ
)
の
正男
(
まさお
)
さんは、
海
(
うみ
)
の
荒鷲
(
あらわし
)
の
一人
(
ひとり
)
で、いま
南
(
みなみ
)
の
空
(
そら
)
に
活躍
(
かつやく
)
していらっしゃるのだ。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
“空”の解説
空(そら、霄、en: sky)とは、地上から見上げたときに頭上に広がる空間のこと。天。
(出典:Wikipedia)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
“空”を含む語句
空腹
空洞
空虚
空想
空手
虚空
空間
蒼空
空嘯
空々
青空
空中
碧空
大空
空地
中空
空気
空車
空隙
空室
...